ボッシュはあらゆる事業セクターで売上高の成長を示し、新事業年度を始動
[14/05/07]
提供元:PRTIMES
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2014年 年次報告記者会見 / ボッシュは技術面と産業面での幅広いノウハウを駆使しコネクテッド ワールドを構築
- 2013年の利益率は6%(特別な影響を除く)
- 今年の最初の3カ月で売上高は約7%増加
- 2014年の成長率は3〜5%の見込み
- センサー テクノロジー、ゲートウェイ テクノロジーにおけるマーケット リーダー
- 新しいインターネット ベースの市場セグメントを開拓
- 2016年までにドライバー アシスタンス システムで10億ユーロの売上高を達成
- 2020年までにアジア・太平洋および北中南米地域で売上高を倍増
*注意:会計方針の変更のため、今回公表する2013年のデータと昨年発表した2012年デー タは、限定的な範囲での比較になります。比例連結を適用しないという決定で関連してくる会社は、主として家電・住宅機器のBosch Siemens Hausgeraete GmbH(BSH)とZF Lenksysteme GmbHです(連結売上高:約73億ユーロ)。
シュトゥットガルト - ボッシュ グループは順調な売上増とともに、新しい年のスタートを切ることになりました。第1四半期に売上高は約7%増加し、為替レートの影響を調整した場合には、 その伸びは約10%となりました。ボッシュは今事業年度の売上高について、3〜5%の成長を見込んでいます。ボッシュ取締役会会長のフォルクマル・デナー はボッシュの年次報告記者会見でこう述べました。「当社は従来の事業への取り組みを継続しつつ、新分野の事業を開拓したいと考えており、当社の広範な技術 的・産業的ノウハウも活用していく所存です」。ボッシュの自動車機器テクノロジー セクターは前年の力強い業績を引き継ぎ、2014年第1四半期も目覚しい成長を遂げました。ボッシュで最高財務責任者を務めるシュテファン・アーセンケル シュバウマーも次のように話しています。「他の事業セクターにおいても明らかな成長を見てとることができました。地域別では、特にアジア・太平洋での事業 が伸びています」。ボッシュは今後もこの勢いに乗り、2014年の業績のさらなる改善を目指して事業を展開していきます。
センサー テクノロジー - 未来のテクノロジーをけん引する世界のマーケット リーダー
今後、インターネットに接続できる製品とインターネット ベースのサービスが、ボッシュの将来における売上高の成長を左右する大きなポイントになっていきます。
ボッシュは、ハードウェアのノウハウと広範な技術的専門知識を兼ね備えているので、こういった方向に進む準備は十分にできているとデナーは確信しています。
「ボッシュの伝統的な強み(革新力、高い品質水準、グローバル プレゼンス、ボッシュの企業文化の総合的な力)はコネクテッド ワールドにおいても大きな戦力となります」(デナー)。また、インターネットを利用したモノのネットワーク化でカギとなる技術「マイクロメカニカル センサー(MEMS)」 の分野においても世界のマーケット リーダーとなっているボッシュは、コネクテッド モビリティ、コネクテッド インダストリー、コネクテッド エネルギー システム、さらにコネクテッド ビルディングに関するソリューションを生み出すことを戦略的な目標に掲げています。
インテリジェントなセンサー - モノのインターネット化の基礎
センサーは、日常生活で新しい形の技術支援を可能にします。センサー技術の 戦略的な重要性について説明しながら、デナーは次のように述べました。「自動運転やスマート ホームにおいても新しい品質水準の快適性、安全性、効率性が広がりつつあり、ボッシュはこうした課題に向けて技術的条件を次第に整えています」。ボッシュ は2013年に10億個のセンサーを製造し、本年はさらに30%の増産を計画しています。技術的進歩の次の段階では、インテリジェントなセンサー、つまり 無線インターフェースとマイクロコントローラーを備えたセンサーが核となります。このセンサーでは、例えば関連データをインターネット経由でモバイル端末 に送信できるようになります。「センサーを装備した機器はスマートフォンにとどまることなく、あらゆる『スマート』なモノにインターネット接続可能なセン サー テクノロジーが搭載されるようになるでしょう」(デナー)。
