【矢野経済研究所プレスリリース】代替タンパク質 (植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク)世界市場に関する調査を実施(2023年) 2022年は6,395億7,300万円
[23/08/30]
提供元:DreamNews
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株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内外における代替タンパク質(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク)市場を調査し、現況、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。
1.市場概況
2022年の代替タンパク質の世界市場規模(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク計)は、メーカー出荷金額ベースで、6,395億7,300万円と推計した。
世界の人口増加に伴い、食肉需要は増加している。農林水産政策研究所「2031年における世界の食料需給見通し」(令和3年度)によれば、2018〜20年の需要と比較して、2031年の世界の食肉需要は増加傾向での推移が予測される。牛肉では約0.62億トンから約0.71億トンへ増加し(2018〜2020年比15.2%増)、豚肉では約1.06億トンから約1.21億トンへの増加(同14.1%増)、鶏肉では約1.05億トンから約1.28億トンへ(同21.8%増)増加することが見込まれる。
一方で、畜産由来の温室効果ガス排出や飼料・水資源の大量利用など、畜産業が地球環境に与える影響が背景となり、将来的に従来の動物由来の食肉のみで需要を満たすことが困難になる可能性が出てきている。加えて、2022年から2023年に掛けては、不安定な世界情勢の影響から、食品の供給不安定化や価格高騰が発生し、食料安全保障の強化が世界的な課題となっている。
こうしたなか、豆類や野菜などを原材料とした植物由来肉、動物細胞を培養して製造する培養肉、昆虫由来の代替タンパク質が注目されている。加えて、水産物の持続可能な需給バランスの観点から、植物由来シーフードや培養シーフードなど、代替シーフードの研究開発が進んでいる。
【画像 https://www.dreamnews.jp/?action_Image=1&p=0000286452&id=bodyimage1】
2.注目トピック〜植物由来肉・植物由来シーフード市場 日本では2023年・2024年に掛けて参入事業者の新工場が稼働予定
植物由来食品の中でも、植物を原材料とした植物由来肉市場は、畜産と比較して水の使用や温室効果ガスの排出を抑制する持続可能性の高さ、世界の人口増加に伴う食糧不足、健康志向の高まり、食の多様化などを背景に拡大してきた。
日本国内では、2023年・2024年に掛けて参入事業者の新工場が稼働予定であり、植物由来のシーフードや卵などの商品化や導入が進んだことを受け、本格的にカテゴリが拡大している。
これに対してアメリカでは、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外食産業が大きな打撃を受けた反面、小売業が急成長した。2021年から2022 年にかけては、食品産業全体がコロナ禍以前の状況に徐々に回復したとみられる。一方で、2022年に発生した急激なインフレーションはアメリカを含め世界の食品産業全体に影響を与えた。食品価格の上昇は、買い控えなど、消費者の購買行動に影響した。このような背景から、アメリカの植物由来肉小売市場も影響を受けたものとみる。
3.将来展望
植物由来肉では、すでに一定規模の市場を持つアメリカ、欧州が今後も堅調な伸びを見せると考える。加えて、中国などアジア圏では健康志向の高まりとともに、植物由来肉の技術も飛躍的に進歩しており、今後は伸長するとみる。日本では、小売店舗における常温・チルド商品の販売拡大、冷凍食品のラインナップ拡充や外食へのメニュー導入などが進むことで、消費者の認知度が高まるとともに、JAS規格制定を受けた導入促進、SNSを活用したマーケティングなどが追い風となり、需要が伸長する見通しである。
培養肉では、2020年12月にシンガポールで初の上市が行われた。2023年6月にはアメリカでも生産・販売が認可され、スタートアップ企業を中心とした研究開発が、アメリカ、シンガポール、イスラエル、欧州、日本などで行われている。一方で、生産コストの高さが課題とされており、コスト低減に向けた生産技術開発や効率化について、継続的な取り組みが進むとみる。
こうしたなか、2027年の代替タンパク質の世界市場規模(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク計)はメーカー出荷金額ベースで、1兆7,220億200万円を予測する。また、その後も拡大基調で推移し、2035年には4兆9,064億5,900万円になるものと予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3325
調査要綱
1.調査期間: 2023年4月〜7月
