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共創型プラットフォーム「V みんなのエシカルフードラボ」 第2回「食のサステナビリティフォーラム2024」を開催

〜エシカルな商品は消費者価値になり得るか〜




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CCCMKホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:高橋誉則、以下「CCCMKHD」)が取り組む共創型プラットフォーム「Vみんなのエシカルフードラボ」は、2024年10月22日(火)に、第2回「食のサステナビリティフォーラム2024」を開催いたしました。

「食のサステナビリティフォーラム2024」はVポイントの購買データや調査結果の分析、各社事例をもとにエシカルな商品の消費者価値の創り方・伝え方の示唆につながる情報を提供し、エシカルフードにおける消費者価値を明らかにしていくことを目的にしています。7月19日(金)の第1回を皮切りに、食品メーカー、流通、テックなど業種・業界の垣根を超えたステークホルダーの皆さまにご参加いただき全4回の開催を予定しています。
■第2回「食のサステナビリティフォーラム」について
CCCMKHDは、10月22日(火)、東京都・渋谷区で第2回「食のサステナビリティフォーラム」を開催いたしました。エシカル・スピリッツ株式会社、株式会社共同通信、相模屋食料株式会社、株式会社セブン&アイ・ホールディングス、株式会社TNC、株式会社ニチレイフーズ、日本電気株式会社、ハウス食品グループ本社株式会社、ハウス食品株式会社、株式会社日立ソリューションズ、株式会社Mizkan Holdings、明治ホールディングス株式会社(※五十音順)より計25名の方にご参加いただきました。
前半では「エシカル商品のマーケティング事例共有」と題し、エシカル・スピリッツ株式会社 代表取締役CEO 小野力さまより、スタートアップ企業の先進事例として注目を集める、未活用素材の酒粕から作られるクラフトジンのマーケティングについてご紹介いただきました。
後半では「コンセプトに基づく価値づくりの方法論とエシカル消費への適用」と題し、明治大学 商学部 専任講師 / 博士 加藤拓巳さまより、マーケティングにおける消費者価値をもとにしたコンセプトづくりの重要性と、エシカル商品における消費者価値についての最新の研究結果をご共有いただきました。
■エシカル商品のマーケティング事例共有(一部抜粋)
エシカル・スピリッツ株式会社 代表取締役CEO 小野力さま
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2020年に設立したエシカル・スピリッツ株式会社は、「Starting the hidden gem.(隠れた才能をステージへ)」をコーポレートメッセージに掲げ、アップサイクルベースのクラフトジンをはじめ、主に蒸留酒を製造しているメーカーです。酒粕やカカオハスク(カカオ豆の外皮)など廃棄されることの多い未活用素材の価値を、蒸留というプロセスを通じてお客さまにお届けしてきました。
そのなかで社会的価値の発信と実際の消費者動向に大きなギャップを感じていました。当社でも、初期の段階では「捨てられてしまう酒粕から作られた…」といった“もったいないモノに価値をつける”というコミュニケーションでPRを行っていましたが、広告としては受賞歴や「東京に蒸留所を構えている」といった打ち出し方の方が効果がありました。また、外部調査でも「エシカルなものしか買わない」と回答した消費者の6割以上が、「5,000円未満の商品においては」と回答するなど、嗜好品である我々のプロダクトは、エシカルやサステナブルな要素が購買動機に直結しないことが分かりました。だからこそ、原材料である酒粕の豊かな香りや「米ベースのお酒で他のジンよりも食事に合う」などの機能的価値、また「どのようなシーンやどんなエモーションで飲みたくなるのか?」という情緒的価値を意識したコミュニケーションの設計を心がけています。
一方で、お客さま同士が当社のジンの製造方法や理念について語り合う場面も多く目にしました。エシカルそのものに値付けをするのではなく、納得できるクオリティを大前提とすることで生まれる「美味しいと思ったものが、実はエシカルだった」という体験こそ、お客さまのリテンションやロイヤリティに大きく寄与できると実感しています。
■コンセプトに基づく価値づくりの方法論とエシカル消費への適用(一部抜粋)
明治大学 商学部 専任講師 / 博士 加藤拓巳さま
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/983/1061/983-1061-7af4b909baa2a1760245192d00cfe87e-2000x1125.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