自動運転 - 2020年からはより高速での走行も可能に
センサー技術は、未来の運転のための大きな技術的前提条件の1つでもあります。最新のドライバー アシスタンス システムには、超音波センサー、レーダー センサー、そしてビデオ センサーが必要となってきたからです。ボッシュは今年、前年比25%増となる約5,000万個の超音波センサーを製造し、レーダー センサーとビデオ センサーの製造個数も200万個以上に倍増する予定で、ドライバー アシスタンス システムの売上高は2016年には早くも10億ユーロを突破する見込みです。さらに、ボッシュは2020年までに 高速道路においてより速い速度での自動運転を 実現することを目指しており、今後10年の間にはオートパイロット機能を用いた完全な自動運転が可能になると考えています。「自動運転は人命を守る技術で あると同時に、運転に飽きてきたような局面でドライバーを支援することで、ドライバーの興味も引き出すことができるだろうと考えています」(デナー)。
ネットワーク化された道路交通網 - 新しいサービス
自動運転には、ネットワーク化された交通網とCar-to-xコミュニケーションが必要になります。2025年までには新車のほぼすべてに無線データ通信技術が採用されることになると考えられています。もちろん、現時点においても車両をネットワークに接続し、広範囲なサービスを利用することができます。ボッシュは2013年に エマージェンシー コール システム「eCall」の 提供を開始しました。このシステムでは、事故が起きたことをセンサーが検知すると、自動的にエマージェンシー コールが発信されます。ボッシュの監視センターは昨年、約3万件のエマージェンシー コールの対応にあたりました。さらに、テレマティクス分野においてもボッシュは リース会社や保険会社向けにフリート管理サービスを提供しています。「私たちが考える『路上におけるネットワーク化』には、効率性と快適性だけでなく、より安全な運転という意味も含まれています」(デナー)。
2020年までにアジアおよび北中南米地域で売上高を倍増
ボッシュにとってアジア地域は、引き続き最大の成長を見込める地域で、2020年までには売上高を2倍にすることを目標に掲げています。そのため、資本支 出は高い水準で維持し、2010年から2014年におけるボッシュのこの地域への投資額は約33億ユーロに達する見込みです。また、北米と南米での売上高 も今後10年間で倍増させたいと考えています。製造能力の拡張に加え、ボッシュは現地での開発活動も強化しつつあります。例えば、メキシコのグアダラハラ では、新たに開発&ソフトウェア センターの建設が進められています。さらに、アフリカでも今後数年間で売上高の大幅増を目指しており、2014年にボッシュはアフリカ大陸でのプレゼンス をいっそう強める予定です。一方の欧州はいまだに弱含みな経済情勢ではありますが、ボッシュは市場を上回る成長を目指しています。こうしたグローバル プレゼンスの拡大に伴い、ボッシュは現地の顧客のニーズに合った製品やサービスの開発に尽力しています。
2013事業年度 - 売上高と利益の増加
2013事業年度のボッシュの売上高は3.1%増の461億ユーロに達しました(*前年の為替調整後の数値である447億ユーロを基に計算)。公表する売 上高の数値は、会計方針の変更による連結の影響や前年のM&Aに加え、太陽光発電事業からの撤退も考慮されています。為替調整後の売上高は 6.3%増加しました。ただ、ユーロ高によって約15億ユーロにおよぶ為替レートのマイナスが響き、売上高の数値は大きく割り引かれました。太陽光発電事 業でのマイナス分を除くと、ボッシュの支払金利前税引前利益(EBIT)は6%、つまり28億ユーロとなりました。業績の改善に特に大きく寄与したのは、 自動車機器テクノロジー セクターにおける明るい進展です。「コスト削減にむけてさまざまな施策を導入し、EBIT8%という目標に向けて大きく前進しました」(アーセンケルシュ バウマー)。太陽光発電事業での13億ユーロという特別負担を含めた場合、EBITは3.2%増になります。ボッシュはソーラー エネルギー事業部の業務を打ち切り、太陽光発電事業の大部分を売却することにしました。この残りの事業の売却については本年上半期中には完了する予定で す。
