発売1週間の新刊新書『ブラック霞が関』が国会質疑で登場! 河野大臣が「公務員の働き方改革」を求められる
[20/11/28]
提供元:PRTIMES
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朝7時、仕事開始。27時20分、退庁。「このままでは国民のために働けない」――元厚労省キャリア、渾身の書が霞が関、永田町界隈で話題に。
11月26日に開催された参議院内閣委員会で質問に立った矢田わか子議員(国民民主党)が、手に取ったのが、前週に発売されたばかりの『ブラック霞が関』(新潮新書)。著者は千正康裕氏。昨年まで厚労省キャリアだった人物である。
タイトルの通り、霞が関官僚たちの過酷な現状を赤裸々に綴った同書は、発売直後から官僚や元官僚、政治家等を中心に反響を呼んでいた。ネット書店のレビューには、官僚や元官僚とおぼしき人から「実態はこの通り」「よく書いてくれた」といった評が並ぶ。
質疑では矢田議員は「公務員の働き方改革」を議論するにあたって、『ブラック霞が関』を手に取り、河野大臣に質問を投げかけるところから始めた。
[画像1: https://prtimes.jp/i/47877/94/resize/d47877-94-876227-0.jpg ]
「大臣、この本、ご存じでしょうか」
矢田議員は、河野大臣にそう問いかける。
座って頷く河野大臣に矢田議員はこう続けた。
「私も読ませていただいて涙なしには読めない本だと感じました。『石を投げれば長期休職者にあたる』『残業代は最低賃金を下回る』『約4割が過労死ライン』『形ばかりの女性活躍』……。
官僚の皆さんがやりがい、働き甲斐をもってやっていただくための仕組みを河野大臣にはぜひお願いしたい」
さらに、そのためには国会及び国会議員自身が変えなければいけない点もある、と矢田議員は指摘。これは長年、官僚に大きな負担となっている、国会議員の質問通告が「前日の17時」でいいのか、ということだ。
その時間に「通告」された質問への答弁を官僚は翌日までに準備しなければならない。しかもこの「17時」すら守られていないのが現実だ。
『ブラック霞が関』にはこうある。内閣人事局の調査によれば、質問通告がすべて出そろった時刻の平均は、前日の20時19分。そこから官僚は答弁を用意しなければならない。
[画像2: https://prtimes.jp/i/47877/94/resize/d47877-94-695448-2.jpg ]
「事前通告が前日の夕方から夜にかけてなされる限り、深夜から明け方までの対応が必要になり、官僚の睡眠時間は削られ続ける。中には、役所が気づいていない鋭い質問によって政策が動くこともあるが、単なる揚げ足取りのような質問もあるし、そもそも『待機児童対策について』とか『新型コロナウイルス感染症について』など、項目しか通告してこない国会議員もいる。
そういう項目だけの通告の場合、あわせて『問い合わせ不可』という指示を役所にしてくることが多い。具体的に何を議論したいのか、質問者の議員に確認することもできない。
そうなると様々な質問を想定して大量の想定問答を徹夜で作成することになる。何が精神的にきついかというと、こういう作業のせいで本来やらなければいけない政策を考える仕事が進まなくなることだ。
夕方から朝まで寝ずに国会答弁を作成した後、日中は本番でどんな質問が出ても対応できるように官僚は国会に同席する。夕方、役所に戻ってくると、フラフラだ。しかし、元々やらなければいけない仕事は何一つ進んでいない。そういう日々を続けると、自分の時間を国民のために使えている実感がなくなり、どんどん疲弊してくる」(同書より)。
矢田議員の呼びかけに対して、河野大臣も公務員の働き方改革を進めることに前向きな姿勢を示した。
著書の中で、千正氏は、官僚が本当に国民のための政策の検討や執行に費やせる環境作りをすべきだ、と強く訴えている。決して官僚にラクをさせろということではない。体や家庭を壊すような環境を放置していては、結局損をするのは国民ではないか、ということだ。
「27時20分退庁」が恒常化しているような環境、すなわち「ブラック霞が関」状態を放置して良いはずがないのである。
【著者紹介】
[画像3: https://prtimes.jp/i/47877/94/resize/d47877-94-408029-1.jpg ]
千正 康裕(せんしょう・やすひろ)
1975(昭和50)年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。2001年厚生労働省入省。社会保障・労働分野で八本の法律改正に携わり、インド大使館勤務や秘書官も経験。2019年9月退官。株式会社千正組を設立し、コンサルティングを行うほか、政府会議委員も務める。
