Arm、IoTデータの洪水に備え、エコシステムを強化する「AI Edge」へのアプローチを公開
[19/10/10]
提供元:PRTIMES
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インフラストラクチャ・エッジでのAI推進を目指す「Project Cassini」イニシアティブを発表
2019年10 月9 日、米国カリフォルニア州サンノゼ「Arm TechCon」発 –– 英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は本日、Armテクノロジーに関する最大規模の年次カンファレンスである「Arm TechCon 2019」において、インフラストラクチャ・エッジでのAI推進を目指すイニシアティブ「Project Cassini」イニシアティブ、Platform Security Architectureのインフラストラクチャ・エッジへの拡大、および次世代のArm Neoverseコア「Zeus」でのbfloat16サポートを発表しました。
コンピューティング技術の第5の波(*1)と呼ばれる人工知能(AI)、5G、モノのインターネット(IoT)のコンバージェンスは引き続き驚くべき変化を巻き起こし、データの新たな利用モデルの原動力となっています。まだ初期の段階にあるIoTだけに目を向けても、小型センサーのグローバルネットワークが拡大し、インテリジェントな動画センサーから自律動作する機械まで、より高性能のエンドポイントが対象となったことで、すでに次のステージへと進化しつつあります。
*1) https://www.arm.com/blogs/blueprint/the-fifth-wave-of-computing-ai-5g-iot
IoTの成長によりグローバルなデジタルトランスフォーメーションが進む中、データの洪水は上流のクラウドへと押し寄せており、これまで長らくダウンロード需要に最適化されていたネットワーク・インフラストラクチャでは亀裂の原因となっています。これによりグローバルなインターネット・インフラストラクチャ全体に、より大規模な演算リソースを分配する必要に迫られ、Arm Neoverseコンピュート・ソリューションへの需要が高まっています。Armのエコシステムはこうした課題に確実に対応(*2)しており、Neoverseの可能性に関する当初のビジョンから現在の成果にいたるまで、ここ1年で急速な進歩を遂げています(*3)。
*2) https://community.arm.com/developer/tools-software/tools/b/tools-software-ides-blog/posts/arm-neoverse-the-software-platform-from-ai-edge-to-cloud-infrastructure
*3) http://www.arm.com/blogs/blueprint/arm-neoverse-then-and-now
AIがクラウドの枠を飛び出し、「Zeus」が到来
未来に目を向けると、Armの取り組みは、AIが中央集約型のコンピューティングをより必要としない、次世代型のインフラストラクチャ基盤を構築することに重点を置いています。
今日、大規模なデータセットや専用演算の集約化に伴い、機械学習(ML)モデルのトレーニングなど、AIによる力仕事の大半はクラウド環境で行われています。しかし、意思決定に近い場所での推論処理を必要とするアプリケーションが増えてくると、クラウドに集約したAIモデルでは困難が発生します。モデルの比較のためにデータが数千マイルもの距離を移動しなければならない状況では、多くのレイテンシーが発生するため、結果が返ってきた時点で意思決定が引き続き有効な保証はありません。時間こそが最も重要であるため、インテリジェントな処理をクラウドからエッジへと移行させることは理にかなっているといえます。
クラウドとインフラストラクチャ向けのArm NeoverseプラットフォームやAIアクセラレーション技術から、あらゆるエンドポイントのニーズに応えるArmのAI対応CPU、NPU、GPUまで、幅広いソリューションを市場で展開するArmとそのエコシステム・パートナーが、AIをインターネットのあらゆる層で実現させる上で重要な役割を担っていることは言うまでもありません。しかし、Armでは常に、さらにその先を追求しています。その成果のひとつとして、Armは最近、次世代のArmv8-Aアーキテクチャにbfloat16データフォーマットを追加することを発表(*4)しました。この重要な機能拡張により、ArmベースのCPUにおけるトレーニングと推論の処理性能を大幅に向上できます。その迅速な実現を目指し、来年提供予定のNeoverse「Zeus」プラットフォームにbfloat16サポートを追加します。
*4) https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/ml-ip-blog/posts/bfloat16-processing-for-neural-networks-on-armv8_2d00_a
