カナダ・オンタリオ州政府、最先端の次世代送電網プロジェクトへ2,400万カナダドル(約25億800万円)を支援
[14/12/05]
提供元:@Press
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カナダ・オンタリオ州は、このたび、より高度なスマート・グリッド(次世代送電網)を構築するため、スマート・グリッド基金(Smart Grid Fund)*1を通じて、さらに17件の新規エネルギー・プロジェクトを支援すると発表しました。
同州政府は、最先端の電力システムの開発を支えるこれらのプロジェクトに約2,400万カナダドル(約25億800万円)の資金を提供し、350人以上の雇用の創出を見込んでいます。これによって、同州のこれまでの電力部門への支援総額は5,400万カナダドル(約56億4,300万円)になります。
今回の投資は、以下の新規エネルギー技術の開発を支援します。
・ エネルギー貯蔵: エネルギー貯蔵システムを設置し、必要に応じて電力を供給できるように送電網の信頼性や安定性を高めます
・ 電気自動車の統合: 利用者および電力供給者が電気自動車の導入に伴う充電など電力システムの課題を解決し、利用環境の改善を支援します
・ 「ビハインド・ザ・メーター(Behind the Meter)」: ビハインド・ザ・メーターという端末を設置し、電力使用状況の予測や電気代の上下変動に基づいて充電と放電を調整することで、消費者と電力供給者の情報交換を可能にし、送電システムおよびコスト管理の効率化を図ります
・ マイクログリッド(小規模発電網): 主要な電力供給網に依存しない小規模系統の発電やエネルギー貯蔵、負荷をサポートします
・ グリッド・オートメーション: 革新的なソフトウェアやハードウェアを使用して、システム・オペレーター(電力管理会社)が電力供給網の遠隔操作や管理を可能にします
・ データ分析: スマート・メーターなどで集められたデータを新しい方法で分析し、投資の判断材料やシステム性能の向上に役立てます
一方、同基金を通じて支援された早期のプロジェクトの成果が見え始めています。オンタリオ州ウィンザー市を拠点とするエセックス・エネルギー社(Essex Energy Corporation)*2は、スマート・グリッド基金の支援で自社が開発したスマートマップ(SmartMAP)というソフトウェアを商品化しました。中規模の電力供給者はスマートマップを使って、スマート・メーターから収集した膨大なデータを分析し、配電システムの状態を確認しながら調整を行うことができます。その結果、電圧の問題、変圧器や電線の過負荷、そして停電の早期検知および対処が可能となり、電力供給者は配電システムを最大限に利用することができます。
コメント
「オンタリオ州を拠点とするスマート・グリッド(次世代送電網)のプロジェクトを支援することによって、雇用の創出に役立つと同時にオンタリオ州を北米の新しいエネルギー技術のリーダーにすることができます。これらのプロジェクトは革新的な技術の開発や経済発展、雇用創出に貢献するエネルギー部門が、長期的な好影響を享受できると期待しています。」
―オンタリオ州政府エネルギー省、ボブ・キアレッリ(Bob Chiarelli)大臣
*1 スマート・グリッド基金(Smart Grid Fund)について
スマート・グリッド基金は次世代のスマート・グリッド・ソリューションのテスト、開発、市場投入を行うオンタリオ州のプロジェクトを支援します。総額5,000万カナダドル(約52億2,500万円)のこのプログラムは2011年4月に発足以来、すでに11件のプロジェクトを支援し、600以上の雇用を直接・間接的に生み出しています。
スマート・グリッド基金に支援されているプロジェクトの詳細(英語):
http://www.energy.gov.on.ca/en/smart-grid-fund/smart-grid-fund-projects/
*2 エセックス・エネルギー社(Essex Energy Corporation)とスマートマップ(SmartMAP)について
2000年にオンタリオ州で設立されたエセックス・エネルギー社は、スマート・グリッドの発展から生じる多様な需要に応じて、配電技術、再生エネルギーの開発、電力の保存や需要の管理、スマート・グリッドのソフトウェア開発など最先端のエネルギー技術を提供する企業です。同社が開発したスマートマップ(SmartMAP)は、配電システムの地域別分析をリアルタイムに提供し、高度なシミュレーションによって電力供給者が配電システムの状況をより良く把握することを可能にするソフトウェアです。このソフトウェアは配電ネットワークの問題を識別するだけでなく、正確な場所を示してネットワークへの影響を計算することも可能です。停電時における最善の復旧対処法やメールやSNSなどで利用者への通知、そして過負荷の可能性がある場合の注意喚起などによって、電力供給者は配電システムを最大限に利用することができます。