2013年に従業員数が増加 - 2014年には従業員数をさらに増やす予定
ボッシュは2014年に、主にアジア・太平洋の成長地域で従業員数を増やす必要性が高くなると考えています。今年度は世界で合計約9,000人の大学卒業 者を雇用する予定で、ドイツ国内においては約800人の大卒者の雇用を計画しています。また、ドイツ国内での新規の職業訓練生の数は前年と同様の約 1,400人となる予定です。2013年のボッシュ グループの従業員数は約8,500人増加し、28万1,000人となりました(*前年の調整済みの数値は27万3,000人)。
自動車機器テクノロジー - 世界の全事業部が力強く成長
2013年の自動車機器テクノロジー セクターの売上高は6.7%増(為替調整後は10.3%増)の306億ユーロに達しました。EBITは24億ユーロ、EBIT利益率は7.7%で、ともに前年を大きく上回りました。
産業機器テクノロジー - パッケージング システムの売上高は10億ユーロ
2013年の産業機器テクノロジー セクターの売上高は前年比9.2%減(為替調整後は6.5%減)の68億ユーロとなりました。困難な経済情勢は、特にドライブ&コントロール テクノロジー事業部を直撃しました。それとは対照的に、パッケージング テクノロジー事業部はプラスの成長を遂げたものの、産業機器テクノロジー セクター全体では、EBIT利益率はマイナス1.2%、EBITは8,300万ユーロの赤字となりました。
エネルギー・建築関連テクノロジー - スマート ヒーティングのためにネットワーク接続された各種製品
エネルギー・建築関連テクノロジー セクターの売上高は3.9%増(為替調整後は5.9%増)の46億ユーロに達しました。このセクターの売上は約1億600万ユーロ増加し、EBIT利益率は2.3%となりました。特に好調だったのは、サーモ テクノロジー事業部です。
消費財 - 革新的な電動工具のマーケット リーダー
2013年の消費財セクターの売上高は41億ユーロに達しました(注:会計方針の変更により、この数値には電動工具事業部のみの売上高と、その他いくつか の売上高が複合的に含まれています)。為替調整後の売上高は前年比の2.9%増ですが、名目ベースの売上高はわずかにマイナスとなりました。消費財セク ターのEBIT利益率は10.4%、EBITは4億1,500万ユーロで、これには合弁会社のBosch Siemens Hausgeraete GmbH(BSH)の税引後利益も含まれています。この業績を抜きにしても、この事業セクターのEBIT利益率は大変希望が持てるものとなりました。
欧州 - 困難な経済情勢下での成長
欧州では、依然として続く困難な経済情勢下にもかかわらず、ボッシュの売上高は増加しました。この地域でのボッシュの売上高は2.2%増(為替調整後は 2.9%増)の255億ユーロに達し、ドイツ国内の売上高も若干増加しました。2013年のボッシュの欧州への投資額は16億ユーロに達しました。特に東 ヨーロッパで現在、製造能力の拡張を続けています。なお、昨年のドイツ国内への投資額は9億ユーロ超となりました。
北中南米地域 - 北米では力強い成長、南米では復調傾向
北中南米地域では、2013年の名目ベースでの売上高に大きな地域差が見られました。北米でのボッシュの売上高は、3.5%増(為替調整後は6.8%増) の78億ユーロに達しました。この数字は部分的に、自動車生産の増加が反映されています。対照的に、南米市場での売上高は3.6%減の17億ユーロです が、為替調整後の売上高は8.9%増となりました。また、2013年の北米および南米への投資額は約2億8,000万ユーロでした。
アジア・太平洋 - 中国での成長、為替の大きな影響
