2024年4月より自由学園 中等科・高等科が男女共学化します
[24/03/25]
提供元:@Press
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学校法人自由学園(東京都東久留米市)は、2024年4月より、これまで女子部・男子部に分かれていた中等科・高等科を、男女共学化いたします。新たな名称は「自由学園中等部」「自由学園高等部」となります。
現在、自由学園では、生徒たちが主体性を持って、男女共学化に向けた新たな学校づくりに取り組んでいます。自由学園の生徒には、自分たちの社会や生活は自分たちで創るという「自治」の考え方が浸透しており、全校生徒が参加する会議やワークショップを通じた話し合いを複数回にわたって行うほか、中等部2年〜高等部2年の男女生徒6〜7名の「共生共学の係」や有志の集まりによる、共学化の話し合いを継続的に行っています。
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同キャンパスで、それぞれの運営を行ってきた女子部と男子部が統合するにあたり、生徒たちが話し合ってきたテーマは、「校舎」「制服」「委員(生徒会)の役割や選挙の方法」「中高のつながり」など、多岐にわたります。ファシリテーションも学びながら自分たちで行うようになり、話し合いの経緯をまとめた「共学化新聞」を全校生徒が見られる廊下やトイレに掲示して、進捗状況を随時共有しています。
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こうして対話を通じて合意形成を図り、状況に応じて見直しをしていく「自治」のプロセスは、市民性を育み、平和で民主的な社会をつくり出す土台になると、私たちは考えています。大人がトップダウンで決めるより時間はかかりますが、この過程こそが、生徒たちの大切な学びになると確信しています。
※ご参考:男女共学化に向けた取組みに関するオウンドメディア記事
- 生徒がゼロから学校生活の仕組みを創る? 共学化に向けた合意形成の試みをレポート【共学化への道・生徒編】
https://note.com/re_jiyu2024/n/nb87f64808849
- 多数決に頼らない合意形成 そのプロセスを学びに! 生徒も先生も経験のない「ゼロからの仕組み創り」に挑戦 【共学化への道・教師編】
https://note.com/re_jiyu2024/n/n16785a1c7cd7
<男女共学化の背景>
自由学園は、日本初の女性ジャーナリストであった羽仁もと子とその夫・吉一によって、1921年(大正10年)に創設されました。女学校(現在の女子部中等科・高等科)から始まり、順次、初等部(小学校)、男子部(中等科・高等科)、幼児生活団(幼稚園)、最高学部(大学部)が設立され、4歳から22歳までの一貫教育に加え、45歳以上が学ぶリビングアカデミーにまで展開されています。
約80年に渡って男女別学の学校として歩んで来ましたが、2021年に創立100周年を迎えたことを機に、変わることのない教育理念や伝統は大切にしながらも、変化する社会の課題に向き合い、未来を創る子どもたちのためのよりよい教育を目指して学校改革に取り組む中で、男女共学化することを決定しました。
背景には、学校改革の柱の一つである『共生共学※』の考え方があります。性別・年齢・国籍・能力なども含めて多様な人々が共生する、真に平和な社会を創造していこうと考えています。
※共生共学…「共に生き、共に学び、共によりよい社会を創り出す学校」という学校像を示す。
詳細:創立100周年サイト-「共生共学」について
https://www.jiyu.ac.jp/100th/education.html
<2024年度以降の主な体制について>
すでに23年度までも男女が共に学ぶ授業を運用してきましたが、男女共学化した後の新たな体制について、ご紹介致します。
◆クラス編成
女共学化による定員増減はありません。
中等部は1学年あたり定員90名(3クラス)で、一部縦割り(異学年混合)での活動も検討中です。高等部は1学年あたり定員120名(最大4クラス)で、横割りクラスか縦割りクラスを選択することができます(人数による)。高等部からの入学も可能です。
学級の風通しを良くするため、教員は各学級担任とサポートメンバーで構成される「学年団」をつくり、チームで生徒対応を行います。
◆カリキュラム
高等部では、一人ひとりの探求心やアンテナに寄り添った学びを展開するため、教科選択制を採用しています。
1年生は必修科目を通じて、基礎的な『学びの体力』や『学び方』を身に付けながら、2年生以降自分がどんなことを学びたいのか、じっくり考えます。2年生は選択必修(2教科のうちどちらかの選択が必須)や自由選択科目から週に10時間分を選択することができます。3年生では必修の5教科・週11時間を除いた時間はすべて、自由選択科目となります。
画像 : https://newscast.jp/attachments/KfD1PduoU83jJXP1alXR.png高校2年生の時間割(イメージ)。ブルーが自由選択科目で、書かれている教科の中から選べる。グリーンは選択必修科目。
中等部のカリキュラムには特に変更点はありませんが、科目によってコース選択があり、小さな選択の練習を重ねます。
