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仏師、刀匠、宮大工…リモートワークとは対極にある職人世界のリアルな“師弟関係”を描き出したノンフィクション『師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方』が、3月1日(水)発売!

『さいごの色街 飛田』『葬送の仕事師たち』といった作品でお馴染みのライター井上理津子氏が伝統工芸的な職人の師弟16組32名を丹念に取材した『師弟百景 “技”をつないでいく職人という生き方』が、辰巳出版(本社:東京都文京区、代表取締役社長:廣瀬和二)より、2023年3月1日に発売されます。





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【内容紹介】


○俺の背中を見て覚えろ…ではない関係が紡ぐ16のライフストーリー。

働き方が多様化している現在、「好きなことを極める」「会社員にはならずに生きる」という要素に魅力を感じて、いま改めて「職人」という存在に注目が集まっています。

また、職人の世界における“師弟関係”も、「親方の背中を見て覚えろ」から「背中も見せるが、口でも教える。理論も説いて教える」というように時代に即して変化してきているのです。

本書では、一子相伝でなく、血縁以外に門戸を開いている師匠と弟子の“リアル”な関係を、16組32名に取材し、豊富な写真とともに丹念に描き出していきます。

長年の作業で身に付けた確固たる思想や、引き継いでいくべき金言がそれぞれに存在し、日本美術や工芸に興味がある人はもちろん、「働くとは何か?」と考えている若い世代にも訴えかける一冊となっています。
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【本文より一部紹介】


専門誌に付箋をつけて決めた弟子入り

造園学科を卒業して平井さんの弟子になる者が多い中、竹澤さんは異色だ。大学は文系の学部で学び、花卉の販売会社に勤めた。平井さんを知ったのは、花の仕入れや販売の担当をする中で興味を持ったエクステリア設計の専門学校に、働きながら通っていた頃。庭全般に関心が広がり、専門誌『庭』の何冊ものバックナンバーのページを繰ったときだった。

「作庭家の名前はまったく意識せずに、掲載されている写真から、自分の好きな庭に付箋を付けていきました。圧倒的に自分が付箋をたくさん付けていたと後で分かったのが、平井孝幸作と記された庭だったんです」

ふと思い出したのが、山形に住む大工の祖父から、「家に七割、庭に三割(の力をかける)」と聞かされたこと。それに、高校時代の恩師に「好きなことを仕事にできるほど幸せなことはない」と言われたこと。平井さんのような庭をつくる職人になりたいという気持ちがふつふつと湧いてきたのだという。

「意を決して電話をかけ、『弟子をとってますか』と聞くと、軽く『ああいいよ』と返事が返ってきて、ちょっとびっくり。『君が好きな庭の写真と、その庭について六百字の作文を書いて送ってくるように』と課題が出ました」

竹澤さんが送付した旧軽井沢にあるお気に入りの別荘地の庭を「あそこはいいよね」とこともなげに言われた面接では、平井さんが「自然の庭」の持論を語り、「僕はこういう考えだけど、君がよければ」。フランクな口調に、緊張が解けていった。

<◆第1章 庭師 より>

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職人気質にしびれて

「歴史と風土に育まれた“京コテ壁?を、時代にそぐう形で継承させたいんです。昔ながらの材料と道具、技法で」とさらりと言う田中さんのこれまでの道をまず知りたいーー。

父も左官だった。「一人親方」として働く父を見て育ち、自分の将来の姿を重ねたが、大学卒業時に「あんたはやらんでいい」と突っぱねられた。折しもバブル崩壊の後。緻密な技法を求められる依頼が激減し、左官業界が右肩下がりだったための苦言で、「どうしてもと言うなら、あんたの判断でご勝手に」と譲歩された。こうして、京都市内の他の左官店に修業に入る。

「左官の仕事自体にさしたるこだわりはなかったのに、修業した店のすごい技術と、職人の気概に引き込まれたんです」

主に数寄屋や伝統文化財の建物の土壁を請け負い、七、八人の凄腕の先輩がいる店だったのが幸いした。当初指示されたのは道具置き場の掃除。続いて「スサ通し」。スサとは、ひび割れを防ぐために壁土に混ぜる、藁や麻を細かく切ったもので、これを篩にかけ、混入している虫を取り除くことだった。来る日も来る日も、日がな一日おこなって、見つかる虫は五匹ほど。さらに、ヒゲコ(補強のために壁の内側に入れる晒し麻の束)づくり。嫌気がさすに十分だったが、ある日、先輩を送って行ったときに見た俵屋旅館(京都市中京区)の壁が「涙が出るほどきれいかった」のだという。

