SDNによるネットワークを実環境と同じ条件下で設計・試験可能なシステム「VOLT」および通信経路・帯域をリアルタイムに変更可能なリソース制御システムの開発について
[13/06/11]
提供元:@Press
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NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、Software-Defined Networking*1(以下、SDN)によるネットワークを実環境(リアルネットワーク)と同条件のテスト環境(デバッグネットワーク)上で設計し、そのまま実環境に反映できる設計・試験システム「VOLT(Versatile Openflow vaLidaTor)」や、SDNにより通信経路や帯域をリアルタイムに変更可能なリソース制御システムを開発しました。
今回開発したシステムは、2013年6月12日(水)〜14日(金)に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2013」のSDN ShowCaseに展示します。
1.開発の背景
クラウドコンピューティングが急速に進展し、コンピューター側の柔軟性が向上する中で、管理が煩雑なネットワークの柔軟性を求めるニーズが高まっており、これを実現する技術としてOpenFlowに代表されるSDNに注目が集まっています。
NTT Comでは、「Global Cloud Vision」のもと、2012年6月にOpenFlowを活用した世界初のクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」を提供開始するなど、SDNの技術開発や商用化に努めてきました。今回、通信事業者としてのノウハウを活かし、SDNの設計・構築・運用を容易にする新たなシステムを開発しました。
2.新システムの概要
(1)実環境と同じ条件下でSDNのネットワークを設計・試験可能な「VOLT」
VOLTは、OpenFlowの実ネットワークの構成や経路情報を丸ごと複製したテスト環境をシステム上に作成し、実環境と同じ条件下で新たなネットワークを設計・試験することができます。
これまでOpenFlowによるネットワークは柔軟に設定変更・制御ができる反面、トラブル発生時の原因解析作業が複雑になっていましたが、VOLTでは、テスト環境でネットワーク構成と経路情報の組み合わせが正しいかチェックする機能や、実データを流して正常性をチェックする機能を用意しています(特許出願中)。この機能は、設計段階でのトラブルの原因解析だけではなく、運用中のネットワークにおける故障発生時の原因解析にも利用できます。
さらに、テスト環境で設計した内容をそのまま実ネットワークに反映させることができるため、新たな拠点追加やネットワーク構成変更、サービス追加の開発時にもスピーディーに対応することが可能です。
<VOLTのイメージ>
http://www.atpress.ne.jp/releases/36278/a_1.png
(2)SDNにより経路や帯域をリアルタイムに変更する運用が可能なリソース制御システム
SDNを既存のネットワークに活用し、MPLS*2による1対1もしくは1対多の通信経路・帯域(パス)を、好きな時間・場所・帯域で高度に変更・制御できるリソース制御システムです。
MPLSはこれまでも通信事業者の基幹ネットワークで広く利用されてきた技術ですが、これまでのネットワークでMPLSパスを作成する場合、主にネットワーク管理者が個々のネットワーク装置に設定する必要がありました。そこでは、MPLSパスの経路や帯域を変更できても、その変更には時間を要し、リアルタイムにネットワーク全体の状態を把握して効率の高い一元的な制御をすることは困難でした。
本システムは、MPLSパスのコントローラーと仮想環境に対応したMPLSエッジルーター(富士通との共同開発)から構成されます。コントローラーがMPLSパスの制御を集中的に制御することで、好きな時間・場所・帯域でのパスをリアルタイムで利用できます。これにより、限りあるネットワークのリソースをさまざまなユーザ間で自由にシェアしつつ、全体の利用量の超過を防ぐことができ、また、これまで難しかった時間単位でのリソース確保も可能にしました(特許出願中)。
さらに、コントローラーとMPLSエッジルーターに、MPLSパスの状態をリアルタイムに把握できる新技術(Stateful-PCE*3)を実装することで、利用するアプリケーションの品質と連動した最適なパス制御を実現しました(制御方式をIETF*4へ標準化提案中)。
<SDNによるリソース制御システムのイメージ>
http://www.atpress.ne.jp/releases/36278/b_2.png
3.今後の展開
今回開発したシステムについては、さらなる技術検証を進め、商用利用を検討していきます。今後も、OpenFlowやStateful-PCEといったオープンな技術を利用したSDNを実現することで、汎用性が高く、運用コスト・設備コストを低減した競争力のあるサービスの開発を進めていきます。
(参考)「Interop Tokyo 2013」概要
会期 :2013年6月12日(水)〜2013年6月14日(金)
6月12日 (水) 10:30〜18:00
6月13日 (木) 10:00〜18:00
6月14日 (金) 10:00〜17:00
会場 :幕張メッセ ( http://www.interop.jp/2013/access/ )
出展テーマ:More Clouds, More Ways, More Innovations
料金 :事前登録により無料
(事前登録なしの場合 展示会:5,000円(税込))
