デイサービス施設に通う高齢者向け「健口眠体操(R)(けんこうみんたいそう)」を開発
[22/01/27]
提供元:@Press
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ライオン株式会社(代表取締役社長・掬川 正純)は、東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座松平 浩特任教授(トランクソリューション株式会社技術顧問)およびトランクソリューション株式会社(代表取締役社長・村尾 勤)と共同で、口腔機能、睡眠機能、運動器機能を「同時に」トレーニングする新しい体操、「健口眠体操(R)(けんこうみんたいそう)」を開発しました。
人が活動するためには、骨や筋肉などの運動器だけではなく、脳で目や耳などからの様々な情報を処理して行動の指令を出す「認知機能」がうまく働くことが重要です。本体操は、「認知機能の改善には、脳の複数の領域を同時に使うトレーニングが効果的である」という知見(※1)をもとに開発しました。デイサービス施設に通う高齢者を対象に本体操をトライアル実施した結果、口腔機能、睡眠機能(自律神経)、運動器機能を効率的にトレーニングできることが示唆されました。
当社は、引き続き本体操の効果検証を継続するとともに、オーラルフレイルのケアから全身健康の改善を目指した研究を展開し、より良い習慣で人々の毎日に貢献してまいります。
(※1) Falbo S, Condello G, Capranica L, Forte R, Pesce C. Effects of physical-cognitive dual task training on executive function and gait performance in older adults: a randomized controlled trial. Biomed Res Int. 2016
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/295542/LL_img_295542_1.jpg
健口眠体操(R)
口腔機能、睡眠機能(自律神経)、運動器機能の3つの機能を、同時に、効率的にトレーニング
1. 開発の背景
現在、全国で約1,600万人の高齢者が運動器機能や認知機能の低下、口腔機能の低下による嚥下障害など、日常生活に様々な課題を抱えています(※2)。また、厚生労働省による令和3年度介護報酬改定の通知では、高齢者の自立支援・重度化防止のためには運動器のリハビリテーション・機能訓練のみならず、口腔、栄養へも一体的に取り組むことを推奨しており、高齢者向けのトレーニングには口腔機能も含めたトレーニングが求められております。
これに対して当社は、「認知機能の改善には、脳の複数の領域を同時に使うトレーニングが効果的である」という知見(※1)をもとに、口腔、睡眠、運動器の3つの機能を「同時に」トレーニングすることで、デイサービス施設に通う高齢者の“全身健康”の増進を目指そうと考えました。開発にあたっては、当社が保有する口腔機能や睡眠機能に関する知見と、東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター松平 浩特任教授による運動器の機能改善に関わる知見を組み合わせ、共同研究を行いました。
(※2) 厚生労働省 健康寿命のあり方に関する有識者研究会報告書(2019年)
■東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター松平 浩(マツダイラ コウ)特任教授
https://www.atpress.ne.jp/releases/295542/img_295542_2.jpg
医学博士。運動器疼痛研究を長年行い、ベストドクターズ(2018-19年、2020-21年)(※3)としても選出されている。Bipoji(美ポジ(R))Labチーフアドバイザー( https://bipoji.myportfolio.com/ )。一般向けの主な著書に「一回3秒 これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい」(講談社+α新書)等がある。
