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14時半からの黒田総裁の講演内容が相場変動要因になるか

ランチタイムコメント
 日経平均は反落。52.97円安の15895.32円(出来高概算9億5000万株)で前場の取引を終えている。15日の米国市場は、FOMC(連邦公開市場委員会)を前に手控える向きが多く売りが先行。スコットランドの独立を問う住民投票に対する警戒感などもあり、高安まちまちだった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比40円安の15840円だったこともあり、利益確定の売りが先行した。
 しかし、下を売り込む流れにはならず、その後は寄付きを挟んでの50円程度の狭いレンジ内でのこう着が続いている。指数インパクトの大きいところでは、中国アリババの仮条件引き上げを受けてソフトバンク<9984>が買い気配からのスタート。その他、信越化<4063>、TDK<6762>、KDDI<9433>、セコム<9735>、ソニー<6758>などが堅調。一方で、ファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、ダイキン<6367>などが冴えない。
 セクターでは情報通信が1%超の上昇となったほか、空運、卸売、水産農林、その他製品、サービスなどが小じっかり。半面、不動産、非鉄金属、ゴム製品、証券、銀行、ガラス土石、保険などが冴えない。東証1部の騰落銘柄は、値上がり値下がり数が拮抗している。
 日経平均は狭いレンジ内でのこう着が続いている。国際展開する巨大銀行の資本規制が一段と強化されると報じられるなか、メガバンクが軟調。円相場が1ドル106円台をつけてきており、トヨタ自<7203>など自動車株なども冴えないなか、ソフトバンク<9984>が日経平均を下支えしている状況。また、理化学研究所と先端医療振興財団は、世界で初めてiPS細胞を使った患者への移植を実施したとの報道を受けて、バイオ関連の一角が堅調である。ミクシィ<2121>などゲーム株の一角も動意をみせている。
 やや手掛けづらさが窺えるが、ソフトバンクが強含みで推移していることから投資余力が拡大し、バイオ・ゲーム関連など中小型株物色への安心感にもつながっているようである。銀行や不動産などの弱い値動きもあり、日経平均はこう着が続きそうだが、ソフトバンクの底堅い値動きが続く局面においては、先高期待は後退しないだろう。また、黒田日銀総裁の講演が14時半から予定されており、相場の変動要因になる可能性も意識しておきたいところ。(村瀬智一)

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