日本初「意思表示できない避難者の身元特定システム」を実現 2月17日に発表・展示会を開催
[17/02/09]
提供元:@Press
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一般社団法人日本自動認識システム協会(略称:JAISA、会長:伊沢 太郎)は、日本で初めて、被災者支援システム上で生体認証を使って自称できない避難者の身元特定を行う機能を実現しました。そこで、2017年2月17日(金)に、この研究開発成果の発表・展示会を開催いたします。
阪神・淡路大震災から22年、東日本大震災から6年が経とうとしていますが、2016年4月の熊本地震も含め、自然災害は一層多発しており、その度に、地域の方々は避難所に避難して身の安全の確保に努めています。
多くの場合、避難所へ入所する際に身元の特定が行われますが、避難者の中には種々の理由により、自ら誰であるかを示すことが難しい方も含まれています。実際、そのような方こそ手厚い支援を必要とされており、身元の特定は避難者にとって安心・安全の要といえます。
そこで、JAISAは、公益財団法人JKAより競輪の補助を受けて、2014年4月から2年半にわたり官民共同の「生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発検討委員会」(委員長:半谷 精一郎(東京理科大学 教授)、基礎自治体、西宮市情報センター、生体認証技術ベンダー各社からの代表など委員数20名)を開催し、オープンな議論を行いながら、全国の自治体に導入されているオープンシステム化された被災者支援システム上で生体認証を使って避難所で身元の特定を行う機能を実現するための研究開発に取り組んでまいりました。この度、その成果を発表いたします。
この研究開発成果により、自ら誰であるかを示すことが難しい避難者の方でも、生体認証を活用することで、身元を確実に特定できるため、スムーズに避難所への入所ができるようになります。また、その後の支援も、個別の事情を把握することによって的確に行うことができます。
被災者支援システム上で生体認証を用いて身元の特定を行うための研究開発成果の発表ならびに展示は、西宮市情報センターのご協力を得て、下記にて行います。
■発表・展示会
日時: 2017年2月17日(金)午後2時〜午後4時
場所: 西宮浜産業交流会館1階 NICCホール(多目的ホール)
〒662-0934 兵庫県西宮市西宮浜1丁目31番地
URL : http://www.nishi.or.jp/homepage/toshiseibi/information/
■生体認証を使った身元特定の概要
健常者や意識がはっきりしている避難者は、自己申告により避難所での受付が可能ですが、意識不明あるいは意思表示ができない避難者の場合は、生体認証を使って候補者を表示し、その情報を元にして職員が見定めることにより、身元の特定を行います。
【生体認証を使った身元特定の手順】
・事前に生体情報(指紋、静脈、顔など各自治体で選択可能)を自治体のデータベースに登録しておく。
・避難者が意思表示できない場合に、避難者の生体情報を提示することで、生体認証によりシステムから候補者を表示し、その情報を元にして職員が見定めることで、身元を特定する。
・身元が特定できれば、自治体が持つ支援に必要な情報とリンクできるため、的確な支援と見守りが可能となる。
▽避難所での受付対応
https://www.atpress.ne.jp/releases/120763/att_120763_1.pdf
■生体認証を使った身元特定のシステム
被災者支援システム上で生体認証を用いて身元の特定を行うシステムは、被災者支援システムと生体認証機能を連携するための連携機能および生体情報による身元特定を担う生体認証機能から成り立っています。
生体認証技術には指紋、静脈、顔など様々な生体情報を使用するものがあり、その認証技術を使用するためのアプリケーションインターフェイス(API)もまた生体認証技術を提供するベンダー毎に異なっている場合があります。
一方、被災者支援システムはオープンシステム化されており、全国の自治体に被災者支援システム上で生体認証を用いて身元の特定を行うための機能が導入されるときに、自治体が選択した生体認証技術により被災者支援システムの改変が必要になることは望ましくありません。
そのため、被災者支援システムと生体認証機能の間に連携機能を設け、生体認証を使った身元特定を実現するために被災者支援システム側に用意するAPI(連携API)を生体認証技術から独立させ、それを西宮市情報センターと生体認証ベンダー各社で共有できるものとし、自治体のシステムに研究開発成果を導入する際に生体認証技術を自由に選択できるようにしました。