アジア・太平洋地域でのボッシュの売上高は5.8%増(為替調整後は13.8%増)の約111億ユーロに達しました。特に中国の成長市場では、自動車およ び産業機器テクノロジーへの需要が昨年1年間で大幅に増加しました。東南アジアでも、自動車機器テクノロジーへの需要が高くなりました。ただ、インドは思 わしくない経済情勢が響き、事業の発展は予想を下回ることになりました。これは日本についても同様です。ボッシュは2013年に、アジア・太平洋地域で再 び多額の投資を行いました。特に自動車コンポーネントの製造能力の拡張に焦点を当て、約6億2,000万ユーロを投入しました。
研究開発費は依然として高水準
ボッシュは昨年、売上高の10%にあたる約45億ユーロを研究開発費として投入しました。また、2013年の1年間だけで、ボッシュの研究者は5,000 件近い特許を申請しましたが、これは1就業日あたり約20件のペースに相当します。今年も引き続き研究開発能力の拡充を予定しており、2014年末までに ボッシュが雇用する研究・開発に携わる従業員数は約4万5,000人に達する見込みです。例えばアジア・太平洋地域では、さらに研究者の数を2,000人 以上増やす予定です。また、ボッシュはシュトゥットガルト近郊のレニンゲンに新しい 研究開発・先端エンジニアリング センターを設置し、ドイツ国内の革新力の強化にも努めています。
最先端の研究を維持 - 産業用途にも迅速に応用
ボッシュの取締役会で研究開発を担当するデナーは、革新力を推進する施策への積極的な参加を呼びかけると同時に、施策の立案者はより目標を高く持たなくて はならないと述べました。ドイツはGDPの3%近くを研究に投入しており、この達成には公共セクターよりも民間セクターがより大きな役割を果たしてきまし た。デナーは、大学が慢性的な資金不足に陥っていることを悲観し、建物の維持費をまかなう資金すら十分でない場合もあると語りました。デナーによると、そ れが引き起こす結果は明白で、トップクラスの研究者はドイツを去り、他の国の研究機関で研究を続けているとのことです。デナーはさらに続けて「研究開発に 関して、ドイツやその他の欧州諸国は世界の先進諸国の水準に引き上げなくてはなりません」と述べ、財政支援は何よりもまず基礎研究を支える必要があるが、 産業用途にも迅速に応用できるようにしなくてはならないとも話しました。「一流の大学は、その大学がある地域をより活性化する存在となり、企業も間接的に その恩恵を受けることになります」。
ボッシュ自身も250校の大学と研究面で提携し、積極的に活動を続けています。
- 2013年の利益率は6%(特別な影響を除く)
- 今年の最初の3カ月で売上高は約7%増加
- 2014年の成長率は3〜5%の見込み
- センサー テクノロジー、ゲートウェイ テクノロジーにおけるマーケット リーダー
- 新しいインターネット ベースの市場セグメントを開拓
- 2016年までにドライバー アシスタンス システムで10億ユーロの売上高を達成
- 2020年までにアジア・太平洋および北中南米地域で売上高を倍増
*注意:会計方針の変更のため、今回公表する2013年のデータと昨年発表した2012年デー タは、限定的な範囲での比較になります。比例連結を適用しないという決定で関連してくる会社は、主として家電・住宅機器のBosch Siemens Hausgeraete GmbH(BSH)とZF Lenksysteme GmbHです(連結売上高:約73億ユーロ)。
シュトゥットガルト - ボッシュ グループは順調な売上増とともに、新しい年のスタートを切ることになりました。第1四半期に売上高は約7%増加し、為替レートの影響を調整した場合には、 その伸びは約10%となりました。ボッシュは今事業年度の売上高について、3〜5%の成長を見込んでいます。ボッシュ取締役会会長のフォルクマル・デナー はボッシュの年次報告記者会見でこう述べました。「当社は従来の事業への取り組みを継続しつつ、新分野の事業を開拓したいと考えており、当社の広範な技術 的・産業的ノウハウも活用していく所存です」。ボッシュの自動車機器テクノロジー セクターは前年の力強い業績を引き継ぎ、2014年第1四半期も目覚しい成長を遂げました。ボッシュで最高財務責任者を務めるシュテファン・アーセンケル シュバウマーも次のように話しています。「他の事業セクターにおいても明らかな成長を見てとることができました。地域別では、特にアジア・太平洋での事業 が伸びています」。ボッシュは今後もこの勢いに乗り、2014年の業績のさらなる改善を目指して事業を展開していきます。
