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国内初、順天堂大学がDAT(Device Aided Therapy)外来を開始

〜多職種チームによるパーキンソン病・運動障害疾患の個別化医療提供を目指して〜

順天堂大学医学部附属順天堂医院(院長 高橋和久)は、進行期のパーキンソン病および運動障害疾患の患者さんを対象としたデバイス治療を提供する「DAT(Device Aided Therapy: デバイス治療)外来」を2019年9月より開始しました。




<進行期のパーキンソン病および運動障害疾患の患者さんを対象としたデバイス治療の種類>
[画像1: https://prtimes.jp/i/21495/126/resize/d21495-126-489694-2.png ]

<背景>
パーキンソン病は、わが国ではアルツハイマー病に次いで2番目に多い神経変性疾患です。その有病率は10万人あたり約150人に上るとされています。手足の震えや動作が遅くなるなど、運動機能に障害が現れる病気で、高齢になるほど発病する確率が高まり、高齢化が進む2030年には全世界での患者数が3,000万人を超えると言われています。
現在、パーキンソン病は、さまざまな治療法を上手に組み合わせることで、病気をコントロールしながら元気な状態で日常生活を送ることができる病気となっていますが、病気の進行期に運動合併症が生じると、従来の薬物療法が難しくなることがあります。このような進行期のパーキンソン病患者さんや運動障害疾患の患者さんの新たな治療選択肢となっているのが、デバイス治療〔DAT(Device Aided Therapy)〕です。デバイス治療には、脳深部刺激療法(DBS)とレボドパ・カルビドパ経腸療法(LCIG)があります(※1)が、デバイスを用いた治療のためには、治療に精通した医師の診療科を超えた連携が必要とされています。

<DAT(デバイス治療)外来とは>
DAT外来は、DATに特化した国内初の専門外来です。順天堂医院におけるデバイス治療の新規導入は、年間約70例に上り、国内ではトップクラスの実績を誇ります。
同外来では、脳神経内科医、外科医、看護師、リハビリスタッフ、精神科医・心理士、薬剤師、研究者等から構成される多職種(Interdisciplinary)チーム(図1)により、総合的な適応評価および治療開始後の包括的なサポートを行います。外来における評価から、入院における評価、治療導入のための入院、治療導入後の外来における調整までシームレスなサポート(図2)を行い、パーキンソン病および運動障害疾患の個別化医療提供を目指します。

【DAT(デバイス治療)外来の特長】


脳神経内科医、外科医、看護師、リハビリスタッフ、精神科医・心理士、薬剤師、研究者等から構成される多職種(Interdisciplinary)チームによる総合的・包括的な評価・治療・ケアの提供
デバイス治療を希望される患者さんに、外来における評価から、入院における評価、治療導入のための入院、退院後の外来サポートまでシームレスなサポートを提供
脳神経内科医フェローや複数のチームメンバーが同時に患者さんの外来評価を行い、脳神経内科医アテンディングが統括する米国の外来で行われている方式を採用
既存のデバイス治療に限らず、新しいデバイス治療の治験も含め、現時点で使用できるすべてのデバイス治療の選択肢を患者さんに提供
すでにデバイス治療を導入されている患者さんのトラブルについても対応


<今後の展望>
医学は日進月歩であり、デバイス治療においても、常に新たなデバイスが開発されています。順天堂医院は、既存のデバイス治療の提供に限らず、新しいデバイス治療の治験も含め、全てのデバイス治療の選択肢を患者さんに提供できるよう、デバイス治療の治療・研究の中核拠点を目指していきます。

図1 DATチーム構成
[画像2: https://prtimes.jp/i/21495/126/resize/d21495-126-745001-0.png ]


図2 DAT外来のフロー
[画像3: https://prtimes.jp/i/21495/126/resize/d21495-126-725474-1.png ]


※1 デバイス治療の種類
デバイス治療には大きく2種類の方法があり、一つはパーキンソン病の変動する症状に対して、薬剤を持続的に空腸内または皮下に持続的に注入する方法で、わが国ではレボドパ・カルビドパ経腸療法(LCIG)が承認されています。他方で、脳深部に電極を挿入し脳内回路の異常信号を電気的に調整する脳深部刺激療法(DBS)があり、パーキンソン病やその他の不随意運動疾患(本態性振戦、ジストニア、トゥレット症候群など)に対して有効性が報告されています。
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