欧州難民危機:イタリアに到着する難民の子どもが増加【プレスリリース】
[16/10/19]
提供元:PRTIMES
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2万人以上がおとなの同伴なし
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/788/resize/d5176-788-591724-1.jpg ]
※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_92928.html からご覧いただけます。
【2016年10月18日 ローマ/ジュネーブ発】
イタリアへと渡る難民・移民の子どもたちが過去最多のレベルに達している中、イタリアには新たな子どもの難民・移民が到着し続けており、その中にはイタリアの沿岸警備隊の船の上で生まれた2人と到着後港で生まれた1人の計3人の新生児も含まれている、とユニセフ(国連児童基金)は述べています。
2016年9月までに海路にてイタリアへ到着した子どもの数は、去年1年間の総数より多くなりました。
2015年には単独で渡航する子どもの割合は75%だったのが、今年は90%以上となりました。今年はエジプトから来る子どもの人数に増加が見られますが、未だにほとんどの子どもは西アフリカから来ています。
2016年1月から10月にかけて、2万人以上にのぼる同伴者のいない、もしくは親と離ればなれになってしまった子どもたちが、海路でイタリアに到着したと推定されています。これは、2015年に到着した子どもの総数1万6,500人より既に多く、昨年はそのうち同伴者のいないもしくは離ればなれになってしまった子どもは1万2,300人でした。
現地にいるユニセフの支援チームによると、イタリアにおける難民・移民の子どもの状況はさらに悪化しており、イタリアの子どもの保護システムは限界を迎えています。
「毎週何百人もの子どもたちがここに到着し、脆弱な新生児から外国で先がどうなるか分からないながら単独で渡航する10代の若者まで、一人ひとりがそれぞれに大きな差し迫ったニーズを持っています」と、現在イタリア・カラブリアにて特に新たに流入する難民・移民の子どもたちのニーズを調査しているユニセフ子どもの保護専門官サブリナ・アヴァキアンは述べました。
「子どもたちの中には、人が溺れるところを目撃するなどして、渡航によって心に傷を負っていたり、乗ってきた小型ボートの燃料によって重度の化学熱傷を負っている子どももいます。赤ちゃんやその母親は母乳育児に関して特別なケアが必要です。そして全員がきちんとした住まいや保護を必要としていますが、彼らにとってはあまりにも時間がかかりすぎています」(アヴァキアン)
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/788/resize/d5176-788-687169-0.jpg ]
現在も海の上で生死を分かつ悲劇は続いています。リビアより船に乗ったナイジェリア人の母親は、3歳と4歳の2人の小さな息子が彼女の腕からすり抜けて海で溺れてしまったことによって、完全なショック状態に陥っています。2016年に、地中海中部ですでに3,100人以上が溺死しており、記録史上最も危険な年となっています。どれだけの子どもが海上で亡くなったか、その人数はわかっていません。
前出のエリトリアより渡航してきた3人の新生児と若い母親の健康状態は良好で、誕生を登録されたうえで現在はカターニアの保健スタッフの支援を受けています。
ユニセフは、イタリアの沿岸警備隊の船上に、幼い子どもたちのために「子どもにやさしい空間」を設置しました。また10代の若者のためには、ユニセフの支援チームが到着時の心理社会的な支援を行っています。
他国連機関やイタリアの社会福祉当局などのパートナーとともに、ユニセフは後見人選定の迅速化や受け入れ条件の改善に向けて働きかけています。外国籍の子どもが多くいる状況によって、後見人の選定や法的な支援が届くまで時には1年近くもかかってしまい、大きな遅延につながっています。
* * *
■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)
[画像1: http://prtimes.jp/i/5176/788/resize/d5176-788-591724-1.jpg ]
※本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。
※本信の原文は、http://www.unicef.org/media/media_92928.html からご覧いただけます。
【2016年10月18日 ローマ/ジュネーブ発】
イタリアへと渡る難民・移民の子どもたちが過去最多のレベルに達している中、イタリアには新たな子どもの難民・移民が到着し続けており、その中にはイタリアの沿岸警備隊の船の上で生まれた2人と到着後港で生まれた1人の計3人の新生児も含まれている、とユニセフ(国連児童基金)は述べています。
2016年9月までに海路にてイタリアへ到着した子どもの数は、去年1年間の総数より多くなりました。
2015年には単独で渡航する子どもの割合は75%だったのが、今年は90%以上となりました。今年はエジプトから来る子どもの人数に増加が見られますが、未だにほとんどの子どもは西アフリカから来ています。
2016年1月から10月にかけて、2万人以上にのぼる同伴者のいない、もしくは親と離ればなれになってしまった子どもたちが、海路でイタリアに到着したと推定されています。これは、2015年に到着した子どもの総数1万6,500人より既に多く、昨年はそのうち同伴者のいないもしくは離ればなれになってしまった子どもは1万2,300人でした。
現地にいるユニセフの支援チームによると、イタリアにおける難民・移民の子どもの状況はさらに悪化しており、イタリアの子どもの保護システムは限界を迎えています。
「毎週何百人もの子どもたちがここに到着し、脆弱な新生児から外国で先がどうなるか分からないながら単独で渡航する10代の若者まで、一人ひとりがそれぞれに大きな差し迫ったニーズを持っています」と、現在イタリア・カラブリアにて特に新たに流入する難民・移民の子どもたちのニーズを調査しているユニセフ子どもの保護専門官サブリナ・アヴァキアンは述べました。
「子どもたちの中には、人が溺れるところを目撃するなどして、渡航によって心に傷を負っていたり、乗ってきた小型ボートの燃料によって重度の化学熱傷を負っている子どももいます。赤ちゃんやその母親は母乳育児に関して特別なケアが必要です。そして全員がきちんとした住まいや保護を必要としていますが、彼らにとってはあまりにも時間がかかりすぎています」(アヴァキアン)
[画像2: http://prtimes.jp/i/5176/788/resize/d5176-788-687169-0.jpg ]
現在も海の上で生死を分かつ悲劇は続いています。リビアより船に乗ったナイジェリア人の母親は、3歳と4歳の2人の小さな息子が彼女の腕からすり抜けて海で溺れてしまったことによって、完全なショック状態に陥っています。2016年に、地中海中部ですでに3,100人以上が溺死しており、記録史上最も危険な年となっています。どれだけの子どもが海上で亡くなったか、その人数はわかっていません。
前出のエリトリアより渡航してきた3人の新生児と若い母親の健康状態は良好で、誕生を登録されたうえで現在はカターニアの保健スタッフの支援を受けています。
ユニセフは、イタリアの沿岸警備隊の船上に、幼い子どもたちのために「子どもにやさしい空間」を設置しました。また10代の若者のためには、ユニセフの支援チームが到着時の心理社会的な支援を行っています。
他国連機関やイタリアの社会福祉当局などのパートナーとともに、ユニセフは後見人選定の迅速化や受け入れ条件の改善に向けて働きかけています。外国籍の子どもが多くいる状況によって、後見人の選定や法的な支援が届くまで時には1年近くもかかってしまい、大きな遅延につながっています。
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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。 (www.unicef.or.jp)