「第3回角川つばさ文庫小説賞」贈賞式を開催
[15/03/30]
提供元:PRTIMES
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株式会社KADOKAWA(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:松原眞樹)では、2009年3月に創刊した小・中学生を読者を対象とした児童文庫レーベル「角川つばさ文庫」を発行、児童のための小説賞「角川つばさ文庫小説賞」を運営しております。このたび、「第3回角川つばさ文庫小説賞」の贈賞式を開催いたしましたので、お知らせいたします。
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■受賞作品・受賞者一覧■
●一般部門 応募作品数 127作品 ※一般部門受賞2作品は、2015年秋に刊行予定です
≪大賞≫
『超吉ガール 〜コンと東京十社めぐりの巻〜』遠藤まり (応募時ペンネーム: 燕藤まり)
≪金賞≫
『名推理はミモザにおまかせ!』月 ゆき
●こども部門 応募作品数 478作品
≪グランプリ≫
『迷子屋』相川 貢(小学3年)
『フタのマネーゲーム』久世禄太(中学3年)
≪準グランプリ≫
『ここは四階妖怪診療所』藤井早紀子(小学5年)
≪特別賞≫
小学校中学年の部
『あなのなか』SARA(小学4年)
小学校高学年の部
『正義の味方 消しゴムスパイ』美貫菜々(小学6年)
『私の来世は蝿である』小説への思いは∞!(小学6年)
中学生の部
『あの日の空』山野抹茶(中学2年)
『ウソラン』ランニング(中学1年)
≪入賞≫
『図書館からの冒険』 成田甲斐 (小学4年)
『のろいの相談ノート』 わか (小学4年)
『はいっ!! ただ今、留守番中でございますっ!!』壱良技高 (小学5年)
『とけい屋マリオネット』 月光疏呎亜 (小学6年)
『あの日あのバスで』 AYAKA (小学6年)
『顔が違うぞ』 珊瑚 (小学6年)
『君と僕の秘密の夏』 なつみかん〜♪ (小学6年)
『夢の中の鬼瓦』 さとうがし (小学5年)
『四人はひ・み・つの探偵団!!』 ☆Pikotan☆ (小学6年)
『浦島海鈴の竜宮城!』 MiSA☆ (小学6年)
『ゲームエンド』 岡野実夏 (中学2年)
『ワスレナグサの笑顔』 春日部 新 (中学1年)
『さくらのきのした』 水無月陽日 (中学2年)
『夏の少女』 優希 (中学2年)
『シルバーサマーに雪が降る』 渋谷萌香 (中学2年)
『三毛猫のきた夏』 うさてぃま (中学2年)
『万屋・影山花子の快談』 五月風芽 (中学3年)
『僕と彼女の昼放課』 寒空小春 (中学2年)
『僕等のマウンド』 花櫻 (中学2年)
『クロワッサンの復讐』 コーヘー (中学2年)
『食人の館』 雲雀みちる (中学2年)
『罪人と牢獄』 runarei (中学3年)
●イラスト部門 応募作品数 91作品 ※グランプリは該当作品なし
≪入選≫ 水玉ひよこ つくぐ
≪佳作≫ 鯱子 徳田ゆえ 比良伊吹 夏八
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■選考委員 選評■
あいはらひろゆき 様
[画像2: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-146657-13.jpg ]
今年もすばらしい作品にたくさん出会えて、楽しい選考となりました。まず、大賞の 『超吉ガール〜コンと東京十社めぐりの巻〜』ですが、この作品の何よりの魅力は等身大の友情をしっかりと描いている点にあると思います。学校の中だけのうわべの友情に飽き足らなかった主人公はご朱印 集めを通じて友だちと深くかかわっていきます。そして、コンと友人のけんかにも触れて「友だちと真摯に向き合うことの大切さ」に気づいていきます。ティーンエイジャーにとって友だち関係は最もむずかしく、かつ重要な問題です。そのテーマに素直に向き合った姿勢はとても好感が持てました。大賞おめでとうございます。
続いて、金賞の 『名推理はミモザにおまかせ!』です。この作品はとてもファンタジックで、かつシャーロック・ホームズばりの推理や謎解きもあって、ともすると海外の作品かと思わせる空気感が漂うステキな作品です。今までの「つばさ文庫」にはない、新しいスタイルの作品として注目されるのではないでしょうか。ただ、あえて言わせてもらうと、ラストの展開をもう少しひねってくれればなおよかったのではないかと思います。
宗田 理 様
[画像3: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-421772-14.jpg ]
『超吉ガール〜コンと東京十社めぐりの巻〜』の、今どきの中学生が神社でおみくじを引くという出だしには、ちょっとびっくりしたが、これはぼくの認識不足で、最近は神社でおみくじを引くどころか、ご朱印を集めることが流行になっているらしい。東京十社の描写と、そこで繰り広げられる友だち同士のやりとりは読んでいて楽しい。ご朱印集めというアイディアに加えて、中学生の生活感と神社のディティールがよく描けていた。タイトルは一考の要あり。