三年目にようやくコテを持たせてもらい、「重い」と感じた。物理的な重量に、いよいよ本格化する自身の職人道に向ける思いが乗った重さだ。壁に合う土を探し、細かくふるい、状態や長さにこだわったスサを混ぜ、水と捏ねて発酵させる。石灰などをバランス良い比率でブレンドする。こうした材料ごしらえから始まり、昔ながらの硬いコテを使い、いくつもの塗り工程を重ねる。ひと手間もふた手間も多くかける「古くさい伝統技法」こそ、強くて美しい壁づくりの要――だ。日に日に学びを深めると共に、年配の先輩の職人気質を目の当たりにした。

「地方出張中の夜、先輩が『兄貴が危篤になった』とおっしゃり、僕は『すぐに駅まで送ります』と言いましたが、首を横に振られた。『いや。明日、塗ってから帰る』と」

「目が悪くなり、上塗りの細かい仕事がしづらくなった高齢の先輩は、親方に『手間(給料)値段を下げてくれ』と頼み、その仕事を遂行した後、コテを置かれた」

独立後、田中さんを手伝ってくれていた父がガンになった。余命宣告された日、何事もなかったかのように黙々と仕事をした。最後の入院となる前日、自分の仕事場を隅々まで掃除し、道具を磨き上げたとも。「職人の責任感とプライドが滲むこうした先人の生き方も、後進たちに伝えていきたいんです」。

<◆第7章 左官 より>

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朝礼から始まる現場

ここは、京都市の北方約九十キロの綾部市。里山が点在し、「日本昔ばなし」を彷彿とさせる景色の中に、この日の現場があった。茅葺き屋根の民家だ。屋根の葺き替えが進行中で、梯子が軒上までのび、足場を組んだ下の地面に茅の束がかたまりになって積まれている。朝七時半に着いたが、茅からひなたの匂いがやんわりと漂う。

八時、親方の中野誠さんがワンボックスカーで到着した。先んじて屋根の上で作業をしていた若者たちが降りてきて庭先に会する。「勝手に手伝いに押しかけて来とる」という村人を交え、四人で朝礼が始まった。

「先人の知恵と技に感謝し、技術を習得、さらに磨き、次世代へ引き継ぎます」

に始まる美山茅葺株式会社の経営理念が最初に斉唱され、場の空気が一気に引き締まる。社会人としての行動指針等が掲載された冊子を輪読の上、「今日の心がけ」として「日々の業務の点検をしましょう」と唱和。そして進行状況の細かな確認へと続く。

「このタイプの朝礼をするようになって何かが変わりました。私たちは皆、先人に守られ、応援されて生き、働いている。今日も一所懸命にやろう、みたいな感覚ですね」

朝礼を終えた中野さんがそう言って笑顔を見せた。そして、

「あ、茅って植物の名前と思われがちですが、ススキや葦、小麦藁など屋根を葺く植物の総称なんですよ」とも。意外でした。では、今日お使いになっているのは?

「静岡・御殿場と熊本・阿蘇のススキです。水分と養分が抜けて完全に乾燥ができている名産地なんですね。ススキなのは地域性があるので」

地域性、ですか?

「例えば琵琶湖方面だと葦というふうに。私の地元の美山町北村もこの辺りも、元々は自前のススキが使われていましたし、集落の助け合いで二、三十年ごとに屋根の葺き替えがされていたんですが、農業離れや人口減少で、わりに早くに職人への外注に移行したようです。私がこの仕事にパチッとスイッチが入ったときはもう、村に『最後の職人』と言われた三人がぎりぎり残っておられるだけになっていました」

<◆第16章 茅葺き職人 より>




【本書で紹介している職人】


◆庭師
◆釜師
◆仏師
◆染織家
◆左官
◆刀匠
◆江戸切子職人
◆文化財修理装潢師
◆江戸小紋染職人
◆宮大工
◆江戸木版画彫師
◆洋傘職人
◆英国靴職人
◆硯職人
◆宮絵師
◆茅葺き職人



【著者プロフィール】


井上理津子(いのうえ・りつこ)
日本文藝家協会会員。1955年、奈良市生まれ。ライター。大阪を拠点に人物ルポ、旅、酒場などをテーマに取材・執筆をつづけ、2010年から東京在住。『さいごの色街 飛田』(筑摩書房のちに新潮文庫)『葬送の仕事師たち』(新潮社)といった、現代社会における性や死をテーマに取り組んだノンフィクション作品を次々と発表し話題となる。近著に『ぶらり大阪味な店めぐり』(産業編集センター)『絶滅危惧個人商店』(筑摩書房)など。




【商品概要】


書名:師弟百景“技”をつないでいく職人という生き方
定価:1,760円(本体1,600円+税)
体裁:四六判/216ページ(4C16ページ、1C200ページ)
ISBN:978-4-7778-2825-8
発売日:2023年3月1日
発行:辰巳出版

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