社会封鎖でもビジネス拡大!国内最大規模のRISC-V会議「RISC-V Days Tokyo Online 2020」を11/5-6に開催。サプライヤと商談できる仮想デモブースをイノベートしました。
[20/08/11]
提供元:DreamNews
提供元:DreamNews
「RISC-V Days Online Tokyo 2020」は、国内最大規模のRISC-Vカンファレンスです。RISC-Vの全サプライチェーンの技術PR、商談、RISC-V研究発表の場を提供します。IoT応用、AI応用分野、そのほかで、RISC-V関連の優れた研究、技術、製品、キーパーソンや技術者を一堂に集め、製品認知度向上、企業間連携実現、技術交流、情報交換などの機会を提供することを目的とします。2020年度はオンライン化し社会封鎖状況でも実施可能な会議としました。今回のイノベーションは仮想デモブースです。物理会議のブースでの商談活動をできる電子的方法を編み出しました。「ET & IoT 2020」との連携も企画中です。
RISC-V Days Tokyo Online 2020
2020年11月5日(木) AM9:00 - PM 17:00 (GMT+9)日本標準時
2020年11月6日(金) AM9:00 - PM 17:00 (GMT+9)日本標準時
東京Daysリンク
チケット購入: https://peatix.com/event/1560556
カンファレンス情報: www.riscv-association.jp :
フェースブック: https://www.facebook.com/riscv.a/
ツイッター: @riscv_a
ミートアップ: https://www.meetup.com/RISC-V-Group-Tokyo/events/271981412/
2020年RISC-V Days重点領課題
2014年からわずか5年で、RISC-Vは5Gモバイルのベースバンドに採用され、台湾韓国中国のウエアラブルを制覇、車載分野、サーバ、HPC分野にも進出しつつあります。ハードウエアの研究領域を大きく拡げました。2020年のRISC-V Day Onlineのテーマは「5Gモバイル、ウエアラブル、車載分野、サーバHPC分野におけるRISC-V、拡大する研究領域 と ポスト5G時代の応用展開」としました。アジア太平洋地域(APAC)でエンジニアがRISC-Vにローカルに協力する方法を考えます。 9月に、ベトナムのローカルエンジニア組織と協力し新しい試みとして会議を行います。
RISC-V Day Vietnam Online 2020: 2020年9月18日(金)
英語会議ですが国籍は問わないのでご参加ください。
AM10:00 - PM17:00 (GMT+7)ICT インドシナ時間 AM12:00 - PM19:00 日本標準時
RISC-V Days Vietnam Online 2020: 2020年9月18日(金)も開催します。
AM10:00 - PM17:00 (GMT+7)ICT インドシナ時間 AM12:00 - PM19:00 日本標準時
国籍は問いませんので、ご遠慮なく参加ください。使用言語は英語です。
ベトナムDaysリンク
チケット購入: https://peatix.com/event/1560539
情報: www.riscv-association.jp :
FB: https://www.facebook.com/riscv.a/
ツイッター: @riscv_a
ミートアップ: https://www.meetup.com/RISC-V-Japan/events/271984290/
仮想デモブースについて
仮想デモブースは、RISC-Vの商業活動を封鎖期間中も促進するために、物理会議での重要な要素であった潜在顧客との個別会話をオンラインにても可能とします。デモ実施者は、自身の会社が提供するビデオ会議プラットフォームを使い、自社オフィスあるいは自社開発拠点から、カメラ、マイクロフォンを使い遠隔で実機デモを実施します。RISC-V Dayは、仮想デモブースのポータルサイトを提供し、デモを実施するビデオ会議への集客と誘導を行います。仮想デモブースは2つのチャンスを提供します。1つはパブリックなショーとオープンQ&Aのチャンス。もう1つは、プライベートな潜在顧客との会話をできるチャンスです。
デモとデモブースの運営は各社に委ねられていますが、仮想デモブースポータルを主催者側が作成します。仮想デモブースポータルの見栄えや、模擬的な挙動は、で模擬できるのでご確認ください。
http://riscv-association.jp/en/riscv-day-vietnam-2020/booths-details/
(なおデザイン等に多少の変更が入る可能性がある旨お含みおきください)。
2019年度のRISC-V10大ニュース
RISC-Vの近況をお知らせするために、以下に2019財務年度の10大ニュースを列挙します。
1。Semico Research Inc.が2025年までに624億個のRISC-Vを出荷予想: 11月25日、Semico Research Inc.がRISC-Vの将来マーケット規模予測を発表しました。Semico Researchは、RISC-Vは、2018年から2025年にかけて146.2%の年間伸び率(CAGR)が期待できると予測しています。Semicoは、2025年までに624億個のRISC-V CPUコアが出荷されると予測しています。最大のセグメントは産業用で、167億個のコアを使用するとしています。
Semicoは、5つの主要マーケット(コンピューター、消費者、通信、運輸、産業)の25応用のデータを分析、4つの応用製品カテゴリーについて予測出荷数量を見積もりました。Semicoの算定では、2018年から2025年までの出荷数量ベースの年間成長率予測で、RISC-V CPUコア出荷数の年間成長率が最も高くなるのは「5G」ワイヤレスにより出現する応用製品です。したがって、通信応用セクターがRISC-V出荷数量の最大の伸び率を達成すると予測しています。
自動車業界の電子化へ関心は高く、安全性、車内体験、運転者支援、無線通信のためのCPUベースのシステム採用が増えており、輸送機器がで2番目に年間成長率の高いRISC-V CPUコア応用セグメントとしています。下図にSemico Research社が発表したRISC-Vコアの年間出荷数値のグラフを紹介します(出展: Semico Research Inc. 和訳: RISC-V協会)