『名推理はミモザにおまかせ!』は、主人公の推理好きの女の子と、白いマントの少年とが、競い合いながら事件を解決していく様子がテンポよく描けていておもしろい。現場に残された謎の文字から死神を突き止め、女王の暗殺計画あたりの後半から前半の勢いがなくなってしまっているように思う。小学校中学年向けのミステリー入門としておもしろいのではないか。
本上まなみ 様
[画像4: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-835342-18.jpg ]
『超吉ガール〜コンと東京十社めぐりの巻〜』は、最も胸キュン度の高い作品。中学生女子のとてもリアルな挫折とそれを乗り越えていく成長物語として読める感動作だと思います。「あの頃」の女子の気持ち、男子の気持ち、亡くなった「おばあちゃん」を思う気持ち等々が丁寧に描かれています。小学校と中学校時代、二種類の親友たちのキャラクターも立っていて、さらには物語を支える東京十社めぐりやそれぞれの街の様子、ご朱印集めなど、舞台装置もちゃんと取材、確立され、色や音、匂いがダイレクトに伝わってくる小説でした。
『名推理はミモザにおまかせ!』は、最も可愛らしい作品。小学生女子が大歓迎しそうなファンシーワールドです。架空の村、キュートでスマートなヒロイン・ミモザの連作プチ推理ものというのもいい視点。ひとつひとつのお話が完結しつつ、連作として次第に大きな事件へとうねっていくという展開が巧いと思いました。シリーズ化も視野にいれられる既に世界が確立している小説だと思いました。
■ご挨拶■
株式会社KADOKAWA 代表取締役専務 井上伸一郎
[画像5: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-112553-6.jpg ]
今回で第3回となる「角川つばさ文庫小説賞」は、過去2回の大賞、金賞受賞作ともに読者の皆さまのご支持を頂き、角川つばさ文庫オリジナルの大ヒット作品になろうとしています。今回の受賞作につきましても、ベストセラーになると確信しております。
本賞の大きな特徴として、「こども部門」を設置していることがあります。これは、読者の方に小説を書いていただく試みで、毎年素晴らしい作品を応募いただいております。今回のグランプリ2作品のうち、『迷子屋』は着想が非常に面白く、スーパーマーケットで迷子になった子がどのような運命をたどるかという意外な話でした。『フタのマネーゲーム』は、中学を舞台に、牛乳のフタを紙幣と異なる価値・貨幣に置き換えた経済小説で、ここから発展させていくと面白いと思っております。
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■受賞作品 概要■
《一般部門 大賞》
『超吉ガール 〜コンと東京十社めぐりの巻〜』 遠藤まり(えんどう・まり 投稿時P.N.燕藤まり)
[画像6: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-303906-16.jpg ]
■あらすじ■
中学1年生の水戸瀬燈子(みとせ・とうこ)は、家の近くの神社で『超吉』と書かれたおみくじを引く。すると急に、お稲荷さまに仕えることを夢見る少女・コンと、その師匠の天狗・瑠禍(るか)の姿が見えるようになる。 コンは燈子に、自分と友だちになって一緒に東京十社の神社をまわり、夢を叶えるための「ご朱印集め」に付き合ってほしい、と頼む。でも、燈子は小学校時代の辛い思い出のせいで、友だちをつくることにおくびょうになっていて……。
■受賞コメント■
「超吉ガール」は不器用な主人公がご朱印を集めながら、友だちといっしょに世界を広げていく、きっかけの物語です。時に迷いながら、それでも前進していくと、思いがけない出来事が待っている。お話を書いた私自身が今、身をもって、実感しています。この気持ちを胸につばさ文庫が大好きな人たちの元へ、心ゆさぶる物語をお届け出来るよう、書きつづけて参ります。
■著者プロフィール■
遠藤まり 1983年8月30日生まれ、31歳。女性。東京出身。誕生日が来ると夏休みが終わる、おとめ座のB型。七草がゆ、福豆、ひなあられ、柏もち……と季節の行事と和菓子が大好き。趣味は神社めぐりとお腹の底から声を出して、歌うこと。
《一般部門 金賞》
『名推理はミモザにおまかせ!』 月ゆき (つき・ゆき)
[画像7: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-988447-17.jpg ]
■あらすじ■
ミモザ・トキタは「謎とき」が大すきな10歳の女の子。いつか頭に鳥が住むように髪の毛を鳥の巣みたいにしてたり、ブカブカの大きな眼鏡をかけていたり…ちょっとかわった子だけど、その推理力は本物。ケーキや指輪をぬすんだ犯人や、消えた待ち合わせ相手の謎を次々解明!しかし謎を解いていくうちに、それが大きな事件につながっていることがわかり!?