マーケティングの本質は「販売を不要にする価値づくり」であり、商品・サービスの存在価値を定義するコンセプトが重要です。コンセプトのフレームワークは、Who(何に困っている人に)・What(何を)・How(どのように)です。その中で、最も重視すべきはWhoです。Whoは「20代女性」のような属性ではなく、どのような実用的・心理的な困りごとを抱えている人かを明確にします。なぜなら、価値は問題解決から生まれるからです。なお、マーケティングコミュニケーションにおいては、問題を抱えている消費者を主人公とし、ブランドがそれを解決するストーリーテリングによって、強い共感を生み出すことが重要です。
エシカル商品においても、価値づくりの考え方は同じです。環境配慮・人権保護などの社会的側面は、消費者個人の価値ではありません。よって、社会的意義と消費者価値を両立するために、消費者個人の欲求を特定することが第一歩です。例えば、「ダイエットしているけどガッツリ食べたい」、「仕事中にほっと一息ついて、ストレスを抑えたい」のような問題解決を消費者は望んでいます。ただし、食品における最も強い人間の欲求は、「美味しいものを食べたい」です。よってエシカル特性を、これらのニーズに結びつけて、コンセプトを開発する必要があります。
実際、エシカルコーヒーに関する研究では、従来は生産者の貧困問題の解決を訴えていましたが、「農園の労働条件の良さがもたらす品質」というコンセプトによって商品魅力が高まることが分かりました。同じくチョコレートに関する研究でも、従来の「劣悪な労働環境を容認せずに生産したカカオを用いたチョコレート」から「優れた環境で職人が手入れしたカカオだからこそ生まれる高品質なチョコレート」とすることで、消費者の購買意欲が高まり、購入可能な価格も高まることが分かりました。
卵や牛肉の生鮮食品に関しては、従来はアニマルウェルフェア/動物福祉の観点で訴求してきました。「狭いケージに押し込めて飼育する方法を許さない想いで、飼育に取り組んでいます」ではなく、「快適な環境でのストレスの少ない飼育で高品質に。かつ運動量が多く、脂身が少ない。」というコンセプトを策定しました。これは、「潮流の速い鳴門海峡で育った鳴門鯛は身が引き締まって美味しい」という論理と同じです。さらに、そのコンセプトにもとづいて、商品名(「美天然」)やパッケージ(自然由来の紙素材)を具現化します。その結果、従来の訴求方法と比較して、消費者は「美味しそう」と高い評価をしました。
このように、消費者の欲求・困りごと解決に対して、エシカル特性がどう寄与するのかを明らかにし、コンセプトを開発していきます。もちろん、グリーンウォッシュになってはいけないため、コンセプト策定後は、それを科学的に立証する/そのコンセプトを実現することが重要です。ただし、価値づくりに長けた企業は、まず最初に商品・サービスの存在意義であるコンセプトを定め、その目的を達成するための技術開発を進めることを強く意識すべきです。エシカル商品でも、まずコンセプトを策定することから始めることで、社会的意義と消費者価値を両立することが可能になります。
■ご参加いただいた方からのコメント
ハウス食品グループ本社株式会社 サステナビリティ推進部部長 南 俊哉さま
今回のご講演・ワークショップは大変興味深いものでした。エシカル価値は購入動機になりにくく、まず消費者価値ありきと考えていましたが、エシカル価値を隠すのではなく、エシカル価値をロイヤルティと結び付け、お客さまのお困りごと解決につなげることが突破口になることを学ばせていただきました。素材を感じにくい加工食品では、消費者価値への転換がより難しいと感じていますので、さらなる突破口を期待しています。

第3回「食のサステナビリティフォーラム」は、2025年1月に開催を予定しています。「今後の消費の中心となるZ世代とエシカルな商品の親和性を紐解く」と題して、株式会社TNC 取締役 岸本悠生さまより海外の先進事例について、また一般社団法人ETHICAL EXPO JAPAN 代表 塗野直透さまより国内のZ世代の意識調査についてご紹介いただく予定です(内容は変更する可能性がございます)。


CCCMKホールディングスは、生活者、メーカー、流通など「食」に関わるあらゆるステークホルダーの皆さまと共に、エシカルフードが社会に少しでも浸透していくこと、そして「Vみんなのエシカルフードラボ」の活動ひとつひとつが、未来につながる食の循環を作ることに貢献してまいります。
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