センサー テクノロジー - 未来のテクノロジーをけん引する世界のマーケット リーダー
今後、インターネットに接続できる製品とインターネット ベースのサービスが、ボッシュの将来における売上高の成長を左右する大きなポイントになっていきます。
ボッシュは、ハードウェアのノウハウと広範な技術的専門知識を兼ね備えているので、こういった方向に進む準備は十分にできているとデナーは確信しています。
「ボッシュの伝統的な強み(革新力、高い品質水準、グローバル プレゼンス、ボッシュの企業文化の総合的な力)はコネクテッド ワールドにおいても大きな戦力となります」(デナー)。また、インターネットを利用したモノのネットワーク化でカギとなる技術「マイクロメカニカル センサー(MEMS)」 の分野においても世界のマーケット リーダーとなっているボッシュは、コネクテッド モビリティ、コネクテッド インダストリー、コネクテッド エネルギー システム、さらにコネクテッド ビルディングに関するソリューションを生み出すことを戦略的な目標に掲げています。
インテリジェントなセンサー - モノのインターネット化の基礎
センサーは、日常生活で新しい形の技術支援を可能にします。センサー技術の 戦略的な重要性について説明しながら、デナーは次のように述べました。「自動運転やスマート ホームにおいても新しい品質水準の快適性、安全性、効率性が広がりつつあり、ボッシュはこうした課題に向けて技術的条件を次第に整えています」。ボッシュ は2013年に10億個のセンサーを製造し、本年はさらに30%の増産を計画しています。技術的進歩の次の段階では、インテリジェントなセンサー、つまり 無線インターフェースとマイクロコントローラーを備えたセンサーが核となります。このセンサーでは、例えば関連データをインターネット経由でモバイル端末 に送信できるようになります。「センサーを装備した機器はスマートフォンにとどまることなく、あらゆる『スマート』なモノにインターネット接続可能なセン サー テクノロジーが搭載されるようになるでしょう」(デナー)。
自動運転 - 2020年からはより高速での走行も可能に
センサー技術は、未来の運転のための大きな技術的前提条件の1つでもあります。最新のドライバー アシスタンス システムには、超音波センサー、レーダー センサー、そしてビデオ センサーが必要となってきたからです。ボッシュは今年、前年比25%増となる約5,000万個の超音波センサーを製造し、レーダー センサーとビデオ センサーの製造個数も200万個以上に倍増する予定で、ドライバー アシスタンス システムの売上高は2016年には早くも10億ユーロを突破する見込みです。さらに、ボッシュは2020年までに 高速道路においてより速い速度での自動運転を 実現することを目指しており、今後10年の間にはオートパイロット機能を用いた完全な自動運転が可能になると考えています。「自動運転は人命を守る技術で あると同時に、運転に飽きてきたような局面でドライバーを支援することで、ドライバーの興味も引き出すことができるだろうと考えています」(デナー)。
ネットワーク化された道路交通網 - 新しいサービス
自動運転には、ネットワーク化された交通網とCar-to-xコミュニケーションが必要になります。2025年までには新車のほぼすべてに無線データ通信技術が採用されることになると考えられています。もちろん、現時点においても車両をネットワークに接続し、広範囲なサービスを利用することができます。ボッシュは2013年に エマージェンシー コール システム「eCall」の 提供を開始しました。このシステムでは、事故が起きたことをセンサーが検知すると、自動的にエマージェンシー コールが発信されます。ボッシュの監視センターは昨年、約3万件のエマージェンシー コールの対応にあたりました。さらに、テレマティクス分野においてもボッシュは リース会社や保険会社向けにフリート管理サービスを提供しています。「私たちが考える『路上におけるネットワーク化』には、効率性と快適性だけでなく、より安全な運転という意味も含まれています」(デナー)。
2020年までにアジアおよび北中南米地域で売上高を倍増