2.調査対象: 代替タンパク質(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク)参入事業者、関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談取材及び電話、e-mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2023年7月31日
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1.市場概況
2022年の代替タンパク質の世界市場規模(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク計)は、メーカー出荷金額ベースで、6,395億7,300万円と推計した。
世界の人口増加に伴い、食肉需要は増加している。農林水産政策研究所「2031年における世界の食料需給見通し」(令和3年度)によれば、2018〜20年の需要と比較して、2031年の世界の食肉需要は増加傾向での推移が予測される。牛肉では約0.62億トンから約0.71億トンへ増加し(2018〜2020年比15.2%増)、豚肉では約1.06億トンから約1.21億トンへの増加(同14.1%増)、鶏肉では約1.05億トンから約1.28億トンへ(同21.8%増)増加することが見込まれる。
一方で、畜産由来の温室効果ガス排出や飼料・水資源の大量利用など、畜産業が地球環境に与える影響が背景となり、将来的に従来の動物由来の食肉のみで需要を満たすことが困難になる可能性が出てきている。加えて、2022年から2023年に掛けては、不安定な世界情勢の影響から、食品の供給不安定化や価格高騰が発生し、食料安全保障の強化が世界的な課題となっている。
こうしたなか、豆類や野菜などを原材料とした植物由来肉、動物細胞を培養して製造する培養肉、昆虫由来の代替タンパク質が注目されている。加えて、水産物の持続可能な需給バランスの観点から、植物由来シーフードや培養シーフードなど、代替シーフードの研究開発が進んでいる。
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2.注目トピック〜植物由来肉・植物由来シーフード市場 日本では2023年・2024年に掛けて参入事業者の新工場が稼働予定
植物由来食品の中でも、植物を原材料とした植物由来肉市場は、畜産と比較して水の使用や温室効果ガスの排出を抑制する持続可能性の高さ、世界の人口増加に伴う食糧不足、健康志向の高まり、食の多様化などを背景に拡大してきた。
日本国内では、2023年・2024年に掛けて参入事業者の新工場が稼働予定であり、植物由来のシーフードや卵などの商品化や導入が進んだことを受け、本格的にカテゴリが拡大している。
これに対してアメリカでは、2020年に新型コロナウイルスの感染拡大の影響で外食産業が大きな打撃を受けた反面、小売業が急成長した。2021年から2022 年にかけては、食品産業全体がコロナ禍以前の状況に徐々に回復したとみられる。一方で、2022年に発生した急激なインフレーションはアメリカを含め世界の食品産業全体に影響を与えた。食品価格の上昇は、買い控えなど、消費者の購買行動に影響した。このような背景から、アメリカの植物由来肉小売市場も影響を受けたものとみる。
3.将来展望
植物由来肉では、すでに一定規模の市場を持つアメリカ、欧州が今後も堅調な伸びを見せると考える。加えて、中国などアジア圏では健康志向の高まりとともに、植物由来肉の技術も飛躍的に進歩しており、今後は伸長するとみる。日本では、小売店舗における常温・チルド商品の販売拡大、冷凍食品のラインナップ拡充や外食へのメニュー導入などが進むことで、消費者の認知度が高まるとともに、JAS規格制定を受けた導入促進、SNSを活用したマーケティングなどが追い風となり、需要が伸長する見通しである。
培養肉では、2020年12月にシンガポールで初の上市が行われた。2023年6月にはアメリカでも生産・販売が認可され、スタートアップ企業を中心とした研究開発が、アメリカ、シンガポール、イスラエル、欧州、日本などで行われている。一方で、生産コストの高さが課題とされており、コスト低減に向けた生産技術開発や効率化について、継続的な取り組みが進むとみる。
こうしたなか、2027年の代替タンパク質の世界市場規模(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク計)はメーカー出荷金額ベースで、1兆7,220億200万円を予測する。また、その後も拡大基調で推移し、2035年には4兆9,064億5,900万円になるものと予測する。
※掲載されている情報は、発表日現在の情報です。その後予告なしに変更されることがございますので、あらかじめご了承ください。
https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3325
調査要綱
1.調査期間: 2023年4月〜7月
2.調査対象: 代替タンパク質(植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク)参入事業者、関連団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談取材及び電話、e-mail等によるヒアリング調査、ならびに文献調査併用
4.発刊日:2023年7月31日
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