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage1】
2。RISC-V がサムスンの2020年型「5G」モバイルに搭載:12月20日、韓国サムスン電子は、RISC-Vを使った「5G 」通信モジュールが2020年出荷モデル年のサムスンの「5G」モバイルフォン、および将来の、車載「5G」ネットワーク機器に使われるベースバンドチップセットに搭載されると公表しました。
日本でも、2020年に実用化予定の「5G」通信は現在の携帯通信の100倍の速度があります。2時間の映画を3秒でダウンロードでき、一部の海外市場ではすでに採用が始まっています。韓国サムスン電子は、次世代通信規格「5G」に対応したスマートフォンの開発に積極的に取り組んでおり、主要企業の基幹製品にRISC-Vが使用されるのは、nVidia社のAIチップセット、Western Digital社のストーレージ用チップセット、に続くものですが、「5G」通信は数量も多く、大きなインパクトを持つ動きです。
サムスン電子は、2017年に「5G」RF IC試験チップをRISC-Vで試作。2018年にアンテナ + PAモジュール用「5G」マルチバンドフェーズドアレイRFICにRISC-Vで試作、2019年に、セントラル「5G」RF ICをRISC-Vで試作し、技術開発を積み重ねて今回の発表にこぎつけたとのことです。
下にサムスン電子が12月20日のRISC-V Summitで発表したスライドの1枚にある「5G」チップセットのブロック図を示します。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage2】
3。IBM(Redhat)とGoogleがRISC-Vにサーバ用言語やOS部ソフト移植を後押し。
12月10日にIBM(Redhat)は、システム管理や検出を容易化し、サービスのスケーラビリティを向上するRISC-V用『クーバネテス』のデモを米国で行いました。Google開発のGo言語で書かれた『クーバネテス』システムのRISC-Vへの移植作業も進行中です。
120億円を資金調達したRISC-V企業であるカリフォルニア大学スピンアウトのSiFive社社長が6月に「5年以内にRISC-Vサーバを商業的運用にこぎつける」と宣言しました。この宣言で、ステークホールダのオープンソースコミュニティが一斉に立ち上がり作業を始めました。RISC-Vは2019年にデビアン移植対象アーキテクチャに格上げされ。レジリエンス、運用率、スケーラビリティを保証する、コンテナ技術、マイクロサービス技術など、の移植が次々とRISC-Vに実装されています。
RISC-V 命令セット(ISA)の基盤は言語サポートです。1月からRISC-V用新コンパイラのLLVM/ClangのDARPAファンディングが始まり、Clang、OpenCL、Rustに渡る広範な言語サポートの基盤構築がスタートしました。5月に、GNU Debugger(GDB)「GDB 8.3」が、C、C++、Ada、Go、Rust言語をサポートするRISC-Vのサポートを実装。9月3日に、Google社開発のサーバシステム言語Goも次期レリースVersion 1.14でRISC-Vを正式サポートすると公表しました。
従来のコロケーションとか、仮想マシンなどに代わり、サーバ応用は、マイクロサービスなどの抽象度の高いサービスに移行しつつあります。これにRISC-Vを対応させる動きが商用化の前段階として着々と進んでいます。システム運用インフラストラクチャサービス(IaaS)、アプリケーション実行環境サービス(PaaS)、マイクロ機能サービス(FaaS)などのソフトもRISC-Vへの移植が続々と行われています。OpenFaaSの全機能版サーバーレスRISC-V実装では、プルリクエストがアップストリームにマージ中です。
4。NVIDIAが 超低消費電力 深層学習推論アクセラレータをRISC-Vで開発、9.5Tオペレーション/ワットを達成
NVIDIA社では、2016年からGPU製品の制御マイコンとしてRISC-Vを採用しています。9月4日、高性能コンピューティング企業のNVIDIAは、今後の、RISC-Vの使用分野を開示しました。NVIDIAは電力性能の高い推論エンジンを含むRC18テストチップをTSMC標準16ナノメートルプロセスで試作し、9.5Tオペレーション/ワットを実測しました。推論アクセラレータ部品の入力/出力コアとしてRISC-Vを使用した約13.5ワットで推論できるチップを開発しました。
Google社やAmazonが積極的に構築しているハイパースケーラーやクラウドビルダーでは、推論エンジンに一定の電力プロファイルと性能が集約された総合的な電力性能が求められます。NVIDIA社のRC18は、高エネルギー効率設計で、13.5Wで毎秒128兆兆回のオペレーションを行えるディープラーニング推論ワークロード用高性能アクセラレータです。1チップに、8個のベクトル積和(MAC)ユニットを持つ要素(PE)もち、入力および出力機能は、RISC-V命令セットアーキテクチャを持つ単一のマスターコアが実行します。
RC18アクセラレータは、現行世代「NVIDIA深層学習アクセラレータ」(NVDLA = Nvidia Deep Learning Accelerator)を置き換えるこできます。NVDLAと非常によく似た設計で、ベクトル幅、ベクトル単位数、バッファ配列サイズ、ループ並列化 で 演算をステージングする方法などのソフトツール開発用にチップ開発を行いました。NVIDIAは、オープンISA、拡張性、柔軟性、ロイヤリティを払わなくていいという理由でRISC-Vを採用しました。
電力性能の良いアクセラレータを構築する方法を見つけ出すために、クロック速度を十分に遅くして、チップで最も低い電圧を使えるコア部が追随できるようにし、すべてのクロックを実行して電力とタイミングマージンをどこが浪費するかを調査しました。チップの微小領域からなる処理要素(Pes)は局所的に論理生成され、電源を追跡する個別クロックで演算実行します。マージンを測定するため、演算が実行できるギリギリの限界まで周波数を上げ、落ちた時を見極めて再度減速します。
