第3回「企業の取引リスクに対する意識」調査 与信管理の意識が高いリスモン会員において、景況感の悪化が顕著に
[16/12/26]
提供元:@Press
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与信管理ASPクラウドサービスを提供するリスクモンスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:藤本 太一、以下 リスモン)は、リスモンの与信管理サービスを利用する会員企業(以下 RM会員)に対して実施した第3回「企業の取引リスクに対する意識」調査結果を発表いたしました。
■調査結果
(1) 3回目の調査で景況感DIが初めてマイナスに
RM会員に対し、景況感に関するアンケート調査を実施した結果、「景況感はよくなった」と回答した企業の割合と「景況感は悪くなった」と回答した企業の割合の差(DI)は、マイナス2.7となり、前回調査時(プラス6.2)よりも8.9下回る結果となりました。
業種別では、「宿泊業、飲食サービス業」(プラス50.0)が第1位、続いて「電気・ガス・熱供給、水道業」(プラス33.3)が第2位、「その他のサービス業」(プラス11.8)が第3位となる一方で、「生活関連サービス業、娯楽業」(マイナス55.6)、「運輸業、郵便業」(マイナス18.8)、「卸売業、小売業」(マイナス6.6)、製造業(マイナス1.9)の3業種において「景況感は悪くなった」と回答した企業の割合が高い結果となりました。
第1回調査からの推移においては、「宿泊業、飲食サービス業」に景況感のV字回復が見受けられる以外は、概ね右肩下がりでの推移となっており、全体的に景気の失速感が表れた結果となりました。(図表A)
(2) 4割超が来年度の「倒産数の増加」を予想
RM会員に対する2017年度の倒産動向予想については、「倒産数は増加すると思う」(回答率41.9%)が「倒産数は減少すると思う」(同7.4%)を大幅に上回る結果となりました。
業種別では、「生活関連サービス業、娯楽業」(回答率100.0%)、「宿泊業、飲食サービス業」(同55.6%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(同50.0%)、「運輸業、郵便業」(同49.0%)、「医療、福祉」(同47.1%)、「金融業、保険業」(同43.3%)において、「倒産数は増加すると思う」が高い回答率となりました。(図表B)
(3) 貸倒れや回収遅延の発生防止には「モニタリングサービス」や「財務格付」が効果的
RM会員における直近1年間の与信管理コストの使い道に関する調査にて、最も回答率が高かったのは、「企業信用格付」(回答率56.4%)であり、次いで「信用調書(国内企業)」(同33.2%)、「信用状態モニタリングサービス」(同22.1%)の順となりました。(図表C)
また、問題債権の発生状況と照らし合わせてみたところ、「信用状態モニタリングサービス」(同68.5%)、「RM財務格付」(同66.7%)が、貸倒れや回収遅延の発生防止に寄与している結果となりました。その他、与信コストの使い道として利用度の高い「企業信用格付」や「信用調書(国内企業)」においても同様に、貸倒れや回収遅延の発生防止に対して効果が見られる結果となりました。「企業の信用度を小まめにチェックできる情報ツール」が実績に裏付けられて、信頼を得ていることがうかがえます。(図表D)
(4) 与信管理予算は増加傾向に
RM会員における、昨年度と今年度の与信管理に対する予算の増減の調査では、「変わらない」(回答率74.5%)が最も多く、次いで「予算が増加した」(同17.3%)、「予算が減少した」(同8.1%)という結果になりました。
また、予算の変動に対して、近年の貸倒れ・回収遅延の発生状況を合わせて調査したところ、「経営への影響が大きな貸倒れが発生した」企業においては、当然ながら「予算が増加した」(同66.7%)と回答した企業が圧倒的に多く、回収できたものよりも回収が困難なもの、支払遅延の発生よりも貸倒れの発生、というように事故の度合いが重くなるにつれて、企業の与信管理予算に対する影響も大きくなることもうかがえました。(図表E)
(5) 「取引先の増加」や「保全の強化」など前向きな理由での予算増
RM会員における昨年度と今年度の与信管理に対する予算の増減理由を調査したところ、「予算が増加した理由」としては、「取引先が増加したため」という回答が最も多く、その他には「ファクタリングなどを活用した保全の強化を図るため」、「与信管理を新たに取り組むこととなったため」という回答が見られました。(図表F)
一方で、「予算が減少した理由」としては、「コスト削減のため」という回答が最も多く、その他に「保証料金が低減したため」という回答がみられました。(図表G)
■総評 ― 景況が厳しい中でも、与信管理を強化するRM会員の姿勢が浮き彫りに
