「Soybean Mealセミナー2019」開催報告〜高品質・高効率の米国産大豆ミール、購買決定における栄養コスト視点の重要性を示唆、アフリカ豚コレラ問題、米中貿易摩擦の影響も含めて中国市場動向も解説
[19/10/30]
提供元:DreamNews
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アメリカ大豆輸出協会(USSEC、本部:米国ミズーリ州チェスタフィールド市、日本事務所:東京都港区、日本代表: 西村允之)は、「Soybean Mealセミナー2019」を10月17日に東京で開催しました。当日は、飼料メーカー、搾油メーカー、商社の購買担当者をはじめとする業界関係者46名と、メディア関係者16名が参加しました。
畜産飼料(濃厚飼料)は、主にとうもろこしや大豆、大麦などの穀物を原料とし、飼育する動物種類、用途に応じて配合率を変えて使用されます。大豆油の製造工程で搾油後に出る大豆かすを利用する大豆ミール(SBM)は、畜産・飼料業界において最も重要なタンパク源として、特に採卵鶏、肉用鶏、養豚で多く利用されています。米国産SBMは、タンパク質を構成するアミノ酸組成が良く、また他の産地のSBMと比べてアミノ酸の可消化率、エネルギー価が高い点が特徴で、豚や鶏の体重増加に良い影響を与えることが分かっています。また、米国産SBMの原料大豆は、サステナブルな農法で生産・管理されており、これら特徴は本セミナーの参加者アンケートからも、長期的にみた米国産SBMの強み、利点として高い認知度と評価を得ています。
現在、日本ではSBMの約50%を、中国、ブラジル、米国など海外から輸入しています。台頭著しい南米をはじめ、様々なSBMの産地がある中で、今回のセミナーでは米国産SBMの栄養的価値を、コストの側面からその優位性を分析し、さらに世界規模で大きな影響をもたらしているアフリカ豚コレラ(ASF)問題、中国市場に関する最新事情について、専門家が解説しました。
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講演(1) 米国産大豆ミールの優位性の経済的優位性 (原料購入と計画)について
FeedGuys Resources 代表 Matthew Clark 氏
「ジェネシスフィードテクノロジー社では、SBMの経済分析プラットフォームを構築している。SBMの産地決定の際、単純な原料コストのみならず、栄養コストも見る必要がある。総タンパク質量を注視しがちであるが、構成要素のアミノ酸を科学的に分析する必要がある。特にアミノ酸の可消化率は重要で、米国産はブラジル、アルゼンチン産と比べて高く、エネルギーレベルも高い。つまり、同じ栄養量・性能を満たすために節約して配合できる。会社の利益を考える際、原材料価格の圧縮に頼るだけではなく、栄養面での高効率な原材料の配合により飼料の質を高めることでコストを下げることができる」
講演(2) アフリカ豚コレラ(ASF)防疫対策
ルーマニア飼料製造業者協会(ANFNC)会長、動物栄養学博士 Iani CHIHAIA 氏
「ASFは1920年代にケニアで初めて発見されて欧州へ伝播後、1987年に根絶したが、2007年にジョージアで再び発見された。現在は59カ国(アフリカ:29、欧州:19、アジア:11)に拡大し、欧州では2007年以降100万匹の豚が処分された。野生のイノシシや車両からの伝播が多く、感染豚やイノシシの10%は生き残り、糞尿、死骸、吸血昆虫、残飯なども媒介となる。欧州配合飼料製造者連盟では、各飼料工場で新しいバイオセキュリティプランを獣医、専門家、外部監査を交えて構築し、更新する必要性を提案している。現在、欧州ではバイオセキュリティのコストが20%上昇している」
講演(3) 中国飼料事情
USSEC 中国地区代表 Zhang Xiaoping
「中国は世界最大の大豆消費市場で、日本にとって最大のSBM輸入国である。米中貿易摩擦で、米国産の年間輸入量は摩擦前の3,600万トンから今年2,000万トンに減少すると予想され、輸入大豆の米国産シェアも低下している。産地の多様化や国内増産、備蓄切り崩しなどで、米国産大豆の置き換えを検討する向きもあるが、中国飼料産業では大豆ミールを重要視している。需要側でも大豆ミールの配合率を急に下げることは困難なため、米国との貿易交渉も見通しは良いと考える。ASFは2018年8月から南部を中心に拡大し、119万匹の豚が処分された。雄豚、雌豚の在庫減は豚肉と子豚の価格上昇を招いたが、豚肉の需要は依然高く、全世界から輸入しても1,000万トン以上の需要不足があるとされる。そのため、中央、地方政府は補助金を出して繁殖を推進するほか、国内業者も肥育後期でより大きな豚を育成して供給を賄おうとしている。中央政府は2030年までに都市化率70〜75%を目標としている。現在、一時的にSBMの需要は減少しているが、中長期的には所得増で高タンパクの食品需要は高まり、豚やブロイラー、牛などの肉や卵の生産にはSBMが欠かせない。一方、ASF対策として、食肉処理場を養豚場の近くに設置する政府方針を契機に、課題であった養豚業界のコールドチェーン輸送が大きく改善されている」
<アメリカ大豆輸出協会について>
アメリカ大豆輸出協会 (USSEC) は大豆生産者、関連団体、政府機関とのパートナーシップを通じ、世界80ヶ国以上でアメリカ大豆と大豆製品の市場拡大や輸出プロモーションをおこなっているダイナミックなマーケティング機関です。日本事務所 (港区) は初の海外オフィスとして1956年に設立され、今年で63周年目を迎えます。現在オフィスは日本、韓国の北アジア地域の管轄内にあり、各国と連携しながらローカルかつグローバルな活動を目指しています。情報提供、海外視察、コンファレンス開催や業界とのコラボなどを通じ米国大豆の普及および大豆製品の需要喚起活動を行っています。近年はサステナビリティに関する情報発信に力を入れています。
