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【報道参考資料】エボラ出血熱・シエラレオネ 広がる恐怖や差別、捨てられる子どもたち

ユニセフ、必要支援額の85%が不足




※本信は ユニセフ・シエラレオネ事務所の情報を日本ユニセフ協会 広報室が翻訳、独自に
編集したものです
※原文は http://bit.ly/1kFSSXb でご覧いただけます


【2014年8月3日 フリータウン(シエラレオネ)発】

感染拡大が止まらないエボラ出血熱。新たにナイジェリアでも感染が確認され、ギニア、
リベリア、シエラレオネとあわせた4カ国で、これまでに1,711名の感染を確認、死者は
932名に上ります(8月4日時点:ジュネーブ時間8月6日発表)。8月2日〜4日の3日間で
新たに計108名が感染(確認、推定、疑いを含む)し、45名が死亡したといいます。
各国別では、ギニア(感染10名、死亡5名)、リベリア(感染48名、死亡27名)、
ナイジェリア(感染5名、死亡0名)、シエラレオネ(感染45名、死亡13名)となって
います。


8月5日、WHO(世界保健機関)は、西アフリカでのエボラ出血熱の発生を世界規模での
公衆衛生上の緊急事態とするかどうかを協議する緊急委員会による会議を、8月6日、
7日に、ジュネーブで開催することを発表しました。


各国別の感染者の内訳は以下の通りです。
ギニア 感染者495名(確認351名、推定133名、疑い11名) うち死者363名
リベリア 感染者516名(確認143名、推定252名、疑い121名)うち死者282名
ナイジェリア 感染者9名(確認0名、推定2名、疑い7名)  うち死者1名
シエラレオネ 感染者691名(確認576名、推定49名、疑い66名) うち死者286名

※統計数は、症例の再分類やラボのデータ、症例の統合などによって、都度変動
しています。


ユニセフは、感染と感染拡大を防ぐため、一般市民に向けた教育・広報活動、予防や
治療に必要な医療品等の提供、医療従事者への研修・育成などを行っています。

8月3日発表のユニセフ・シエラレオネ事務所による情勢レポート報告書の一部を
ご紹介します。なお、本報告書の統計は、シエラレオネ保健衛生省が発行する
日刊報告書に基づくものです。

※感染者数の統計は、冒頭に記載されたものが最新情報となります

■概要
・8月3日時点で、エボラ出血熱と確認された症例は540件、うち198名が死亡、
致死率は36.7%

・リベリア国境と近い東部のケネマとカイフランの隔離施設に入院している患者は74名、
これまでに計143人が退院

・感染者との接触を確認できたのは1,999件(内訳:東部のカイフラン847件、同ケネマ
797件、西部のポート・ロコ52件、北西部のカンビア10件、南部のボー111件、北部の
ボンバリ65件、南部のボンテ26件、同モヤンバ9件、中部のトンコリリ10件、西部地区
72件) 1,999件のうち、947件は21日間の追跡調査期間を終了し、調査対象外に

・7月30日、コロマ大統領は国家保健緊急事態を宣言(現時点での期間は60〜90日間)、
大統領直下のエボラタスクフォースを結成

・同日、シエラレオネ・エボラウイルス感染対応計画を発表、今後6カ月間の必要額は
2,591万7,130米ドル(約26億4,354万円 ※1米ドル=102円で換算)、現時点で70%が
不足


・エボラ・オペレーション・センターが対応の陣頭指揮をとり、ユニセフは地区レベル
のセンターを共同で運営し、また国家タスクフォースでも活動

・エボラに関する正しい知識や予防策を広める路上キャンペーンを強化、車や自転車、
スタッフで公共情報の広報を実施

・プライムタイム(夜8時半〜9時)に、全40のラジオ局で、エボラに関する情報を放送

・通話料無料のシエラレオネ国家緊急コールセンター(電話番号:117)を拡大し、無休
(24時間/毎日稼動)とした上で、一般の人や医療関係者からの相談を受け付け、また
ユニセフが支援する「Rumor Bank(うわさ銀行)」に寄せられた名用を分析して
コールセンターと連動させ、正しい情報や対応などをメディアなどを通じて発信していく

・エボラ流行による子どもとコミュニティに関する緊急調査を実施(詳細後述)

・ユニセフは、エボラ対応として349万9,706米ドル(約3億5,697万円 ※同上)の資金を
必要としているが、現時点で確保できたのは53万1,248万米ドルであり、85%が不足
している


■課題
・エボラへの拒絶と迷信が続いており、予防や被害軽減に大きく影響

・感染者が治療センターから、家族と一緒に姿を消すケースも

・感染者が自宅に戻ることで、コミュニティ内での緊張が高まるほか、感染を
コントロールできなくなっている

・こうした事態は想定されておらず、中には医療関係者であることも

・資金、技術、人材の不足により、封じ込めが困難に


■子どもの保護
・最も多くの感染者が確認されている2地区で、エボラ流行による子どもとコミュニティ
に関する緊急調査を実施

・その結果、少なくとも87名の子どもが、養育放棄されていたり、家族と別々にいる
ことが判明

・こうした背景には、エボラ出血熱への恐怖やコミュニティ内での不信、感染者(または
疑わしい)との烙印、差別があり、コミュニティの一体性や対応が崩壊していることが
あげられる

・また、経済的損失(収入を失う→対処できず⇒食糧不足に)、保健的損失(保健サービス
の供給と需要の減少⇒エボラ以外の病気の罹患率・死亡率上昇)、教育的損失(教育
サービスの供給と需要の減少⇒学業低下、安全で保護的な空間の減少)が起こりうると
強調

・「子どもの保護」の点から、即対応が必要なこととして(1)コミュニティでの意識啓発、
(2)養育放棄された子どもの当座のケアと感染した子どもたちが家族の下へ戻れるよう
コミュニティへの働きかけ、(3)心のケア、(4)基本的なニーズ、収入支援があげられる。


■ 本件に関するお問い合わせ
日本ユニセフ協会 広報室
TEL:03-5789-2016  FAX : 03-5789-2036  Eメール:jcuinfo@unicef.or.jp
または
Roeland Monasch,  ユニセフ・シエラレオネ事務所 代表
External: +44 2033579278/9 Ext: 1001; Mobile: +232 79 250 230; rmonasch@unicef.org
Gopal Sharma, ユニセフ・シエラレオネ事務所 副代表
External Tel: +44 2033579278/9 Ext. 2001; Mobile: +232 76-291023; gsharma@unicef.org
Dr. Nuhu Maksha, ユニセフ・シエラレオネ事務所 保健専門官
External : +44 2033579278/9 Ext : 7005 ; Mobile: +231 76-901-211 ; nmaksha@unicef.org

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進
するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、
その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子ども
たちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのため
に活動しています。(www.unicef.org)

※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する36の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの
任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国36の国と地域にあるユニセフ国内委員会の
ひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動
の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
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