微小領域を出入りする信号は同期する必要があるため、NVIDIAは、半クロックサイクルで同期する高速な同期化回路を開発しました。従来システムでは、1つのクロックドメインから別のクロックドメインに移行するのに5〜6クロックサイクルかかります。この同期化テクノロジーは、 5月の非同期回路とシステムに関する国際シンポジウム(ASYNC)で最優秀論文賞を受賞しました。
RISC-Vを使用したNVIDIAのRC18深層学習推論アクセラレータを下図に示します。36個のチップ(2.4mm x 2.5mm)をマルチチップモジュール(MCM = 47.5mm x 47.5mm)に実装しています。100 Gbpsの通信速度を持つ高速の相互接続と高電力性能計算タイルを16個ずつTSMC 16nmテクノロジーで製造し、これら36個のチップをMCMに実装し0.52Vから1.1Vで駆動、0.48-1.8GHzで動作させます。9.5テラオペレーション/ ワットの電力効率で、1ユニットで毎秒128テラオペレーションの演算能力を実現します。
下に、NVIDIAが8月18日にスタンフォード大学で開催されたホットチップスで発表したスライドの1枚を示します。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage3】
5。RISC-Vフラッシュマイコンからサーバ応用RISC-VまでチップとIPが勢ぞろい
(1)中国GigaDevice社がRISC-Vフラッシュマイコンを販売開始:8月23日に、NORフラッシュメモリを供給している中国資本のギガデバイス社(GigaDevice)がRISC-Vフラッシュマイコンを発表。同社はSTM32互換のARM MCUのGD32シリーズをSTから調達するより安価な代替品としてシェアを伸ばしていることで知られていました。新たにラインアップに加えられたRISC-VベースのフラッシュマイコンGD32Vシリーズは、同社ARM Mコアよりも15%高速。消費電力は50%減としています。GD32Vシリーズでは、STMとの互換性に拘泥せず、周辺機能は 独自独自機能拡張をしており、GD32シリーズより周辺機能が豊富です。
(2) SiFive社RISC-V IPラインアップ拡充: SiFive社は、2017年より出荷していた32-ビットマイコン用コアE3、64-ビットLinux実行可能コアU5に加え、令和元年にラインアップを大拡充しました。E2/E3/E7: マイコン、エッジコンピューティング、AI、IoT応用32ビット組み込み用途、S2/S5/S7: ストレージ、AR / VR、機械学習応用64ビット組み込み用途、U5/U7/U8:リナックス、データセンタ、ネットワークベースバンド用 64ビットアプリケーションプロセッサシリーズ、の3シリーズを拡充しました。SiFive社は、上記以外に7nmプロセスのアウトオブオーダ方式のU8コアも開発しており、ARMの全クラスに対応するプロセッサコアが出揃ったこととなります。
(3) Andes Technology社RISC-V IPラインアップ拡充: RISC-VアーキテクチャのN22「Bumblebee」IPコアは、ARM Mシリーズに比較し(1) CoreMark/MHz, (2) DMIPS/MHz, (3) CSiBe Code Sizeのベンチマークで凌駕しているとAndesは公表しています。アンデス社は、(1) Aシリーズ:アプリケーションプロセッサ(ARM Aに対応)(2) Nシリーズ:組み込みプロセッサクラス(ARM Mに対応)(3) ネットワークプロセッサのDシリーズ(ARM Rに対応)と、3つのラインアップを持っています。(1)(2)は32ビット、64ビットを両方対応しています。Aシリーズでは、エッジ応用のみでなく、サーバ応用もカバーします。
(4)「チップス・アライアンス」、FOSSi、などのRISC-Vシステムプロファイルを標準化する組織の誕生:
3月より、Google等の後援でLinux Foundation内に作られた「チップス・アライアンス」(CHIPS Alliance)、FOSS、FOSSiなど、RISC-Vでシステムを作りやすくするための周辺機能のIPを集積活動が始まりました。8コアの高性能システムを簡単にオープンソースで作れる。従来高付加価値だったチップ製品をオープンソース技術で作れるようになりました。
6。地域ニュートラルなグローバルなRISC-V Internationalが発足: 中国スマホ分野では、世界最強なAIプロセサとして、Huawei Ascend 910を7nmプロセスでARMで開発したことを発表しましたが、同チップをRISC-Vでも設計しているという2CPU戦略を表明しています。通商ブロック化が背景でスマホシステムでもRISC-VがARM(現在世界シェア99%)と並ぶ可能性があるかもしれません。
3月に、通商のブロック化によりRISC-Vの発展が妨げられないように、RISC-V Foundationは、Linux Foundationと融合しRISC-V Internationalをスイスのチューリッヒに発足しました。欧州のFree and Open Source Software(FOSS)、 Free and Open Source Silicon(FOSSi)、他の組織とも連携し、単なる米国の組織からグローバルな組織に変革しつつありました。FOSSとFOSSiは、陰陽のように、ISAを媒介として根源で一つに統合された血の通ったモノリシックな活動として展開されているように見受けます。 RISC-Vは、ヨーロッパ発のFOSS / FOSSi活動の中心的要因の1つを提供しました。FOSSとFOSSi活動は今後数年間で業界に大きな違いをもたらします。
7。RISC-Vによるデジタル半導体研究を促進
(1)カーボンナノチューブRISC-V誕生: MITは先週、標準CMOS製造設備と、市販CMOS製造工場にある材料とプロセスを使用して、カーボンナノチューブ(CNT)MOSFETで作られたRISC-V CPUを発表しました。カーボンナノチューブFETを使ったのRISC-Vプロセッサだと。エネルギー効率が10倍良いとしています。
(2)オープンソースEDAツールがRISC-Vをビークルに急伸:RISC-Vをビークルとして、新世代のオープンソースEDAツールがと開発されつつあります。新刊本”Digital Design with Chisel”が正式に発刊され、新設計フローも確立しつつあります。従来から存在していたVerilatorのようなEDAツールが広く使われるようになり、その信頼性と性能と機能が急激に向上しました。オープンソースEDAツールは、過去20年間どんぐりの背比べでしたが、今年になって強いコンテンダが出現しました。コシミュレーションとかのメソドロジもオープンソースで実現できるようになりました。