■受賞コメント■
私がミステリーと出会ったのは、小学二年生のとき。『8・1・3の謎』を読んだのが最初です。その日以来、夢中になってミステリーを読んできました。かつての私と同じように、このお話を読んだ皆さんにも、わくわくして楽しんでもらえたなら、こんなにうれしいことはありません。本の世界へ通じる扉を開くお手伝いができるよう、がんばっていきたいと思います。楽しい謎のあるふしぎな世界で、主人公たちといっしょに思いっきり冒険してみませんか?
■著者プロフィール■
月ゆき 1973年12月26日生まれ、41歳。山口県出身。やぎ座のA型。趣味は洋裁。今はコートをぬっています。お気に入りのペットはハムスター。好きなおやつはひまわりの種 (人間用のもの) 。ペットとおそろいです。
《こども部門 グランプリ》
『迷子屋』 相川貢(あいかわ・みつぐ 小学3年)
■あらすじ■
新しくできたばかりの巨大なスーパーマーケットに買い物に行った、ぼくと母さん。でも気がつくとぼくは迷子になっていました。「迷子屋」という看板を見つけて入ってみたのですが、そこに閉じ込められてしまいます。そこでぼくはふしぎな夢を見ました。捕まえた人間に5日間、注射をすると、ロボットになるというのです。もしかして、このスーパーで働かされているロボットは、元は迷子だった人間なのかも!?ぼくはみんなを助けようと決めるのですが……。
■この作品を書いたきっかけ■
スーパーで1回迷子になってしまったことがあり、お母さんがとてもたよりなのだなということを思い出して書きました。
■将来の夢■
できれば、小説家になりたいと思います。
『フタのマネーゲーム』 久世禄太 (くぜ・ろくた 中学3年)
■あらすじ■
転校生の亮太は、新しい中学で、給食で出る牛乳ビンのフタが貨幣として流通していることを知ります。フタはさまざまなゲームで賭けられ、生徒の間に貧富の差まで生み出していました。このシステムを作り上げたのは、秀才の菊川。もちろんフタをもっとも多く所有する「大富豪」です。亮太は今野というクラスメートから「オレといっしょに、菊川の絶対支配をひっくりかえさないか」と持ちかけられて──!?
■この作品を書いたきっかけ■
昔、牛乳に使われていた瓶のフタを集めて遊んでいたという話を聞き、それを通貨として使えれば面白いのではないかと思ったことがきっかけです。フタのシステムを書くのは苦戦しましたが、自分がこのようなクラスにいたらいいなと楽しんで書きました。
■将来の夢■
ずばり、小説家です。
《こども部門 準グランプリ》
『ここは四階妖怪診療所』 藤井早紀子 (ふじい・さきこ 小学5年)
■あらすじ■
葵のおばあちゃんは、優しくてお料理上手。でもそんなおばあちゃんには秘密があったのです。それはなんと妖怪専門のお医者さんだということ!おばあちゃんが処方したごはんを食べると、かぜをひいたコオリオニも、頭痛がするロックろ首も、たちまち良くなってしまうのです。ある日、葵とおばあちゃんが暮らす家に、泥棒が侵入! しかし、そのとき現れたのは、いつもおばあちゃんが診察していた妖怪さんたちで!?
