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紛争の影響で学校に通えない子ども2,700万人【プレスリリース】

ユニセフ報告書『教育を奪われて(Education Uprooted)』発表




[画像1: https://prtimes.jp/i/5176/1013/resize/d5176-1013-128603-0.jpg ]

【2017年9月18日 ニューヨーク 発】


世界の紛争地に暮らす約2,700万人の子どもたちが学校に通えていないと、ユニセフ(国連児童基金)は本日発表した報告書『教育を奪われて(Education Uprooted)』で述べています。紛争や災害により家を離れることを余儀なくされた子どもたちへの教育の重要性に焦点をあてた本報告書は、ふるさとを追われた子どもたちに教育を受ける機会を提供できなければ、子どもたち自身と各国に重大な影響を及ぼすと指摘しています。

報告書では、提示する主な事実は以下の通りです。


■ふるさとを追われた子どもは、たとえ難民や移民、国内避難民であっても、子どもであることには変わりありません。そして、子どもには教育を受ける権利があります。


2015年には、5,000万人近くの子どもがふるさとを追われた。そのうち2,800万人以上は、暴力や情勢不安のためにふるさとを離れることを余儀なくされた。
紛争の影響を受ける24カ国で、小中学校学齢期の子ども2,700万人が学校に通えていない。


■十分な教育を受けていない子どもと若者は、移動する過程で搾取される危険性が高まります。

地中海中央ルートでヨーロッパに向けて渡った子ども・若者を対象とした最新の調査では、教育を受けていない若者の90%が搾取を受けたと報告しており、初等教育を受けた子どもの77%、中等教育を受けた子どもの75%と比較して高い割合。
地中海東部ルートでヨーロッパに向けて渡った若者を対象とした調査では、教育を受けていない若者の23%が搾取を受けたと報告しており、初等教育を受けた子どもの20%、中等教育を受けた子どもの14%と比較して高い割合。


■難民の子どもたちは、難民ではない子どもたちよりも学校に通ってない可能性が5倍にのぼります

難民の子どもたちのうち、小学校に通っているのは50%のみ。
難民の若者のうち、中等教育を受けているのは25%未満。


■女の子は特に危険に晒されます。

女の子は、性的またはジェンダーに基づいた暴力の被害を受ける可能性が高い。
紛争の影響を受ける国々では、女の子は男の子に比べて学校に通っていない可能性が2.5倍高い。


■家族とともに定住を希望する国に到着した子どもたちは、公的な学校教育を受けるために、いくつかの障壁に直面します。

情報が提供されておらず、また言葉や文化の壁により情報を得ることが難しいことがある。
移動による状況の激変や新しい環境での生活や日常が不安定なことが、子どもたちの学習を困難にしている。
外国人に対する嫌悪、排斥、非難が、新たに学校教育制度に加わろうとする子どもたちにとって、不親切で、ときに危険を伴う環境をつくる可能性がある。学業成績証明書は、国境を越えたり教育制度が異なるとうまく機能しないことがある。例えばトルコでは、仮設の学習センターでの学業は、教育省の定めた基準を満たしていないため認められていない。従って、仮設の学習センターで学ぶ子どもたちは、学業を修めても修了証明書を獲得できず、学歴を証明することが難しくなる。
いくつかの国では、法的な障壁が存在する。例えば、欧州連合(EU)では、正式な登録のない移民の子どもを学校に受け入れている国は10カ国に留まり、5カ国では受け入れをはっきりと拒否している。


■国際的な組織・団体が、子どもたちが安全に学べるスペースを提供しています

ユニセフは2016年に、緊急状況下にある子どもたち1,170万人を支援。支援内容には、公式・非公式の学習の機会、教育資材、教員の研修、技能研修の提供が含まれます。
ユニセフは、緊急状況下で教育を必要としている子どもたちの45%に支援を提供。
ユニセフは現在、教育基金『Education Cannot Wait(教育を後回しにはできない)』の事務局を担っている。基金は各国政府から1億1,300万米ドルの資金提供を受け、民間セクターから1億米ドルに相当する資金および物資提供の申し出を得ている。


■ユニセフはパートナーの政府・団体に対して下のことを求めます

ふるさとを追われたすべての子どもたちを、移民、難民、国内避難民、難民申請者またはおとなの同伴者がいない場合であっても、彼らが居住する地域の教育制度に統合すること。
ふるさとを追われた子どもたちの多岐にわたるニーズに沿った、質の高い学習機会に投資すること:
世界が人道危機のために提供している資金額のより多くの割合を、緊急時の教育支援を可能にするための適切かつ予測可能な資金として割り当てること。
心理社会的ケア、語学学習、統合支援などのサービスも提供すること。
受け入れコミュニティにおいて、子どもたちに質の高い教育の機会を提供できるよう、教育制度を強化すること。制度を強化することで、ふるさとを追われた子どもたちに、学校に通い学ぶために必要なサービスの提供が可能になる。
民間セクターを含むパートナー団体の協力を得て、ふるさとを追われた子どもたちのニーズに沿う技術支援、専門知識、技能訓練を提供すること。
パートナー団体と協力して、子どもたちが教育を続ける上で直面する課題への解決策を、共に策定すること。
生徒たちの学業証明を守るため、国際的に互換できる学業成績証明および記録システムの構築方法を模索すること。


[画像2: https://prtimes.jp/i/5176/1013/resize/d5176-1013-673359-1.jpg ]


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関連動画(日本語テロップ付)は以下からご覧いただけます。
https://www.youtube.com/watch?v=ZsYDPpRrKc8&t=19s

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■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
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