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配信元企業:アメリカ大豆輸出協会
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畜産飼料(濃厚飼料)は、主にとうもろこしや大豆、大麦などの穀物を原料とし、飼育する動物種類、用途に応じて配合率を変えて使用されます。大豆油の製造工程で搾油後に出る大豆かすを利用する大豆ミール(SBM)は、畜産・飼料業界において最も重要なタンパク源として、特に採卵鶏、肉用鶏、養豚で多く利用されています。米国産SBMは、タンパク質を構成するアミノ酸組成が良く、また他の産地のSBMと比べてアミノ酸の可消化率、エネルギー価が高い点が特徴で、豚や鶏の体重増加に良い影響を与えることが分かっています。また、米国産SBMの原料大豆は、サステナブルな農法で生産・管理されており、これら特徴は本セミナーの参加者アンケートからも、長期的にみた米国産SBMの強み、利点として高い認知度と評価を得ています。
現在、日本ではSBMの約50%を、中国、ブラジル、米国など海外から輸入しています。台頭著しい南米をはじめ、様々なSBMの産地がある中で、今回のセミナーでは米国産SBMの栄養的価値を、コストの側面からその優位性を分析し、さらに世界規模で大きな影響をもたらしているアフリカ豚コレラ(ASF)問題、中国市場に関する最新事情について、専門家が解説しました。
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講演(1) 米国産大豆ミールの優位性の経済的優位性 (原料購入と計画)について
FeedGuys Resources 代表 Matthew Clark 氏
「ジェネシスフィードテクノロジー社では、SBMの経済分析プラットフォームを構築している。SBMの産地決定の際、単純な原料コストのみならず、栄養コストも見る必要がある。総タンパク質量を注視しがちであるが、構成要素のアミノ酸を科学的に分析する必要がある。特にアミノ酸の可消化率は重要で、米国産はブラジル、アルゼンチン産と比べて高く、エネルギーレベルも高い。つまり、同じ栄養量・性能を満たすために節約して配合できる。会社の利益を考える際、原材料価格の圧縮に頼るだけではなく、栄養面での高効率な原材料の配合により飼料の質を高めることでコストを下げることができる」
講演(2) アフリカ豚コレラ(ASF)防疫対策
ルーマニア飼料製造業者協会(ANFNC)会長、動物栄養学博士 Iani CHIHAIA 氏
「ASFは1920年代にケニアで初めて発見されて欧州へ伝播後、1987年に根絶したが、2007年にジョージアで再び発見された。現在は59カ国(アフリカ:29、欧州:19、アジア:11)に拡大し、欧州では2007年以降100万匹の豚が処分された。野生のイノシシや車両からの伝播が多く、感染豚やイノシシの10%は生き残り、糞尿、死骸、吸血昆虫、残飯なども媒介となる。欧州配合飼料製造者連盟では、各飼料工場で新しいバイオセキュリティプランを獣医、専門家、外部監査を交えて構築し、更新する必要性を提案している。現在、欧州ではバイオセキュリティのコストが20%上昇している」
講演(3) 中国飼料事情
USSEC 中国地区代表 Zhang Xiaoping
「中国は世界最大の大豆消費市場で、日本にとって最大のSBM輸入国である。米中貿易摩擦で、米国産の年間輸入量は摩擦前の3,600万トンから今年2,000万トンに減少すると予想され、輸入大豆の米国産シェアも低下している。産地の多様化や国内増産、備蓄切り崩しなどで、米国産大豆の置き換えを検討する向きもあるが、中国飼料産業では大豆ミールを重要視している。需要側でも大豆ミールの配合率を急に下げることは困難なため、米国との貿易交渉も見通しは良いと考える。ASFは2018年8月から南部を中心に拡大し、119万匹の豚が処分された。雄豚、雌豚の在庫減は豚肉と子豚の価格上昇を招いたが、豚肉の需要は依然高く、全世界から輸入しても1,000万トン以上の需要不足があるとされる。そのため、中央、地方政府は補助金を出して繁殖を推進するほか、国内業者も肥育後期でより大きな豚を育成して供給を賄おうとしている。中央政府は2030年までに都市化率70〜75%を目標としている。現在、一時的にSBMの需要は減少しているが、中長期的には所得増で高タンパクの食品需要は高まり、豚やブロイラー、牛などの肉や卵の生産にはSBMが欠かせない。一方、ASF対策として、食肉処理場を養豚場の近くに設置する政府方針を契機に、課題であった養豚業界のコールドチェーン輸送が大きく改善されている」
<アメリカ大豆輸出協会について>
アメリカ大豆輸出協会 (USSEC) は大豆生産者、関連団体、政府機関とのパートナーシップを通じ、世界80ヶ国以上でアメリカ大豆と大豆製品の市場拡大や輸出プロモーションをおこなっているダイナミックなマーケティング機関です。日本事務所 (港区) は初の海外オフィスとして1956年に設立され、今年で63周年目を迎えます。現在オフィスは日本、韓国の北アジア地域の管轄内にあり、各国と連携しながらローカルかつグローバルな活動を目指しています。情報提供、海外視察、コンファレンス開催や業界とのコラボなどを通じ米国大豆の普及および大豆製品の需要喚起活動を行っています。近年はサステナビリティに関する情報発信に力を入れています。
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配信元企業:アメリカ大豆輸出協会
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