【岡山大学】植物ゲノム解析手法を初めてヒト疾患「斜視」に応用!
[22/01/31]
提供元:PRTIMES
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2022(令和4)年 1月 30日
国立大学法人岡山大学
http://www.okayama-u.ac.jp/
[画像1: https://prtimes.jp/i/72793/482/resize/d72793-482-5e2e4b0ea4e0456a9656-0.jpg ]
<発表のポイント>
遺伝統計学は植物から生まれた科学であり、明快で優れた遺伝モデルが存在し、植物では環境と遺伝の双方が関係する形質の解析が行われています。
岡山大学資源植物科学研究所のオオムギ(大麦)遺伝解析の専門家の佐藤和広教授の研究室で稼働している二倍体植物用に開発された量的形質遺伝子座解析の手法をヒト多因子疾患である「斜視」に初めて応用しました。
各遺伝子に対応するゲノムDNAの領域(エクソン)のみの配列を次世代シークエンサで決める全エクソーム解析を行い、一塩基変化の分布状態を22対の染色体全体で描画しました。
内斜視患者群と外斜視患者群での差を1枚の図で表すことができ、ヒト多因子疾患の解析に役立つ新しい研究手法になると期待されます。
◆概 要
国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:槇野博史)の学術研究院ヘルスシステム統合科学学域(医)生体機能再生再建医学分野(眼科)の松尾俊彦教授、同大学院ヘルスシステム統合科学研究科の張菁菁研究員、岡山大学病院眼科の濱崎一郎講師、岡山大学資源植物科学研究所の佐藤和広教授は、二倍体植物用に開発された量的形質遺伝子座解析の手法をヒト多因子疾患である「斜視」に初めて応用しました。
岡山大学資源植物科学研究所は、全国の共同利用・共同研究拠点「植物遺伝資源・ストレス科学研究拠点」になっていて、2015年4月から実施した共同研究「植物ゲノム多様性解析手法のヒト疾患(斜視)多型解析への応用」(申請者:松尾俊彦、課題番号2743)の成果です。
本研究成果は、2021年12月27日、スイスの科学誌「Life」に掲載されました。
ヒトの多因子疾患を解析する新たな手法になると期待されます。
[画像2: https://prtimes.jp/i/72793/482/resize/d72793-482-e0d65a0b1e50d2a0f3d1-2.jpg ]
図. 染色体全体を見渡した一塩基多型(SNP)の頻度の分布
一塩基多型(SNP)毎に全読み中の変化読みの比率をSNP indexと定義し、2群間でのSNP indexの差 Δ(SNP index)を算出し、染色体全体(横軸の数字は染色体番号)で描画しています。上段から順に、Aは内斜視群と正常群の比較、Bは外斜視群と正常群の比較、Cは斜視群(内斜視群+外斜視群)と正常群の比較です
◆松尾俊彦教授からのひとこと
2014年から佐藤和広先生に教えてもらいながら進めた研究がやっと完成しました。当時大学院生であった張研究員と松尾が倉敷の資源植物科学研究所に電車に乗って通いました。研究所のまわりには研究用の大麦の畑が広がっている美しい風景です。植物研究が盛んな岡山の地の利を活かして、斜視のようなヒト多因子疾患の解明を進めていきたいと思います。
[画像3: https://prtimes.jp/i/72793/482/resize/d72793-482-3e6cba5d562f5b2f07cc-1.jpg ]
◆論文情報
論 文 名:Whole exome-sequencing of pooled genomic DNA samples to detect quantitative trait loci in esotropia and exotropia of strabismus in Japanese.
掲 載 誌:Life
著 者:Jingjing Zhang, Toshihiko Matsuo, Ichiro Hamasaki, Kazuhiro Sato
D O I:https://doi.org/10.3390/life12010041
U R L: https://www.mdpi.com/2075-1729/12/1/41
◆補足論文
<斜視の候補遺伝子の論文>
論 文 名:MGST2 and WNT2 are candidate genes for comitant strabismus susceptibility in Japanese
patients.
掲 載 誌:PeerJ
著 者:Jingjing Zhang, Toshihiko Matsuo
D O I:10.7717/PeerJ3935
U R L: https://peerj.com/articles/3935/
<斜視の遺伝子座を発見した論文>
論 文 名:Chromosomes 4q28.3 and 7q31.2 as new susceptibility loci for comitant strabismus.
掲 載 誌:Investigative Ophthalmology and Visual Science
著 者:Sherin Shaaban, Toshihiko Matsuo, Hirotake Fujiwara, Emi Itoshima, Takashi Furuse, Satoshi
Hasebe, Qingrun Zhang, Jurg Ott, Hiroshi Ohtsuki
D O I:10.1167/iovs.08-2437
U R L : http://iovs.arvojournals.org/article.aspx?articleid=2185297
◆詳しいプレスリリースについて
植物ゲノム解析手法を初めてヒト疾患「斜視」に応用!
https://www.okayama-u.ac.jp/up_load_files/press_r3/press20220128-3.pdf
◆参 考
・岡山大学資源植物科学研究所(IPSR)
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/
・岡山大学資源植物科学研究所 ゲノム多様性グループ(佐藤和広教授)
https://www.rib.okayama-u.ac.jp/barley/index.sjis.html
・岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科(岡山大学病院眼科)
http://okayama-u-opth.jp/
・岡山大学病院
https://www.okayama-u.ac.jp/user/hospital/
[画像4: https://prtimes.jp/i/72793/482/resize/d72793-482-5e3fa681e37d1114bfea-3.jpg ]
◆本件お問い合わせ先
<研究成果に関するお問い合わせ先>
岡山大学 学術研究院 ヘルスシステム統合科学学域(医)(岡山大学病院眼科) 教授 松尾俊彦
〒700-8558 岡山県岡山市北区鹿田町2-5-1 岡山大学鹿田キャンパス
TEL:086-235-7297(眼科医局)
E-mail:matsuot◎cc.okayama-u.ac.jp
※◎を@に置き換えて下さい
<岡山大学の産学連携などに関するお問い合わせ先>
岡山大学研究推進機構 産学連携・知的財産本部
〒700-8530 岡山県岡山市北区津島中1-1-1 岡山大学津島キャンパス 本部棟1階
TEL:086-251-8463
E-mail:sangaku◎okayama-u.ac.jp
※ ◎を@に置き換えて下さい
https://www.orsd.okayama-u.ac.jp/
岡山大学メディア「OTD」(アプリ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000011.000072793.html
岡山大学メディア「OTD」(ウェブ):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000215.000072793.html
岡山大学SDGsホームページ:https://sdgs.okayama-u.ac.jp/
岡山大学Image Movie (YouTube):https://youtu.be/pKMHm4XJLtw
「岡大TV」(YouTube):https://www.youtube.com/channel/UCi4hPHf_jZ1FXqJfsacUqaw
産学共創活動「岡山大学オープンイノベーションチャレンジ」2022年2月期共創活動パートナー募集中:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000474.000072793.html
岡山大学『THEインパクトランキング2021』総合ランキング 世界トップ200位以内、国内同列1位!!
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000070.000072793.html
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https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000122.000072793.html
[画像5: https://prtimes.jp/i/72793/482/resize/d72793-482-2a0a8fb8121984c709e4-4.jpg ]