ボッシュにとってアジア地域は、引き続き最大の成長を見込める地域で、2020年までには売上高を2倍にすることを目標に掲げています。そのため、資本支 出は高い水準で維持し、2010年から2014年におけるボッシュのこの地域への投資額は約33億ユーロに達する見込みです。また、北米と南米での売上高 も今後10年間で倍増させたいと考えています。製造能力の拡張に加え、ボッシュは現地での開発活動も強化しつつあります。例えば、メキシコのグアダラハラ では、新たに開発&ソフトウェア センターの建設が進められています。さらに、アフリカでも今後数年間で売上高の大幅増を目指しており、2014年にボッシュはアフリカ大陸でのプレゼンス をいっそう強める予定です。一方の欧州はいまだに弱含みな経済情勢ではありますが、ボッシュは市場を上回る成長を目指しています。こうしたグローバル プレゼンスの拡大に伴い、ボッシュは現地の顧客のニーズに合った製品やサービスの開発に尽力しています。
2013事業年度 - 売上高と利益の増加
2013事業年度のボッシュの売上高は3.1%増の461億ユーロに達しました(*前年の為替調整後の数値である447億ユーロを基に計算)。公表する売 上高の数値は、会計方針の変更による連結の影響や前年のM&Aに加え、太陽光発電事業からの撤退も考慮されています。為替調整後の売上高は 6.3%増加しました。ただ、ユーロ高によって約15億ユーロにおよぶ為替レートのマイナスが響き、売上高の数値は大きく割り引かれました。太陽光発電事 業でのマイナス分を除くと、ボッシュの支払金利前税引前利益(EBIT)は6%、つまり28億ユーロとなりました。業績の改善に特に大きく寄与したのは、 自動車機器テクノロジー セクターにおける明るい進展です。「コスト削減にむけてさまざまな施策を導入し、EBIT8%という目標に向けて大きく前進しました」(アーセンケルシュ バウマー)。太陽光発電事業での13億ユーロという特別負担を含めた場合、EBITは3.2%増になります。ボッシュはソーラー エネルギー事業部の業務を打ち切り、太陽光発電事業の大部分を売却することにしました。この残りの事業の売却については本年上半期中には完了する予定で す。
2013年に従業員数が増加 - 2014年には従業員数をさらに増やす予定
ボッシュは2014年に、主にアジア・太平洋の成長地域で従業員数を増やす必要性が高くなると考えています。今年度は世界で合計約9,000人の大学卒業 者を雇用する予定で、ドイツ国内においては約800人の大卒者の雇用を計画しています。また、ドイツ国内での新規の職業訓練生の数は前年と同様の約 1,400人となる予定です。2013年のボッシュ グループの従業員数は約8,500人増加し、28万1,000人となりました(*前年の調整済みの数値は27万3,000人)。
自動車機器テクノロジー - 世界の全事業部が力強く成長
2013年の自動車機器テクノロジー セクターの売上高は6.7%増(為替調整後は10.3%増)の306億ユーロに達しました。EBITは24億ユーロ、EBIT利益率は7.7%で、ともに前年を大きく上回りました。
産業機器テクノロジー - パッケージング システムの売上高は10億ユーロ
2013年の産業機器テクノロジー セクターの売上高は前年比9.2%減(為替調整後は6.5%減)の68億ユーロとなりました。困難な経済情勢は、特にドライブ&コントロール テクノロジー事業部を直撃しました。それとは対照的に、パッケージング テクノロジー事業部はプラスの成長を遂げたものの、産業機器テクノロジー セクター全体では、EBIT利益率はマイナス1.2%、EBITは8,300万ユーロの赤字となりました。
エネルギー・建築関連テクノロジー - スマート ヒーティングのためにネットワーク接続された各種製品
エネルギー・建築関連テクノロジー セクターの売上高は3.9%増(為替調整後は5.9%増)の46億ユーロに達しました。このセクターの売上は約1億600万ユーロ増加し、EBIT利益率は2.3%となりました。特に好調だったのは、サーモ テクノロジー事業部です。
消費財 - 革新的な電動工具のマーケット リーダー