エッジ側での演算リソースを拡大
意思決定のニーズがエッジ側へと向かう中、AIは2つの役割を担うようになります。データに含まれる情報に基づいてタイムリーな意思決定を行うことに加えて、極めて大量のデータを適切な場所に送るために、AIはトラフィック管理からパケット検査までのすべてを支援する必要があります。これはトレーニングと推論の両方の課題であり、従来のコンピューティングシステムでは対応し続けることができません。インターネットのエッジにおける役割は、従来のネットワークブリッジから、急速にインテリジェントなコンピューティングプラットフォームへと変貌しつつあります。最終的には私たちが「AI Edge」と呼ぶ世界が出現し、演算チップのTAM(市場規模)は2025年までに300億ドルが見込まれます。
AI演算をエッジ側で実行することには、多くのメリットが存在します。具体的には、クラウドへのバックホールが大幅に削減され、レイテンシーは低減し、信頼性、効率性、セキュリティが高まります。グローバルに展開する膨大なデバイスから迅速に洞察が得られ、リアルタイムでのモデルの進化が求められる環境において、これは「あれば便利」程度の機能ではありません。
AI Edgeの実現を目指す「Project Cassini」
AI Edgeを活用したアプリケーションの展開を成功させるための鍵となるのは、電力や性能に対する広範な要件に応える多様なソリューションが提供されることです。1社のベンダーのソリューションが、すべてのニーズに応えられることはありません。AI Edgeは、AI集約型であるだけでなく、クラウドネイティブである必要があり、VMもしくはコンテナによる仮想化や、マルチテナントのサポートも必須です。さらに、最も重要な要素として、セキュアであるということが挙げられます。
インフラストラクチャ・エッジを形成する現行のソリューションは、これらの新しい需要に対応すべく急速な転換を遂げている、極めて多様なエコシステムを通じて提供されています。AI Edgeへの移行を支援するため、Armはこのたび、多様かつセキュアなエッジエコシステム全体にわたって、クラウドネイティブなエクスペリエンスの実現を目指す業界イニシアティブ「Project Cassini」(*5)を発表します。
*5) https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/processors-ip-blog/posts/taming-of-the-edge
Project Cassiniでは、エコシステム・パートナーとともに、インフラストラクチャ・エッジを対象としたプラットフォームの標準とリファレンスシステムの開発にクラウドネイティブなソフトウェアスタックを用いて取り組みます。これらは、このたびインフラストラクチャ・エッジ向けに拡張されたPlatform Security Architecture (PSA)標準フレームワークに対応します。Project Cassiniの中で特に注力する分野は、Armとそのエコシステム・パートナーが現在行っている、セキュリティへの取り組みです。Armは2年前、IoTデバイスのセキュリティ開発に伴うコスト、時間、リスクを軽減するために、要件の共通セットに合わせたセキュリティ機能の設計を可能とするPSAを発表しました。そして本日より、Project Cassiniの取り組みの一環として、PSAをインフラストラクチャ・エッジまで拡大(*6)し、すべての基本的なセキュリティニーズの標準化を図っていきます。
*6) https://community.arm.com/developer/ip-products/security/b/security-ip-blog/posts/security-for-the-infrastructure-edge
拡大し続ける課題に対応
2035年に到来が予測される1兆個のIoT機器がつながる世界には、インフラストラクチャとアーキテクチャに関する、かつてない規模の課題が存在します。これに対応するために、Armのテクノロジーは進化を続ける必要があります。エッジコンピューティングでは、インフラストラクチャ・スタックのあらゆるポイントでインテリジェントな意思決定を実現するため、Armは今後も、ハードウェア、ソフトウェア、ツールの開発に大規模な投資を行います。このほか、プロセッサ・レベルをはじめ、クラウドからエッジ、エンドポイント機器までのネットワーク全体に、ヘテロジニアス・コンピューティングを推進していきます。
Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとコネクティビティの革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,500億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。
全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。(C) 1995-2019 Arm Group.
