芝浦工業大学・越阪部教授が、ポリフェノールがエネルギー代謝を促進する“ミトコンドリア”の新生を促すことを解明
[13/03/22]
提供元:@Press
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芝浦工業大学(東京都江東区豊洲、学長:村上 雅人)の越阪部 奈緒美教授(生命科学科)は、チョコレートや赤ワインに含まれるポリフェノールを摂取することにより、エネルギー代謝を促進するミトコンドリアの新生を促し、メタボリックシンドロームを予防・改善するメカニズムを明らかにしました。ポリフェノールによる骨格筋のミトコンドリア新生の促進に関する発表は、世界でも初めてであり、安心・安全な医薬品やサプリメントの開発が期待できます。
■背景
近年、食生活の欧米化や運動不足によりメタボリックシンドロームの患者は増加の一途をたどっています。メタボリックシンドロームと診断された場合、まず摂取エネルギー量を少なくする食事療法、体内のエネルギーを消費する運動療法が指導されます。それでも肥満が解消されず、血圧・血液脂質・血糖が改善されない場合には薬物療法が適応されます。一方、以前から、高ポリフェノールを含んだチョコレートの摂取によって、メタボリックシンドロームのリスク因子が改善されるということが多くのヒトを用いた試験の結果から明らかとなっていましたが、そのメカニズムについては未だ解明されていませんでした。
■研究内容
越阪部教授は、マウスにそれぞれ精製水とポリフェノールを14日間投与し、血圧を測定したところ、ポリフェノールを投与したマウスの血圧が低下すること、また絶食条件下で24時間の呼気分析を行ったところ、呼吸交換比(注1)が低下し、脂肪消費が亢進していることを確認しました。あわせて、ポリフェノールを投与したマウスの褐色脂肪組織、骨格筋のミトコンドリア数が増加したことがわかりました。
ミトコンドリアは、私たちの体を作る全ての細胞中にあり、エネルギー代謝を司る重要な器官です。このミトコンドリアが機能しないと、摂取した脂肪やブドウ糖がうまく消費されず肥満の原因につながります。このためミトコンドリアの働きは「メタボリックシンドローム」だけではなく「アンチエイジング」や「ダイエット」といった側面でも大きく注目されています。通常骨格筋のミトコンドリアの新生を促すには、有酸素運動を継続する必要がありますが、今回の研究により、ポリフェノールの投与によって同様の作用があることが明らかとなり、これまでに報告されたチョコレート摂取によるメタボリックシンドロームリスク因子の改善メカニズムの一端が明らかになったと考えられます。また、この研究ではポリフェノールという食品由来成分を利用していることから、今後、研究が進めば、副作用のない安心・安全なメタボリックシンドロームの予防・改善法の開発が期待されます。
(注1)呼吸交換比:二酸化炭素排泄量/酸素消費量で算出するエネルギー消費の指標。動物が糖質を消費している場合には1.0に近い値を示し、脂質を消費している場合には0.7に近い値を示す。
■学会発表
なお、本件については、下記の通り越阪部教授が学会発表しますので、あわせてご案内します。
学会名:日本農芸化学会2013年度仙台大会( http://www.jsbba.or.jp/2013/ )
日時 :3月25日(月)11:24〜
場所 :東北大学 川内北キャンパス(仙台市青葉区川内) A20会場
演題 :「Flavan 3-ols反復投与は骨格筋のミトコンドリア新生を促す」
■背景
近年、食生活の欧米化や運動不足によりメタボリックシンドロームの患者は増加の一途をたどっています。メタボリックシンドロームと診断された場合、まず摂取エネルギー量を少なくする食事療法、体内のエネルギーを消費する運動療法が指導されます。それでも肥満が解消されず、血圧・血液脂質・血糖が改善されない場合には薬物療法が適応されます。一方、以前から、高ポリフェノールを含んだチョコレートの摂取によって、メタボリックシンドロームのリスク因子が改善されるということが多くのヒトを用いた試験の結果から明らかとなっていましたが、そのメカニズムについては未だ解明されていませんでした。
■研究内容
越阪部教授は、マウスにそれぞれ精製水とポリフェノールを14日間投与し、血圧を測定したところ、ポリフェノールを投与したマウスの血圧が低下すること、また絶食条件下で24時間の呼気分析を行ったところ、呼吸交換比(注1)が低下し、脂肪消費が亢進していることを確認しました。あわせて、ポリフェノールを投与したマウスの褐色脂肪組織、骨格筋のミトコンドリア数が増加したことがわかりました。
ミトコンドリアは、私たちの体を作る全ての細胞中にあり、エネルギー代謝を司る重要な器官です。このミトコンドリアが機能しないと、摂取した脂肪やブドウ糖がうまく消費されず肥満の原因につながります。このためミトコンドリアの働きは「メタボリックシンドローム」だけではなく「アンチエイジング」や「ダイエット」といった側面でも大きく注目されています。通常骨格筋のミトコンドリアの新生を促すには、有酸素運動を継続する必要がありますが、今回の研究により、ポリフェノールの投与によって同様の作用があることが明らかとなり、これまでに報告されたチョコレート摂取によるメタボリックシンドロームリスク因子の改善メカニズムの一端が明らかになったと考えられます。また、この研究ではポリフェノールという食品由来成分を利用していることから、今後、研究が進めば、副作用のない安心・安全なメタボリックシンドロームの予防・改善法の開発が期待されます。
(注1)呼吸交換比:二酸化炭素排泄量/酸素消費量で算出するエネルギー消費の指標。動物が糖質を消費している場合には1.0に近い値を示し、脂質を消費している場合には0.7に近い値を示す。
■学会発表
なお、本件については、下記の通り越阪部教授が学会発表しますので、あわせてご案内します。
学会名:日本農芸化学会2013年度仙台大会( http://www.jsbba.or.jp/2013/ )
日時 :3月25日(月)11:24〜
場所 :東北大学 川内北キャンパス(仙台市青葉区川内) A20会場
演題 :「Flavan 3-ols反復投与は骨格筋のミトコンドリア新生を促す」