FPGAツールYosys+nexpnrは、その単純さゆえに商用FPGAツールに比較して実行速度がとてつもなく速い。FPGA自動配置配線ツールnextpnrはデバイス依存部と一般処理部からなり、デバイス依存部を書き換えればどんなFPGAにマップできます。現在は、ラティスICE40とECP5、ザイリンクスのFPGAがサポートされています。オープンソースツールは多様なユースケースを可能にします。検証フェーズでテストベクタを高速で試すために「部分コンフィギュレーション機能」を活用することができます。形式的検証の重要性も高まりつつあります。ハードウェアトロイの木馬などの意図しないロジックは、開発プロセスの複数のポイントで挿入される可能性がありますが、これらを形式的検証で検出することができます。
(3)NVIDIA の深層学習エンジンのオープンソース化:nvidiaは、オープンソース機械学習エコシステムを開発する取り組みNVDLAをリードしています。 NVDLA Deep Learning Inference Compilerも、NVDLAのRTLもオープンにしました。
(4)IBMの オープンソース化への取り組み: サーバ・CPUの世界は確実に変わろうとしています。IBMは、Powerアーキテクチャを無償化しました。RISC-Vに慣い、Power CPUの命令セットを無料化しました。RTLをオープンソース化しました。マイクロワット(Microwatt)というOpenPowerのソフトコアも発表されました。VHDL 2008で書かれた小さなOpen POWER ISAソフトコアで、シンプルでわかりやすいことを目指しています。IBMが「開発者がハードウェアとソフトウェアがPower上で連携して動作することを保証するために使用する定義」、Power Instruction Set Architecture(ISA)をオープンソース化、Power ISAソフトコア、のみでなくOpenCAPIインターコネクト技術、OMIメモリインタフェース技術の参照実装もオープンソース化します。
(5)MIPSの オープンソース化への取り組み: Wave Computing社がMIPS Openが展開する動きもRISC-Vがモデルになっています。
8。RISC-V Foundationのメンバ数とイベント参加者の増加
2019年末日時点で、RISC-V Foundationのメンバ企業数は460社に達しました。12月10-12日にカリフォルニア州で開かれたRISC-V Summit 2019には1650人が登録しました。9月30日に東京で行われたRISC-V Day Tokyo 2019は、日立製作所株式会社、トヨタ自動車株式会社、AdaCore社(米国)、Andes Technology社(台湾)、Codasip社(チェコ共和国)、富士ソフト、IARシステムズ(スエーデン)、NSI-TEXE(株式会社デンソー子会社)、Rambus社(米国)、SiFive社(米国)、Syntacore社(ロシア)、ユビキタスAIコーポレーション、ultraSoC社(英国)、SHコンサルティングがスポンサーとなり、360人が参加登録し、日立製作所の国分寺中央研究所内の日立馬場記念ホールで開催しました。
9。ARM TrustZonesを凌駕するセキュリティをRISC-Vで提供:「シールド」「ワールドID」が公開へ
(1)米国DARPAセキュリティ研究プロジェクトにおけるRISC-V: 米国DARPAの助成金を使うセキュリティチッププロジェクトでは、RISC-Vアーキテクチャの使用を義務付けています。この影響で、RISC-Vはセキュリティアーキテクチャの研究に多く使われています。RISC-Vを使用したセキュリティIPは世界各国で20種類以上開発されていると推定されます。
(3)SiFive社「シールド」「ワールドID」: 10月23日に米国SiFive社がARM「トラストゾーン」に対抗する「シールド」「ワールドID」の機構を公開しました。さらに、オープン標準規格、オープンソース実装を公開し誰でも使えるようにすると宣言。ARM「トラストゾーン」は、2003年にARM社が発表したプロセッサセキュリティの方式です。「ワールドID」は、ARM Aシリーズの「トラストゾーン」の機能を整理して、あらゆる尺度で「トラストゾーン」を凌駕するシステムとしました。トラスト実行環境(TEE)のサポート、ルートオブトラストのサポート、鍵管理のサポートも実装します。
下図に、SiFive社の発表資料から「シールド」「ワールドID」の競合他社との機能比較を示します。出展:SiFive社ウエブサイト、和訳:RISC-V協会
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage4】
10。Google社が自社ルートオブトラスト技術をオープンソース公開する「Open Titan」: 10月14日に、Googleは、データセンターとインフラストラクチャで使用されるオープンソースのセキュアなチップ設計を開発するために、OpenTitanと呼ばれるイニシアチブを開始し、いくつかの企業や非営利団体と提携していることを発表しました。 オープンソースセキュリティは、設計を独立に検証し強化し構築することでより強力なセキュリティを実現できます。コンピューター上で実行されるアプリはウイルスに感染する可能性があります。これに対抗するサイバーセキュリティで最も重要な点は、ファームウェアとチップレベルにあります。 「Open Titan」により、多くの人々が初期設計を改善し、実装のセキュリティを強化できます。
このプロジェクトは、データセンターとPixel Phoneで使用されている既知のルートオブトラストで起動を確認し、ファームウェアが改ざんされていないことを確認するGoogle独自のTitanチップにちなんで命名されました。 検証に使用される暗号要素は、Root of Trust(RoT)と呼ばれ、「Open Titan」プロジェクトの中心です。下図に「Open Titan」のブロック図を示します。出展:Google社発表、和訳:RISC-V協会