■この作品を書いたきっかけ■
この作品を書いた頃、私の中でのブームがこわい話を読むことだったので、自分もこわい話を書こうとひらめいて書きました。
■将来の夢■
小説家です。
[画像8: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-884436-11.jpg ]
[画像1: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-666199-0.jpg ]
■受賞作品・受賞者一覧■
●一般部門 応募作品数 127作品 ※一般部門受賞2作品は、2015年秋に刊行予定です
≪大賞≫
『超吉ガール 〜コンと東京十社めぐりの巻〜』遠藤まり (応募時ペンネーム: 燕藤まり)
≪金賞≫
『名推理はミモザにおまかせ!』月 ゆき
●こども部門 応募作品数 478作品
≪グランプリ≫
『迷子屋』相川 貢(小学3年)
『フタのマネーゲーム』久世禄太(中学3年)
≪準グランプリ≫
『ここは四階妖怪診療所』藤井早紀子(小学5年)
≪特別賞≫
小学校中学年の部
『あなのなか』SARA(小学4年)
小学校高学年の部
『正義の味方 消しゴムスパイ』美貫菜々(小学6年)
『私の来世は蝿である』小説への思いは∞!(小学6年)
中学生の部
『あの日の空』山野抹茶(中学2年)
『ウソラン』ランニング(中学1年)
≪入賞≫
『図書館からの冒険』 成田甲斐 (小学4年)
『のろいの相談ノート』 わか (小学4年)
『はいっ!! ただ今、留守番中でございますっ!!』壱良技高 (小学5年)
『とけい屋マリオネット』 月光疏呎亜 (小学6年)
『あの日あのバスで』 AYAKA (小学6年)
『顔が違うぞ』 珊瑚 (小学6年)
『君と僕の秘密の夏』 なつみかん〜♪ (小学6年)
『夢の中の鬼瓦』 さとうがし (小学5年)
『四人はひ・み・つの探偵団!!』 ☆Pikotan☆ (小学6年)
『浦島海鈴の竜宮城!』 MiSA☆ (小学6年)
『ゲームエンド』 岡野実夏 (中学2年)
『ワスレナグサの笑顔』 春日部 新 (中学1年)
『さくらのきのした』 水無月陽日 (中学2年)
『夏の少女』 優希 (中学2年)
『シルバーサマーに雪が降る』 渋谷萌香 (中学2年)
『三毛猫のきた夏』 うさてぃま (中学2年)
『万屋・影山花子の快談』 五月風芽 (中学3年)
『僕と彼女の昼放課』 寒空小春 (中学2年)
『僕等のマウンド』 花櫻 (中学2年)
『クロワッサンの復讐』 コーヘー (中学2年)
『食人の館』 雲雀みちる (中学2年)
『罪人と牢獄』 runarei (中学3年)
●イラスト部門 応募作品数 91作品 ※グランプリは該当作品なし
≪入選≫ 水玉ひよこ つくぐ
≪佳作≫ 鯱子 徳田ゆえ 比良伊吹 夏八
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■選考委員 選評■
あいはらひろゆき 様
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今年もすばらしい作品にたくさん出会えて、楽しい選考となりました。まず、大賞の 『超吉ガール〜コンと東京十社めぐりの巻〜』ですが、この作品の何よりの魅力は等身大の友情をしっかりと描いている点にあると思います。学校の中だけのうわべの友情に飽き足らなかった主人公はご朱印 集めを通じて友だちと深くかかわっていきます。そして、コンと友人のけんかにも触れて「友だちと真摯に向き合うことの大切さ」に気づいていきます。ティーンエイジャーにとって友だち関係は最もむずかしく、かつ重要な問題です。そのテーマに素直に向き合った姿勢はとても好感が持てました。大賞おめでとうございます。
続いて、金賞の 『名推理はミモザにおまかせ!』です。この作品はとてもファンタジックで、かつシャーロック・ホームズばりの推理や謎解きもあって、ともすると海外の作品かと思わせる空気感が漂うステキな作品です。今までの「つばさ文庫」にはない、新しいスタイルの作品として注目されるのではないでしょうか。ただ、あえて言わせてもらうと、ラストの展開をもう少しひねってくれればなおよかったのではないかと思います。
宗田 理 様
[画像3: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-421772-14.jpg ]
『超吉ガール〜コンと東京十社めぐりの巻〜』の、今どきの中学生が神社でおみくじを引くという出だしには、ちょっとびっくりしたが、これはぼくの認識不足で、最近は神社でおみくじを引くどころか、ご朱印を集めることが流行になっているらしい。東京十社の描写と、そこで繰り広げられる友だち同士のやりとりは読んでいて楽しい。ご朱印集めというアイディアに加えて、中学生の生活感と神社のディティールがよく描けていた。タイトルは一考の要あり。
