小学校入学前にチェック! お子さんのおねしょ月に数回以上おねしょが続けば“夜尿症” 心理的に深刻な影響も
[14/03/20]
提供元:@Press
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4月が近づき、小さなお子さんと親御さんは入学や進級を前に準備を進める頃です。楽しみである一方、お子さんの成長、発達について心配になることも多い時期ではないでしょうか。
小学校入学に合わせてチェックしておきたいことのひとつが、子どもの「おねしょ」。しつけの一環として扱われることが多いおねしょですが、小学校入学以降もおねしょが頻繁に続く場合は、一般的に「夜尿症」と診断され、近年その治療をスタートさせる輪が広がってきています。おねしょの対策に悩む親子に向けて役立つ情報を提供するため、この春、小児科や泌尿器科の専門家が中心となり「おねしょ卒業!プロジェクト」が発足しました。今後プロジェクトのWEBサイト(http://onesho.com/)で「夜尿症」の正しい知識やケアの方法について紹介していくほか、ニュースレターを定期的に発信するなど、啓発に取り組んでまいります。
◆入学前にチェック!入学前後を過ぎてもおねしょが続くなら「夜尿症」です
生まれてから2歳ごろまでの子どもは毎晩おねしょをしますが、その頻度は年齢とともに減っていきます。しかし、5〜6歳(小学校入学前後)を過ぎても月に数回以上おねしょが続く場合は、「夜尿症」と診断されます。
【ポイント】「夜尿症」とは?
5〜6歳を過ぎても月に数回以上、夜眠っている間に尿を漏らす現象が認められる場合、「夜尿症」と定義します。患者数は全国に約80万人(5〜15歳/罹患率6.4%程度)で、1年ごとに10〜15%ずつが治癒しているとされています。就寝中の尿の生成が多くなる「夜間多尿」や、就寝中の膀胱の容量が不十分である「膀胱容量低下」などが原因となります。
◆子どもの心には深いダメージ
「たかがおねしょ」と軽視されがちですが、実は当事者の子どもにとっては大きな負担になっていることも指摘されています。ある調査では、8〜16歳の若者にとって、夜尿症の経験が、両親の離別、争いに続き、3番目に精神的な強い影響を受けるということがわかりました。これは、いじめの経験よりも高い影響度を示しています。
◆子どもだけではない お母さんも悩ませる夜尿症
夜尿症は、子どもだけでなくお母さんたちをも悩ませています。寝具や下着の洗濯など生活上の負担が増えるだけでなく、家族や親せきから「しつけ」や「育て方」の問題として責められ、理解されないケースもあるようです。しかし、精神論や根性論をかざすことは、子どもや親のさらなる心理的負担につながりやすく、それにより治癒がむしろ遅れることさえあります。
◆夜尿症に取り組む医師が増加 受診行動が治癒を早める可能性も
子どもの自尊心を低下させ、生活の質(QOL)を低下させる可能性がある夜尿症ですが、病院での治療により治癒率が2〜3倍に高まるという報告もあります。また、治療に取り組む医師も近年増えてきています。
【ポイント】夜尿症の治療は、生活改善から。その後、お薬をうまく組み合わせて
夜尿症の相談は小児科や泌尿器科で受け付けます。問診やおねしょを記録したメモ、尿検査などから、夜尿症の診断を行った後、夜尿症治療の基本である生活改善に取り組みます。この治療だけで、2〜3割の子どもはおねしょをしなくなるとも言われます。それだけであまり改善が見られなかった場合は、お薬や夜尿アラームを使った治療が行われます。
◆医師らが夜尿症の啓発団体「おねしょ卒業!プロジェクト」を発足 ホームページも開設