RISC-V協会 ウエブサイト: http://riscv-association.jp/
フェースブック: https://www.facebook.com/riscv.a/
ツイッター: @riscv_a
RISC-V Tokyo Meetupサイト: https://www.meetup.com/ja-JP/RISC-V-Group-Tokyo/events/271981412/
チケット購入: https://peatix.com/event/1560556/
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage5】
配信元企業:SHコンサルティング株式会社
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RISC-V Days Tokyo Online 2020
2020年11月5日(木) AM9:00 - PM 17:00 (GMT+9)日本標準時
2020年11月6日(金) AM9:00 - PM 17:00 (GMT+9)日本標準時
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2020年RISC-V Days重点領課題
2014年からわずか5年で、RISC-Vは5Gモバイルのベースバンドに採用され、台湾韓国中国のウエアラブルを制覇、車載分野、サーバ、HPC分野にも進出しつつあります。ハードウエアの研究領域を大きく拡げました。2020年のRISC-V Day Onlineのテーマは「5Gモバイル、ウエアラブル、車載分野、サーバHPC分野におけるRISC-V、拡大する研究領域 と ポスト5G時代の応用展開」としました。アジア太平洋地域(APAC)でエンジニアがRISC-Vにローカルに協力する方法を考えます。 9月に、ベトナムのローカルエンジニア組織と協力し新しい試みとして会議を行います。
RISC-V Day Vietnam Online 2020: 2020年9月18日(金)
英語会議ですが国籍は問わないのでご参加ください。
AM10:00 - PM17:00 (GMT+7)ICT インドシナ時間 AM12:00 - PM19:00 日本標準時
RISC-V Days Vietnam Online 2020: 2020年9月18日(金)も開催します。
AM10:00 - PM17:00 (GMT+7)ICT インドシナ時間 AM12:00 - PM19:00 日本標準時
国籍は問いませんので、ご遠慮なく参加ください。使用言語は英語です。
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仮想デモブースについて
仮想デモブースは、RISC-Vの商業活動を封鎖期間中も促進するために、物理会議での重要な要素であった潜在顧客との個別会話をオンラインにても可能とします。デモ実施者は、自身の会社が提供するビデオ会議プラットフォームを使い、自社オフィスあるいは自社開発拠点から、カメラ、マイクロフォンを使い遠隔で実機デモを実施します。RISC-V Dayは、仮想デモブースのポータルサイトを提供し、デモを実施するビデオ会議への集客と誘導を行います。仮想デモブースは2つのチャンスを提供します。1つはパブリックなショーとオープンQ&Aのチャンス。もう1つは、プライベートな潜在顧客との会話をできるチャンスです。
デモとデモブースの運営は各社に委ねられていますが、仮想デモブースポータルを主催者側が作成します。仮想デモブースポータルの見栄えや、模擬的な挙動は、で模擬できるのでご確認ください。
http://riscv-association.jp/en/riscv-day-vietnam-2020/booths-details/
(なおデザイン等に多少の変更が入る可能性がある旨お含みおきください)。
2019年度のRISC-V10大ニュース
RISC-Vの近況をお知らせするために、以下に2019財務年度の10大ニュースを列挙します。
1。Semico Research Inc.が2025年までに624億個のRISC-Vを出荷予想: 11月25日、Semico Research Inc.がRISC-Vの将来マーケット規模予測を発表しました。Semico Researchは、RISC-Vは、2018年から2025年にかけて146.2%の年間伸び率(CAGR)が期待できると予測しています。Semicoは、2025年までに624億個のRISC-V CPUコアが出荷されると予測しています。最大のセグメントは産業用で、167億個のコアを使用するとしています。
Semicoは、5つの主要マーケット(コンピューター、消費者、通信、運輸、産業)の25応用のデータを分析、4つの応用製品カテゴリーについて予測出荷数量を見積もりました。Semicoの算定では、2018年から2025年までの出荷数量ベースの年間成長率予測で、RISC-V CPUコア出荷数の年間成長率が最も高くなるのは「5G」ワイヤレスにより出現する応用製品です。したがって、通信応用セクターがRISC-V出荷数量の最大の伸び率を達成すると予測しています。
自動車業界の電子化へ関心は高く、安全性、車内体験、運転者支援、無線通信のためのCPUベースのシステム採用が増えており、輸送機器がで2番目に年間成長率の高いRISC-V CPUコア応用セグメントとしています。下図にSemico Research社が発表したRISC-Vコアの年間出荷数値のグラフを紹介します(出展: Semico Research Inc. 和訳: RISC-V協会)
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage1】
2。RISC-V がサムスンの2020年型「5G」モバイルに搭載:12月20日、韓国サムスン電子は、RISC-Vを使った「5G 」通信モジュールが2020年出荷モデル年のサムスンの「5G」モバイルフォン、および将来の、車載「5G」ネットワーク機器に使われるベースバンドチップセットに搭載されると公表しました。
日本でも、2020年に実用化予定の「5G」通信は現在の携帯通信の100倍の速度があります。2時間の映画を3秒でダウンロードでき、一部の海外市場ではすでに採用が始まっています。韓国サムスン電子は、次世代通信規格「5G」に対応したスマートフォンの開発に積極的に取り組んでおり、主要企業の基幹製品にRISC-Vが使用されるのは、nVidia社のAIチップセット、Western Digital社のストーレージ用チップセット、に続くものですが、「5G」通信は数量も多く、大きなインパクトを持つ動きです。