エセックス・エネルギー社のホームページ(英語): http://www.essexenergy.ca/
スマートマップの詳細について(英語): http://www.energy.gov.on.ca/en/smart-grid-fund/smart-grid-fund-projects/essex-energy-corp/
※為替レートは1カナダドル=104.5円で計算しています。
■オンタリオ州について
オンタリオ州はカナダ経済の中心地となっており、カナダ全体のGDPの37%、人口の39%、カナダの輸出品の38%がオンタリオ州に集中しています。あらゆる規模の事業者に対する財政面や事業面でのサポート体制、イノベーションや研究開発を促進させる資金支援プログラム、G7の中で最も高い教育水準を誇る労働力などをベースにして、オンタリオ州はカナダ最大の経済圏、かつ、北米でトップ7の経済圏となっています。
約200社の日系企業がオンタリオ州に投資しており、ホンダ、トヨタ、日産、三菱重工業、カプコン、コーエイ、アステラス製薬、武田薬品工業、キヤノン、住友精密などの主要企業が現地法人を置いています。2013年、日本はオンタリオ州の4番目の輸入相手国であり、8番目の輸出国です。また、同州への海外資本投資割合においても、日本は4位を占めています。2010年の日本の対オンタリオ州の輸入額は10億6,000万カナダドル、同輸出額は、91億6,000万カナダドルとなっています。
■オンタリオ州政府在日事務所について
オンタリオ州政府在日事務所(Ontario International Marketing Centre、東京都港区カナダ大使館内)は、日本とオンタリオ州の貿易・投資促進を図る目的で2006年2月、オンタリオ州政府経済開発省(Ontario Ministry of Economic Development, Employment and Infrastructure)によって開設されました。同在日事務所は、日本企業の投資誘致活動、オンタリオ企業・輸出業者への支援、日本の行政・媒体関係者の協調関係を深めるなど、様々な活動を通じてオンタリオ州の産業、ビジネスを紹介し、日加間のビジネス交流・貿易の促進に取り組んでいます。
同州政府は、最先端の電力システムの開発を支えるこれらのプロジェクトに約2,400万カナダドル(約25億800万円)の資金を提供し、350人以上の雇用の創出を見込んでいます。これによって、同州のこれまでの電力部門への支援総額は5,400万カナダドル(約56億4,300万円)になります。
今回の投資は、以下の新規エネルギー技術の開発を支援します。
・ エネルギー貯蔵: エネルギー貯蔵システムを設置し、必要に応じて電力を供給できるように送電網の信頼性や安定性を高めます
・ 電気自動車の統合: 利用者および電力供給者が電気自動車の導入に伴う充電など電力システムの課題を解決し、利用環境の改善を支援します
・ 「ビハインド・ザ・メーター(Behind the Meter)」: ビハインド・ザ・メーターという端末を設置し、電力使用状況の予測や電気代の上下変動に基づいて充電と放電を調整することで、消費者と電力供給者の情報交換を可能にし、送電システムおよびコスト管理の効率化を図ります
・ マイクログリッド(小規模発電網): 主要な電力供給網に依存しない小規模系統の発電やエネルギー貯蔵、負荷をサポートします
・ グリッド・オートメーション: 革新的なソフトウェアやハードウェアを使用して、システム・オペレーター(電力管理会社)が電力供給網の遠隔操作や管理を可能にします
・ データ分析: スマート・メーターなどで集められたデータを新しい方法で分析し、投資の判断材料やシステム性能の向上に役立てます
一方、同基金を通じて支援された早期のプロジェクトの成果が見え始めています。オンタリオ州ウィンザー市を拠点とするエセックス・エネルギー社(Essex Energy Corporation)*2は、スマート・グリッド基金の支援で自社が開発したスマートマップ(SmartMAP)というソフトウェアを商品化しました。中規模の電力供給者はスマートマップを使って、スマート・メーターから収集した膨大なデータを分析し、配電システムの状態を確認しながら調整を行うことができます。その結果、電圧の問題、変圧器や電線の過負荷、そして停電の早期検知および対処が可能となり、電力供給者は配電システムを最大限に利用することができます。