*1:ソフトウエアによりネットワーク機能や構成を制御する技術全般のこと
*2:Multi-Protocol Label Switching
通信データにラベルを付け加えて転送するネットワーク技術
*3:Stateful-Path Computation Element
MPLSパス(LSP)のステートを一元的に管理し制御する技術
*4:The Internet Engineering Task Force
インターネットで利用される技術の標準化を策定する組織
今回開発したシステムは、2013年6月12日(水)〜14日(金)に幕張メッセで開催される「Interop Tokyo 2013」のSDN ShowCaseに展示します。
1.開発の背景
クラウドコンピューティングが急速に進展し、コンピューター側の柔軟性が向上する中で、管理が煩雑なネットワークの柔軟性を求めるニーズが高まっており、これを実現する技術としてOpenFlowに代表されるSDNに注目が集まっています。
NTT Comでは、「Global Cloud Vision」のもと、2012年6月にOpenFlowを活用した世界初のクラウドサービス「Bizホスティング Enterprise Cloud」を提供開始するなど、SDNの技術開発や商用化に努めてきました。今回、通信事業者としてのノウハウを活かし、SDNの設計・構築・運用を容易にする新たなシステムを開発しました。
2.新システムの概要
(1)実環境と同じ条件下でSDNのネットワークを設計・試験可能な「VOLT」
VOLTは、OpenFlowの実ネットワークの構成や経路情報を丸ごと複製したテスト環境をシステム上に作成し、実環境と同じ条件下で新たなネットワークを設計・試験することができます。
これまでOpenFlowによるネットワークは柔軟に設定変更・制御ができる反面、トラブル発生時の原因解析作業が複雑になっていましたが、VOLTでは、テスト環境でネットワーク構成と経路情報の組み合わせが正しいかチェックする機能や、実データを流して正常性をチェックする機能を用意しています(特許出願中)。この機能は、設計段階でのトラブルの原因解析だけではなく、運用中のネットワークにおける故障発生時の原因解析にも利用できます。
さらに、テスト環境で設計した内容をそのまま実ネットワークに反映させることができるため、新たな拠点追加やネットワーク構成変更、サービス追加の開発時にもスピーディーに対応することが可能です。
<VOLTのイメージ>
http://www.atpress.ne.jp/releases/36278/a_1.png
(2)SDNにより経路や帯域をリアルタイムに変更する運用が可能なリソース制御システム
SDNを既存のネットワークに活用し、MPLS*2による1対1もしくは1対多の通信経路・帯域(パス)を、好きな時間・場所・帯域で高度に変更・制御できるリソース制御システムです。
MPLSはこれまでも通信事業者の基幹ネットワークで広く利用されてきた技術ですが、これまでのネットワークでMPLSパスを作成する場合、主にネットワーク管理者が個々のネットワーク装置に設定する必要がありました。そこでは、MPLSパスの経路や帯域を変更できても、その変更には時間を要し、リアルタイムにネットワーク全体の状態を把握して効率の高い一元的な制御をすることは困難でした。
本システムは、MPLSパスのコントローラーと仮想環境に対応したMPLSエッジルーター(富士通との共同開発)から構成されます。コントローラーがMPLSパスの制御を集中的に制御することで、好きな時間・場所・帯域でのパスをリアルタイムで利用できます。これにより、限りあるネットワークのリソースをさまざまなユーザ間で自由にシェアしつつ、全体の利用量の超過を防ぐことができ、また、これまで難しかった時間単位でのリソース確保も可能にしました(特許出願中)。
さらに、コントローラーとMPLSエッジルーターに、MPLSパスの状態をリアルタイムに把握できる新技術(Stateful-PCE*3)を実装することで、利用するアプリケーションの品質と連動した最適なパス制御を実現しました(制御方式をIETF*4へ標準化提案中)。
<SDNによるリソース制御システムのイメージ>
http://www.atpress.ne.jp/releases/36278/b_2.png
3.今後の展開
今回開発したシステムについては、さらなる技術検証を進め、商用利用を検討していきます。今後も、OpenFlowやStateful-PCEといったオープンな技術を利用したSDNを実現することで、汎用性が高く、運用コスト・設備コストを低減した競争力のあるサービスの開発を進めていきます。
(参考)「Interop Tokyo 2013」概要
会期 :2013年6月12日(水)〜2013年6月14日(金)
6月12日 (水) 10:30〜18:00
6月13日 (木) 10:00〜18:00
6月14日 (金) 10:00〜17:00
会場 :幕張メッセ ( http://www.interop.jp/2013/access/ )
出展テーマ:More Clouds, More Ways, More Innovations
料金 :事前登録により無料
(事前登録なしの場合 展示会:5,000円(税込))
*1:ソフトウエアによりネットワーク機能や構成を制御する技術全般のこと
*2:Multi-Protocol Label Switching
通信データにラベルを付け加えて転送するネットワーク技術
*3:Stateful-Path Computation Element
MPLSパス(LSP)のステートを一元的に管理し制御する技術
*4:The Internet Engineering Task Force
インターネットで利用される技術の標準化を策定する組織