(※3) 米国ベストドクターズ社が実施する、各分野で優れた医師についての調査で選出。日本の医師の中でも特に選ばれた専門医が『自分の専門分野において日本で最も信頼できる医師』を年に1回選出している。日本では2020年3月現在で約6,500名が選出されている( https://bestdoctors.com/japan/ )。
【略歴】1992年 東京大学医学部附属病院整形外科入局。その後、関連病院での研修、外科助手等を勤め、2008年 英国サウサンプトン大学疫学リサーチセンター留学(シニアリサーチフェロー)、2009年 独立行政法人 労働者健康福祉機構 関東労災病院 勤労者筋・骨格系疾患研究センター長に就任、同機構の本部研究ディレクターを兼務。2016年 東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任教授に就任。
2. 健口眠体操(R)の特長とトライアル実施結果
■健口眠体操(R)の特長
・5分間で21種類の運動を実施可能。
・高齢者に安全に実施しやすい、座って行うトレーニングのみを選定。
・口腔・睡眠・運動器の3つの機能を同時に改善する設計(口を動かしながら手足の筋力を鍛える運動(図1)、睡眠(自律神経の調整)を意識した動きをしながら筋力を鍛える運動など)。
・体操時の楽しさを向上することにより運動継続時の負担を軽減させるため、アニメなどの主題歌の作曲などで活躍されている山移 高寛氏に作曲を依頼し、思わず体を動かしたくなるような明るい音楽を付与。
【健口眠体操(R)に含まれる体操の一例】
https://www.atpress.ne.jp/releases/295542/img_295542_3.png
(図1) 運動器機能と口腔機能を同時にトレーニングする動作。足を動かしながら、食事や飲み込みに寄与する口周りの筋肉や舌の動きのトレーニングができる。
https://www.atpress.ne.jp/releases/295542/img_295542_4.png
*健口眠体操(R)の動画(ダイジェスト版)は上記のQRコードでご覧いただけます。
■デイサービス施設での実施結果
「健口眠体操(R)」について、都内デイサービス施設「生活リハビリデイサービス りふり」にて3名の方に対し週1-2回の頻度で4週間トライアルトレーニングを実施し、効果を検証しました。
口腔機能指標、睡眠の質指標、運動器機能指標について4週間後に評価した結果、本体操により、楽しみながら口腔機能、睡眠機能・運動器機能のトレーニングができる可能性があることがわかりました。
3. 今後の予定
当社は、本体操の有用性を引き続き検証してまいります。また、社外の様々な研究機関との共同研究で、新たな習慣作りの提案をしていきます。
<添付資料>
【当社の口腔機能と全身健康の関連性研究や睡眠研究について】
ライオンでは、100年以上にわたり口腔科学の研究を行ってきました。近年、お口の環境が全身健康に与える影響が解明されてきており、お口を健康な状態に保つことが「健康、快適、清潔・衛生的な毎日」の実現に寄与すると考えています。
例えば、学術機関と連携して、「口腔」および「睡眠」を中心に健康ビッグデータを活用した認知症や生活習慣病などの病気の予兆の発見や、予防法を開発する研究等に取り組んできました。これらの研究から得られた知見は「健口眠体操(R)」の運動選定時に生かしております。
【運動と認知機能を研究する、奈良女子大学 中田 大貴准教授のコメント】
運動時に「楽しさ」を感じることで、脳では快楽物質であるドーパミンが産生されます。ドーパミンが産生されることで脳の運動調節機能や運動に対するモチベーションが上がり、持続的に運動ができるようになります。「健口眠体操(R)」においても運動を楽しく実施できることで運動時のパフォーマンスが上がるのではないかと考えております。
また、「健口眠体操(R)」のようなマルチタスクな運動は、高齢者にて機能が弱くなる「前頭前野領域」を活用するトレーニングとなります。特に口腔の動きによる刺激は大きいと考えられており、高齢者のトレーニングに口腔の動きが加えられている点は非常にユニークなものだと感じています。
■中田 大貴(ナカタ ヒロキ)准教授 奈良女子大学 研究院工学系
