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プラスに転じるか、後場は日銀のETF買い入れへの思惑

ランチタイムコメント
 日経平均は小幅に下落。21.22円安の17774.51円(出来高概算11億5000万株)で前場の取引を終えた。米株安の流れを受けて売りが先行したが、シカゴ日経225先物清算値が大阪比325円安の17525円に対して、大阪225先物は17630円で始まるなど底堅い値動きに。その後もじりじりと下げ幅を縮める展開となり、この流れを受けて円相場は対ドル、対ユーロともに円安に振れて推移している。
 セクターでは精密機器、医薬品、小売、空運、倉庫運輸、電力ガスなどが堅調。一方で、その他製品、機械、海運、不動産、銀行、電気機器などが冴えない。東証1部の騰落銘柄は、値下がり数が全体の過半数を占めている。指数インパクトの大きいところでは、ソフトバンク<9984>、ファナック<6954>、キヤノン<7751>、日立建機<6305>などが軟調。半面、ファーストリテ<9983>、中外薬<4519>、富士フイルム<4901>などの上昇で下支え。

 日経平均は米国市場の連日での下げに対し、さすがに弱含みとなるとみられていたが、予想以上の底堅さである。年金資金と見られる買いが断続的に入っているとの観測もあるが、TOPIXが小幅ながらマイナスで前場の取引を終えており、後場は日銀のETF買い入れへの思惑も加わる。
 日経平均は5日線での底堅さがみられており、さらに連日の高値を捉えてくるようだと、ショートカバーの動きなども誘い込みそうである。また、決算発表が本格化する中、予想されていたとはいえ、株主還元策等を充実させてくる企業が目立つ。決算内容がマイナス要因だとしても、増配等や自社株取得などの発表が悪材料を吸収している。また、足元で調整が長期化していた銘柄等は需給整理が一巡しており、これらの材料は仕切り直しも意識され、強く反応しやすい。(村瀬智一)

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