GfK Japan調べ:2008年 家電およびIT市場総括
[09/03/03]
提供元:@Press
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ジーエフケー マーケティングサービス ジャパン株式会社(所在地:東京都中野区、代表取締役社長:朝比奈 進)は、2008年の家電およびIT市場の販売動向を発表した。
【概要】
・2008年度国内家電市場は、前年比1%増の7.6兆円の見通し。
・AV家電は薄型TVとBlu-rayが好調で、金額前年比を上回った。しかしながら、パソコン、デジカメなどは平均単価の下落により、金額でマイナス成長となった。
・高価格製品の構成比が増えた白物家電は、数量よりも金額の伸びが大きく、堅調な成長を見せた。省エネという目に見えるお得感や静音などの新たな付加価値の訴求が奏功した。
【全体市場:前年比1%増の7.6兆円に】
国内の家電市場は、ITバブル崩壊後に一時的に落ち込みを見せたものの、2004年度に回復後は順調に成長を続けている。2005年度には初の7兆円超えとなり、2007年度は薄型TVなどが牽引役となり4.9%増と力強い伸びを見せた。
2008年度は景気悪化と消費マインドの冷え込みにより後半に伸び悩み、前年比1%増の7.6兆円にとどまる見通し。これまで牽引役だった薄型TVの成長率鈍化に加え、平均価格の下落が進んだことも影響した。
【薄型TV:LCD TVが全体を牽引】
2008年のTV市場は、数量前年比10%増と二桁成長を示し、1,031万台となった。2001年に1,038万台(*JEITA出荷統計)を記録して以来、7年ぶりに1,000万台の大台を越えた。
なかでもLCD TVは、数量前年比20%増の906万台、金額前年比も8%増と大きく躍進。PDPは年後半にやや失速したものの、通年では8%増の101万台。しかしながら、平均価格の大幅な下落により金額ベースでは7%減となった。CRTは急速に落ち込み、数量前年比72%減の23万台。TV全体に対する薄型TVの数量構成比は97.7%にまで達しており、TV市場は薄型TVに完全に移行した。
【DVDプレーヤー、レコーダー:Blu-ray Discが躍進】
2008年のDVD全体市場(注)は715万台と数量前年比では0.1%減と横這いながら、金額前年比では14%増となった。高単価のBlu-rayレコーダーが市場を牽引、2007年の16万台から134万台へと急拡大した。
一方、Blu-rayに押されるかたちでDVDレコーダーは数量前年比27.6%減の224万台、金額前年比38.5%減と前年を大きく割り込んだ。金額規模ではBlu-rayを下回り、市場の趨勢は一気に置き換わったと言えよう。
2008年通年で、レコーダー市場におけるBlu-rayレコーダーの構成比は数量ベースで37%、金額ベースで53%に達した。特に2008年12月の年末商戦では数量構成比62%、金額構成比は75%とBlu-rayレコーダーの成長が加速した。
(注)DVDレコーダー、DVDプレーヤー、Blu-ray Disc レコーダーの合計
【パソコン:リテール市場におけるネットブックが急成長】
2008年パソコン市場は、前年比2%増の1,398万台となった。企業向けは景気悪化の影響をより強く受けマイナス成長となったが、個人向けの販売が好調に推移し全体を底上げした。リテール市場は2002年以降、500万台前後で推移しており、2008年は数量522万台、前年比8%増。特にノートPCの成長が目覚ましく、数量で14%の伸びとなった。
ノートPC伸長の牽引役はネットブック(注)と呼ばれる小型低価格PC。2008年1月末に登場した際には、数量構成比2〜3%で推移していたが、7月に8.9インチモデルが登場したことで一気に拡大。データ通信カードとのセット販売による割引で「100円PC」等というキャッチコピーが店頭で話題となり、一般消費者の認知度も急速に高まった。参入メーカーの増加に伴いラインナップも拡充、2008年末時点で参入メーカーは10社以上に及び、ノートPCにおける数量構成比で約2割を占める市場に成長した。
(注)ネットブック・・・画面サイズ10.2インチ以下の小型PC
【PCディスプレイ:リテール市場は大型化でプラス、ディーラー市場は不振】
2008年の販売台数は、前年比3%減の413万台となった。リテール市場はプラス成長となったものの、ディーラー市場は景気悪化に伴う販売減速が影響し、市場全体では前年を割り込んだ。
