NYの視点:3名のFRBボードメンバー候補就任の遅れはリスク
[14/04/30]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
米上院銀行委員会は29日、オバマ米大統領が連邦準備制度理事会(FRB)副議長に指名したフィッシャー前イスラエル中央銀行総裁、理事に指名したブレイナード前財務次官、再指名したパウエル理事の人事を承認した。いずれも上院本会議での承認を経て正式に就任する。
承認を得るのはほぼ確実と見られているものの、関係筋によると真のリスクは上院本会議での承認採決が6月に先送りされることだという。スタイン連邦準備制度理事会(FRB)理事が5月28日で退任するため。もし、スタイン理事が退任する前に承認採決が実施されなければ、7つの理事席のうち、埋まっているのはイエレンFRB議長、タルーロFRB理事、パウエルFRB理事の3席だけという事態に陥ってしまう。このような事態は1936年以降80年ぶりだという。
このようにFRBボードが縮小した場合、資産購入ペースや利上げの時期など、政策の決定に影響を与える可能性は非常に少ないと見られている。ただ、中央銀行の日常業務に支障をきたすことが懸念されている。FRB理事は銀行の監督など様々な管理を運営している。スタイン理事が退任までに、ブレイナード、フィッシャー氏が承認されなければ、3名の理事の負担となる。採決時期の決定はリード米上院院内総務が共和党上院議員から合意を得なければならない。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は29日から30日にわたる2日間に開催する会合で回復を促進するため政策金利を当面、異例な低金利で据え置くことを再確認すると同時に、資産購入規模を100億ドル縮小する計画を継続すると見られている。
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