『名推理はミモザにおまかせ!』は、主人公の推理好きの女の子と、白いマントの少年とが、競い合いながら事件を解決していく様子がテンポよく描けていておもしろい。現場に残された謎の文字から死神を突き止め、女王の暗殺計画あたりの後半から前半の勢いがなくなってしまっているように思う。小学校中学年向けのミステリー入門としておもしろいのではないか。
本上まなみ 様
[画像4: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-835342-18.jpg ]
『超吉ガール〜コンと東京十社めぐりの巻〜』は、最も胸キュン度の高い作品。中学生女子のとてもリアルな挫折とそれを乗り越えていく成長物語として読める感動作だと思います。「あの頃」の女子の気持ち、男子の気持ち、亡くなった「おばあちゃん」を思う気持ち等々が丁寧に描かれています。小学校と中学校時代、二種類の親友たちのキャラクターも立っていて、さらには物語を支える東京十社めぐりやそれぞれの街の様子、ご朱印集めなど、舞台装置もちゃんと取材、確立され、色や音、匂いがダイレクトに伝わってくる小説でした。
『名推理はミモザにおまかせ!』は、最も可愛らしい作品。小学生女子が大歓迎しそうなファンシーワールドです。架空の村、キュートでスマートなヒロイン・ミモザの連作プチ推理ものというのもいい視点。ひとつひとつのお話が完結しつつ、連作として次第に大きな事件へとうねっていくという展開が巧いと思いました。シリーズ化も視野にいれられる既に世界が確立している小説だと思いました。
■ご挨拶■
株式会社KADOKAWA 代表取締役専務 井上伸一郎
[画像5: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-112553-6.jpg ]
今回で第3回となる「角川つばさ文庫小説賞」は、過去2回の大賞、金賞受賞作ともに読者の皆さまのご支持を頂き、角川つばさ文庫オリジナルの大ヒット作品になろうとしています。今回の受賞作につきましても、ベストセラーになると確信しております。
本賞の大きな特徴として、「こども部門」を設置していることがあります。これは、読者の方に小説を書いていただく試みで、毎年素晴らしい作品を応募いただいております。今回のグランプリ2作品のうち、『迷子屋』は着想が非常に面白く、スーパーマーケットで迷子になった子がどのような運命をたどるかという意外な話でした。『フタのマネーゲーム』は、中学を舞台に、牛乳のフタを紙幣と異なる価値・貨幣に置き換えた経済小説で、ここから発展させていくと面白いと思っております。
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■受賞作品 概要■
《一般部門 大賞》
『超吉ガール 〜コンと東京十社めぐりの巻〜』 遠藤まり(えんどう・まり 投稿時P.N.燕藤まり)
[画像6: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-303906-16.jpg ]
■あらすじ■
中学1年生の水戸瀬燈子(みとせ・とうこ)は、家の近くの神社で『超吉』と書かれたおみくじを引く。すると急に、お稲荷さまに仕えることを夢見る少女・コンと、その師匠の天狗・瑠禍(るか)の姿が見えるようになる。 コンは燈子に、自分と友だちになって一緒に東京十社の神社をまわり、夢を叶えるための「ご朱印集め」に付き合ってほしい、と頼む。でも、燈子は小学校時代の辛い思い出のせいで、友だちをつくることにおくびょうになっていて……。
■受賞コメント■
「超吉ガール」は不器用な主人公がご朱印を集めながら、友だちといっしょに世界を広げていく、きっかけの物語です。時に迷いながら、それでも前進していくと、思いがけない出来事が待っている。お話を書いた私自身が今、身をもって、実感しています。この気持ちを胸につばさ文庫が大好きな人たちの元へ、心ゆさぶる物語をお届け出来るよう、書きつづけて参ります。
■著者プロフィール■
遠藤まり 1983年8月30日生まれ、31歳。女性。東京出身。誕生日が来ると夏休みが終わる、おとめ座のB型。七草がゆ、福豆、ひなあられ、柏もち……と季節の行事と和菓子が大好き。趣味は神社めぐりとお腹の底から声を出して、歌うこと。
《一般部門 金賞》
『名推理はミモザにおまかせ!』 月ゆき (つき・ゆき)
[画像7: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-988447-17.jpg ]
■あらすじ■
ミモザ・トキタは「謎とき」が大すきな10歳の女の子。いつか頭に鳥が住むように髪の毛を鳥の巣みたいにしてたり、ブカブカの大きな眼鏡をかけていたり…ちょっとかわった子だけど、その推理力は本物。ケーキや指輪をぬすんだ犯人や、消えた待ち合わせ相手の謎を次々解明!しかし謎を解いていくうちに、それが大きな事件につながっていることがわかり!?