しかし、夜尿症の患者の病院受診率は決して高くはありません。その理由のひとつに、「おねしょは放っておくしかないと思っていた」「何科にかかれば良いのかわからない」「近くにある病院がわからない」といった情報不足が挙げられます。こうした状況を背景に、夜尿症の治療、研究に取り組む小児科や泌尿器科の専門家らによって、夜尿症の疾患啓発を目的とした「おねしょ卒業!プロジェクト」が発足し、この春、啓発のためのホームページを開設しました。
患者と医療関係者の両方に情報を提供する点が特徴で、
おねしょで悩む全国の親子には「おねしょスッキリ委員会」(http://onesho.com/patient/)、
おねしょの診療に携わる医療関係者向けに「夜尿症スッキリ委員会」(http://onesho.com/medical/)
というホームページをご用意しています。
【おねしょ卒業!プロジェクト メンバー】(五十音順・敬称略)
池田裕一 (昭和大学藤が丘病院 小児科 講師)
大友義之 (順天堂大学医学部附属練馬病院 小児科 先任准教授)
河内明宏 (滋賀医科大学 泌尿器科学講座 教授)
津ケ谷正行 (大野泌尿器科 理事長/院長)
内藤泰行 (京都府立医科大学 泌尿器外科学教室 講師)
羽田敦子 (公益財団法人田附興風会医学研究所 北野病院 小児科 部長)
服部益治 (兵庫医科大学 小児科学講座 教授)
吉田 茂 (医療法人葵鐘会(きしょうかい) 副理事長/CMIO(Chief Medical Information Officer))
【服部益治氏(兵庫医科大学 小児科学講座 教授 医学博士)のコメント】
夜尿症は近年では治療法が発見され、治療の必要性が認知されたことから、「放っておく」病気から「治す」病気になりました。しかし、一般の皆様は「おねしょ(生理現象)」と「夜尿症(病気)」の区別がわからないのが現状ではないでしょうか。私も夜尿症に悩む多くの親子に出会ってきましたが、ご相談にいらっしゃる本人や家族の苦悩は深く、ずっと他人に相談できずにいたために診察室で思わず涙を流すお母さんもいました。「もっと早く相談すればよかった」とおっしゃるお母さんも多いです。しかしながら、そうした受診のメリットがまだまだ伝わっていないように感じています。
私は、マスメディアへの出演や講演を通して、夜尿症を理解して頂けるよう活動しています。今後は「おねしょ卒業!プロジェクト」を通じて啓発活動を広げてまいります。
※参考動画:夜尿症ってなあに? ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=eeRFcAbX1pc
小学校入学に合わせてチェックしておきたいことのひとつが、子どもの「おねしょ」。しつけの一環として扱われることが多いおねしょですが、小学校入学以降もおねしょが頻繁に続く場合は、一般的に「夜尿症」と診断され、近年その治療をスタートさせる輪が広がってきています。おねしょの対策に悩む親子に向けて役立つ情報を提供するため、この春、小児科や泌尿器科の専門家が中心となり「おねしょ卒業!プロジェクト」が発足しました。今後プロジェクトのWEBサイト(http://onesho.com/)で「夜尿症」の正しい知識やケアの方法について紹介していくほか、ニュースレターを定期的に発信するなど、啓発に取り組んでまいります。
◆入学前にチェック!入学前後を過ぎてもおねしょが続くなら「夜尿症」です
生まれてから2歳ごろまでの子どもは毎晩おねしょをしますが、その頻度は年齢とともに減っていきます。しかし、5〜6歳(小学校入学前後)を過ぎても月に数回以上おねしょが続く場合は、「夜尿症」と診断されます。
【ポイント】「夜尿症」とは?