3回目となる今回の調査において、RM会員企業における景況感DIはマイナス2.7となり、初めてマイナスとなりました(1回目 33.4、2回目 6.2)。日銀が2016年10月3日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観)において、業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス6、同非製造業でプラス18であったことを考慮すれば、明らかに低い水準であり、与信管理意識の高いRM会員がよりいっそう景気の後退感を敏感に感じていることがうかがえる結果となりました。景気の後退感は、2017年度の倒産動向予想の結果において、「倒産数が増加すると思う」が「倒産数が減少すると思う」を大幅に上回ったことからもうかがえます。
しかし、景気が後退しているからといって取引に消極的になっては、企業が成長することはできません。景況が厳しくなる中でも、確実に業績を伸ばし、競業先との競争に打ち勝つため、与信管理を強化するRM会員の姿勢が、「取引先の増加」や「ファクタリングの活用」などの理由により与信管理予算が増加傾向という結果にも表れています。
与信管理の最終目的は、「貸倒れが発生した、しなかった」という一喜一憂することではなく、安定的に収益を確保し、企業の収益力を強化していくことにあります。リスモンとしては、RM会員や、与信管理に高い意識を有する企業が、上辺だけの取引量の増加、売上の確保に惑わされることなく、自社が安定的に収益を得られるような債権リスク分布となっているかという点を十分に意識することで、着実な成長を遂げられるように、サポートしてまいります。
※ 本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、以下掲載サイトよりご覧いただけます。
http://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
■実施概要
調査名称 :第3回「企業の取引リスクに対する意識」調査
調査方法 :インターネット調査
調査エリア:全国
期間 :2016年10月26日(水)〜11月29日(火)
調査対象者:リスクモンスター会員 2,321名
有効回収数:675サンプル
■リスモン調べとは
リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。
掲載サイトはこちら http://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
■リスモンの概要(東京証券取引所第二部上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPサービス事業を開始しました。以来サービス分野を拡大し、現在は与信管理サービス、ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)およびBPOサービスの3つを中核事業と位置づけ、事業展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2016年9月末時点で10,549(内、与信管理サービス等5,379、ビジネスポータルサイト等3,051、その他2,199)となっております。
http://www.riskmonster.co.jp/
■調査結果
(1) 3回目の調査で景況感DIが初めてマイナスに
RM会員に対し、景況感に関するアンケート調査を実施した結果、「景況感はよくなった」と回答した企業の割合と「景況感は悪くなった」と回答した企業の割合の差(DI)は、マイナス2.7となり、前回調査時(プラス6.2)よりも8.9下回る結果となりました。
業種別では、「宿泊業、飲食サービス業」(プラス50.0)が第1位、続いて「電気・ガス・熱供給、水道業」(プラス33.3)が第2位、「その他のサービス業」(プラス11.8)が第3位となる一方で、「生活関連サービス業、娯楽業」(マイナス55.6)、「運輸業、郵便業」(マイナス18.8)、「卸売業、小売業」(マイナス6.6)、製造業(マイナス1.9)の3業種において「景況感は悪くなった」と回答した企業の割合が高い結果となりました。
第1回調査からの推移においては、「宿泊業、飲食サービス業」に景況感のV字回復が見受けられる以外は、概ね右肩下がりでの推移となっており、全体的に景気の失速感が表れた結果となりました。(図表A)
(2) 4割超が来年度の「倒産数の増加」を予想
RM会員に対する2017年度の倒産動向予想については、「倒産数は増加すると思う」(回答率41.9%)が「倒産数は減少すると思う」(同7.4%)を大幅に上回る結果となりました。
業種別では、「生活関連サービス業、娯楽業」(回答率100.0%)、「宿泊業、飲食サービス業」(同55.6%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(同50.0%)、「運輸業、郵便業」(同49.0%)、「医療、福祉」(同47.1%)、「金融業、保険業」(同43.3%)において、「倒産数は増加すると思う」が高い回答率となりました。(図表B)
(3) 貸倒れや回収遅延の発生防止には「モニタリングサービス」や「財務格付」が効果的
RM会員における直近1年間の与信管理コストの使い道に関する調査にて、最も回答率が高かったのは、「企業信用格付」(回答率56.4%)であり、次いで「信用調書(国内企業)」(同33.2%)、「信用状態モニタリングサービス」(同22.1%)の順となりました。(図表C)
