東大×JAMSS 宇宙でのセルラーゼ結晶化に挑戦
[20/11/25]
提供元:@Press
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有人宇宙システム株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:古藤 俊一、以下「JAMSS」)は、国立大学法人東京大学大学院農学生命科学研究科生物材料科学専攻(所在地:東京都文京区)の山口 空氏(修士課程学生)と砂川 直輝特任助教、五十嵐 圭日子准教授の研究チームと、JAMSSの提供する高品質タンパク質結晶生成サービス「Kirara」の2回目ミッション(2020年12月打上予定)に、同研究チームのセルラーゼ(※)試料を搭載することで合意しました。
※セルラーゼとは
植物体の主成分であるセルロースは、地球上で最も豊富に存在するバイオマスです。自然界においてセルロースは様々な微生物が出す「セルラーゼ」という酵素によって常温・常圧で分解され、多様な生物種の栄養源として利用されています。そのためセルラーゼを使いこなすことができれば、木や草などのセルロース系バイオマスを原料とした液体燃料やプラスチックの生産の実現につながる事が期待されます。
今回のセルラーゼ試料は宇宙で結晶化を行った後、直接中性子回折実験が実施できるよう、中性子結晶構造解析用に開発された石英キャピラリも使用するとともに、重水素化された化合物を用いています。
この実験が成功することで、Kiraraは、X線結晶構造解析に続き、中性子結晶構造解析に向けに高品質な結晶を提供できるようになります。
五十嵐准教授らの研究チームには、2019年12月打上の1回目Kirara実証ミッションにも参加頂き、セルラーゼの結晶化を行いました。その際、X線回折実験で1.08Åという高い解像度の結晶を得ることに成功しました。今回のミッションではさらに中性子回折実験のデータを加える事により、酵素内の水分子の動態や水素結合ネットワークの可視化を目指します。今回のミッションから得られる知見を用いることによりセルラーゼに限らず様々なタンパク質に対する中性子結晶構造解析実験の可能性が高まり、タンパク質科学の更なる進展が期待されます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/235867/LL_img_235867_1.png
Kirara実証ミッションで得られたセルラーゼの結晶
地上品:最高分解能 1.23Å, Mosaicity 0.075
宇宙品:最高分解能 1.08Å, Mosaicity 0.053
(実験速報値)
■Kiraraについて
宇宙の商業利用活性化に向けてJAMSSが開発した、創薬支援を目的とした高品質タンパク質結晶生成サービスです。1994年創業以来地上のみならず宇宙でのタンパク質結晶生成支援を行なってきたコンフォーカルサイエンス社との技術提携により実現しました。結晶を生成する小型恒温槽は、欧州宇宙機関(ESA)と商業パートナーシップを締結しているSpace Applications Services社がISS内に保有するICE Cubes Facility(ICF)を使用しています。Kiraraは日本と欧州企業が提携した商業サービスです。
Kiraraサービスサイト: https://www.jamss.co.jp/kirara/index.html
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/235867/LL_img_235867_2.png
小型恒温槽
■Kiraraによる中性子回折用結晶生成の利点について
中性子線を照射し、原子構造を明らかにする中性子回折法は、X線構造解析では観測が困難な水素原子が観測できるため、試料中の水分子の動態や水素結合ネットワークの可視化が期待されます。中性子回折法は、X線と比較して試料損傷がきわめて少ないことが特徴であるものの、中性子ビーム強度が弱いため結晶体積の大きなものを必要とします。Kiraraでは、宇宙での結晶生成を行うことで、大型で高品質な結晶を生成することが可能です。加えて、中性子回折計に対応した専用の石英キャピラリを使用するとともに、重水素化された化合物を用いて軌道上で結晶化を行うことで、軌道上で生成された結晶を直接中性子回折実験に用いることが可能となります。
■有人宇宙システム(JAMSS)について
JAMSSは高度400kmを周回している国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)を構成する「きぼう」日本実験棟の運用管制業務、「きぼう」で働く宇宙飛行士の訓練や健康管理、ISSの有償利用サービスなど、「きぼう」の運用・利用に関わる業務に携わっています。今後、宇宙利用が益々増大していく時代の中で、宇宙利用は国家プロジェクトだけではなく、民間企業も利用するフィールドになりつつあります。JAMSSは設立以来、安全性を最優先に培ってきた有人宇宙技術をさまざまな分野に提供し、宇宙利用ビジネスの最前線でチャレンジしています。
<主な展開事業>
・運用・利用事業
国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の運用や技術評価、宇宙実験のトータルサポート
・安全・開発ミッション保証事業
国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟や人工衛星・ロケット等の安全・信頼性評価
・衛星利用事業
宇宙機の開発・利用・運用のトータルサポート
