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「みちのく復興事業シンポジウム」を3月14日に開催 〜企業の力を活かした被災地復興の“新しいあり方”を探る〜

「みちのく復興事業パートナーズ」と「NPO法人ETIC.(以下、ETIC.)」では、東日本大震災から3年を迎えて間もない2014年3月14日(金)、これからの震災復興における企業の役割について改めて考える「みちのく復興事業シンポジウム」を、企業のCSR・社会貢献担当者や復興に関心のある社員約200名を集め電通ホールにて開催いたしました。


みちのく復興事業パートナーズとは、2012年6月、被災地の自立的復興を目指して活動する地域の“復興リーダー”を、企業が連携して支えることを目指して立ち上がった任意プロジェクト団体です。現在、味の素株式会社、いすゞ自動車株式会社、花王株式会社、株式会社損害保険ジャパン、株式会社電通、株式会社東芝、株式会社ベネッセホールディングスの7社が参画しています。

それぞれの参画企業が被災地で行ってきた人材派遣や事業ノウハウを生かしたセミナー、地域団体のチーム作りや人材教育支援など、2年間の活動を経て、復興リーダーたちの事業が成長していくためには、各企業の持つ専門性だけではなく、組織の中で日常的に行われている課題整理や業務遂行力などが必要不可欠であることも分かってきました。また結果的に、関わった企業人にとっても、仕事の意味の再発見、自らの企業の存在意義の再発見などの学びにつながっていくことも見えてきました。


【第1部】先行事例に見る、被災地復興への企業の力の活かし方
こうした経験を踏まえて行われたシンポジウムは、第1部と第2部からなり、第1部では、被災地復興の“新しいあり方”について、事業を共にしたみちのく復興パートナーズと現地の復興リーダーによる先行事例が紹介されました。
そこでは、企業のあるいは企業人のどのような経験、スキル、ノウハウが被災地への貢献につながるのか、また、「ともに事業を創る」活動を通じてどのように社員が成長したのか等について改めて議論され認識を深めました。

熱気あふれるシンポジウム会場
http://www.atpress.ne.jp/releases/44638/img_44638_1.jpg
第1部では先行事例を紹介
http://www.atpress.ne.jp/releases/44638/img_44638_2.jpg


【第2部】被災地復興は「同情・共感」から「事業構築・新価値創造」のフェーズへ
続いて行われた第2部では、シンクタンク ソフィアバンク代表の田坂 広志氏と、ジャーナリスト/メディアアクティビストの津田 大介氏をゲストに招き、電通 シニア・プランニング・ディレクター/1CRプランニング局次長の牧口 征弘氏をモデレーターとして基調セッションが行われました。

基調セッションの前提となったのは、被災地復興が「同情・共感」のフェーズから「事業構築・新価値創造」のフェーズに入っているという考え方でした。つまり、そこに参画する企業・企業人にとっては、自らの本来業務に直結した事業として取組むことが重要であり、また、被災地の復興リーダーにおいては支援される側としての意識ではなく、新たな価値を生み出す協働者(パートナー)として企業の力を活用し、ともに新たな社会づくりに挑んでいくという発想の転換が被災地復興を発展的に継続させていくうえで求められているということです。このような観点から、今後の被災地復興のあり方について田坂氏や津田氏から提言がなされました。

その中で田坂氏からは、昨今の状況を踏まえ、「震災や復興支援が風化するとかしないとか、そういう話ではない。あの日から、日本の再生は始まったのだ、と思えるようにならないといけない。そもそも、日本の企業の原点には、本業を通じて社会貢献をするという精神があったはず。同情でも憐憫でもなく、いったい自分たちはなぜ働くのかというところまで掘り下げて考え、そのレベルで企業は被災地と向き合わなといけない」という主旨の発言がありました。

また、津田氏からは、「企業が被災地の復興支援を社会貢献という狭い枠組みの中でとらえるのではなく、被災地の人たちと共同で行う事業開発ととらえれば、CSRの枠を越えた広がりが出てくるはず。そこに期待したい。現地には、本格的復興へ向けて精力的に活動する“パワーピープル”がたくさんいて、そういう人たちから学ぶことは非常に多い」という主旨の語りかけがありました。

第2部の基調セッション
http://www.atpress.ne.jp/releases/44638/img_44638_3.jpg


なお、当日の主なプログラムは以下の通りでした。

【第1部の登壇者と主な内容】
■現地レポート 〜現地での活動から見えてきたニーズとは?〜
*味の素株式会社 CSR部兼人事部東北支社駐在 社会貢献担当部長 前原 誠一郎氏

被災地で行ってきた健康栄養セミナーを通じて見えてきた現地の状況やニーズ、企業が支える必要性について紹介。

■企業の力をどのように活かせるか? 〜復興事業パートナーズの取り組みから〜
<活動紹介(1)>
*一般社団法人福島復興ソーラー・アグリ体験交流の会 代表理事 半谷 栄寿氏
*株式会社損害保険ジャパン CSR部 リーダー 酒井 香世子氏

「社員派遣プログラム」から見えてきた、企業人のどのような経験、スキル、ノウハウが被災地への貢献につながるのか、また、ともに創る活動を通じてどのように社員が成長したのか等について紹介。

<活動紹介(2)>
*NPO法人ビーンズふくしま 理事長 若月 ちよ氏、長井 英之氏、小林 直輝氏
*企業CSR担当者

現地団体のチーム力強化研修「みちのく創発キャンプ」が、現地団体に対して貢献したポイントや、企業連携によって場を作る意味、そのさらなる可能性について紹介。

<活動紹介(3)>
*大槌復興刺し子プロジェクト プロジェクトマネージャー 内野 恵美氏
*株式会社ベネッセホールディングス 広報IR部CSR推進課 課長 龍 千恵氏

企業人のサポートチームを組成する「みちのくサポーターズミーティング」の活動を通じ見えてきた現地団体に対する貢献のポイントや企業人の学び、そしてこれからの活動の広がり等について紹介。

<メッセージ>
*NPO法人ETIC. 代表理事 宮城 治男氏


【第2部の登壇者と主な内容】
<基調セッション>
(ゲスト)
*シンクタンク ソフィアバンク 代表 田坂 広志氏
*ジャーナリスト/メディアアクティビスト 津田 大介氏

(モデレーター)
*株式会社電通 シニア・プランニング・ディレクター/1CRプランニング局次長 牧口 征弘氏

「企業人に向けたメッセージ 〜企業人は社会(被災地、地域社会)といかに向き合うべきか〜」というテーマのもと、ゲストからの提言がなされ、意識共有が図られた。
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