技術ソリューション事業 技術開発テーマの決定と事業開始のお知らせ
[19/02/26]
提供元:PRTIMES
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JOGMEC(本部:東京都港区、理事長:細野 哲弘)は「平成30〜33年度における技術ソリューション事業(技術開発プロセス)(フェーズ3技術開発)」のテーマとして「DDR膜によるCO2分離回収技術のフィールド実証試験」を決定し、事業を開始します。
JOGMECは、平成25年度より技術ソリューション事業を実施しており、本事業を通じて、産油国国営石油・ガス会社(以下、「産油国」)等が抱える技術的課題 (ニーズ)に対し、JOGMECと日本企業等が一体となって、解決策(ソリューション)を提示していくことで、日本と産油国等との関係強化および日本企業による事業への貢献を進めています。
平成29年度に公募したCO2-EOR(注1)における高CO2濃度の随伴ガスからのCO2分離への膜型分離技術の適用をテーマとしたニーズシーズ調査において、日揮株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役会長CEO:佐藤雅之)(以下、「日揮」)からDDR膜を用いたソリューションが提案され、調査を実施しました。
当該調査の結果、同技術の有効性が確認できたことから、同技術を用いたフィールド実証試験を開始いたします。
本実証試験は、日揮と日本ガイシ株式会社(以下、「日本ガイシ」)が、平成20年度より共同で開発を進めてきたDDR型ゼオライト膜(注2)大型エレメント(直径180ミリメートル x 長さ1,000ミリメートル)を用いたCO2分離・回収プロセス(以下、「本プロセス」)の性能と、後述の各用途への有効性を確認することを目的としています。
本プロセスに適用されるDDR型ゼオライト膜は、高度な製膜技術を有する日本ガイシにより開発製造され、研究施設における試験では、優れたCO2分離性能と、高圧環境下における高い耐久性が確認されています。
事業の概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/12624/table/454_1.jpg ]
■CO2-EORなど原油生産時の随伴ガスからのCO2分離・回収
CO2-EORでは、原油生産時の随伴ガスからCO2を分離・回収して再利用する際、高分子膜(有機膜)が一般的に使用されています。ところが、高濃度のCO2を含有する随伴ガスの処理に際しては、高分子膜の劣化が著しく早まるために、その交換コストの負担が大きいことが問題となります。
一方、DDR型ゼオライト膜は、高濃度のCO2環境下でも高い分離性能、耐久性を示します。本プロセスの適用により、純度向上したCO2の再利用による増産効果に加え、CO2分離・回収時の運転コストが低減され、CO2-EOR事業の拡大に貢献できると考えています。
■高濃度CO2含有天然ガス精製時のCO2除去
既存技術の化学吸収法では、対象ガスのCO2濃度が高まるにつれ吸収溶剤の使用量が増え、溶剤再生に伴う消費エネルギーが増大します。より小さい消費エネルギーでCO2を除去できる本プロセスを化学吸収法の前段に用い、組み合わせることで、ガス処理に係るコスト低減を実現し、これまで開発が進まなかった高濃度CO2含有ガス田の開発に繋げられると考えています。
■原油・天然ガス資源開発への貢献
1970年代よりCO2-EORが実施されてきた米国に加え、近年では東南アジアや中東諸国においても原油増産のためCO2-EORの実施・拡大が検討されています。また、マレーシアやインドネシアを始めとする東南アジア地域には高濃度CO2含有ガス田が数多く存在しており、CO2除去の一次処理に本プロセスを用いることで経済性が成立し、これらガス田の開発が推進される可能性があります。
JOGMECは、DDR型ゼオライト膜を用いたCO2分離・回収プロセスの実用化を通じ、原油・天然ガス資源開発に貢献していく所存です。
(注1)CO2-EOR(CO2 Enhanced Oil Recovery): 二酸化炭素原油増進回収法
CO2を地下の油層に圧入することにより、油層内に残存した原油の流動性を高め、原油回収率を高める技術です。また、CO2-EORは油層へ圧入したCO2の一部が貯留される効果があり、現実的なCCUSの1つとして温暖化対策効果も期待されています。
(注2)ゼオライトとはミクロ多孔性の結晶性アルミノケイ酸塩であり、現在、多くの種類のゼオライトが人工的に合成され、触媒や吸着剤等として工業的に活用されています。DDRとは、ゼオライトの骨格構造の一つです。
(注3)CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage: 二酸化炭素の回収・利用・貯留)地球温暖化対策としてのCO2の回収・貯留に留まらず、CO2の有効利用により経済価値の創出をも実現する取り組みであり、近年世界的に注目されています。
