創刊30周年を迎えた生活情報誌『オレンジページ』に新編集長が誕生!
[15/12/25]
提供元:@Press
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株式会社オレンジページ(東京都港区)が発行する、生活情報誌『オレンジページ』は、2015年で創刊30周年を迎えました。そしてこの秋、新編集長が誕生。就任したのは、入社以来『オレンジページ』で約24年間の編集者人生を送ってきた鈴木善行。『オレンジページ』を知り尽くした鈴木が考える、今後の展望を聞きました。
「とにかく試しに試す。創刊以来の姿勢はこれからも変わりません」
社内のテストキッチンで、掲載する料理をすべて試作・試食するのが、オレンジページの変わらぬ方針。「とくに他社の編集者から驚かれますが、料理だけでなく、そうじグッズやリースなどの手作りものなど、すべて実際に編集部員が試してから掲載しています」(鈴木)。
2013年11月2日号から、料理を試作したときの気づきを〈編集部試作メモ〉としてページの隅につけたところ、実際に調理するときの参考になると読者に好評。「料理以外のページでも、試作メモや取材メモを新たに追加することにしました。編集者が体験したからこそ分かるリアルなつぶやきを小さいスペースながらも届けていきます」(鈴木)。
※メモの内容は、実際に作って食べた味の感想から、試作の中で発見した失敗なく作れるポイントやコツ、取材で感じた驚きなど多岐に渡る。「メモを読んでたら、自分も作りたくなった」という声も。
「編集部員みんなに、毎月1軒、お宅訪問をお願いしました」
鈴木が編集長になって決めたことがある。それは、鈴木はじめ編集部員が、毎月1軒お宅訪問すること。対象は『オレンジページ』読者だけに限らない。暮らしを営むすべてのお宅だ。「根掘り葉堀り質問して、ネタを探してきてということではないんです。その人がどんな服を着て、どんなインテリアの部屋で、どんな話をするのか、その家だけの〈空気〉や〈ギャップ〉を感じてほしい」(鈴木)。大そうじ企画に延べ22回も関わり、足を運んだお宅が50軒以上になる鈴木ならではの方針だ。「手作りの料理を家族に食べさせたいと話すわりにキッチンはピカピカで、冷蔵庫には冷凍食品や総菜のパックがたくさんあったり、服もインテリアもこだわっているのになぜかトイレだけファンシーな飾りつけだったり。そういうギャップがどのお宅にもある。こだわりや悩みもそれぞれ違う。また、好きなものも家族や家の中の場所によって違う。同じタイプのお宅は1軒もないんです」(鈴木)。
先日、編集部員からお宅訪問の報告を受けた。4人家族のお宅、リビングの写真には大きなクリスマスツリーと2人の子どもの机。「このお宅では、子どものことを第一に考えて暮らしているんだなとわかります」(鈴木)。そこから、家族で過ごす時間や、イベントを大切にしていることがイメージできる。クリスマスにはテーブルに何品も料理が並ぶことだろう。でも、インテリアにあまりこだわっていない様子なのは、そこまで手間をかけられないからかもしれないetc.実際にお宅訪問してきた部員は、もっといろいろな〈空気〉や〈ギャップ〉を感じてきたに違いない。
『オレンジページ』で取りあげるテーマを検討するとき、迷ったらこのお宅訪問で出会っただれかの顔を思い浮かべることがきっと一助となる。「この企画ならあの人が喜んでくれそう、この企画ならあの人に刺さりそう、そういうリアルな〈あの人〉を増やしていくことが、生活情報誌を作る僕らの財産になると考えています」(鈴木)。
『オレンジページ』では、企画を考える際、6万人のモニターにアンケートをとり、あらかじめ実態を把握することをふだんからしている。ただ、アンケートでは、どっちだろうと悩みつつYESかNOのどちらかにチェックをすることがある。その間の〈あいまいな部分〉をお宅訪問ですくいあげたいとも鈴木は言う。
「雑誌を買ってもらうのが僕らのゴールじゃないんです」
入社以来「半歩先の情報を」と先輩から言われ続けてきた鈴木。「自分なりに具体的にどういうことなんだろうってずっと考えてきました」。その24年目の答えは……。
「読者が今までやったことのないレシピやアイディアを目にして、「おもしろそう! 今日やってみよう」と思う。そして、その日にすぐ試すことができる、そういう情報なんじゃないかと。それが日々の暮らしとかけ離れていてはいけないんです。だから、『オレンジページ』を買ってもらうのが僕らのゴールじゃない。読者から「作ってみた」「試してみた」って声が聞けたところで、ようやくゴールだなと思っています」(鈴木)。
■年に数回開催する書店キャンペーン(通称「デモ販」)では、オレンジページの社員自ら街の書店に立ち『オレンジページ』をアピールする。「読者の声を直接聞けて、本を手に取ったときの反応も見られる貴重な場。僕らも毎回、楽しみにしています」(鈴木)。
■新編集長として初めて手がけた『オレンジページ』2015年11月17号。「ふわとろパンケーキ」が表紙を飾り、SNS上で〈今売ってるオレペの表紙の攻撃力高い。〉〈表紙のパンケーキがフワフワすぎて思わず買っちゃった〉と話題になった。「これを表紙にもってくるかは、正直ギリギリまで迷いました。今までのオレンジページなら、特集以外の料理写真を単独で表紙にすることはあまりなかったので。でも、もっと直感的に訴えるものも出していこうかなと。最後は、自分が読者だったらどっちを選ぶ? という直感に従います」(鈴木)。
●鈴木善行(すずき・よしゆき)
