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第28回「山本七平賞」最終候補作決定のお知らせ


株式会社PHP研究所(京都市南区 代表取締役社長 清水卓智)は、この度、第28回山本七平賞の予備選考会を実施し、下記のとおり最終候補作が決定しましたのでお知らせいたします。
画像 : https://newscast.jp/attachments/2V8t8KVRVb6eXrw26EVT.jpg第28回山本七平賞 最終候補作
山本七平賞最終候補作
◆『純粋機械化経済 頭脳資本主義と日本の没落』(井上智洋著 日本経済新聞出版社)
◆『米韓同盟消滅』(鈴置高史著 新潮新書)
◆『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』(冨田浩司著 新潮選書)
※(以上、五十音順)
山本七平賞は、平成3年12月に逝去された山本七平氏の長年にわたる思索、著作、出版活動の輝かしい成果を顕彰することを目的に、平成4年5月に創設されました。賞の対象となる作品は前年7月1日から当年6月末日までに発表(書籍の場合は奥付日)された、書籍、論文で、選考委員は、伊藤元重(学習院大学教授)、呉 善花(拓殖大学教授)、中西輝政(京都大学名誉教授)、八木秀次(麗澤大学教授)、養老孟司(東京大学名誉教授)の5氏。
最終選考会は9月25日(水)に実施され、受賞作品が決定します。受賞者には副賞として賞金300万円と記念品が贈られ、贈呈式は11月25日(月)、都内で開催予定です。
◆最終候補作と著者(五十音順)
『純粋機械化経済 頭脳資本主義と日本の没落』(日本経済新聞出版社 2019年5月23日)
AI(人工知能)とはいかなる技術で、どこまで人間の知的振る舞いを真似ることができるのか、どのように人類の労働と社会構造を変化させるのか、爆発的な経済成長の始まりとは何か、人々が豊かになるには国家が何をなすべきなのか、日本はどのような運命をたどるのか――。初めて知性を獲得した「機械」がもつ巨大な力の正体を明らかにし、その哲学的な意味や経済的・社会的な影響について多角的に解明する骨太の文明・経済論。
著者:井上智洋(いのうえ・ともひろ)
1975年、東京都生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業、早稲田大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学)。2015年4月から駒澤大学経済学部准教授。専門はマクロ経済学、貨幣経済理論、成長理論。著書に『人工知能と経済の未来 2030年雇用大崩壊』(文春新書)、『ヘリコプターマネー』(日本経済新聞出版社)などがある。
『米韓同盟消滅』(新潮新書 2018年10月20日)
北京・天安門上で自ら望んで独裁者に囲まれた朴槿恵。露骨な親北政策を展開する文在寅。二人の大統領に共通するのは、国際情勢を自国の都合で手前勝手に解釈した、国力に見合わない「妄想外交」だ。反米反日自我肥大を昂進させている韓国の「中二病」的世論の支持を得ても、その帰結は「米韓同盟の消滅」と「中国の属国」への回帰にほかならない──。朝鮮半島情勢「先読みのプロ」が描き出す冷徹な現実。
著者:鈴置高史(すずおき・たかぶみ)
1954年、愛知県生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。ソウル特派員、香港特派員、経済解説部長などを歴任し2018年に退社。2002年、ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。著書に『朝鮮半島 201Z年』(日本経済新聞出版社)などがある。現在、「デイリー新潮」で朝鮮半島情勢を巡る記事を定期的に執筆している 。
『マーガレット・サッチャー 政治を変えた「鉄の女」』(新潮選書 2018年9月25日)
英国初の女性首相サッチャーの功績は、経済再生と冷戦勝利だけではない。その真価は、ケインズ主義的な戦後コンセンサスを破壊し、国家と個人の関係を組み替えたことにある。なぜ彼女は閉塞感に包まれていた社会の変革に成功したのか。対メディア戦略・大統領型政治・選挙戦術……良くも悪くも21世紀の政治指導者の「原型」を創り出したリーダーシップに迫る。
著者:冨田浩司(とみた・こうじ)
1957年、福岡県生まれ。東京大学法学部卒業。1981年に外務省に入省し、総合外交政策局総務課長、在英国日本大使館公使、在米国日本大使館次席公使、北米局長、在イスラエル日本大使を経て、2018年8月からG20サミット担当大使。英国には、研修留学(オックスフォード大学)と2回の大使館勤務で、計7年間滞在。著書に『危機の指導者 チャーチル』(新潮選書)がある。
山本七平氏と「山本七平賞」創設の経緯
山本七平氏の著作、評論活動は、一貫して、日本人とは何か、日本とは何かを追求したものです。そして、自らの体験を通して、あるいは徹底的に文献を検証しつつ、日本人の行動様式や価値観、行動原理を明らかにしてきました。特に、イザヤ・ベンダサン著『日本人とユダヤ人』の翻訳発刊に当っては、真の著者探しとあいまって、ユダヤ人との比較によって浮き彫りにされた戦後の日本人の行動や発想の奇妙さは、読む人に改めて新鮮な驚きを与えました。
この他にも、日本人の物事の決め方を著した『「空気」の研究』や、自らの軍隊の体験から日本人の本質をえぐり出した『私の中の日本軍』、『一下級将校の見た帝国陸軍』。また、日本人の勤労観、仕事感をみごとに描ききった『勤勉の哲学』や『日本資本主義の精神』などをはじめ、指導者のあり方や、生き方の指針となる著書を数多く著しています。こうしたさまざまな著作と共に、山本氏は、戦後一世を風靡した進歩的文化人の欺瞞性に対する冷徹な批判の眼をもって、その言論を批判し続けてきた功績は大きいものがあります。
山本氏は、1983年、当社の創設者 松下幸之助が座長となって創設した民間の独立した新政策提言機構「世界を考える京都座会」のコアメンバーとなりました。この「京都座会」で山本氏は特に思想・文化面を中心に常に議論をリードしました。こうした「京都座会」での活動の功績と、これまでの山本氏の評論、著作活動を顕彰することを願い、1992年に「山本七平賞」を創設し、優れた著作に賞を授与することとしました。
★山本七平賞過去の受賞作品はこちらをご参照ください。
 https://www.php.co.jp/company/yamamoto/
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