日本語力測定テストで初、「JSST」が上海市の正規試験に認定
[10/12/02]
提供元:PRTIMES
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株式会社アルク(東京都杉並区永福 代表:平本照麿、以下アルク)より、日本語会話力測定テスト「JSST」(Japanese Standard Speaking Test)が、2010年12月1日より、中国上海市の正規試験に認定されたことをご案内いたします。上海市の正規試験と認定された日本語力測定テストは、JSSTが初となります。
JSSTは2008年11月より日本国内で実施を開始、2010年3月1日より中国での申し込み受付を開始いたしました。ビジネスシーンにおいて必要とされる日本語の会話力を測るテストとして、多数の企業や大学で採用されています。
■上海市による正規試験認定の背景
中国は日本以上に「資格」が重視される社会です。中国人は資格の取得に貪欲であり、また企業も資格によってその人材を評価します。上海市全体の人材育成を担う上海人材促進センターでは、職業分野ごとにさまざまな試験を行い、合格者には証書を発行しています。現在登録されている資格は33の専門分野、66種類の証書に及びます。今回、JSSTはこれらの資格の一つと認定されることで、日本語を使って仕事をする中国人人材の日本語能力評価の基準となります。
上海市は中国で新規事業を行う際のパイロット地区でもあり、今後アルクは、上海での正規試験化を皮切りに、JSSTの中国全土での正規試験認定を目指してまいります。
■JSSTとは
○「ビジネスの現場で使える日本語力」を12分間で測ることができる会話力テストです。
JSSTは日本語に関する知識のみならず運用能力を測ります。単語、文法、発音などの知識を 「その時、その場」 で組み合わせて話を創造する力を評価するために、受験者には 「考え」 「創る」 ことを迫る課題を出します。
○自動音声で流れる10題の質問に各45秒以内で答えます(上〜超級の1問は、回答時間は60秒)。それを複数名の評価官が「発話の形」「正確さ」「内容」「敬語」について10段階で測定し、それらに基づき運用能力の総合評価を行います。
■JSSTの問題例
○映画館へ行くのと家でビデオを見るのと、どちらが好きですか。その理由は何ですか。
○今、あなたの職場のデスクの上にあるものについて話してください。
○あなたは、先月の営業成績がトップだったので営業部内で表彰されました。朝礼でみんなの前で感謝の言葉を述べてください。
■中国国内での日本語コミュニケーション能力の重要性
日本企業の現地法人設立など、経済交流の拡大により、近年、ビジネスの現場で円滑なコミュニケーションを行える人材の需要はますます高まってきています。例えば、JSSTを採用している世界売上ランク100位以内の大手企業I社では、年間でJSSTレベル6の人を500人選抜することを目標にしており、社員の日本語コミュニケーション力向上を積極的に推進しています。
◇JSST採用企業の声
・もちろん4技能のすべてが必要だが、企業では特に高いコミュニケーション能力(考えて話す力)がもっとも重視されている。JSSTは「話す力」と「言語的コミュニケーション力」を評価することができる。
・受験者の会話反応能力と会話の組み合わせ能力を測ることができる。
・コメントシートがいい。受験者が自分の足りないところが見えて、どこに力を入れて取り組めばいいかわかる。
・評価が専門的で説得力がある。
◇受験者の声
・日本語能力試験1級を持ちながらも会話にはあまり自信がなかったが、JSSTを受けて「評価コメントとアドバイス」をもらい、自分の今の日本語能力がよく分かった。
・話す機会がなかったため、日本語で自分の意思を相手の人に伝えることがなかなかできなかった。今回のJSSTを受けて、自分の足りないところを再認識できた。
【参考資料】
<日本語を学ぶ目的について>
○ビジネスを目的に学習している人が多いようです
「2006年海外日本語教育機関調査結果」(学習目的 学校教育以外)
1位 日本に留学するため
2位 将来の就職のため
3位 今の仕事で日本語を必要とするため
<日本語学習者数について>
○中国国内での日本語学習者は飛躍的に伸び続けています
「2003年海外日本語教育機関調査結果概要」「2006年海外日本語教育機関調査結果概要」「2009年海外日本語教育機関調査結果(速報値)」より(国際交流基金 調べ)
海外で日本語を学ぶ人数の推移
[韓国] 2003年 約90万人 → 2006年 約91万人→ 2009年 約96万人
[中国] 2003年 約39万人 → 2006年 約68万人→ 2009年 約83万人
[オーストラリア] 2003年 約38万人 → 2006年 約37万人→ 2009年 約28万人
<日系現地法人数について>
○中国国内の現地法人は前年度と比べ増加しています
「平成22年4月 経済産業省公表資料」より
2008年度における現地法人数17,658社のうち、中国は5,130社と約29%を占め、前年より1.1%増加しています。また、現地法人の従業者数は約452万人のうち中国が約150万人となっています。
◇ 中国受付概要 ◇
[受験料]330元(税込)(コメントシートは別途80元)
[申し込み方法]ホームページ(http://jsst.kantsuu.com/)に必要事項を入力、送信
[受験方法]上記ホームページにお申し込みいただき、試験会場で受験
[対応エリア]中国国内
[問い合わせ先] JSST中国事務局 E-mail: jsst@kantsuu.com (日本語対応可能)
[第1回正式試験開催日] 2011年1月22日(土)、23日(日)
◆JSSTに関する情報は以下のウェブサイトでもご覧いただけます。
日本語ウェブサイト http://tsst.alc.co.jp/jsst/
中国語ウェブサイト http://jsst.kantsuu.com/
[株式会社アルクとは]http://www.alc.co.jp/
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