▽システム構成概要
https://www.atpress.ne.jp/releases/120763/att_120763_2.pdf
■今後の活用
今回の研究開発成果は西宮市情報センターと生体認証技術ベンダー各社で共有していきます。そのため、現在すでに被災者支援システムを導入している自治体のみならず、将来、被災者支援システムを導入したいと考えている自治体に提供していくことも可能です。
■関係者の声
・生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発検討委員会委員長
東京理科大学 教授:半谷 精一郎氏
「生体認証技術が被災者支援にどのような形で貢献できるかについて、2年半のオープンな議論を行い、新たな成果を生み出すことができました。今般、西宮市情報センターのご協力を得て、その成果を「見える化」いたします。この機会に、住民の視点に立った新しい被災者支援システムをご覧いただき、様々なご意見を頂ければと思います。」
・被災者支援システム全国サポートセンター
センター長:吉田 稔氏(被災者支援システムの開発者)
「発災から22年が経つ阪神・淡路大震災や同じく6年が経とうとしている東日本大震災での犠牲者の実態を見てみると、災害弱者といわれる高齢者や子供及び障害のある方々が圧倒的に多いことは明らかである。特に何らかの支援を必要とする、いわゆる災害時等避難行動要支援者への対応は喫緊の課題となっているところであるが、支援に必要な情報を有する基礎自治体において、まずは個人の特定が支援のスタートとなる。何らかの理由で自称できない状態にある被災者にとって、身体の一部が本人を特定するきっかけにできることは、非常に大きな安心であり、今後強化していくべき重要な技術である。今回の生体認証システムを応用する研究開発成果(被災者支援システムにおける避難所避難者身元確認等への活用)の発表は、その第一歩として今後の一助になると確信している。」
・株式会社日立製作所
IoT・クラウドサービス事業部 エンジニアリングサービス本部
本部長:九野 伸氏
「日立は、このたびの生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発成果発表を心より歓迎いたします。今回の取り組みが、避難所を利用する方々や運営にあたる方々の利便性を向上するものと期待しています。今後も、指静脈認証技術をはじめ、日立グループの様々なICT技術を応用し、社会の安心・安全に貢献して参ります。」
・セコム株式会社 IS研究所
主務研究員:平岡 良彦氏
「人によるオペレーションをより良い形にするためには、先端技術との連携が不可欠です。今回の取り組みでは、実際のオペレーションと生体認証技術双方の知見を交えた議論を行いました。この取り組みが、被災された方々の安全・安心に向けた第一歩となればと考えます。」
■研究開発事業について
本研究開発は、生体認証技術を活用することで、災害発生時に避難者に安心・安全を提供することを目的として、2014年から2016年の3年にわたり、生体認証技術と被災者支援に係わる官民の関係者が集まり、公益財団法人JKAより競輪の補助を受け、取り組みました。
研究開発にあたっては、研究開発成果を西宮市情報センターと生体認証技術ベンダー各社で共有するために、「生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発検討委員会」(委員長:半谷 精一郎(東京理科大学 教授)、基礎自治体、西宮市情報センター、生体認証技術ベンダー各社からの代表など委員数20名)を作り、オープンな議論を行いながら、実現方法、システム構成やAPI仕様などを検討しました。
公益財団法人JKA:競輪とオートレースの振興法人
URL: http://www.keirin-autorace.or.jp/about/index.html
競輪&オートレースの補助事業:RING!RING!プロジェクト
URL: http://ringring-keirin.jp/
▽参考資料:平成27年度 生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発
http://www.jaisa.jp/pdfs/160502/02.pdf
■生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発検討委員会の構成
東京理科大学(委員長)
国立研究開発法人産業技術総合研究所