→ 全文を読む
http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_03_000014.html?mid=pr_190225
JOGMECは、平成25年度より技術ソリューション事業を実施しており、本事業を通じて、産油国国営石油・ガス会社(以下、「産油国」)等が抱える技術的課題 (ニーズ)に対し、JOGMECと日本企業等が一体となって、解決策(ソリューション)を提示していくことで、日本と産油国等との関係強化および日本企業による事業への貢献を進めています。
平成29年度に公募したCO2-EOR(注1)における高CO2濃度の随伴ガスからのCO2分離への膜型分離技術の適用をテーマとしたニーズシーズ調査において、日揮株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役会長CEO:佐藤雅之)(以下、「日揮」)からDDR膜を用いたソリューションが提案され、調査を実施しました。
当該調査の結果、同技術の有効性が確認できたことから、同技術を用いたフィールド実証試験を開始いたします。
本実証試験は、日揮と日本ガイシ株式会社(以下、「日本ガイシ」)が、平成20年度より共同で開発を進めてきたDDR型ゼオライト膜(注2)大型エレメント(直径180ミリメートル x 長さ1,000ミリメートル)を用いたCO2分離・回収プロセス(以下、「本プロセス」)の性能と、後述の各用途への有効性を確認することを目的としています。
本プロセスに適用されるDDR型ゼオライト膜は、高度な製膜技術を有する日本ガイシにより開発製造され、研究施設における試験では、優れたCO2分離性能と、高圧環境下における高い耐久性が確認されています。
事業の概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/12624/table/454_1.jpg ]
■CO2-EORなど原油生産時の随伴ガスからのCO2分離・回収
CO2-EORでは、原油生産時の随伴ガスからCO2を分離・回収して再利用する際、高分子膜(有機膜)が一般的に使用されています。ところが、高濃度のCO2を含有する随伴ガスの処理に際しては、高分子膜の劣化が著しく早まるために、その交換コストの負担が大きいことが問題となります。
一方、DDR型ゼオライト膜は、高濃度のCO2環境下でも高い分離性能、耐久性を示します。本プロセスの適用により、純度向上したCO2の再利用による増産効果に加え、CO2分離・回収時の運転コストが低減され、CO2-EOR事業の拡大に貢献できると考えています。
■高濃度CO2含有天然ガス精製時のCO2除去
既存技術の化学吸収法では、対象ガスのCO2濃度が高まるにつれ吸収溶剤の使用量が増え、溶剤再生に伴う消費エネルギーが増大します。より小さい消費エネルギーでCO2を除去できる本プロセスを化学吸収法の前段に用い、組み合わせることで、ガス処理に係るコスト低減を実現し、これまで開発が進まなかった高濃度CO2含有ガス田の開発に繋げられると考えています。
■原油・天然ガス資源開発への貢献
1970年代よりCO2-EORが実施されてきた米国に加え、近年では東南アジアや中東諸国においても原油増産のためCO2-EORの実施・拡大が検討されています。また、マレーシアやインドネシアを始めとする東南アジア地域には高濃度CO2含有ガス田が数多く存在しており、CO2除去の一次処理に本プロセスを用いることで経済性が成立し、これらガス田の開発が推進される可能性があります。
JOGMECは、DDR型ゼオライト膜を用いたCO2分離・回収プロセスの実用化を通じ、原油・天然ガス資源開発に貢献していく所存です。
(注1)CO2-EOR(CO2 Enhanced Oil Recovery): 二酸化炭素原油増進回収法
CO2を地下の油層に圧入することにより、油層内に残存した原油の流動性を高め、原油回収率を高める技術です。また、CO2-EORは油層へ圧入したCO2の一部が貯留される効果があり、現実的なCCUSの1つとして温暖化対策効果も期待されています。
(注2)ゼオライトとはミクロ多孔性の結晶性アルミノケイ酸塩であり、現在、多くの種類のゼオライトが人工的に合成され、触媒や吸着剤等として工業的に活用されています。DDRとは、ゼオライトの骨格構造の一つです。
(注3)CCUS(Carbon Capture, Utilization and Storage: 二酸化炭素の回収・利用・貯留)地球温暖化対策としてのCO2の回収・貯留に留まらず、CO2の有効利用により経済価値の創出をも実現する取り組みであり、近年世界的に注目されています。
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http://www.jogmec.go.jp/news/release/news_03_000014.html?mid=pr_190225