2019年10 月9 日、米国カリフォルニア州サンノゼ「Arm TechCon」発 –– 英Arm(本社:英国ケンブリッジ、日本法人:神奈川県横浜市、以下Arm)は本日、Armテクノロジーに関する最大規模の年次カンファレンスである「Arm TechCon 2019」において、インフラストラクチャ・エッジでのAI推進を目指すイニシアティブ「Project Cassini」イニシアティブ、Platform Security Architectureのインフラストラクチャ・エッジへの拡大、および次世代のArm Neoverseコア「Zeus」でのbfloat16サポートを発表しました。
コンピューティング技術の第5の波(*1)と呼ばれる人工知能(AI)、5G、モノのインターネット(IoT)のコンバージェンスは引き続き驚くべき変化を巻き起こし、データの新たな利用モデルの原動力となっています。まだ初期の段階にあるIoTだけに目を向けても、小型センサーのグローバルネットワークが拡大し、インテリジェントな動画センサーから自律動作する機械まで、より高性能のエンドポイントが対象となったことで、すでに次のステージへと進化しつつあります。
*1) https://www.arm.com/blogs/blueprint/the-fifth-wave-of-computing-ai-5g-iot
IoTの成長によりグローバルなデジタルトランスフォーメーションが進む中、データの洪水は上流のクラウドへと押し寄せており、これまで長らくダウンロード需要に最適化されていたネットワーク・インフラストラクチャでは亀裂の原因となっています。これによりグローバルなインターネット・インフラストラクチャ全体に、より大規模な演算リソースを分配する必要に迫られ、Arm Neoverseコンピュート・ソリューションへの需要が高まっています。Armのエコシステムはこうした課題に確実に対応(*2)しており、Neoverseの可能性に関する当初のビジョンから現在の成果にいたるまで、ここ1年で急速な進歩を遂げています(*3)。
*2) https://community.arm.com/developer/tools-software/tools/b/tools-software-ides-blog/posts/arm-neoverse-the-software-platform-from-ai-edge-to-cloud-infrastructure
*3) http://www.arm.com/blogs/blueprint/arm-neoverse-then-and-now
AIがクラウドの枠を飛び出し、「Zeus」が到来
未来に目を向けると、Armの取り組みは、AIが中央集約型のコンピューティングをより必要としない、次世代型のインフラストラクチャ基盤を構築することに重点を置いています。
今日、大規模なデータセットや専用演算の集約化に伴い、機械学習(ML)モデルのトレーニングなど、AIによる力仕事の大半はクラウド環境で行われています。しかし、意思決定に近い場所での推論処理を必要とするアプリケーションが増えてくると、クラウドに集約したAIモデルでは困難が発生します。モデルの比較のためにデータが数千マイルもの距離を移動しなければならない状況では、多くのレイテンシーが発生するため、結果が返ってきた時点で意思決定が引き続き有効な保証はありません。時間こそが最も重要であるため、インテリジェントな処理をクラウドからエッジへと移行させることは理にかなっているといえます。
クラウドとインフラストラクチャ向けのArm NeoverseプラットフォームやAIアクセラレーション技術から、あらゆるエンドポイントのニーズに応えるArmのAI対応CPU、NPU、GPUまで、幅広いソリューションを市場で展開するArmとそのエコシステム・パートナーが、AIをインターネットのあらゆる層で実現させる上で重要な役割を担っていることは言うまでもありません。しかし、Armでは常に、さらにその先を追求しています。その成果のひとつとして、Armは最近、次世代のArmv8-Aアーキテクチャにbfloat16データフォーマットを追加することを発表(*4)しました。この重要な機能拡張により、ArmベースのCPUにおけるトレーニングと推論の処理性能を大幅に向上できます。その迅速な実現を目指し、来年提供予定のNeoverse「Zeus」プラットフォームにbfloat16サポートを追加します。
*4) https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/ml-ip-blog/posts/bfloat16-processing-for-neural-networks-on-armv8_2d00_a
エッジ側での演算リソースを拡大
意思決定のニーズがエッジ側へと向かう中、AIは2つの役割を担うようになります。データに含まれる情報に基づいてタイムリーな意思決定を行うことに加えて、極めて大量のデータを適切な場所に送るために、AIはトラフィック管理からパケット検査までのすべてを支援する必要があります。これはトレーニングと推論の両方の課題であり、従来のコンピューティングシステムでは対応し続けることができません。インターネットのエッジにおける役割は、従来のネットワークブリッジから、急速にインテリジェントなコンピューティングプラットフォームへと変貌しつつあります。最終的には私たちが「AI Edge」と呼ぶ世界が出現し、演算チップのTAM(市場規模)は2025年までに300億ドルが見込まれます。