リテール市場は前年比2%増の62万台となった。大画面モデルの平均価格の下落により買い替え需要が促進され、市場のプラス成長に繋がったと見られる。金額ベースでも前年比1%増となった。
ディーラー市場では、企業の景況感の悪化によりパソコン販売の不振の影響を受け数量は198万台、前年比5%減となった。金額ベースでは前年比8%減。
【デジタルカメラ:コンパクトの価格下落が進む】
2008年は数量前年比0.9%減の1,076万台となった。金額ベースでは、コンパクトの価格下落が影響し、前年比4.7%減となった。特に2008年末商戦は景況感悪化により、金額前年比20%減となった。
全体的に既存機能が進化する一方、新たな技術など目立った進展が見当たらなかった為、買い替え需要が減少。買い替えサイクルは3.5年から3.7年へ長期化している(内閣府調べ)。また、景気悪化により外出・旅行が控えられ、購入機会が減少したことなど、消費者に購入を促す要因が少なくなったことも市場の停滞に影響した。一眼レフは通年では数量、金額ともに好調だったが、2008年11月から成長に陰りが見え、コンパクトの不調をカバーしきれなかった。
【携帯電話:割賦販売制度の導入で市場は大幅減】
割賦販売の導入に伴い短期の買換え需要が急減、2008年の販売台数は約3,900万台と、前年から約1,200万台もの大幅減となった。今後も現行の販売制度が続く限り買換えサイクルの短期化は期待できず、厳しい環境が続く見通し。
そうした中、ワンセグ機能の搭載が進展、2008年12月には販売されたモデルのうち80%がワンセグ機能を搭載。これに伴い画面も大型化が進み、12月時点で約60%の端末が3インチ以上の画面を搭載している。またiPhone 3Gのようなスマートフォン(注)もラインナップが拡充。2008年末でこのタイプの構成比は7%にとどまっているが、法人市場への広がりも視野に今後の販売拡大が期待される。
(注)スマートフォン・・・タッチパネル又はフルキーボードを有する携帯電話端末
【冷蔵庫:省エネ・大容量化が奏功し金額前年比プラス】
2008年は460万台と前年比3%減となった。一方、金額ベースでは前年比5%増と、付加価値訴求の価格転嫁が成功した貴重なカテゴリーである。全家電品目のカテゴリー別売上金額構成比を見ると、冷蔵庫は6.6%を占め、テレビ(20.5%)、パソコン(12.3%)、エアコン(7.8%)に次ぐ重要カテゴリーである。
販売の大多数は買い替え需要に支えられており、市場の伸縮は買い替えサイクルと密接に連動する。2008年は省エネ性能の向上や容量の大型化が一定の買い替え需要を喚起し、また上位機種への選択を後押ししたことと相まって、上述の金額成長に繋がった。
【洗濯機:買換えサイクルの狭間で数量・金額ともに微減】
洗濯機の買い替えサイクルは約8〜9年で、1997年の消費税引上げ前に見られた駆け込み需要から9年後の2006年をピークに、市場は微減傾向が続いている。2008年はサイクルの狭間に位置しているため苦戦したが、生活必需品であることから数量は微減にとどまり、数量前年比3%減の470万台となった。
一方、省エネ、節水、低騒音などの付加価値の訴求が奏功し、全体の平均価格は小幅ながら上昇、金額前年比は1%減と若干ながら量前年比を上回った。
【シェーバー:高価格の男性用シェーバーが牽引】
男性用・女性用を合わせたシェーバー市場はここ数年、微減傾向が続いている。2008年は数量800万台弱と横這いとなり、金額前年比は2%増となった。市場の8割を占める男性用シェーバーが好調で牽引役となった。自動洗浄・充電機能が付いた高価格製品の金額構成比が前年の22%から25%に増加し、特に第4四半期には28%に拡大したことが金額面で全体を押し上げた。
一方、女性用シェーバーは数量横這いで金額は6%減となった。女性用シェーバーは金額の減少傾向が続いており、数量ベースでは一定の構成比を維持しているものの、金額ベースでは年々構成比を落としている。
本プレスリリースは、以下ページでもご覧いただけます。
http://www.gfkjpn.co.jp/update_file/pdf/153.pdf
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。
【概要】
