防災分野における河川情報発信の実証実験結果と今後について
[22/02/24]
提供元:PRTIMES
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〜AI画像解析による水位計測、数理工学技術を活用した水位予測で新たな河川情報発信を可能とするクラウドサービスの有効性を検証〜
西日本電信電話株式会社 岐阜支店(支店長:児玉美奈子、以下、NTT西日本岐阜支店)は、株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ(代表取締役社長:工藤潤一、以下、NTTPCコミュニケーションズ)および株式会社構造計画研究所(代表執行役社長:渡邊太門、以下、構造計画研究所)と、地域の課題解決へ貢献するべく、2020年8月から約1年半をかけて岐阜県下の2か所を含む全国5エリア計10か所の中小河川・水路において、AIおよび数理工学技術を活用してクラウドによる河川情報発信サービスの実証実験を実施し、成果を得ることができました。
1.背景
近年、局地化・激甚化する豪雨により、各地で大きな被害が頻発しております。特に中小河川は急激に増水する傾向があり、河川も多く広範囲であるため、防災・治水分野の課題となっています。
NTT西日本岐阜支店と、NTTPCコミュニケーションズおよび構造計画研究所は、中小河川近隣の電柱に設置した河川カメラや既設の河川カメラを利用し、河川映像をAIで画像解析することによりリアルタイムで水位を計測し、基準値を越える場合にはメールで通知するシステムの検証とともに、岐阜県下の4か所において数理工学技術を活用して過去の水位・雨量データから数時間先の水位を予測する検証を行いました。
2.実施時期
第1期:2020年8月〜2021年2月
第2期:2021年8月〜2021年12月
3.取り組み概要と得られた成果
(1)電柱に設置した河川カメラの有効性の検証
1.概要(別紙1参照)
第1期は、河川近隣の電柱を活用して岐阜県下の河川4か所にカメラを設置し、一定期間屋外に設置することへの耐久性、電柱を活用することによるコストを検証するとともに、河川と一定距離がある地点で撮影した画像データから期待する情報の取得可否等、電柱に設置した河川カメラの有効性を総合的に検証しました。
また、第2期では、全国5エリア(岐阜、千葉、大阪、岡山、長崎)の河川にある既設のカメラ10台から遠近異なる多様な画像データを取得し、全国の異なる環境、異なる画角で撮影された画像データを活用した場合におけるサービスの有効性、誤差要因やカメラ設置条件等を検証しました。
2.成果
第1期、第2期、いずれの場合も、利用したカメラから画像解析に必要な要件を満たした画像データを取得できることを確認しました。
(2)AIを活用した河川カメラの画像解析による河川水位の計測
1.概要(別紙2参照)
第1期は、カメラ映像にバーチャル水位計の情報を付加し、実際の水位計を使うことなく、カメラ映像とAIによる画像解析技術を使用して水位計測を検証しました。
第2期では計測した水位をカメラの河川映像上へリアルタイムで表示するとともに、基準値を超えた場合にはメール通知を行うシステムを準備し、動作検証を行いました。
(AI計測システムはNTTPCコミュニケーションズのクラウドプラットフォームを活用)
2.成果
第1期、第2期、いずれの場合も、AIによる河川水位の計測は可能であることを確認しました。水位の計測精度はカメラの性能や天候等の影響を受けるものの、河川を管理する自治体からは「バーチャル水位計を活用した河川監視の効率化(人の画像目視による水位判断)が可能となる」との声をいただき、現在の運用に併せて活用することで、職員の安全確保及び稼働削減の効果が期待できることがわかりました。
また、他府県にすでに設置されているカメラとの接続や、画像データの取得についても問題ないことが確認できたことも踏まえると、今後、既設カメラを用いた水位計測が広域で展開されることが期待されます。
(3)数理工学技術を活用した中小河川水位の予測
1.概要(別紙3参照)
第1期、第2期を通じ、過去の水位、雨量データを数理工学技術で解析して15時間先の水位予測を実施した他、異なる河川における予測も行い、実際の水位と照合して水位予測の精度を検証しました。
特に、第2期では、過去の水位データがない河川で水位予測を検証しました。
(予測モデルの構築、予測情報参照システムの提供は構造計画研究所の技術を活用)
2.成果
第1期、第2期を通じ、過去の水位、雨量データを用いた場合に加え、過去の水位情報がない場合においても、水位予測が可能であることを確認しました。
予測精度については、仮に予測開始時には精度が低くとも、運用期間が長くなるにつれデータが蓄積され、精度が向上していくことが見込まれます。
昨今の突発的な豪雨等、過去データの適用が難しい場合においても、予測モデルの活用は可能と想定されます。
4.各社の役割
NTT西日本: 本実証実験に係る全体企画、全体管理
NTTPCコミュニケーションズ: AI水位計測に係る実証実験
構造計画研究所: 数理工学技術を活用した水位予測に係る実証実験
5.今後の展開
本実証実験により得られたノウハウ等を活用し、各社で連携しながらお客様の課題解決に資するサービスとして提供できるよう、検討を進めてまいります。
ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