AI演算をエッジ側で実行することには、多くのメリットが存在します。具体的には、クラウドへのバックホールが大幅に削減され、レイテンシーは低減し、信頼性、効率性、セキュリティが高まります。グローバルに展開する膨大なデバイスから迅速に洞察が得られ、リアルタイムでのモデルの進化が求められる環境において、これは「あれば便利」程度の機能ではありません。
AI Edgeの実現を目指す「Project Cassini」
AI Edgeを活用したアプリケーションの展開を成功させるための鍵となるのは、電力や性能に対する広範な要件に応える多様なソリューションが提供されることです。1社のベンダーのソリューションが、すべてのニーズに応えられることはありません。AI Edgeは、AI集約型であるだけでなく、クラウドネイティブである必要があり、VMもしくはコンテナによる仮想化や、マルチテナントのサポートも必須です。さらに、最も重要な要素として、セキュアであるということが挙げられます。
インフラストラクチャ・エッジを形成する現行のソリューションは、これらの新しい需要に対応すべく急速な転換を遂げている、極めて多様なエコシステムを通じて提供されています。AI Edgeへの移行を支援するため、Armはこのたび、多様かつセキュアなエッジエコシステム全体にわたって、クラウドネイティブなエクスペリエンスの実現を目指す業界イニシアティブ「Project Cassini」(*5)を発表します。
*5) https://community.arm.com/developer/ip-products/processors/b/processors-ip-blog/posts/taming-of-the-edge
Project Cassiniでは、エコシステム・パートナーとともに、インフラストラクチャ・エッジを対象としたプラットフォームの標準とリファレンスシステムの開発にクラウドネイティブなソフトウェアスタックを用いて取り組みます。これらは、このたびインフラストラクチャ・エッジ向けに拡張されたPlatform Security Architecture (PSA)標準フレームワークに対応します。Project Cassiniの中で特に注力する分野は、Armとそのエコシステム・パートナーが現在行っている、セキュリティへの取り組みです。Armは2年前、IoTデバイスのセキュリティ開発に伴うコスト、時間、リスクを軽減するために、要件の共通セットに合わせたセキュリティ機能の設計を可能とするPSAを発表しました。そして本日より、Project Cassiniの取り組みの一環として、PSAをインフラストラクチャ・エッジまで拡大(*6)し、すべての基本的なセキュリティニーズの標準化を図っていきます。
*6) https://community.arm.com/developer/ip-products/security/b/security-ip-blog/posts/security-for-the-infrastructure-edge
拡大し続ける課題に対応
2035年に到来が予測される1兆個のIoT機器がつながる世界には、インフラストラクチャとアーキテクチャに関する、かつてない規模の課題が存在します。これに対応するために、Armのテクノロジーは進化を続ける必要があります。エッジコンピューティングでは、インフラストラクチャ・スタックのあらゆるポイントでインテリジェントな意思決定を実現するため、Armは今後も、ハードウェア、ソフトウェア、ツールの開発に大規模な投資を行います。このほか、プロセッサ・レベルをはじめ、クラウドからエッジ、エンドポイント機器までのネットワーク全体に、ヘテロジニアス・コンピューティングを推進していきます。
Armについて
Armのテクノロジーは、コンピューティングとコネクティビティの革命の中心として、人々の暮らしや企業経営のあり方に変革を及ぼしています。そのエネルギー効率に優れた高度なプロセッサ設計は、1,500億個以上のチップを通してインテリジェントなコンピューティングを実現してきました。Armのテクノロジーは各種センサーからスマートフォン、スーパーコンピュータまで、さまざまな製品をセキュアにサポートしており、世界人口の70%以上に使用されています。さらに、このテクノロジーにIoTソフトウェアやデバイス管理プラットフォームを組み合わせ、顧客がコネクテッドデバイスからビジネス価値を生み出すことを可能にしています。Armは現在1,000社以上のテクノロジーパートナーとともに、チップからクラウドまで、演算が行われるあらゆる分野における設計、セキュリティ、管理を支える技術の最先端を担っています。
全ての情報は現状のまま提供されており、内容について表明および保証を行うものではありません。本資料は、内容を改変せず、出典を明記した上で自由に共有いただけます。ArmはArm Limited(またはその子会社)の登録商標です。その他のブランドあるいは製品名は全て、それぞれのホールダーの所有物です。(C) 1995-2019 Arm Group.