【タイトル】『ブラック霞が関』
【発売日】11月18日
【造本】新書
【本体定価】780円(税別)
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/610885/
11月26日に開催された参議院内閣委員会で質問に立った矢田わか子議員(国民民主党)が、手に取ったのが、前週に発売されたばかりの『ブラック霞が関』(新潮新書)。著者は千正康裕氏。昨年まで厚労省キャリアだった人物である。
タイトルの通り、霞が関官僚たちの過酷な現状を赤裸々に綴った同書は、発売直後から官僚や元官僚、政治家等を中心に反響を呼んでいた。ネット書店のレビューには、官僚や元官僚とおぼしき人から「実態はこの通り」「よく書いてくれた」といった評が並ぶ。
質疑では矢田議員は「公務員の働き方改革」を議論するにあたって、『ブラック霞が関』を手に取り、河野大臣に質問を投げかけるところから始めた。
[画像1: https://prtimes.jp/i/47877/94/resize/d47877-94-876227-0.jpg ]
「大臣、この本、ご存じでしょうか」
矢田議員は、河野大臣にそう問いかける。
座って頷く河野大臣に矢田議員はこう続けた。
「私も読ませていただいて涙なしには読めない本だと感じました。『石を投げれば長期休職者にあたる』『残業代は最低賃金を下回る』『約4割が過労死ライン』『形ばかりの女性活躍』……。
官僚の皆さんがやりがい、働き甲斐をもってやっていただくための仕組みを河野大臣にはぜひお願いしたい」
さらに、そのためには国会及び国会議員自身が変えなければいけない点もある、と矢田議員は指摘。これは長年、官僚に大きな負担となっている、国会議員の質問通告が「前日の17時」でいいのか、ということだ。
その時間に「通告」された質問への答弁を官僚は翌日までに準備しなければならない。しかもこの「17時」すら守られていないのが現実だ。
『ブラック霞が関』にはこうある。内閣人事局の調査によれば、質問通告がすべて出そろった時刻の平均は、前日の20時19分。そこから官僚は答弁を用意しなければならない。
[画像2: https://prtimes.jp/i/47877/94/resize/d47877-94-695448-2.jpg ]
「事前通告が前日の夕方から夜にかけてなされる限り、深夜から明け方までの対応が必要になり、官僚の睡眠時間は削られ続ける。中には、役所が気づいていない鋭い質問によって政策が動くこともあるが、単なる揚げ足取りのような質問もあるし、そもそも『待機児童対策について』とか『新型コロナウイルス感染症について』など、項目しか通告してこない国会議員もいる。
そういう項目だけの通告の場合、あわせて『問い合わせ不可』という指示を役所にしてくることが多い。具体的に何を議論したいのか、質問者の議員に確認することもできない。
そうなると様々な質問を想定して大量の想定問答を徹夜で作成することになる。何が精神的にきついかというと、こういう作業のせいで本来やらなければいけない政策を考える仕事が進まなくなることだ。
夕方から朝まで寝ずに国会答弁を作成した後、日中は本番でどんな質問が出ても対応できるように官僚は国会に同席する。夕方、役所に戻ってくると、フラフラだ。しかし、元々やらなければいけない仕事は何一つ進んでいない。そういう日々を続けると、自分の時間を国民のために使えている実感がなくなり、どんどん疲弊してくる」(同書より)。
矢田議員の呼びかけに対して、河野大臣も公務員の働き方改革を進めることに前向きな姿勢を示した。
著書の中で、千正氏は、官僚が本当に国民のための政策の検討や執行に費やせる環境作りをすべきだ、と強く訴えている。決して官僚にラクをさせろということではない。体や家庭を壊すような環境を放置していては、結局損をするのは国民ではないか、ということだ。
「27時20分退庁」が恒常化しているような環境、すなわち「ブラック霞が関」状態を放置して良いはずがないのである。
【著者紹介】
[画像3: https://prtimes.jp/i/47877/94/resize/d47877-94-408029-1.jpg ]
千正 康裕(せんしょう・やすひろ)
1975(昭和50)年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。2001年厚生労働省入省。社会保障・労働分野で八本の法律改正に携わり、インド大使館勤務や秘書官も経験。2019年9月退官。株式会社千正組を設立し、コンサルティングを行うほか、政府会議委員も務める。
【タイトル】『ブラック霞が関』
【発売日】11月18日
【造本】新書
【本体定価】780円(税別)
【URL】https://www.shinchosha.co.jp/book/610885/