【プレスリリース】スーダン 国内を避難し続ける子どもたち 全18州のうち9州で紛争
[14/06/30]
提供元:PRTIMES
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※本信は ユニセフ本部の情報をもとに、日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に編集
したものです
※原文は http://www.unicef.org/media/media_73951.html でご覧いただけます
【2014年6月27日 ジュネーブ、ハルツーム(スーダン)発】
スーダンで、国内避難民と国外からの難民が危機に瀕しています。避難のため移動して
いる70%以上は子どもたちで、まさしく子どもたちの危機です。国内18州のうち、9州で
紛争が起きており、100カ所以上に人道支援を必要としている人たちがいます。
ダルフール地方だけでも、今年に入って新たに避難民となった人は26万7,600人に上ります。
ユニセフ・スーダン事務所代表のギールト・カペラエレは本日ジュネーブで、以下の
ように述べました。
「転々としながら、直ちに人道支援を必要としている子どもたちを、ユニセフは毎日
目にしています。子どもたちは紛争の真っただ中を移動し、粗末なシェルターで身を
寄せ合っています。生活に不可欠なサービスの利用が限られるか、全く利用できません。
こうした状況が組み合わされば、死や病気、体が不自由になる子どもたちも出かねません」
ダルフール地方では2003年から10年以上に及ぶ危機が開始。2005年にスーダン南北包括
和平合意が成され、2011年に南スーダンがスーダンから離脱しました。しかし、スーダン
国内では、平和的で結束力のある社会構築へ向けた前向きな変革は見られません。紛争が
広く行われる限り、犠牲者は常にいるのです。ユニセフは、子どもたちが戦争と避難の
影響を最も受け続けているという状況を憂慮しています。
複数の危機と活動資金の不足
紛争の渦中にあるスーダンでは、避難する人の数は毎日変化しています。ユニセフと
現場のパートナー団体にとっても、新たな開発支援を続けるための人道支援ニーズと
資金ニーズは、日々変化しています。ユニセフは、緊急事態下にある子どもへの支援の
中心的枠割を担う立場にあり、支援者からの貴重な寄付を預かり、活動しています。
しかし、ニーズは寄せられる支援の規模を上回っています。
人道危機に加え、スーダンでは、社会分野への投資が行われなかったことの負の遺産、
音も立てずに忍び寄ってくる栄養不良危機に直面しています。子どもの3人に約ひとりは、
慢性栄養不良から生じる発育阻害(年齢に対して低身長)です。発育阻害は、特に子ども
の精神面の発達に大きな影響を及ぼし、その影響は生涯に及びます。
スーダンが前進するための方法
スーダンは、アフリカと中東が交差し、新たな社会契約や
公平なモデル、社会経済開発など、新たなことが構築され
うる場所でもあります。すでにいくつかの前向きな開発も
生まれています。例えば、民間部門では、子どもに欠かせ
ない日用品(例:栄養不良の子どもの治療食である
プランピー・ナッツ(R))が生産されているほか、FGM/C
(女性性器切除)の根絶に向けた活動にとどまらず、社会
規範や有害な伝統的習慣を変化させようと
いう懸命な取り組みをしているコミュニティもあります。
しかし、スーダンが新たに国づくりをするには、つまり、
紛争を終わらせ、合意を得て、国の発展の課題に取り組んで
いくためには、あらゆるレベルにおいて力強いリーダー
シップが必要です。子どもに対する支援の呼びかけにあたり、
カペラエレ代表は、紛争を止める全面的な取り組みを
促しています。
「武力紛争に、子どもの居場所も役割もありません。
まして、子どもは紛争に一切の責任を負っていません。
子どもたちは紛争で子ども時代を奪われ、未来は危険に
さらされています。スーダンの子どもたちに代わり、本日、
スーダンで武力紛争に関わるすべての勢力に対し、武器を
置き、平和を構築することを訴えます。また、国際社会に
対し、危機に立ち向かうスーダンを支援すること、スーダン
の子どもたちのために持続可能な未来を作り上げることも
呼びかけます。スーダンの子どもたちを“忘れられた危機”にしては
いけないのです」
■参考情報:スーダンの子どもに関する統計
(出典:ユニセフ『世界子供白書2014 統計編』)
・総人口 3,719万5,000人、
(18歳未満人口 1,788万人、5歳未満人口597万1,000人)
・5歳未満児死亡率 出生1,000人あたり73(世界で33番目の高さ)
・年間出生数 126万3,000人、 5歳未満児年間死亡数 8万9,000人
<栄養>
・5歳未満の子どもの35%(3人に約ひとり)は慢性栄養不良(発育阻害)
・5歳未満の子どもの16%は急性栄養不良(消耗症)
<保護>
・15歳までに結婚する少女の割合:7%、18歳までに結婚する少女の割合:33%
・出生登録:59%
・女性性器切除/カッティング(FGM/C)
15〜49歳で女性性器切除を受けた女性の割合:88%、
0〜14歳で女性性器切除を受けた女性の割合:37%、
女性性器切除について聞いたことがあり、この慣行を続けるべきだと
考えている15〜49歳の女性の割合:42%
■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016 FAX : 03-5789-2036 Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Lone Hvass, UNICEF Sudan, Tel: +249 156 553 670, Mobile: +249 969 272 680,
lhvass@unicef.org
Christopher Tidey, UNICEF Geneva, Tel: +41 229095715, Mobile: +41 792042345,
ctidey@unicef.org
Najwa Mekki, UNICEF New York, Tel: +1 212 326 7448, Mobile: +1 917 209 1804,
nmekki@unicef.org,
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)