■受賞コメント■
私がミステリーと出会ったのは、小学二年生のとき。『8・1・3の謎』を読んだのが最初です。その日以来、夢中になってミステリーを読んできました。かつての私と同じように、このお話を読んだ皆さんにも、わくわくして楽しんでもらえたなら、こんなにうれしいことはありません。本の世界へ通じる扉を開くお手伝いができるよう、がんばっていきたいと思います。楽しい謎のあるふしぎな世界で、主人公たちといっしょに思いっきり冒険してみませんか?
■著者プロフィール■
月ゆき 1973年12月26日生まれ、41歳。山口県出身。やぎ座のA型。趣味は洋裁。今はコートをぬっています。お気に入りのペットはハムスター。好きなおやつはひまわりの種 (人間用のもの) 。ペットとおそろいです。
《こども部門 グランプリ》
『迷子屋』 相川貢(あいかわ・みつぐ 小学3年)
■あらすじ■
新しくできたばかりの巨大なスーパーマーケットに買い物に行った、ぼくと母さん。でも気がつくとぼくは迷子になっていました。「迷子屋」という看板を見つけて入ってみたのですが、そこに閉じ込められてしまいます。そこでぼくはふしぎな夢を見ました。捕まえた人間に5日間、注射をすると、ロボットになるというのです。もしかして、このスーパーで働かされているロボットは、元は迷子だった人間なのかも!?ぼくはみんなを助けようと決めるのですが……。
■この作品を書いたきっかけ■
スーパーで1回迷子になってしまったことがあり、お母さんがとてもたよりなのだなということを思い出して書きました。
■将来の夢■
できれば、小説家になりたいと思います。
『フタのマネーゲーム』 久世禄太 (くぜ・ろくた 中学3年)
■あらすじ■
転校生の亮太は、新しい中学で、給食で出る牛乳ビンのフタが貨幣として流通していることを知ります。フタはさまざまなゲームで賭けられ、生徒の間に貧富の差まで生み出していました。このシステムを作り上げたのは、秀才の菊川。もちろんフタをもっとも多く所有する「大富豪」です。亮太は今野というクラスメートから「オレといっしょに、菊川の絶対支配をひっくりかえさないか」と持ちかけられて──!?
■この作品を書いたきっかけ■
昔、牛乳に使われていた瓶のフタを集めて遊んでいたという話を聞き、それを通貨として使えれば面白いのではないかと思ったことがきっかけです。フタのシステムを書くのは苦戦しましたが、自分がこのようなクラスにいたらいいなと楽しんで書きました。
■将来の夢■
ずばり、小説家です。
《こども部門 準グランプリ》
『ここは四階妖怪診療所』 藤井早紀子 (ふじい・さきこ 小学5年)
■あらすじ■
葵のおばあちゃんは、優しくてお料理上手。でもそんなおばあちゃんには秘密があったのです。それはなんと妖怪専門のお医者さんだということ!おばあちゃんが処方したごはんを食べると、かぜをひいたコオリオニも、頭痛がするロックろ首も、たちまち良くなってしまうのです。ある日、葵とおばあちゃんが暮らす家に、泥棒が侵入! しかし、そのとき現れたのは、いつもおばあちゃんが診察していた妖怪さんたちで!?
■この作品を書いたきっかけ■
この作品を書いた頃、私の中でのブームがこわい話を読むことだったので、自分もこわい話を書こうとひらめいて書きました。
■将来の夢■
小説家です。
[画像8: http://prtimes.jp/i/7006/1422/resize/d7006-1422-884436-11.jpg ]