サムスン電子は、2017年に「5G」RF IC試験チップをRISC-Vで試作。2018年にアンテナ + PAモジュール用「5G」マルチバンドフェーズドアレイRFICにRISC-Vで試作、2019年に、セントラル「5G」RF ICをRISC-Vで試作し、技術開発を積み重ねて今回の発表にこぎつけたとのことです。
下にサムスン電子が12月20日のRISC-V Summitで発表したスライドの1枚にある「5G」チップセットのブロック図を示します。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage2】
3。IBM(Redhat)とGoogleがRISC-Vにサーバ用言語やOS部ソフト移植を後押し。
12月10日にIBM(Redhat)は、システム管理や検出を容易化し、サービスのスケーラビリティを向上するRISC-V用『クーバネテス』のデモを米国で行いました。Google開発のGo言語で書かれた『クーバネテス』システムのRISC-Vへの移植作業も進行中です。
120億円を資金調達したRISC-V企業であるカリフォルニア大学スピンアウトのSiFive社社長が6月に「5年以内にRISC-Vサーバを商業的運用にこぎつける」と宣言しました。この宣言で、ステークホールダのオープンソースコミュニティが一斉に立ち上がり作業を始めました。RISC-Vは2019年にデビアン移植対象アーキテクチャに格上げされ。レジリエンス、運用率、スケーラビリティを保証する、コンテナ技術、マイクロサービス技術など、の移植が次々とRISC-Vに実装されています。
RISC-V 命令セット(ISA)の基盤は言語サポートです。1月からRISC-V用新コンパイラのLLVM/ClangのDARPAファンディングが始まり、Clang、OpenCL、Rustに渡る広範な言語サポートの基盤構築がスタートしました。5月に、GNU Debugger(GDB)「GDB 8.3」が、C、C++、Ada、Go、Rust言語をサポートするRISC-Vのサポートを実装。9月3日に、Google社開発のサーバシステム言語Goも次期レリースVersion 1.14でRISC-Vを正式サポートすると公表しました。
従来のコロケーションとか、仮想マシンなどに代わり、サーバ応用は、マイクロサービスなどの抽象度の高いサービスに移行しつつあります。これにRISC-Vを対応させる動きが商用化の前段階として着々と進んでいます。システム運用インフラストラクチャサービス(IaaS)、アプリケーション実行環境サービス(PaaS)、マイクロ機能サービス(FaaS)などのソフトもRISC-Vへの移植が続々と行われています。OpenFaaSの全機能版サーバーレスRISC-V実装では、プルリクエストがアップストリームにマージ中です。
4。NVIDIAが 超低消費電力 深層学習推論アクセラレータをRISC-Vで開発、9.5Tオペレーション/ワットを達成
NVIDIA社では、2016年からGPU製品の制御マイコンとしてRISC-Vを採用しています。9月4日、高性能コンピューティング企業のNVIDIAは、今後の、RISC-Vの使用分野を開示しました。NVIDIAは電力性能の高い推論エンジンを含むRC18テストチップをTSMC標準16ナノメートルプロセスで試作し、9.5Tオペレーション/ワットを実測しました。推論アクセラレータ部品の入力/出力コアとしてRISC-Vを使用した約13.5ワットで推論できるチップを開発しました。
Google社やAmazonが積極的に構築しているハイパースケーラーやクラウドビルダーでは、推論エンジンに一定の電力プロファイルと性能が集約された総合的な電力性能が求められます。NVIDIA社のRC18は、高エネルギー効率設計で、13.5Wで毎秒128兆兆回のオペレーションを行えるディープラーニング推論ワークロード用高性能アクセラレータです。1チップに、8個のベクトル積和(MAC)ユニットを持つ要素(PE)もち、入力および出力機能は、RISC-V命令セットアーキテクチャを持つ単一のマスターコアが実行します。
RC18アクセラレータは、現行世代「NVIDIA深層学習アクセラレータ」(NVDLA = Nvidia Deep Learning Accelerator)を置き換えるこできます。NVDLAと非常によく似た設計で、ベクトル幅、ベクトル単位数、バッファ配列サイズ、ループ並列化 で 演算をステージングする方法などのソフトツール開発用にチップ開発を行いました。NVIDIAは、オープンISA、拡張性、柔軟性、ロイヤリティを払わなくていいという理由でRISC-Vを採用しました。
電力性能の良いアクセラレータを構築する方法を見つけ出すために、クロック速度を十分に遅くして、チップで最も低い電圧を使えるコア部が追随できるようにし、すべてのクロックを実行して電力とタイミングマージンをどこが浪費するかを調査しました。チップの微小領域からなる処理要素(Pes)は局所的に論理生成され、電源を追跡する個別クロックで演算実行します。マージンを測定するため、演算が実行できるギリギリの限界まで周波数を上げ、落ちた時を見極めて再度減速します。
微小領域を出入りする信号は同期する必要があるため、NVIDIAは、半クロックサイクルで同期する高速な同期化回路を開発しました。従来システムでは、1つのクロックドメインから別のクロックドメインに移行するのに5〜6クロックサイクルかかります。この同期化テクノロジーは、 5月の非同期回路とシステムに関する国際シンポジウム(ASYNC)で最優秀論文賞を受賞しました。
RISC-Vを使用したNVIDIAのRC18深層学習推論アクセラレータを下図に示します。36個のチップ(2.4mm x 2.5mm)をマルチチップモジュール(MCM = 47.5mm x 47.5mm)に実装しています。100 Gbpsの通信速度を持つ高速の相互接続と高電力性能計算タイルを16個ずつTSMC 16nmテクノロジーで製造し、これら36個のチップをMCMに実装し0.52Vから1.1Vで駆動、0.48-1.8GHzで動作させます。9.5テラオペレーション/ ワットの電力効率で、1ユニットで毎秒128テラオペレーションの演算能力を実現します。
