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日米間海底ケーブル「PC-1」における最新の光通信技術「100Gbpsデジタルコヒーレント」を活用した通信容量の拡張について

 NTTコミュニケーションズ(略称:NTT Com)は、NTT Comグループが保有する日米間海底ケーブル「PC-1」において、世界的なデータ通信量の増大に対応し、ネットワークサービスやクラウドサービスの提供能力を強化するため、最新の光通信技術「100Gbpsデジタルコヒーレント」を活用した光伝送システムを2013年7月17日に導入しました。これにより、「PC-1」の設計通信容量*1を現行の3.2Tbpsから約2.5倍の8.4Tbpsに拡張します。


1.概要
 近年、スマートフォン・タブレット型端末の急速な普及やクラウド化の進展、音楽・動画配信、SNSなどのインターネットサービスの利用増加などにより、データ通信需要が爆発的に伸びています。
 こうした中で、NTT Comは、2011年10月に、日米間ルートにおけるデジタルコヒーレント技術を活用した100Gbps光通信実証実験に世界で初めて成功しました。デジタルコヒーレントは、光ネットワークの通信容量を飛躍的に拡大させる最新技術として注目されていますが、光の特性上、太平洋を横断するほどの長距離ルートにおいて、安定的に100Gbps通信を実現するのは困難と言われていました。
 そこで、「PC-1」では、実証実験の結果を踏まえ、中継器の配置間隔や光学特性を考慮した光ファイバーの配置・伝送設定など、ネットワーク設計を工夫することで、日米間ルートにおける本技術の商用導入を世界で初めて実現しました。


2.今後の展開
 NTT Comでは、アジアの主要都市を結ぶ海底ケーブル「Asia Submarine-cable Express(略称:ASE)」などにおいても、デジタルコヒーレント技術を活用した100Gbps光伝送システムの導入を進めており、2014年中の完成を目指しています。今後も、世界中で高速かつ安定的な通信を実現するため、ICTインフラの拡充に努めていきます。


(参考1) PC-1の概要
NTT Comのグループ会社であるPC Landing Corp.が保有する日米間を最小遅延で結ぶ光海底ケーブル
・総延長:21,000Km
・構成 :日米間2ルートのリング構成
・陸揚局:阿字ケ浦(茨城県)、志摩(三重県)、
     Harbour Pointe(米国ワシントン州)、
     Grover Beach(米国カリフォルニア州)

(参考2)デジタルコヒーレントの概要
光ファイバーの通信容量は、ひとつの光の波(波長)にのせられる情報量と、その波をどれだけ同時に伝送できるかで定まります。デジタルコヒーレントは、1波長あたりに運べる情報量を増やすための技術です。複数の位相(波の形)だけでなく、光の持つ性質の1つである偏波状態にも信号をのせることが可能なため、1波長に100Gbpsの大容量情報をのせて伝送できます。また、デジタル信号処理と組み合わせることで高い受信感度を実現するため、より多くの100Gbps高速信号を同時に伝送でき、かつ長距離ルートでの利用も可能になります。

*1:設計上伝送可能な最大通信容量
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