川口市
狭山市
西宮市情報センター
株式会社日立製作所
富士通株式会社
日本電気株式会社
株式会社日立システムズ
株式会社システム・エージ
セコム株式会社
日本電子計算株式会社
凸版印刷株式会社
株式会社NTTデータ・エム・シー・エス
経済産業省
一般社団法人日本自動認識システム協会
阪神・淡路大震災から22年、東日本大震災から6年が経とうとしていますが、2016年4月の熊本地震も含め、自然災害は一層多発しており、その度に、地域の方々は避難所に避難して身の安全の確保に努めています。
多くの場合、避難所へ入所する際に身元の特定が行われますが、避難者の中には種々の理由により、自ら誰であるかを示すことが難しい方も含まれています。実際、そのような方こそ手厚い支援を必要とされており、身元の特定は避難者にとって安心・安全の要といえます。
そこで、JAISAは、公益財団法人JKAより競輪の補助を受けて、2014年4月から2年半にわたり官民共同の「生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発検討委員会」(委員長:半谷 精一郎(東京理科大学 教授)、基礎自治体、西宮市情報センター、生体認証技術ベンダー各社からの代表など委員数20名)を開催し、オープンな議論を行いながら、全国の自治体に導入されているオープンシステム化された被災者支援システム上で生体認証を使って避難所で身元の特定を行う機能を実現するための研究開発に取り組んでまいりました。この度、その成果を発表いたします。
この研究開発成果により、自ら誰であるかを示すことが難しい避難者の方でも、生体認証を活用することで、身元を確実に特定できるため、スムーズに避難所への入所ができるようになります。また、その後の支援も、個別の事情を把握することによって的確に行うことができます。
被災者支援システム上で生体認証を用いて身元の特定を行うための研究開発成果の発表ならびに展示は、西宮市情報センターのご協力を得て、下記にて行います。
■発表・展示会
日時: 2017年2月17日(金)午後2時〜午後4時
場所: 西宮浜産業交流会館1階 NICCホール(多目的ホール)
〒662-0934 兵庫県西宮市西宮浜1丁目31番地
URL : http://www.nishi.or.jp/homepage/toshiseibi/information/
■生体認証を使った身元特定の概要
健常者や意識がはっきりしている避難者は、自己申告により避難所での受付が可能ですが、意識不明あるいは意思表示ができない避難者の場合は、生体認証を使って候補者を表示し、その情報を元にして職員が見定めることにより、身元の特定を行います。
【生体認証を使った身元特定の手順】
・事前に生体情報(指紋、静脈、顔など各自治体で選択可能)を自治体のデータベースに登録しておく。
・避難者が意思表示できない場合に、避難者の生体情報を提示することで、生体認証によりシステムから候補者を表示し、その情報を元にして職員が見定めることで、身元を特定する。
・身元が特定できれば、自治体が持つ支援に必要な情報とリンクできるため、的確な支援と見守りが可能となる。
▽避難所での受付対応
https://www.atpress.ne.jp/releases/120763/att_120763_1.pdf
■生体認証を使った身元特定のシステム
被災者支援システム上で生体認証を用いて身元の特定を行うシステムは、被災者支援システムと生体認証機能を連携するための連携機能および生体情報による身元特定を担う生体認証機能から成り立っています。
生体認証技術には指紋、静脈、顔など様々な生体情報を使用するものがあり、その認証技術を使用するためのアプリケーションインターフェイス(API)もまた生体認証技術を提供するベンダー毎に異なっている場合があります。
一方、被災者支援システムはオープンシステム化されており、全国の自治体に被災者支援システム上で生体認証を用いて身元の特定を行うための機能が導入されるときに、自治体が選択した生体認証技術により被災者支援システムの改変が必要になることは望ましくありません。
そのため、被災者支援システムと生体認証機能の間に連携機能を設け、生体認証を使った身元特定を実現するために被災者支援システム側に用意するAPI(連携API)を生体認証技術から独立させ、それを西宮市情報センターと生体認証ベンダー各社で共有できるものとし、自治体のシステムに研究開発成果を導入する際に生体認証技術を自由に選択できるようにしました。
▽システム構成概要
https://www.atpress.ne.jp/releases/120763/att_120763_2.pdf