・その他
宇宙技術を活かした民間サービス(教育訓練、システム安全独立検証、営農支援)、次期有人宇宙探査
■会社概要
社名 : 有人宇宙システム株式会社(JAMSS、呼称:ジャムス)
代表者: 代表取締役社長 古藤 俊一
所在地: <本社>東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル8F
設立 : 1990年5月14日
URL : https://www.jamss.co.jp/
※セルラーゼとは
植物体の主成分であるセルロースは、地球上で最も豊富に存在するバイオマスです。自然界においてセルロースは様々な微生物が出す「セルラーゼ」という酵素によって常温・常圧で分解され、多様な生物種の栄養源として利用されています。そのためセルラーゼを使いこなすことができれば、木や草などのセルロース系バイオマスを原料とした液体燃料やプラスチックの生産の実現につながる事が期待されます。
今回のセルラーゼ試料は宇宙で結晶化を行った後、直接中性子回折実験が実施できるよう、中性子結晶構造解析用に開発された石英キャピラリも使用するとともに、重水素化された化合物を用いています。
この実験が成功することで、Kiraraは、X線結晶構造解析に続き、中性子結晶構造解析に向けに高品質な結晶を提供できるようになります。
五十嵐准教授らの研究チームには、2019年12月打上の1回目Kirara実証ミッションにも参加頂き、セルラーゼの結晶化を行いました。その際、X線回折実験で1.08Åという高い解像度の結晶を得ることに成功しました。今回のミッションではさらに中性子回折実験のデータを加える事により、酵素内の水分子の動態や水素結合ネットワークの可視化を目指します。今回のミッションから得られる知見を用いることによりセルラーゼに限らず様々なタンパク質に対する中性子結晶構造解析実験の可能性が高まり、タンパク質科学の更なる進展が期待されます。
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/235867/LL_img_235867_1.png
Kirara実証ミッションで得られたセルラーゼの結晶
地上品:最高分解能 1.23Å, Mosaicity 0.075
宇宙品:最高分解能 1.08Å, Mosaicity 0.053
(実験速報値)
■Kiraraについて
宇宙の商業利用活性化に向けてJAMSSが開発した、創薬支援を目的とした高品質タンパク質結晶生成サービスです。1994年創業以来地上のみならず宇宙でのタンパク質結晶生成支援を行なってきたコンフォーカルサイエンス社との技術提携により実現しました。結晶を生成する小型恒温槽は、欧州宇宙機関(ESA)と商業パートナーシップを締結しているSpace Applications Services社がISS内に保有するICE Cubes Facility(ICF)を使用しています。Kiraraは日本と欧州企業が提携した商業サービスです。
Kiraraサービスサイト: https://www.jamss.co.jp/kirara/index.html
画像2: https://www.atpress.ne.jp/releases/235867/LL_img_235867_2.png
小型恒温槽
■Kiraraによる中性子回折用結晶生成の利点について
中性子線を照射し、原子構造を明らかにする中性子回折法は、X線構造解析では観測が困難な水素原子が観測できるため、試料中の水分子の動態や水素結合ネットワークの可視化が期待されます。中性子回折法は、X線と比較して試料損傷がきわめて少ないことが特徴であるものの、中性子ビーム強度が弱いため結晶体積の大きなものを必要とします。Kiraraでは、宇宙での結晶生成を行うことで、大型で高品質な結晶を生成することが可能です。加えて、中性子回折計に対応した専用の石英キャピラリを使用するとともに、重水素化された化合物を用いて軌道上で結晶化を行うことで、軌道上で生成された結晶を直接中性子回折実験に用いることが可能となります。
■有人宇宙システム(JAMSS)について
JAMSSは高度400kmを周回している国際宇宙ステーション(International Space Station:ISS)を構成する「きぼう」日本実験棟の運用管制業務、「きぼう」で働く宇宙飛行士の訓練や健康管理、ISSの有償利用サービスなど、「きぼう」の運用・利用に関わる業務に携わっています。今後、宇宙利用が益々増大していく時代の中で、宇宙利用は国家プロジェクトだけではなく、民間企業も利用するフィールドになりつつあります。JAMSSは設立以来、安全性を最優先に培ってきた有人宇宙技術をさまざまな分野に提供し、宇宙利用ビジネスの最前線でチャレンジしています。
<主な展開事業>
・運用・利用事業
国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟の運用や技術評価、宇宙実験のトータルサポート
・安全・開発ミッション保証事業
国際宇宙ステーション「きぼう」日本実験棟や人工衛星・ロケット等の安全・信頼性評価
・衛星利用事業
宇宙機の開発・利用・運用のトータルサポート
・その他
宇宙技術を活かした民間サービス(教育訓練、システム安全独立検証、営農支援)、次期有人宇宙探査
■会社概要
社名 : 有人宇宙システム株式会社(JAMSS、呼称:ジャムス)
代表者: 代表取締役社長 古藤 俊一
所在地: <本社>東京都千代田区大手町1-6-1 大手町ビル8F
設立 : 1990年5月14日
URL : https://www.jamss.co.jp/