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株式会社アダコテックへの出資を決定

東大IPCは協創1号ファンドから、人工知能を用いた検査・検品・監視・管理効率化を製造業・社会インフラ向けに提供する株式会社アダコテックに対して2億円の出資を決定しました。

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社は、東京大学と産総研の関連ベンチャーで、「高次局所自己相関(HLAC)特徴抽出法」を用いた画像解析技術を軸に、従来よりも効率的な異常検知を可能とするソフトウェアを提供する株式会社アダコテックに対して、2億円の出資を決定しました。今回の出資は、リアルテックホールディングス、Spiral Capital、東京大学エッジキャピタルパートナーズ、DNX Venturesとの共同出資となります。




[画像: https://prtimes.jp/i/25017/80/resize/d25017-80-f7f27946c89bfa9c19ec-0.png ]

東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(本社:東京都文京区本郷、代表取締役社長 大泉克彦、以下「東大IPC」)が運営する協創プラットフォーム開発1号投資事業有限責任組合(以下「協創1号ファンド」)は、人工知能を用いた検査・検品・監視・管理効率化を製造業・社会インフラ向けに提供する株式会社アダコテック(本社:東京都千代田区、代表取締役:河邑亮太、以下「アダコテック社」)に対して2億円の出資を行うことを決定しました。

今回のアダコテック社への投資は、リアルテックホールディングス株式会社(所在地:東京都墨田区、代表 永田暁彦、丸幸弘)が運営するリアルテックファンド、Spiral Capital (本社:東京都港区、代表 奥野友和)、株式会社東京大学エッジキャピタルパートナーズ(本社:東京都文京区、代表取締役社長 郷治友孝)、DNX Ventures(本社:東京都港区、日本代表 倉林陽)との共同出資となります。


「高次局所自己相関(HLAC)特徴抽出法」(※1)を用いた画像解析によりモノづくりの検査・検品の自動化を促進

アダコテック社は、「モノづくりの進化と革新を支える」というミッションを掲げ、国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)が開発した「HLAC特徴抽出法」(※1)を用いた画像解析技術を軸に、従来よりも効率的な異常検知を可能とするソフトウェアを提供しているディープテックカンパニーです。検査・検品シーンの課題解決によって製造業の生産性向上の一翼を担い、日本のみならず世界のものづくりに革新をもたらすべく尽力しています。

製造業の人材不足や技術継承が課題となっている昨今、工場内の製品検査自動化へのニーズは高まっています。一方で従来のディープラーニングでは、データ収集のための膨大の時間がかかるなど技術的に不十分なケースが多く、未だ人手に頼ることが多いのが現状です。

同社では、16年の研究開発を経て、少量の正常データをもとに高精度の画像解析を実現することにより、従来よりも効率的な異常検知を可能とする世界的に唯一無二のソフトウェア開発を実現しました。大手自動車会社をはじめこれまでに累計145社に提供し、昨年度は海外への展開も開始しています。

特許技術の発明者であり、現在技術顧問を務める3名は東京大学出身で、源発明者で最高技術顧問である大津展之先生は、過去産総研で要職を歴任するとともに東京大学大学院情報理工学系研究科教授を併任していました。同社の技術力を活かし、長期的には、検査データを起点に工場内の様々なデータと連携を行い、予知保全・品質改善などの付加価値提供を目指します。

東大IPCは、製造業のDX化という日本が抱える社会課題に対して、アカデミアでの研究を活かした同社の技術力でもって、製造業の生産性向上の一翼を担い、日本の産業の底上げを目指すというミッション、更に日本だけでなくグローバルへの展開を推進する経営陣に期待し今度の出資に至りました。日本発のディープテックカンパニーとして、製造業の検品分野における技術的なグローバルスタンダードを確立し、業界全体のDXを推進していくべく、支援を展開して参ります。