■今後の活用
今回の研究開発成果は西宮市情報センターと生体認証技術ベンダー各社で共有していきます。そのため、現在すでに被災者支援システムを導入している自治体のみならず、将来、被災者支援システムを導入したいと考えている自治体に提供していくことも可能です。
■関係者の声
・生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発検討委員会委員長
東京理科大学 教授:半谷 精一郎氏
「生体認証技術が被災者支援にどのような形で貢献できるかについて、2年半のオープンな議論を行い、新たな成果を生み出すことができました。今般、西宮市情報センターのご協力を得て、その成果を「見える化」いたします。この機会に、住民の視点に立った新しい被災者支援システムをご覧いただき、様々なご意見を頂ければと思います。」
・被災者支援システム全国サポートセンター
センター長:吉田 稔氏(被災者支援システムの開発者)
「発災から22年が経つ阪神・淡路大震災や同じく6年が経とうとしている東日本大震災での犠牲者の実態を見てみると、災害弱者といわれる高齢者や子供及び障害のある方々が圧倒的に多いことは明らかである。特に何らかの支援を必要とする、いわゆる災害時等避難行動要支援者への対応は喫緊の課題となっているところであるが、支援に必要な情報を有する基礎自治体において、まずは個人の特定が支援のスタートとなる。何らかの理由で自称できない状態にある被災者にとって、身体の一部が本人を特定するきっかけにできることは、非常に大きな安心であり、今後強化していくべき重要な技術である。今回の生体認証システムを応用する研究開発成果(被災者支援システムにおける避難所避難者身元確認等への活用)の発表は、その第一歩として今後の一助になると確信している。」
・株式会社日立製作所
IoT・クラウドサービス事業部 エンジニアリングサービス本部
本部長:九野 伸氏
「日立は、このたびの生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発成果発表を心より歓迎いたします。今回の取り組みが、避難所を利用する方々や運営にあたる方々の利便性を向上するものと期待しています。今後も、指静脈認証技術をはじめ、日立グループの様々なICT技術を応用し、社会の安心・安全に貢献して参ります。」
・セコム株式会社 IS研究所
主務研究員:平岡 良彦氏
「人によるオペレーションをより良い形にするためには、先端技術との連携が不可欠です。今回の取り組みでは、実際のオペレーションと生体認証技術双方の知見を交えた議論を行いました。この取り組みが、被災された方々の安全・安心に向けた第一歩となればと考えます。」
■研究開発事業について
本研究開発は、生体認証技術を活用することで、災害発生時に避難者に安心・安全を提供することを目的として、2014年から2016年の3年にわたり、生体認証技術と被災者支援に係わる官民の関係者が集まり、公益財団法人JKAより競輪の補助を受け、取り組みました。
研究開発にあたっては、研究開発成果を西宮市情報センターと生体認証技術ベンダー各社で共有するために、「生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発検討委員会」(委員長:半谷 精一郎(東京理科大学 教授)、基礎自治体、西宮市情報センター、生体認証技術ベンダー各社からの代表など委員数20名)を作り、オープンな議論を行いながら、実現方法、システム構成やAPI仕様などを検討しました。
公益財団法人JKA:競輪とオートレースの振興法人
URL: http://www.keirin-autorace.or.jp/about/index.html
競輪&オートレースの補助事業:RING!RING!プロジェクト
URL: http://ringring-keirin.jp/
▽参考資料:平成27年度 生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発
http://www.jaisa.jp/pdfs/160502/02.pdf
■生体認証を用いた被災者支援システムの研究開発検討委員会の構成
東京理科大学(委員長)
国立研究開発法人産業技術総合研究所
川口市
狭山市
西宮市情報センター
株式会社日立製作所
富士通株式会社
日本電気株式会社
株式会社日立システムズ
株式会社システム・エージ
セコム株式会社
日本電子計算株式会社
凸版印刷株式会社
株式会社NTTデータ・エム・シー・エス
経済産業省
一般社団法人日本自動認識システム協会