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27000円の攻防もいったんは利益確定を意識させるか

オープニングコメント
 30日の日本株市場は堅調な相場展開が見込まれる。27日の米国市場はNYダウが37ドル高だった。トランプ大統領が来週にも新型コロナウイルスワクチン供給が可能となる可能性に言及したことが好材料視されたほか、感謝祭当日の小売り各社オンライン売上が過去最高規模を記録し消費への懸念が後退した。シカゴ日経225先物清算値は大阪比145円高の26775円。円相場は1ドル104円00銭台で推移している。

 シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行の展開となり、日経平均は27000円を意識した相場展開が期待されそうである。米国の年末商戦が予想されていたもののネット通販の売上好調が伝わっていることもあり、買い安心感につながりそうである。また、トランプ大統領による発言からワクチン供給への思惑も高まりやすく、売り方の買い戻しの流れが一段と強まりやすいところであろう。

 年初からのS&P500の上昇率は11%であり、ドル建て日経平均が17%と大きくアウトパフォームしている状況において、海外勢による日本株組み入れ比率を引き上げざるを得ない状況と考えられるため、海外勢による買いへの思惑が引き続き高まりやすいところである。一方で、日経平均は25日につけた26700円を突破してくる可能性が高く、いったんは利益確定のタイミングとなることも考えられる。

 ワクチンへの期待が高まるものの、東京都の新規感染者数が最多を更新している状況の中において、飲食店などの閉店時間繰り上げやGo Toトラベルの感染拡大地域を出発地とする旅行制限も出てきている。今後3週間で感染を抑え込めないと年末商戦への期待なども後退しやすく、いったんは利益確定をしておきたいところでもあろう。

 また、急ピッチの上昇に対する過熱感が引き続き警戒されており、一気に利益確定の流れが強まる可能性も意識されている。ワクチン期待から積極的にショートを積み上げる流れこそないものの、買い方にとっていったんは利益確定を意識させてきそうである。また、日経平均の27000円接近場面においては、買い方にとってもヘッジしておきたいところであろう。個人主体の中小型株などについても、先高感が高まる中において利食いのタイミングを見極める流れが次第に高まってくる可能性はありそうだ。


<AK>

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