下に、NVIDIAが8月18日にスタンフォード大学で開催されたホットチップスで発表したスライドの1枚を示します。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage3】
5。RISC-Vフラッシュマイコンからサーバ応用RISC-VまでチップとIPが勢ぞろい
(1)中国GigaDevice社がRISC-Vフラッシュマイコンを販売開始:8月23日に、NORフラッシュメモリを供給している中国資本のギガデバイス社(GigaDevice)がRISC-Vフラッシュマイコンを発表。同社はSTM32互換のARM MCUのGD32シリーズをSTから調達するより安価な代替品としてシェアを伸ばしていることで知られていました。新たにラインアップに加えられたRISC-VベースのフラッシュマイコンGD32Vシリーズは、同社ARM Mコアよりも15%高速。消費電力は50%減としています。GD32Vシリーズでは、STMとの互換性に拘泥せず、周辺機能は 独自独自機能拡張をしており、GD32シリーズより周辺機能が豊富です。
(2) SiFive社RISC-V IPラインアップ拡充: SiFive社は、2017年より出荷していた32-ビットマイコン用コアE3、64-ビットLinux実行可能コアU5に加え、令和元年にラインアップを大拡充しました。E2/E3/E7: マイコン、エッジコンピューティング、AI、IoT応用32ビット組み込み用途、S2/S5/S7: ストレージ、AR / VR、機械学習応用64ビット組み込み用途、U5/U7/U8:リナックス、データセンタ、ネットワークベースバンド用 64ビットアプリケーションプロセッサシリーズ、の3シリーズを拡充しました。SiFive社は、上記以外に7nmプロセスのアウトオブオーダ方式のU8コアも開発しており、ARMの全クラスに対応するプロセッサコアが出揃ったこととなります。
(3) Andes Technology社RISC-V IPラインアップ拡充: RISC-VアーキテクチャのN22「Bumblebee」IPコアは、ARM Mシリーズに比較し(1) CoreMark/MHz, (2) DMIPS/MHz, (3) CSiBe Code Sizeのベンチマークで凌駕しているとAndesは公表しています。アンデス社は、(1) Aシリーズ:アプリケーションプロセッサ(ARM Aに対応)(2) Nシリーズ:組み込みプロセッサクラス(ARM Mに対応)(3) ネットワークプロセッサのDシリーズ(ARM Rに対応)と、3つのラインアップを持っています。(1)(2)は32ビット、64ビットを両方対応しています。Aシリーズでは、エッジ応用のみでなく、サーバ応用もカバーします。
(4)「チップス・アライアンス」、FOSSi、などのRISC-Vシステムプロファイルを標準化する組織の誕生:
3月より、Google等の後援でLinux Foundation内に作られた「チップス・アライアンス」(CHIPS Alliance)、FOSS、FOSSiなど、RISC-Vでシステムを作りやすくするための周辺機能のIPを集積活動が始まりました。8コアの高性能システムを簡単にオープンソースで作れる。従来高付加価値だったチップ製品をオープンソース技術で作れるようになりました。
6。地域ニュートラルなグローバルなRISC-V Internationalが発足: 中国スマホ分野では、世界最強なAIプロセサとして、Huawei Ascend 910を7nmプロセスでARMで開発したことを発表しましたが、同チップをRISC-Vでも設計しているという2CPU戦略を表明しています。通商ブロック化が背景でスマホシステムでもRISC-VがARM(現在世界シェア99%)と並ぶ可能性があるかもしれません。
3月に、通商のブロック化によりRISC-Vの発展が妨げられないように、RISC-V Foundationは、Linux Foundationと融合しRISC-V Internationalをスイスのチューリッヒに発足しました。欧州のFree and Open Source Software(FOSS)、 Free and Open Source Silicon(FOSSi)、他の組織とも連携し、単なる米国の組織からグローバルな組織に変革しつつありました。FOSSとFOSSiは、陰陽のように、ISAを媒介として根源で一つに統合された血の通ったモノリシックな活動として展開されているように見受けます。 RISC-Vは、ヨーロッパ発のFOSS / FOSSi活動の中心的要因の1つを提供しました。FOSSとFOSSi活動は今後数年間で業界に大きな違いをもたらします。
7。RISC-Vによるデジタル半導体研究を促進
(1)カーボンナノチューブRISC-V誕生: MITは先週、標準CMOS製造設備と、市販CMOS製造工場にある材料とプロセスを使用して、カーボンナノチューブ(CNT)MOSFETで作られたRISC-V CPUを発表しました。カーボンナノチューブFETを使ったのRISC-Vプロセッサだと。エネルギー効率が10倍良いとしています。
(2)オープンソースEDAツールがRISC-Vをビークルに急伸:RISC-Vをビークルとして、新世代のオープンソースEDAツールがと開発されつつあります。新刊本”Digital Design with Chisel”が正式に発刊され、新設計フローも確立しつつあります。従来から存在していたVerilatorのようなEDAツールが広く使われるようになり、その信頼性と性能と機能が急激に向上しました。オープンソースEDAツールは、過去20年間どんぐりの背比べでしたが、今年になって強いコンテンダが出現しました。コシミュレーションとかのメソドロジもオープンソースで実現できるようになりました。
FPGAツールYosys+nexpnrは、その単純さゆえに商用FPGAツールに比較して実行速度がとてつもなく速い。FPGA自動配置配線ツールnextpnrはデバイス依存部と一般処理部からなり、デバイス依存部を書き換えればどんなFPGAにマップできます。現在は、ラティスICE40とECP5、ザイリンクスのFPGAがサポートされています。オープンソースツールは多様なユースケースを可能にします。検証フェーズでテストベクタを高速で試すために「部分コンフィギュレーション機能」を活用することができます。形式的検証の重要性も高まりつつあります。ハードウェアトロイの木馬などの意図しないロジックは、開発プロセスの複数のポイントで挿入される可能性がありますが、これらを形式的検証で検出することができます。