コメント
「オンタリオ州を拠点とするスマート・グリッド(次世代送電網)のプロジェクトを支援することによって、雇用の創出に役立つと同時にオンタリオ州を北米の新しいエネルギー技術のリーダーにすることができます。これらのプロジェクトは革新的な技術の開発や経済発展、雇用創出に貢献するエネルギー部門が、長期的な好影響を享受できると期待しています。」
―オンタリオ州政府エネルギー省、ボブ・キアレッリ(Bob Chiarelli)大臣
*1 スマート・グリッド基金(Smart Grid Fund)について
スマート・グリッド基金は次世代のスマート・グリッド・ソリューションのテスト、開発、市場投入を行うオンタリオ州のプロジェクトを支援します。総額5,000万カナダドル(約52億2,500万円)のこのプログラムは2011年4月に発足以来、すでに11件のプロジェクトを支援し、600以上の雇用を直接・間接的に生み出しています。
スマート・グリッド基金に支援されているプロジェクトの詳細(英語):
http://www.energy.gov.on.ca/en/smart-grid-fund/smart-grid-fund-projects/
*2 エセックス・エネルギー社(Essex Energy Corporation)とスマートマップ(SmartMAP)について
2000年にオンタリオ州で設立されたエセックス・エネルギー社は、スマート・グリッドの発展から生じる多様な需要に応じて、配電技術、再生エネルギーの開発、電力の保存や需要の管理、スマート・グリッドのソフトウェア開発など最先端のエネルギー技術を提供する企業です。同社が開発したスマートマップ(SmartMAP)は、配電システムの地域別分析をリアルタイムに提供し、高度なシミュレーションによって電力供給者が配電システムの状況をより良く把握することを可能にするソフトウェアです。このソフトウェアは配電ネットワークの問題を識別するだけでなく、正確な場所を示してネットワークへの影響を計算することも可能です。停電時における最善の復旧対処法やメールやSNSなどで利用者への通知、そして過負荷の可能性がある場合の注意喚起などによって、電力供給者は配電システムを最大限に利用することができます。
エセックス・エネルギー社のホームページ(英語): http://www.essexenergy.ca/
スマートマップの詳細について(英語): http://www.energy.gov.on.ca/en/smart-grid-fund/smart-grid-fund-projects/essex-energy-corp/
※為替レートは1カナダドル=104.5円で計算しています。
■オンタリオ州について
オンタリオ州はカナダ経済の中心地となっており、カナダ全体のGDPの37%、人口の39%、カナダの輸出品の38%がオンタリオ州に集中しています。あらゆる規模の事業者に対する財政面や事業面でのサポート体制、イノベーションや研究開発を促進させる資金支援プログラム、G7の中で最も高い教育水準を誇る労働力などをベースにして、オンタリオ州はカナダ最大の経済圏、かつ、北米でトップ7の経済圏となっています。
約200社の日系企業がオンタリオ州に投資しており、ホンダ、トヨタ、日産、三菱重工業、カプコン、コーエイ、アステラス製薬、武田薬品工業、キヤノン、住友精密などの主要企業が現地法人を置いています。2013年、日本はオンタリオ州の4番目の輸入相手国であり、8番目の輸出国です。また、同州への海外資本投資割合においても、日本は4位を占めています。2010年の日本の対オンタリオ州の輸入額は10億6,000万カナダドル、同輸出額は、91億6,000万カナダドルとなっています。
■オンタリオ州政府在日事務所について
オンタリオ州政府在日事務所(Ontario International Marketing Centre、東京都港区カナダ大使館内)は、日本とオンタリオ州の貿易・投資促進を図る目的で2006年2月、オンタリオ州政府経済開発省(Ontario Ministry of Economic Development, Employment and Infrastructure)によって開設されました。同在日事務所は、日本企業の投資誘致活動、オンタリオ企業・輸出業者への支援、日本の行政・媒体関係者の協調関係を深めるなど、様々な活動を通じてオンタリオ州の産業、ビジネスを紹介し、日加間のビジネス交流・貿易の促進に取り組んでいます。