パナソニック オートモーティブシステムズが「ひと研究」と「AI技術」の最新情報を公開
[24/02/29]
提供元:PRTIMES
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パナソニック オートモーティブシステムズ株式会社(本社所在地:神奈川県横浜市、以下、パナソニック オートモーティブシステムズ)は、本日、「ひと研究(眠気推定モデル、ドライバー視覚モデル、温冷感モデル)」ならびに「組み込みAI技術と活用事例」を、企業ホームページで公開しました。
・ひと研究URL https://automotive.panasonic.com/technology/human-insight
・AI URL https://automotive.panasonic.com/technology/ai
<ひと研究>
1. 眠気推定モデル
パナソニック オートモーティブシステムズは、パナソニックグループにあった、表情やまばたき、放熱量から眠気を推定する技術をさらに進化させ、個人差による誤差を最小化したパナソニック オートモーティブシステムズ独自の眠気推定モデルを開発しています。
具体的には、カメラで撮影したドライバーの「瞬きの速度」や「頭の角度変化のバラつき」「頭の上下位置の変化量」といった、ひとが眠気を感じる時の特徴量(パラメータ)を理解・抽出し、その時間変化を見ることで眠気を推定。強い眠気になる前に車内環境を変化させて、交通事故やヒヤリハットの未然防止を目指しています。
2. ドライバー視覚モデル
ひとが外界を認知する際、瞬間瞬間に目から入ってくる現在のイメージが寄与しているのはわずか2割で、残り8割は脳が直前の過去の記憶から生成する予測イメージでもって、現在の外界を視覚イメージとして認識していることがわかっています。そして実際の外界と視覚イメージの差が大きい部分に、ひとの注意が引き寄せられます。
パナソニック オートモーティブシステムズでは、この事実を説明できる「予測符号化理論」に基づき、車を運転している時に、ひとがどの部分に注意を引き寄せられているかを検出できるモデルを開発しています。例えば、ドライブレコーダーが記録した前景映像をこのモデルで解析すると、実際の運転中にヒヤリハットが発生した際にドライバーがどこに注意を向けていたかが検出できます。本機能をパナソニック オートモーティブシステムズは世界で初めて(※)実証しました。これを活かしたHMI(ヒューマン・マシン・インターフェース=ドライバーへ運転に必要な情報を提供する装置)で、ドライバーの注意の偏りを無くし、安全な運転に誘導する機能を実現します。
※ドライバー視覚検出機能として。パナソニック オートモーティブシステムズ調べ。
3. 温冷感モデル
パナソニック オートモーティブシステムズのシートヒーターは、ひとの寒い・暖かいの感覚をモデル化し、車室内全体を暖めるのではなく、ひとを直接・効率よく暖めることを実現しています。
シートヒーターを設計する際、車室空間の温度とシートの温度を解析して、ひとがどう感じるかをシミュレーションしています。このひとの「温冷感モデル」をもとに車室空間全体を暖める暖房から、車室全体の暖房は抑えつつ、シートヒーターや輻射ヒーターを活用することで人が暖かいと感じる車室内空調を実現、暖房の電力消費を最小化しています。
<組み込みAI技術と活用事例>
パナソニック オートモーティブシステムズは、AI(人工知能)を車載機器に実装することで、自動車の性能向上や運転支援システムの進化に貢献し、より安心で快適なモビリティ体験を実現します。
特長1:高速処理を実現
パナソニック オートモーティブシステムズのAI技術は、高速かつ高精度な情報処理が可能です。リアルタイムで情報を処理することで、迅速な判断や応答が可能になります。ここには、大量の信号を遅延なくリアルタイムで処理することが求められ、パナソニックグループが家電や携帯電話の開発で長年培ってきた組み込み開発の知見が活かされています。これにより、運転支援システムの安全性向上や快適な車室空間の実現に貢献しています。
特長2:車載用チップへの実装技術
車載部品には軽量化が求められており、省エネが要となるEVではよりこのニーズが高まります。限られた容量や省電力設計の車載用チップに膨大な情報を処理するAIを搭載できる設計能力は、パナソニック オートモーティブシステムズの強みです。必要なパフォーマンスの発揮と軽量化とのトレードオフのバランスが重要になり、ここでもパナソニックグループの技術開発力が生かされています。
・AI技術の活用事例
事例1:様々なシーンに対応できる衝突回避
カメラで撮影した画像をAIが瞬時に解析し、周辺の歩行者や車、障害物を認識してドライバーに衝突回避のアラートを出したり、自動ブレーキを作動させたりします。従来技術では、傘をさしているなどイレギュラーな場合に人と検知できないケースもありますが、AIでは正確に検知・判断できるので、運転支援の精度向上につながります。今後は、車や歩行者等との距離や対象物の移動速度も推定するなどの技術開発も目指しています。
事例2:安心して任せられる自動駐車サポート
カメラで車の周りに人や障害物がないかを確認したり、白線の無い不定形な駐車場であっても、精度良く自動駐車を行うことが可能です。小さい子供が座りこんでいる時も見つけてくれるので、安心してシステムに駐車を任せられます。
事例3:生産工程における安全・効率化
工場の生産工程において、AIにより危険作業検知と保護メガネなどの保護具検知を同時に行い判断することで、危険作業中の社員の安全を確保しています。また不良品判定においては、AIを活用することにより、原因解析や不良品が出る予測まで行い、より高品質な製品を効率的に生産することを目指しています。
この他、パナソニック オートモーティブシステムズは、企業ホームページの技術コンテンツを拡充しました。
●「Future Stories 移動の未来」
https://automotive.panasonic.com/future-stories
・Japan Mobility Show 2023で公開した「mobile living room」
・東京オートサロン2023で公開した「WELL Cabin」
・運転に不安を抱えるドライバーに寄り添う技術「いつもの安全運転を支える」
●「Technology 技術開発」に以下のコンテンツを追加
https://automotive.panasonic.com/technology
・「EVパワエレ(車載充電器)」
・「自動車サイバーセキュリティ」
・「AI」
・「ひと研究」
今後も企業ホームページのコンテンツを充実し、パナソニック オートモーティブシステムズの強み・魅力を訴求していきます。