<株式会社アダコテック 代表取締役 河邑 亮太 コメント>

この度、ご出資を頂けたこと、大変光栄に思っております。
アダコテックはこれまで16年間研究開発を続けて参りましたが、ようやく製造業のお客様のお役に立てる革新的なプロダクトを提供するに至りました。今後はさらなる事業拡大を図るべく、このたびの資金調達は開発およびグローバルも含めた人材採用に充当し、組織基盤の強化に取り組みます。対象業界のさらなる拡大とグローバル進出を図ると同時に、新規事業の立ち上げも行う予定です。
東大IPC様をはじめとする新たな株主のご支援を頂きながら、日本発のディープテックカンパニーとして、製造業のDXを推進し、「モノづくりの進化と革新を支える。」というミッションを実現して参ります。


<東大IPC マネージャー 古川圭祐 コメント>

工場内のDX化は多くの製造業が抱える社会課題である一方、特に検品は人が行っているのが実態であり最も解決が望まれる分野です。同社の特許技術を発明した技術顧問の方々をはじめとするアカデミアとの連携を深めながら、技術力を活かしたサービス開発に期待しております。
また同社技術の汎用性はもとより、代表の河邑さんをはじめとする事業開発メンバーも素晴らしく、製造業の生産性向上の一翼を担い、日本のみならず世界のものづくりに革新をもたらすべくご一緒できることを嬉しく思っております。


東京大学周辺の持続可能なイノベーション・エコシステムの発展を目指す、協創1号ファンド

協創1号ファンドは、東京大学関連ベンチャーの育成促進と、東京大学を取り巻くベンチャーキャピタルの質・量の充実、を中心に据えて運用を行なうことで、東京大学の周辺に持続可能なイノベーション・エコシステムを構築し、世界のベンチャー創出拠点の一つとなることに寄与することを目的としています。具体的な運用として、今までに6つのベンチャーキャピタルへのLP出資(ファンド オブ ファンズ)と、20社以上の東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行い、現在も積極的に東京大学関連ベンチャーへの直接投資を行っています。

事業化までに長い時間と比較的大きな資金が必要となるバイオテック・ディープテックベンチャーに対しては、長期ファンドを運用する東大IPCとして継続的な支援提供、その成功に向けた伴走を今後も行なってまいります。

東大IPCは、イノベーション・エコシステムの発展のため、ベンチャーキャピタルとの連携とともに、東京大学関連ベンチャーへの直接投資による育成促進を更に進めていきます。


(※1)HLAC特徴抽出法:画像の解析や認識等に用いられる認識精度に優れた汎用かつ高速な特徴抽出法。検査対象の形状や大きさを計算する際、複雑な処理を行うDeep Learning技術とは対照的に、画素値(各画素の色の濃淡や明るさを表す値)を積和演算するのみで算出可能なので、市販PCで瞬時に計算できる。また、位置不変性(認識対象の位置が変わっていても同じものだと認識できること)及び、加法性(対象が2つある場合にそれぞれの特徴の和が全体の特徴となること)という特性から、画像のなかで同じものを表す領域の境界線を見つける必要がないことや(セグメンテーションフリー)、画像に複数の異常が発生した場合も個別に特徴を認識することができるといった、画像認識にとって好ましい性質を備えた特徴抽出法である。


株式会社アダコテックについて
概要 製造業に向けた異常検知のAIソフトウェアを提供
設立 2012年3月
所在地 東京都千代田区神田小川町3-28-5 axle御茶ノ水302
代表者 代表取締役 河邑 亮太
URL https://adacotech.co.jp/


東京大学協創プラットフォーム開発株式会社(東大IPC)について
概要 東京大学周辺のイノベーション・エコシステムの発展を目指す投資事業会社
設立 2016年1月
株主 国立大学法人東京大学(100%)
所在地 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学南研究棟アントレプレナーラボ261
代表者 代表取締役社長 大泉克彦
URL https://www.utokyo-ipc.co.jp/
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