2021年 エコテックス®の規制有害物質・規制値と新たな取り組みについて
[21/01/27]
提供元:@Press
提供元:@Press
エコテックス®国際共同体(本部:スイス チューリヒ)は、繊維製品等の有害物質に関するガイドライン、認証やサービスに対する、有効な試験条件・規制値を更新しました。
本規制は、3ヶ月間の移行期間を経たのち、2021年4月1日から新規制として施行されます。
スタンダード100をはじめ、エコテックス®の基準は主要国や国際基準の規制に先駆け、より厳格なものとなっています。エコテックス®は消費者保護の先駆者として、法規制を待つというスタンスではなく、積極的な検証・対応をしており、これらの基準の厳格化により、環境・従業員・消費者への影響低減に貢献していきます。
以下、各認証別、2021年の主な変更点
エコテックス®スタンダード100
画像 : https://newscast.jp/attachments/5YwG51z1mUCaWDNbshuX.jpg
【新規物質・規制値変更】
□フッ素・ポリフッ素化アルキル化合物に属するPFOAとその塩
- PFOAとその塩の合計: 0.025 mg/kg
□PFOA関連物質
- PFOA関連物質の合計:1.0 mg/kg
【厳格化】
□ビスフェノールA(製品クラス?〜?)のAnnex4・6における規制値が以下の通り厳格化されます。
- ビスフェノールA:100 mg/kg(製品クラス?~?)
□直接肌に触れない、調合された重炭酸カルシウム/炭酸塩またはタルクを用いたフィルム
pH値:4.0-10.0
□ガラス製アクセサリーにおける含有・溶出重金属(鉛およびカドミウム)の規制値として、
0.1%(製品クラス?〜?)が適用され、以下に変更となります:
- ガラス製アクセサリー:0.1%
【リサイクル認証】
気候変動や原材料の減少が見られるこの時代には、リサイクル済み素材から作られたファッション・繊維製品のニーズが高まっています。OEKO-TEX®はSTANDARD 100の一部として、リサイクル製品を統合するための手法を考案しました。製品における最低限のリサイクル素材の量、素材の出所等の情報が必要となります。
関連資料
・規制値表 付属書4
・規制値表 付属書6
https://oeko-tex-japan.com/pdf/standard100_annex4_2021.pdf : https://oeko-tex-japan.com/pdf/standard100_annex4_2021.pdf
https://oeko-tex-japan.com/pdf/standard100_annex6_2021.pdf : https://oeko-tex-japan.com/pdf/standard100_annex6_2021.pdf
:
エコテックス®エコパスポート
画像 : https://newscast.jp/attachments/dZSGT8wpMXnnFw7ATiv2.png
ZDHC、REACH等への対応として、閾値の厳格化や新規対象物質の追加がなされました。
【閾値の変更】
□ 閾値の厳格化 -TeBT:(旧)5 mg/kg → (新) 1 mg/kg
【要監視物質の追加】
□ ジイソシアネートが要監視物質に追加されます
エコテックス®STeP
画像 : https://newscast.jp/attachments/ALOoT4DtxJNl7n8y7XDH.png
:
新型コロナウィルス感染症により、STePの認証プロセスおよび監査の必須事項を以下の通り変更します。
※移動制限が出ている地域にのみ適用され、通常のSTeP認証プロセスは使用されません。
セルフアセスメントは顧客が一定期間内に実施し、監査員が調査票を確認します。その後の実地監査はリモート監査を実施することができますが、9カ月以内に訪問監査を実施が必要となります。
【STeP・DTZ(DETOX TO ZERO)の化学物質リストへの追加】
二酸化チタン(CAS番号 1317-70-0; 1317-80-2):吸入時の微粒子物質としてSTeP MRSLのグループ14に追加されます。
【「大気への排出の規制値」(Annex 5)の規制値の変更】
固体・液体燃料の二酸化硫黄が厳格化されます。
・熱量が0.3〜2MW、2MW〜50MWのプラント
固体燃料 mg/Nm? Minimum: 旧: 2000 / 新: 750 Advanced: 旧: 1000 / 新: 500
液体燃料 mg/Nm? Minimum: 旧: 1700 / 新: 650 Advanced: 旧: 800 / 新: 400
・熱量が50MW超のプラント
全燃料 mg/Nm? Minimum: 旧: 1700 / 新: 650 Advanced: 旧: 800 / 新: 400
【STeP調査票の更新】
・ 施設内における温室効果ガスの排出量
・ 廃水処理プラント内および周囲の安全確保
・ 生活賃金に関する認知
・ 大型感染・パンデミックに関する予防や行動プラン
エコテックス® MADE IN GREEN
画像 : https://newscast.jp/attachments/HRg5FdogGcOS3KjGJ1gF.jpg
認証・ラベルの範囲に対して適用される試験基準、規制値の要求事項をアップデートします。
以下の新規制は即時発効します:
【製品組成】
サプライチェーンがバイヤーや消費者にとって透明性を持つようにするため、生産工場は完成品について最低3つ、準完成品について最低1つの組成の記載を推奨します。
【製品名の記載】
ラベルの品目名は製品名およびタイプ(例:ブランド名)から構成される必要があります。また、記載は素材組成および重要な製品情報(例:原糸タイプ、染色・仕上げ・プリント等)から構成される必要があります。
【OEKO-TEX.comにおけるラベルチェック】
透明性を促進することを目標に、ラベルチェックは常に進化しています。
製品で使用されているすべての色がラベルチェックで表示される予定です。工場のアイコンをクリックするとそこで行っているすべての業務内容(生産プロセス)が表示されるようになります。
【申請時のSTeP認証に関する内容記載】
どのようなプロセス・生産工場がSTeP認証を保有しているか記載が必要となります。
※このアップデートは2021年4月1日となります。
サステナブルな社会に向けて―エコテックス®認証の役割
エコテックス®国際共同体は、国際環境NGOグリーンピースが訴える、化学物質による汚染をなくすための活動「Detoxキャンペーン」にも対応する、有害化学物質排出ゼロ(ZDHC)のメンバーであり、ニッセンケンもZDHCの国内唯一の認定試験機関となりました。
SDGsをはじめ、人や環境への負荷が大きいとされる有害物質排除への具体策が強く求められるようになっており、広くは世界中の先進企業が環境対策を講じ、消費者のサステナビリティに対する意識も急速に高まっています。エコテックス®は化学薬剤をはじめ、繊維製品、素材のサプライチェーン全体を通して、有害化学物質に関する課題解決のサポートを行い、消費者と労働者、環境の保護に貢献してまいります。
―本リリースに関するお問い合わせ先−
一般財団法人ニッセンケン品質評価センター
エコテックス®事業所 Tel: 03-5809-2810 E-mail: oeko-tex@nissenken.or.jp
エコテックス®日本公式サイト https://oeko-tex-japan.com/
エコテックス®国際共同体公式サイト https://www.oeko-tex.com/en/
画像 : https://newscast.jp/attachments/MAm8SbIfoGdPJ6ujgqZQ.jpg
画像 : https://newscast.jp/attachments/CnVzIWDLb2fUhQSQ4Oux.png