(3)NVIDIA の深層学習エンジンのオープンソース化:nvidiaは、オープンソース機械学習エコシステムを開発する取り組みNVDLAをリードしています。 NVDLA Deep Learning Inference Compilerも、NVDLAのRTLもオープンにしました。
(4)IBMの オープンソース化への取り組み: サーバ・CPUの世界は確実に変わろうとしています。IBMは、Powerアーキテクチャを無償化しました。RISC-Vに慣い、Power CPUの命令セットを無料化しました。RTLをオープンソース化しました。マイクロワット(Microwatt)というOpenPowerのソフトコアも発表されました。VHDL 2008で書かれた小さなOpen POWER ISAソフトコアで、シンプルでわかりやすいことを目指しています。IBMが「開発者がハードウェアとソフトウェアがPower上で連携して動作することを保証するために使用する定義」、Power Instruction Set Architecture(ISA)をオープンソース化、Power ISAソフトコア、のみでなくOpenCAPIインターコネクト技術、OMIメモリインタフェース技術の参照実装もオープンソース化します。
(5)MIPSの オープンソース化への取り組み: Wave Computing社がMIPS Openが展開する動きもRISC-Vがモデルになっています。
8。RISC-V Foundationのメンバ数とイベント参加者の増加
2019年末日時点で、RISC-V Foundationのメンバ企業数は460社に達しました。12月10-12日にカリフォルニア州で開かれたRISC-V Summit 2019には1650人が登録しました。9月30日に東京で行われたRISC-V Day Tokyo 2019は、日立製作所株式会社、トヨタ自動車株式会社、AdaCore社(米国)、Andes Technology社(台湾)、Codasip社(チェコ共和国)、富士ソフト、IARシステムズ(スエーデン)、NSI-TEXE(株式会社デンソー子会社)、Rambus社(米国)、SiFive社(米国)、Syntacore社(ロシア)、ユビキタスAIコーポレーション、ultraSoC社(英国)、SHコンサルティングがスポンサーとなり、360人が参加登録し、日立製作所の国分寺中央研究所内の日立馬場記念ホールで開催しました。
9。ARM TrustZonesを凌駕するセキュリティをRISC-Vで提供:「シールド」「ワールドID」が公開へ
(1)米国DARPAセキュリティ研究プロジェクトにおけるRISC-V: 米国DARPAの助成金を使うセキュリティチッププロジェクトでは、RISC-Vアーキテクチャの使用を義務付けています。この影響で、RISC-Vはセキュリティアーキテクチャの研究に多く使われています。RISC-Vを使用したセキュリティIPは世界各国で20種類以上開発されていると推定されます。
(3)SiFive社「シールド」「ワールドID」: 10月23日に米国SiFive社がARM「トラストゾーン」に対抗する「シールド」「ワールドID」の機構を公開しました。さらに、オープン標準規格、オープンソース実装を公開し誰でも使えるようにすると宣言。ARM「トラストゾーン」は、2003年にARM社が発表したプロセッサセキュリティの方式です。「ワールドID」は、ARM Aシリーズの「トラストゾーン」の機能を整理して、あらゆる尺度で「トラストゾーン」を凌駕するシステムとしました。トラスト実行環境(TEE)のサポート、ルートオブトラストのサポート、鍵管理のサポートも実装します。
下図に、SiFive社の発表資料から「シールド」「ワールドID」の競合他社との機能比較を示します。出展:SiFive社ウエブサイト、和訳:RISC-V協会
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage4】
10。Google社が自社ルートオブトラスト技術をオープンソース公開する「Open Titan」: 10月14日に、Googleは、データセンターとインフラストラクチャで使用されるオープンソースのセキュアなチップ設計を開発するために、OpenTitanと呼ばれるイニシアチブを開始し、いくつかの企業や非営利団体と提携していることを発表しました。 オープンソースセキュリティは、設計を独立に検証し強化し構築することでより強力なセキュリティを実現できます。コンピューター上で実行されるアプリはウイルスに感染する可能性があります。これに対抗するサイバーセキュリティで最も重要な点は、ファームウェアとチップレベルにあります。 「Open Titan」により、多くの人々が初期設計を改善し、実装のセキュリティを強化できます。
このプロジェクトは、データセンターとPixel Phoneで使用されている既知のルートオブトラストで起動を確認し、ファームウェアが改ざんされていないことを確認するGoogle独自のTitanチップにちなんで命名されました。 検証に使用される暗号要素は、Root of Trust(RoT)と呼ばれ、「Open Titan」プロジェクトの中心です。下図に「Open Titan」のブロック図を示します。出展:Google社発表、和訳:RISC-V協会
RISC-V協会 ウエブサイト: http://riscv-association.jp/
フェースブック: https://www.facebook.com/riscv.a/
ツイッター: @riscv_a
RISC-V Tokyo Meetupサイト: https://www.meetup.com/ja-JP/RISC-V-Group-Tokyo/events/271981412/
チケット購入: https://peatix.com/event/1560556/
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000207989&id=bodyimage5】
配信元企業:SHコンサルティング株式会社
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