2013年の消費財セクターの売上高は41億ユーロに達しました(注:会計方針の変更により、この数値には電動工具事業部のみの売上高と、その他いくつか の売上高が複合的に含まれています)。為替調整後の売上高は前年比の2.9%増ですが、名目ベースの売上高はわずかにマイナスとなりました。消費財セク ターのEBIT利益率は10.4%、EBITは4億1,500万ユーロで、これには合弁会社のBosch Siemens Hausgeraete GmbH(BSH)の税引後利益も含まれています。この業績を抜きにしても、この事業セクターのEBIT利益率は大変希望が持てるものとなりました。
欧州 - 困難な経済情勢下での成長
欧州では、依然として続く困難な経済情勢下にもかかわらず、ボッシュの売上高は増加しました。この地域でのボッシュの売上高は2.2%増(為替調整後は 2.9%増)の255億ユーロに達し、ドイツ国内の売上高も若干増加しました。2013年のボッシュの欧州への投資額は16億ユーロに達しました。特に東 ヨーロッパで現在、製造能力の拡張を続けています。なお、昨年のドイツ国内への投資額は9億ユーロ超となりました。
北中南米地域 - 北米では力強い成長、南米では復調傾向
北中南米地域では、2013年の名目ベースでの売上高に大きな地域差が見られました。北米でのボッシュの売上高は、3.5%増(為替調整後は6.8%増) の78億ユーロに達しました。この数字は部分的に、自動車生産の増加が反映されています。対照的に、南米市場での売上高は3.6%減の17億ユーロです が、為替調整後の売上高は8.9%増となりました。また、2013年の北米および南米への投資額は約2億8,000万ユーロでした。
アジア・太平洋 - 中国での成長、為替の大きな影響
アジア・太平洋地域でのボッシュの売上高は5.8%増(為替調整後は13.8%増)の約111億ユーロに達しました。特に中国の成長市場では、自動車およ び産業機器テクノロジーへの需要が昨年1年間で大幅に増加しました。東南アジアでも、自動車機器テクノロジーへの需要が高くなりました。ただ、インドは思 わしくない経済情勢が響き、事業の発展は予想を下回ることになりました。これは日本についても同様です。ボッシュは2013年に、アジア・太平洋地域で再 び多額の投資を行いました。特に自動車コンポーネントの製造能力の拡張に焦点を当て、約6億2,000万ユーロを投入しました。
研究開発費は依然として高水準
ボッシュは昨年、売上高の10%にあたる約45億ユーロを研究開発費として投入しました。また、2013年の1年間だけで、ボッシュの研究者は5,000 件近い特許を申請しましたが、これは1就業日あたり約20件のペースに相当します。今年も引き続き研究開発能力の拡充を予定しており、2014年末までに ボッシュが雇用する研究・開発に携わる従業員数は約4万5,000人に達する見込みです。例えばアジア・太平洋地域では、さらに研究者の数を2,000人 以上増やす予定です。また、ボッシュはシュトゥットガルト近郊のレニンゲンに新しい 研究開発・先端エンジニアリング センターを設置し、ドイツ国内の革新力の強化にも努めています。
最先端の研究を維持 - 産業用途にも迅速に応用
ボッシュの取締役会で研究開発を担当するデナーは、革新力を推進する施策への積極的な参加を呼びかけると同時に、施策の立案者はより目標を高く持たなくて はならないと述べました。ドイツはGDPの3%近くを研究に投入しており、この達成には公共セクターよりも民間セクターがより大きな役割を果たしてきまし た。デナーは、大学が慢性的な資金不足に陥っていることを悲観し、建物の維持費をまかなう資金すら十分でない場合もあると語りました。デナーによると、そ れが引き起こす結果は明白で、トップクラスの研究者はドイツを去り、他の国の研究機関で研究を続けているとのことです。デナーはさらに続けて「研究開発に 関して、ドイツやその他の欧州諸国は世界の先進諸国の水準に引き上げなくてはなりません」と述べ、財政支援は何よりもまず基礎研究を支える必要があるが、 産業用途にも迅速に応用できるようにしなくてはならないとも話しました。「一流の大学は、その大学がある地域をより活性化する存在となり、企業も間接的に その恩恵を受けることになります」。
ボッシュ自身も250校の大学と研究面で提携し、積極的に活動を続けています。