博士(理学)。専門はスポーツ心理学、認知神経科学。運動と認知機能に関する研究を行う。主な研究テーマは、運動中の感覚認知メカニズム、スポーツ中の「一瞬の間」に行われる感覚情報の認知、動作に関する意志決定メカニズムについてなど。物忘れ予防フリーマガジン「昨日の晩御飯は?」(株式会社ウーマンライフ新聞社)にて、物忘れ対策講座を連載中。
<略歴>
日本学術振興会特別研究員を経て、2009年 早稲田大学スポーツ科学学術院研究院助教、2013年 奈良女子大学研究院人文科学系准教授となり、2021年より現職。
人が活動するためには、骨や筋肉などの運動器だけではなく、脳で目や耳などからの様々な情報を処理して行動の指令を出す「認知機能」がうまく働くことが重要です。本体操は、「認知機能の改善には、脳の複数の領域を同時に使うトレーニングが効果的である」という知見(※1)をもとに開発しました。デイサービス施設に通う高齢者を対象に本体操をトライアル実施した結果、口腔機能、睡眠機能(自律神経)、運動器機能を効率的にトレーニングできることが示唆されました。
当社は、引き続き本体操の効果検証を継続するとともに、オーラルフレイルのケアから全身健康の改善を目指した研究を展開し、より良い習慣で人々の毎日に貢献してまいります。
(※1) Falbo S, Condello G, Capranica L, Forte R, Pesce C. Effects of physical-cognitive dual task training on executive function and gait performance in older adults: a randomized controlled trial. Biomed Res Int. 2016
画像1: https://www.atpress.ne.jp/releases/295542/LL_img_295542_1.jpg
健口眠体操(R)
口腔機能、睡眠機能(自律神経)、運動器機能の3つの機能を、同時に、効率的にトレーニング
1. 開発の背景
現在、全国で約1,600万人の高齢者が運動器機能や認知機能の低下、口腔機能の低下による嚥下障害など、日常生活に様々な課題を抱えています(※2)。また、厚生労働省による令和3年度介護報酬改定の通知では、高齢者の自立支援・重度化防止のためには運動器のリハビリテーション・機能訓練のみならず、口腔、栄養へも一体的に取り組むことを推奨しており、高齢者向けのトレーニングには口腔機能も含めたトレーニングが求められております。
これに対して当社は、「認知機能の改善には、脳の複数の領域を同時に使うトレーニングが効果的である」という知見(※1)をもとに、口腔、睡眠、運動器の3つの機能を「同時に」トレーニングすることで、デイサービス施設に通う高齢者の“全身健康”の増進を目指そうと考えました。開発にあたっては、当社が保有する口腔機能や睡眠機能に関する知見と、東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター松平 浩特任教授による運動器の機能改善に関わる知見を組み合わせ、共同研究を行いました。
(※2) 厚生労働省 健康寿命のあり方に関する有識者研究会報告書(2019年)
■東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター松平 浩(マツダイラ コウ)特任教授
https://www.atpress.ne.jp/releases/295542/img_295542_2.jpg
医学博士。運動器疼痛研究を長年行い、ベストドクターズ(2018-19年、2020-21年)(※3)としても選出されている。Bipoji(美ポジ(R))Labチーフアドバイザー( https://bipoji.myportfolio.com/ )。一般向けの主な著書に「一回3秒 これだけ体操 腰痛は「動かして」治しなさい」(講談社+α新書)等がある。
(※3) 米国ベストドクターズ社が実施する、各分野で優れた医師についての調査で選出。日本の医師の中でも特に選ばれた専門医が『自分の専門分野において日本で最も信頼できる医師』を年に1回選出している。日本では2020年3月現在で約6,500名が選出されている( https://bestdoctors.com/japan/ )。
