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NYの視点:3月のFOMC議事録は例外的にハト派

注目トピックス 経済総合

米国の債券相場は今まで、連邦公開市場委員会(FOMC)議事録の発表を受けて下落する傾向があった。バンクオブアメリカメリルリンチの過去2年間による調査で、議事録が公表された20日のうち債券相場下落の要因となったのは「18日あった」という。しかし、3月分の議事録に関しては例外的な動きとなった。米連邦準備制度理事会(FRB)が公表した3月18-19日に開催分のFOMCの議事録を受けて、FRBによる早期利上げ観測が後退し債券相場は一時上昇に転じた。

FOMCメンバーは議事録の中で、メンバー個々の見通しが「委員会は緩和姿勢を解消する」と間違って示唆されることに懸念を表明しており、市場にこういったシグナルを送ることを回避したいと考えていたことが明らかになった。メンバーはこの見通しが昨年12月以降の労働市場の改善を正当化したものにすぎず、緩和策の解消と見る必要はないと強調。

イエレンFRB議長はFOMC後の記者会見において、メンバーの予想が政策に大きな意味を持たないことを強調することにより、FOMCが緩和策を解消するとのシグナルを回避することに努めた。しかし、実際にはメンバーの懸念していたとおり、このFOMCでより多くのメンバーが15年の利上げを予想したことが明らかになったため市場では早期利上げ観測が強まってしまった。

議事録ではまた、数人のメンバーが過剰に低いインフレを懸念していることや、中国
の成長鈍化を懸念していることにも言及されている。また、FRBが十分な刺激策を供
給しているかどうかに疑問を示したメンバーもいたことが明らかになったことは、
FOMCが依然、ハト派姿勢にあることを表明した。

■FOMC議事録でのハト派ポイント

*メンバーによる見通し

メンバーによる見通しが「委員会は緩和姿勢を解消する」との間違ったシグナルを送る危険性に懸念を表明しており、市場にこういったシグナルを送ることを回避したいとの意向が明らかになった。

*フォワードガイダンスに関して

フォワードガイダンスに関しては、ほとんどのメンバーが声明の中で新たなフォワードガイダンスが委員会の政策変更する意向を示唆するものではないことを明確に表示することを望んでいた。そうすることにより新たなフォワードガイダンスに関する誤解を防ぐことができる。

また、失業率が利上げを検討する目安となる数値ガイダンスの6.5%に近づいたことを受けて、フォワードガイダンス協議のため3月4日に特別会合を開催したことも明らかになった。

*低インフレ

*中国の成長鈍化

*不十分な刺激策

FRBが十分な刺激策を供給しているかどうかに疑問を示したメンバーもいたことが明らかになった。

*スタッフの見通し

スタッフは成長見通しにおいて最近の景気の弱さは悪天候だけが要因ではないと指摘した。実質国内総生産(GDP)の見通しでのリスクは若干下方に傾斜、特に経済がショックに持ちこたえるに十分な水準にないと見ている。

*イエレンFRB議長が言及した量的緩和第3弾(QE3)終了から6カ月後の利上げに関する表記は議事録の中にはなかった。



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