【別紙】https://prtimes.jp/a/?f=d32702-20220224-edbdc062a4e83fa14c2d4bb7ddc3d75d.pdf
西日本電信電話株式会社 岐阜支店(支店長:児玉美奈子、以下、NTT西日本岐阜支店)は、株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ(代表取締役社長:工藤潤一、以下、NTTPCコミュニケーションズ)および株式会社構造計画研究所(代表執行役社長:渡邊太門、以下、構造計画研究所)と、地域の課題解決へ貢献するべく、2020年8月から約1年半をかけて岐阜県下の2か所を含む全国5エリア計10か所の中小河川・水路において、AIおよび数理工学技術を活用してクラウドによる河川情報発信サービスの実証実験を実施し、成果を得ることができました。
1.背景
近年、局地化・激甚化する豪雨により、各地で大きな被害が頻発しております。特に中小河川は急激に増水する傾向があり、河川も多く広範囲であるため、防災・治水分野の課題となっています。
NTT西日本岐阜支店と、NTTPCコミュニケーションズおよび構造計画研究所は、中小河川近隣の電柱に設置した河川カメラや既設の河川カメラを利用し、河川映像をAIで画像解析することによりリアルタイムで水位を計測し、基準値を越える場合にはメールで通知するシステムの検証とともに、岐阜県下の4か所において数理工学技術を活用して過去の水位・雨量データから数時間先の水位を予測する検証を行いました。
2.実施時期
第1期:2020年8月〜2021年2月
第2期:2021年8月〜2021年12月
3.取り組み概要と得られた成果
(1)電柱に設置した河川カメラの有効性の検証
1.概要(別紙1参照)
第1期は、河川近隣の電柱を活用して岐阜県下の河川4か所にカメラを設置し、一定期間屋外に設置することへの耐久性、電柱を活用することによるコストを検証するとともに、河川と一定距離がある地点で撮影した画像データから期待する情報の取得可否等、電柱に設置した河川カメラの有効性を総合的に検証しました。
また、第2期では、全国5エリア(岐阜、千葉、大阪、岡山、長崎)の河川にある既設のカメラ10台から遠近異なる多様な画像データを取得し、全国の異なる環境、異なる画角で撮影された画像データを活用した場合におけるサービスの有効性、誤差要因やカメラ設置条件等を検証しました。
2.成果
第1期、第2期、いずれの場合も、利用したカメラから画像解析に必要な要件を満たした画像データを取得できることを確認しました。
(2)AIを活用した河川カメラの画像解析による河川水位の計測
1.概要(別紙2参照)
第1期は、カメラ映像にバーチャル水位計の情報を付加し、実際の水位計を使うことなく、カメラ映像とAIによる画像解析技術を使用して水位計測を検証しました。
第2期では計測した水位をカメラの河川映像上へリアルタイムで表示するとともに、基準値を超えた場合にはメール通知を行うシステムを準備し、動作検証を行いました。
(AI計測システムはNTTPCコミュニケーションズのクラウドプラットフォームを活用)
2.成果
第1期、第2期、いずれの場合も、AIによる河川水位の計測は可能であることを確認しました。水位の計測精度はカメラの性能や天候等の影響を受けるものの、河川を管理する自治体からは「バーチャル水位計を活用した河川監視の効率化(人の画像目視による水位判断)が可能となる」との声をいただき、現在の運用に併せて活用することで、職員の安全確保及び稼働削減の効果が期待できることがわかりました。
また、他府県にすでに設置されているカメラとの接続や、画像データの取得についても問題ないことが確認できたことも踏まえると、今後、既設カメラを用いた水位計測が広域で展開されることが期待されます。
(3)数理工学技術を活用した中小河川水位の予測
1.概要(別紙3参照)
第1期、第2期を通じ、過去の水位、雨量データを数理工学技術で解析して15時間先の水位予測を実施した他、異なる河川における予測も行い、実際の水位と照合して水位予測の精度を検証しました。
特に、第2期では、過去の水位データがない河川で水位予測を検証しました。
(予測モデルの構築、予測情報参照システムの提供は構造計画研究所の技術を活用)
2.成果
第1期、第2期を通じ、過去の水位、雨量データを用いた場合に加え、過去の水位情報がない場合においても、水位予測が可能であることを確認しました。
予測精度については、仮に予測開始時には精度が低くとも、運用期間が長くなるにつれデータが蓄積され、精度が向上していくことが見込まれます。
昨今の突発的な豪雨等、過去データの適用が難しい場合においても、予測モデルの活用は可能と想定されます。
4.各社の役割
NTT西日本: 本実証実験に係る全体企画、全体管理
NTTPCコミュニケーションズ: AI水位計測に係る実証実験
構造計画研究所: 数理工学技術を活用した水位予測に係る実証実験
5.今後の展開
本実証実験により得られたノウハウ等を活用し、各社で連携しながらお客様の課題解決に資するサービスとして提供できるよう、検討を進めてまいります。
ニュースリリースに記載している情報は、発表日時点のものです。現時点では、発表日時点での情報と異なる場合がありますので、あらかじめご了承いただくとともに、ご注意をお願いいたします。
【別紙】https://prtimes.jp/a/?f=d32702-20220224-edbdc062a4e83fa14c2d4bb7ddc3d75d.pdf