・2008年度国内家電市場は、前年比1%増の7.6兆円の見通し。
・AV家電は薄型TVとBlu-rayが好調で、金額前年比を上回った。しかしながら、パソコン、デジカメなどは平均単価の下落により、金額でマイナス成長となった。
・高価格製品の構成比が増えた白物家電は、数量よりも金額の伸びが大きく、堅調な成長を見せた。省エネという目に見えるお得感や静音などの新たな付加価値の訴求が奏功した。
【全体市場:前年比1%増の7.6兆円に】
国内の家電市場は、ITバブル崩壊後に一時的に落ち込みを見せたものの、2004年度に回復後は順調に成長を続けている。2005年度には初の7兆円超えとなり、2007年度は薄型TVなどが牽引役となり4.9%増と力強い伸びを見せた。
2008年度は景気悪化と消費マインドの冷え込みにより後半に伸び悩み、前年比1%増の7.6兆円にとどまる見通し。これまで牽引役だった薄型TVの成長率鈍化に加え、平均価格の下落が進んだことも影響した。
【薄型TV:LCD TVが全体を牽引】
2008年のTV市場は、数量前年比10%増と二桁成長を示し、1,031万台となった。2001年に1,038万台(*JEITA出荷統計)を記録して以来、7年ぶりに1,000万台の大台を越えた。
なかでもLCD TVは、数量前年比20%増の906万台、金額前年比も8%増と大きく躍進。PDPは年後半にやや失速したものの、通年では8%増の101万台。しかしながら、平均価格の大幅な下落により金額ベースでは7%減となった。CRTは急速に落ち込み、数量前年比72%減の23万台。TV全体に対する薄型TVの数量構成比は97.7%にまで達しており、TV市場は薄型TVに完全に移行した。
【DVDプレーヤー、レコーダー:Blu-ray Discが躍進】
2008年のDVD全体市場(注)は715万台と数量前年比では0.1%減と横這いながら、金額前年比では14%増となった。高単価のBlu-rayレコーダーが市場を牽引、2007年の16万台から134万台へと急拡大した。
一方、Blu-rayに押されるかたちでDVDレコーダーは数量前年比27.6%減の224万台、金額前年比38.5%減と前年を大きく割り込んだ。金額規模ではBlu-rayを下回り、市場の趨勢は一気に置き換わったと言えよう。
2008年通年で、レコーダー市場におけるBlu-rayレコーダーの構成比は数量ベースで37%、金額ベースで53%に達した。特に2008年12月の年末商戦では数量構成比62%、金額構成比は75%とBlu-rayレコーダーの成長が加速した。
(注)DVDレコーダー、DVDプレーヤー、Blu-ray Disc レコーダーの合計
【パソコン:リテール市場におけるネットブックが急成長】
2008年パソコン市場は、前年比2%増の1,398万台となった。企業向けは景気悪化の影響をより強く受けマイナス成長となったが、個人向けの販売が好調に推移し全体を底上げした。リテール市場は2002年以降、500万台前後で推移しており、2008年は数量522万台、前年比8%増。特にノートPCの成長が目覚ましく、数量で14%の伸びとなった。
ノートPC伸長の牽引役はネットブック(注)と呼ばれる小型低価格PC。2008年1月末に登場した際には、数量構成比2〜3%で推移していたが、7月に8.9インチモデルが登場したことで一気に拡大。データ通信カードとのセット販売による割引で「100円PC」等というキャッチコピーが店頭で話題となり、一般消費者の認知度も急速に高まった。参入メーカーの増加に伴いラインナップも拡充、2008年末時点で参入メーカーは10社以上に及び、ノートPCにおける数量構成比で約2割を占める市場に成長した。
(注)ネットブック・・・画面サイズ10.2インチ以下の小型PC
【PCディスプレイ:リテール市場は大型化でプラス、ディーラー市場は不振】
2008年の販売台数は、前年比3%減の413万台となった。リテール市場はプラス成長となったものの、ディーラー市場は景気悪化に伴う販売減速が影響し、市場全体では前年を割り込んだ。
リテール市場は前年比2%増の62万台となった。大画面モデルの平均価格の下落により買い替え需要が促進され、市場のプラス成長に繋がったと見られる。金額ベースでも前年比1%増となった。
ディーラー市場では、企業の景況感の悪化によりパソコン販売の不振の影響を受け数量は198万台、前年比5%減となった。金額ベースでは前年比8%減。