5〜6歳を過ぎても月に数回以上、夜眠っている間に尿を漏らす現象が認められる場合、「夜尿症」と定義します。患者数は全国に約80万人(5〜15歳/罹患率6.4%程度)で、1年ごとに10〜15%ずつが治癒しているとされています。就寝中の尿の生成が多くなる「夜間多尿」や、就寝中の膀胱の容量が不十分である「膀胱容量低下」などが原因となります。
◆子どもの心には深いダメージ
「たかがおねしょ」と軽視されがちですが、実は当事者の子どもにとっては大きな負担になっていることも指摘されています。ある調査では、8〜16歳の若者にとって、夜尿症の経験が、両親の離別、争いに続き、3番目に精神的な強い影響を受けるということがわかりました。これは、いじめの経験よりも高い影響度を示しています。
◆子どもだけではない お母さんも悩ませる夜尿症
夜尿症は、子どもだけでなくお母さんたちをも悩ませています。寝具や下着の洗濯など生活上の負担が増えるだけでなく、家族や親せきから「しつけ」や「育て方」の問題として責められ、理解されないケースもあるようです。しかし、精神論や根性論をかざすことは、子どもや親のさらなる心理的負担につながりやすく、それにより治癒がむしろ遅れることさえあります。
◆夜尿症に取り組む医師が増加 受診行動が治癒を早める可能性も
子どもの自尊心を低下させ、生活の質(QOL)を低下させる可能性がある夜尿症ですが、病院での治療により治癒率が2〜3倍に高まるという報告もあります。また、治療に取り組む医師も近年増えてきています。
【ポイント】夜尿症の治療は、生活改善から。その後、お薬をうまく組み合わせて
夜尿症の相談は小児科や泌尿器科で受け付けます。問診やおねしょを記録したメモ、尿検査などから、夜尿症の診断を行った後、夜尿症治療の基本である生活改善に取り組みます。この治療だけで、2〜3割の子どもはおねしょをしなくなるとも言われます。それだけであまり改善が見られなかった場合は、お薬や夜尿アラームを使った治療が行われます。
◆医師らが夜尿症の啓発団体「おねしょ卒業!プロジェクト」を発足 ホームページも開設
しかし、夜尿症の患者の病院受診率は決して高くはありません。その理由のひとつに、「おねしょは放っておくしかないと思っていた」「何科にかかれば良いのかわからない」「近くにある病院がわからない」といった情報不足が挙げられます。こうした状況を背景に、夜尿症の治療、研究に取り組む小児科や泌尿器科の専門家らによって、夜尿症の疾患啓発を目的とした「おねしょ卒業!プロジェクト」が発足し、この春、啓発のためのホームページを開設しました。
患者と医療関係者の両方に情報を提供する点が特徴で、
おねしょで悩む全国の親子には「おねしょスッキリ委員会」(http://onesho.com/patient/)、
おねしょの診療に携わる医療関係者向けに「夜尿症スッキリ委員会」(http://onesho.com/medical/)
というホームページをご用意しています。
【おねしょ卒業!プロジェクト メンバー】(五十音順・敬称略)
池田裕一 (昭和大学藤が丘病院 小児科 講師)
大友義之 (順天堂大学医学部附属練馬病院 小児科 先任准教授)
河内明宏 (滋賀医科大学 泌尿器科学講座 教授)
津ケ谷正行 (大野泌尿器科 理事長/院長)
内藤泰行 (京都府立医科大学 泌尿器外科学教室 講師)
羽田敦子 (公益財団法人田附興風会医学研究所 北野病院 小児科 部長)
服部益治 (兵庫医科大学 小児科学講座 教授)
吉田 茂 (医療法人葵鐘会(きしょうかい) 副理事長/CMIO(Chief Medical Information Officer))
【服部益治氏(兵庫医科大学 小児科学講座 教授 医学博士)のコメント】
夜尿症は近年では治療法が発見され、治療の必要性が認知されたことから、「放っておく」病気から「治す」病気になりました。しかし、一般の皆様は「おねしょ(生理現象)」と「夜尿症(病気)」の区別がわからないのが現状ではないでしょうか。私も夜尿症に悩む多くの親子に出会ってきましたが、ご相談にいらっしゃる本人や家族の苦悩は深く、ずっと他人に相談できずにいたために診察室で思わず涙を流すお母さんもいました。「もっと早く相談すればよかった」とおっしゃるお母さんも多いです。しかしながら、そうした受診のメリットがまだまだ伝わっていないように感じています。
私は、マスメディアへの出演や講演を通して、夜尿症を理解して頂けるよう活動しています。今後は「おねしょ卒業!プロジェクト」を通じて啓発活動を広げてまいります。
※参考動画:夜尿症ってなあに? ⇒ http://www.youtube.com/watch?v=eeRFcAbX1pc