◆校舎
現在の男子部校舎を中等部校舎、女子部校舎を高等部校舎とします。
(男子部の改修工事は既に終了、女子部は改修工事中)
◆制服
そもそも制服が必要なのかどうかから議論を始め、全校生徒が参加する会議やグループワークを重ねた結果、「毎日制服を着用する必要はないが、フォーマルな日に着用する式服は必要」との結論に達しました。
生徒たち自身が、ファッション業界の抱える環境問題や社会課題と向き合いながら話し合いを重ねており、2025年4月から導入予定です。
◆昼食
校内で調理をしており、プロジェクトマネジメントにつながる教科横断的な学びとしても、生徒たちによる昼食づくりを継続してきました。女子部と男子部で異なっていた仕組みや頻度を整え、今後も授業内で行います。
- 中1〜中3:「技術家庭」必修科目
- 高1:「生活経営実習?」必修科目
- 高2:「生活経営実習?」自由選択科目
※必修科目の学年は、生徒1人あたり3週間に一度調理当番を担当(調理当番の生徒以外は別のプログラムを実施)
※高2は、生徒1人あたりの頻度は履修人数による
※週1回程度、保護者ボランティアの参加も受付(調理員のサポートあり)
◆寮生活
出身地を問わず希望者は、男子は「東天寮」、女子は「清風寮」に入寮できます。これまで男子部は入学時一年間の入寮が必須でしたが、今後は任意となります。
◆進路・キャリア支援
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内部進学先である最高学部だけではなく、他大学への進学や留学など、多様な選択肢から進路を決定しており、2023年度からは指定校推薦制度も導入しております。
一人ひとりが自由にキャリアをデザインしておりますが、どれも本人の選択であることを大切にし、教員はサポートしております。
在学中に実社会と関わりを持てるよう、自由学園独自の新設科目「共生学」※や、本格的高校生インターシップ「飛び級社会人」がカリキュラムに組み込まれているほか、希望制の豊富な海外派遣制度も豊富に用意しています。生徒たちは、学校内にとどまらない学びを展開し、どう生きていくかを、実社会との交わりの中で考えていきます。
※共生学…「平和」「人権」「環境」など、地球規模の共通課題(SDGs等)や地域課題などに教科の枠を超えて学際的に取り組む、自由学園独自の新設科目です。
◆国際プログラム
<派遣>
・交換留学
- イギリス チェルトナム・レイディーズ・カレッジ 6月下旬〜7月上旬
(対象:高2・3 女子)
- フィンランド アラヤルヴィ/ヴィンペリ高校 夏休み(対象:高2・3)
・海外研修旅行
- デンマーク研修旅行 夏休み(対象:高2〜)
- カンボジア研修旅行 夏休み(対象:高1・2)
- ネパール研修旅行 夏休み(対象:高1〜)
・語学研修
-ブリティッシュヒルズ 秋ごろ(対象:中1〜)
<受け入れ>
アメリカ(ブロンクス高校)、イギリス(チェルトナム・レディース・カレッジ)、フィンランド(アラヤルヴィ/ヴィンペリ高校)、デンマーク(アルメ・スコーレ、ラナム・エフタスコーレ)
◆学園長・校長
中等部・高等部の統括は、これまで男子部・女子部の校長を歴任し、4月より学園長に就任する更科幸一が責任をもって当たります。
また、中等部は山縣基、高等部は佐藤史伸が責任者を務めます。
<学園長 更科幸一プロフィール>
1971年、東京の下町の銭湯の息子として生まれ、元気にのびのびとした少年期を過ごす。青年期に入りバスケットボール、バンド、バイク等に没頭しながら、小学生が遅い時間に塾のバックを背負っている姿を見て「日本の教育を変えたい」と志を立てる。自由学園を卒業後、27歳で教員となる。私立高校の教員を経て、2003年、母校である自由学園に着任。2015年4月から男子部(中等科・高等科)校長、2021年4月より女子部(中等科・高等科)校長を経て、2024年4月より学園長に就任。旬の社会課題をテーマに扱う、小中学生を対象としたオンライン企画『校長と一緒に学ぼう』が好評を博している。
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そのほか、今後のアップデートについては、公式サイトやSNSでお伝えしてまいります。
- 中等部・高等部 公式サイト https://jiyu.school/
- 中等部・高等部 インスタグラム https://www.instagram.com/jiyugakuen_jh/
■学校法??由学園
一貫教育の【自由学園】- 幼稚園・小学校・中学校・高校・大学部・45歳以上 : https://www.jiyu.ac.jp
1921年、日本初の女性新聞記者であった羽仁もと子と夫の羽仁吉一がキリスト教を土台として東京・池袋に創立。校舎はフランク・ロイド・ライトと遠藤新が設計。1934年に南沢(東京・東久留米)に移転し、3万坪のキャンパスで未就園児から大学まで、自律型探求力と共生・共創力を育む一貫教育を行う。2021年に創立100周年を迎えた。これまで中等科・高等科は男女別学であったが、2024年4月からの男女共学化に向けて学園全体をアップデートしている。関連図書に『本物をまなぶ学校 自由学園』(婦人之友社)、『自由学園一〇〇年史』(自由学園出版局)など。デジタルアーカイブ「自由学園100年+」も公開している。