【デジタルカメラ:コンパクトの価格下落が進む】
2008年は数量前年比0.9%減の1,076万台となった。金額ベースでは、コンパクトの価格下落が影響し、前年比4.7%減となった。特に2008年末商戦は景況感悪化により、金額前年比20%減となった。
全体的に既存機能が進化する一方、新たな技術など目立った進展が見当たらなかった為、買い替え需要が減少。買い替えサイクルは3.5年から3.7年へ長期化している(内閣府調べ)。また、景気悪化により外出・旅行が控えられ、購入機会が減少したことなど、消費者に購入を促す要因が少なくなったことも市場の停滞に影響した。一眼レフは通年では数量、金額ともに好調だったが、2008年11月から成長に陰りが見え、コンパクトの不調をカバーしきれなかった。
【携帯電話:割賦販売制度の導入で市場は大幅減】
割賦販売の導入に伴い短期の買換え需要が急減、2008年の販売台数は約3,900万台と、前年から約1,200万台もの大幅減となった。今後も現行の販売制度が続く限り買換えサイクルの短期化は期待できず、厳しい環境が続く見通し。
そうした中、ワンセグ機能の搭載が進展、2008年12月には販売されたモデルのうち80%がワンセグ機能を搭載。これに伴い画面も大型化が進み、12月時点で約60%の端末が3インチ以上の画面を搭載している。またiPhone 3Gのようなスマートフォン(注)もラインナップが拡充。2008年末でこのタイプの構成比は7%にとどまっているが、法人市場への広がりも視野に今後の販売拡大が期待される。
(注)スマートフォン・・・タッチパネル又はフルキーボードを有する携帯電話端末
【冷蔵庫:省エネ・大容量化が奏功し金額前年比プラス】
2008年は460万台と前年比3%減となった。一方、金額ベースでは前年比5%増と、付加価値訴求の価格転嫁が成功した貴重なカテゴリーである。全家電品目のカテゴリー別売上金額構成比を見ると、冷蔵庫は6.6%を占め、テレビ(20.5%)、パソコン(12.3%)、エアコン(7.8%)に次ぐ重要カテゴリーである。
販売の大多数は買い替え需要に支えられており、市場の伸縮は買い替えサイクルと密接に連動する。2008年は省エネ性能の向上や容量の大型化が一定の買い替え需要を喚起し、また上位機種への選択を後押ししたことと相まって、上述の金額成長に繋がった。
【洗濯機:買換えサイクルの狭間で数量・金額ともに微減】
洗濯機の買い替えサイクルは約8〜9年で、1997年の消費税引上げ前に見られた駆け込み需要から9年後の2006年をピークに、市場は微減傾向が続いている。2008年はサイクルの狭間に位置しているため苦戦したが、生活必需品であることから数量は微減にとどまり、数量前年比3%減の470万台となった。
一方、省エネ、節水、低騒音などの付加価値の訴求が奏功し、全体の平均価格は小幅ながら上昇、金額前年比は1%減と若干ながら量前年比を上回った。
【シェーバー:高価格の男性用シェーバーが牽引】
男性用・女性用を合わせたシェーバー市場はここ数年、微減傾向が続いている。2008年は数量800万台弱と横這いとなり、金額前年比は2%増となった。市場の8割を占める男性用シェーバーが好調で牽引役となった。自動洗浄・充電機能が付いた高価格製品の金額構成比が前年の22%から25%に増加し、特に第4四半期には28%に拡大したことが金額面で全体を押し上げた。
一方、女性用シェーバーは数量横這いで金額は6%減となった。女性用シェーバーは金額の減少傾向が続いており、数量ベースでは一定の構成比を維持しているものの、金額ベースでは年々構成比を落としている。
本プレスリリースは、以下ページでもご覧いただけます。
http://www.gfkjpn.co.jp/update_file/pdf/153.pdf
≪GfK Japanのデータについて≫
全国有力家電量販店より、毎日POSデータを収集。モデル別であらゆるカテゴリーの動向を調査している。多くの市場データが出荷時点を捉えているのに対し、販売時点で実需を細かく追っているのが特徴である。
また、同様に総合量販店(GMS)や地域家電店、インターネットチャネルなどからも販売データを収集。家電以外にも、ゴルフ用品やDVDソフトウエアの販売データを構築している。
※弊社名を報道にて引用頂く場合は、正式社名のほか、「GfK Japan」、「ジーエフケー ジャパン」、「GfKジャパン」の略記でも結構です。