新潟県出身。高校時代はボクシング部に所属、得意技は右フック。青山学院大学を卒業後、1993年(株)オレンジページ入社。大そうじ企画、収納企画をメインに『オレンジページ』、その後、美容雑誌『きれいになりたい』を担当。『オレンジページ』に戻り、副編集長、デスクを経て、2015年、編集長就任。3歳の息子の父でもある。
「とにかく試しに試す。創刊以来の姿勢はこれからも変わりません」
社内のテストキッチンで、掲載する料理をすべて試作・試食するのが、オレンジページの変わらぬ方針。「とくに他社の編集者から驚かれますが、料理だけでなく、そうじグッズやリースなどの手作りものなど、すべて実際に編集部員が試してから掲載しています」(鈴木)。
2013年11月2日号から、料理を試作したときの気づきを〈編集部試作メモ〉としてページの隅につけたところ、実際に調理するときの参考になると読者に好評。「料理以外のページでも、試作メモや取材メモを新たに追加することにしました。編集者が体験したからこそ分かるリアルなつぶやきを小さいスペースながらも届けていきます」(鈴木)。
※メモの内容は、実際に作って食べた味の感想から、試作の中で発見した失敗なく作れるポイントやコツ、取材で感じた驚きなど多岐に渡る。「メモを読んでたら、自分も作りたくなった」という声も。
「編集部員みんなに、毎月1軒、お宅訪問をお願いしました」
鈴木が編集長になって決めたことがある。それは、鈴木はじめ編集部員が、毎月1軒お宅訪問すること。対象は『オレンジページ』読者だけに限らない。暮らしを営むすべてのお宅だ。「根掘り葉堀り質問して、ネタを探してきてということではないんです。その人がどんな服を着て、どんなインテリアの部屋で、どんな話をするのか、その家だけの〈空気〉や〈ギャップ〉を感じてほしい」(鈴木)。大そうじ企画に延べ22回も関わり、足を運んだお宅が50軒以上になる鈴木ならではの方針だ。「手作りの料理を家族に食べさせたいと話すわりにキッチンはピカピカで、冷蔵庫には冷凍食品や総菜のパックがたくさんあったり、服もインテリアもこだわっているのになぜかトイレだけファンシーな飾りつけだったり。そういうギャップがどのお宅にもある。こだわりや悩みもそれぞれ違う。また、好きなものも家族や家の中の場所によって違う。同じタイプのお宅は1軒もないんです」(鈴木)。
先日、編集部員からお宅訪問の報告を受けた。4人家族のお宅、リビングの写真には大きなクリスマスツリーと2人の子どもの机。「このお宅では、子どものことを第一に考えて暮らしているんだなとわかります」(鈴木)。そこから、家族で過ごす時間や、イベントを大切にしていることがイメージできる。クリスマスにはテーブルに何品も料理が並ぶことだろう。でも、インテリアにあまりこだわっていない様子なのは、そこまで手間をかけられないからかもしれないetc.実際にお宅訪問してきた部員は、もっといろいろな〈空気〉や〈ギャップ〉を感じてきたに違いない。
『オレンジページ』で取りあげるテーマを検討するとき、迷ったらこのお宅訪問で出会っただれかの顔を思い浮かべることがきっと一助となる。「この企画ならあの人が喜んでくれそう、この企画ならあの人に刺さりそう、そういうリアルな〈あの人〉を増やしていくことが、生活情報誌を作る僕らの財産になると考えています」(鈴木)。
『オレンジページ』では、企画を考える際、6万人のモニターにアンケートをとり、あらかじめ実態を把握することをふだんからしている。ただ、アンケートでは、どっちだろうと悩みつつYESかNOのどちらかにチェックをすることがある。その間の〈あいまいな部分〉をお宅訪問ですくいあげたいとも鈴木は言う。
「雑誌を買ってもらうのが僕らのゴールじゃないんです」
入社以来「半歩先の情報を」と先輩から言われ続けてきた鈴木。「自分なりに具体的にどういうことなんだろうってずっと考えてきました」。その24年目の答えは……。
「読者が今までやったことのないレシピやアイディアを目にして、「おもしろそう! 今日やってみよう」と思う。そして、その日にすぐ試すことができる、そういう情報なんじゃないかと。それが日々の暮らしとかけ離れていてはいけないんです。だから、『オレンジページ』を買ってもらうのが僕らのゴールじゃない。読者から「作ってみた」「試してみた」って声が聞けたところで、ようやくゴールだなと思っています」(鈴木)。
■年に数回開催する書店キャンペーン(通称「デモ販」)では、オレンジページの社員自ら街の書店に立ち『オレンジページ』をアピールする。「読者の声を直接聞けて、本を手に取ったときの反応も見られる貴重な場。僕らも毎回、楽しみにしています」(鈴木)。
■新編集長として初めて手がけた『オレンジページ』2015年11月17号。「ふわとろパンケーキ」が表紙を飾り、SNS上で〈今売ってるオレペの表紙の攻撃力高い。〉〈表紙のパンケーキがフワフワすぎて思わず買っちゃった〉と話題になった。「これを表紙にもってくるかは、正直ギリギリまで迷いました。今までのオレンジページなら、特集以外の料理写真を単独で表紙にすることはあまりなかったので。でも、もっと直感的に訴えるものも出していこうかなと。最後は、自分が読者だったらどっちを選ぶ? という直感に従います」(鈴木)。
●鈴木善行(すずき・よしゆき)
新潟県出身。高校時代はボクシング部に所属、得意技は右フック。青山学院大学を卒業後、1993年(株)オレンジページ入社。大そうじ企画、収納企画をメインに『オレンジページ』、その後、美容雑誌『きれいになりたい』を担当。『オレンジページ』に戻り、副編集長、デスクを経て、2015年、編集長就任。3歳の息子の父でもある。