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日経平均の上昇ほどマーケットの強さは感じづらく

ランチタイムコメント
 日経平均は続伸。145.93円高の16744.60円(出来高概算7億5000万株)で前場の取引を終えた。欧州金融リスクがくすぶるなか、米国市場は反落となったが、原油相場の上昇や9月の米ISM製造業景況指数が予想を上振れたことが材料視されている。また、為替市場では1ドル102円台と円安に振れて推移していることも安心感につながっている。16600円を回復して始まった日経平均は、その後もじりじりと上げ幅を拡大させており、前引け段階できょうこれまでの高値で取引を終えている。

 セクターでは銀行が上昇率トップ。鉄鋼、海運、精密機器、輸送用機器、鉱業、証券、非鉄金属、その他金融、電気機器が堅調。半面、電力ガス、食料品、その他製品、空運、不動産、情報通信が小安い。東証1部の騰落銘柄は、値上がり数が全体の6割を占めている。規模別指数は大型、中型、小型株指数いずれも上昇している。

 日経平均は寄付き後も順調に上げ幅を拡大させ、25日線を捉えてきている。一目均衡表では雲を上放れる形状から基準線を捉えている。遅行スパンは実線の切り上がりに沿った上昇と、理想的なリバウンドをみせている。ただし、東証1部の出来高は7億5000万株、売買代金は7790億円程度と低水準であり、指値状況の薄いところをインデックスに絡んだ商いで押し上げているようである。指数インパクトの大きいファーストリテ<9983>、東エレク<8035>、ファナック<6954>、TDK<6762>が日経平均を押し上げており、それ程大きなエネルギーは必要ないようだ。

 その他、ノーベル医学・生理学賞の受賞者に、細胞が不要になったたんぱく質などを分解する、「オートファジー」と呼ばれる仕組みを解明した東京工業大学栄誉教授の大隅良典さんが選ばれたことから、バイオ関連の一角に個人主体の資金が集中している。一方でその他に広がりづらいようであり、利益確定に押される銘柄も目立つ。日経平均の上昇率に対して、マザーズ指数、ジャスダック平均は出遅れており、日経平均の上昇ほどマーケットの強さは感じづらそうだ。
(村瀬智一)


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