【略歴】1992年 東京大学医学部附属病院整形外科入局。その後、関連病院での研修、外科助手等を勤め、2008年 英国サウサンプトン大学疫学リサーチセンター留学(シニアリサーチフェロー)、2009年 独立行政法人 労働者健康福祉機構 関東労災病院 勤労者筋・骨格系疾患研究センター長に就任、同機構の本部研究ディレクターを兼務。2016年 東京大学医学部附属病院 22世紀医療センター運動器疼痛メディカルリサーチ&マネジメント講座特任教授に就任。
2. 健口眠体操(R)の特長とトライアル実施結果
■健口眠体操(R)の特長
・5分間で21種類の運動を実施可能。
・高齢者に安全に実施しやすい、座って行うトレーニングのみを選定。
・口腔・睡眠・運動器の3つの機能を同時に改善する設計(口を動かしながら手足の筋力を鍛える運動(図1)、睡眠(自律神経の調整)を意識した動きをしながら筋力を鍛える運動など)。
・体操時の楽しさを向上することにより運動継続時の負担を軽減させるため、アニメなどの主題歌の作曲などで活躍されている山移 高寛氏に作曲を依頼し、思わず体を動かしたくなるような明るい音楽を付与。
【健口眠体操(R)に含まれる体操の一例】
https://www.atpress.ne.jp/releases/295542/img_295542_3.png
(図1) 運動器機能と口腔機能を同時にトレーニングする動作。足を動かしながら、食事や飲み込みに寄与する口周りの筋肉や舌の動きのトレーニングができる。
https://www.atpress.ne.jp/releases/295542/img_295542_4.png
*健口眠体操(R)の動画(ダイジェスト版)は上記のQRコードでご覧いただけます。
■デイサービス施設での実施結果
「健口眠体操(R)」について、都内デイサービス施設「生活リハビリデイサービス りふり」にて3名の方に対し週1-2回の頻度で4週間トライアルトレーニングを実施し、効果を検証しました。
口腔機能指標、睡眠の質指標、運動器機能指標について4週間後に評価した結果、本体操により、楽しみながら口腔機能、睡眠機能・運動器機能のトレーニングができる可能性があることがわかりました。
3. 今後の予定
当社は、本体操の有用性を引き続き検証してまいります。また、社外の様々な研究機関との共同研究で、新たな習慣作りの提案をしていきます。
<添付資料>
【当社の口腔機能と全身健康の関連性研究や睡眠研究について】
ライオンでは、100年以上にわたり口腔科学の研究を行ってきました。近年、お口の環境が全身健康に与える影響が解明されてきており、お口を健康な状態に保つことが「健康、快適、清潔・衛生的な毎日」の実現に寄与すると考えています。
例えば、学術機関と連携して、「口腔」および「睡眠」を中心に健康ビッグデータを活用した認知症や生活習慣病などの病気の予兆の発見や、予防法を開発する研究等に取り組んできました。これらの研究から得られた知見は「健口眠体操(R)」の運動選定時に生かしております。
【運動と認知機能を研究する、奈良女子大学 中田 大貴准教授のコメント】
運動時に「楽しさ」を感じることで、脳では快楽物質であるドーパミンが産生されます。ドーパミンが産生されることで脳の運動調節機能や運動に対するモチベーションが上がり、持続的に運動ができるようになります。「健口眠体操(R)」においても運動を楽しく実施できることで運動時のパフォーマンスが上がるのではないかと考えております。
また、「健口眠体操(R)」のようなマルチタスクな運動は、高齢者にて機能が弱くなる「前頭前野領域」を活用するトレーニングとなります。特に口腔の動きによる刺激は大きいと考えられており、高齢者のトレーニングに口腔の動きが加えられている点は非常にユニークなものだと感じています。
■中田 大貴(ナカタ ヒロキ)准教授 奈良女子大学 研究院工学系
博士(理学)。専門はスポーツ心理学、認知神経科学。運動と認知機能に関する研究を行う。主な研究テーマは、運動中の感覚認知メカニズム、スポーツ中の「一瞬の間」に行われる感覚情報の認知、動作に関する意志決定メカニズムについてなど。物忘れ予防フリーマガジン「昨日の晩御飯は?」(株式会社ウーマンライフ新聞社)にて、物忘れ対策講座を連載中。
<略歴>
日本学術振興会特別研究員を経て、2009年 早稲田大学スポーツ科学学術院研究院助教、2013年 奈良女子大学研究院人文科学系准教授となり、2021年より現職。