また、問題債権の発生状況と照らし合わせてみたところ、「信用状態モニタリングサービス」(同68.5%)、「RM財務格付」(同66.7%)が、貸倒れや回収遅延の発生防止に寄与している結果となりました。その他、与信コストの使い道として利用度の高い「企業信用格付」や「信用調書(国内企業)」においても同様に、貸倒れや回収遅延の発生防止に対して効果が見られる結果となりました。「企業の信用度を小まめにチェックできる情報ツール」が実績に裏付けられて、信頼を得ていることがうかがえます。(図表D)
(4) 与信管理予算は増加傾向に
RM会員における、昨年度と今年度の与信管理に対する予算の増減の調査では、「変わらない」(回答率74.5%)が最も多く、次いで「予算が増加した」(同17.3%)、「予算が減少した」(同8.1%)という結果になりました。
また、予算の変動に対して、近年の貸倒れ・回収遅延の発生状況を合わせて調査したところ、「経営への影響が大きな貸倒れが発生した」企業においては、当然ながら「予算が増加した」(同66.7%)と回答した企業が圧倒的に多く、回収できたものよりも回収が困難なもの、支払遅延の発生よりも貸倒れの発生、というように事故の度合いが重くなるにつれて、企業の与信管理予算に対する影響も大きくなることもうかがえました。(図表E)
(5) 「取引先の増加」や「保全の強化」など前向きな理由での予算増
RM会員における昨年度と今年度の与信管理に対する予算の増減理由を調査したところ、「予算が増加した理由」としては、「取引先が増加したため」という回答が最も多く、その他には「ファクタリングなどを活用した保全の強化を図るため」、「与信管理を新たに取り組むこととなったため」という回答が見られました。(図表F)
一方で、「予算が減少した理由」としては、「コスト削減のため」という回答が最も多く、その他に「保証料金が低減したため」という回答がみられました。(図表G)
■総評 ― 景況が厳しい中でも、与信管理を強化するRM会員の姿勢が浮き彫りに
3回目となる今回の調査において、RM会員企業における景況感DIはマイナス2.7となり、初めてマイナスとなりました(1回目 33.4、2回目 6.2)。日銀が2016年10月3日に発表した全国企業短期経済観測調査(短観)において、業況判断指数(DI)が大企業製造業でプラス6、同非製造業でプラス18であったことを考慮すれば、明らかに低い水準であり、与信管理意識の高いRM会員がよりいっそう景気の後退感を敏感に感じていることがうかがえる結果となりました。景気の後退感は、2017年度の倒産動向予想の結果において、「倒産数が増加すると思う」が「倒産数が減少すると思う」を大幅に上回ったことからもうかがえます。
しかし、景気が後退しているからといって取引に消極的になっては、企業が成長することはできません。景況が厳しくなる中でも、確実に業績を伸ばし、競業先との競争に打ち勝つため、与信管理を強化するRM会員の姿勢が、「取引先の増加」や「ファクタリングの活用」などの理由により与信管理予算が増加傾向という結果にも表れています。
与信管理の最終目的は、「貸倒れが発生した、しなかった」という一喜一憂することではなく、安定的に収益を確保し、企業の収益力を強化していくことにあります。リスモンとしては、RM会員や、与信管理に高い意識を有する企業が、上辺だけの取引量の増加、売上の確保に惑わされることなく、自社が安定的に収益を得られるような債権リスク分布となっているかという点を十分に意識することで、着実な成長を遂げられるように、サポートしてまいります。
※ 本編はダイジェスト版です。詳細な内容は、以下掲載サイトよりご覧いただけます。
http://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
■実施概要
調査名称 :第3回「企業の取引リスクに対する意識」調査
調査方法 :インターネット調査
調査エリア:全国
期間 :2016年10月26日(水)〜11月29日(火)
調査対象者:リスクモンスター会員 2,321名
有効回収数:675サンプル
■リスモン調べとは
リスモンが独自に調査するレポートのことです。これまでリスモンでは企業活動関連の調査として他にも「100年後も生き残ると思う日本企業調査」「環境への配慮が感じられる企業調査」や「この企業に勤める人と結婚したいアンケート調査」などを発表しており、今後も「企業活動」に関するさまざまな切り口の調査を実施することで、企業格付の更新に役立てていくとともに、情報発信を行うことで新しい調査ターゲットの創出、新サービスの開発などに取り組んでいます。
掲載サイトはこちら http://www.riskmonster.co.jp/rm-research/
■リスモンの概要(東京証券取引所第二部上場 証券コード:3768)
2000年9月設立。同年12月よりインターネットを活用した与信管理業務のアウトソーシングサービス、ASPサービス事業を開始しました。以来サービス分野を拡大し、現在は与信管理サービス、ビジネスポータルサイト(グループウェアサービス等)およびBPOサービスの3つを中核事業と位置づけ、事業展開しております。
リスモングループ法人会員数は、2016年9月末時点で10,549(内、与信管理サービス等5,379、ビジネスポータルサイト等3,051、その他2,199)となっております。
http://www.riskmonster.co.jp/