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NYの視点:米中古住宅販売、2007年以来で最悪のスタート

注目トピックス 経済総合

全米不動産業者協会(NAR)が発表した米国4月の中古住宅販売件数は前月比1.3%増の465万戸と年初来で最高となった。しかし、市場予想の469万戸に満たず6カ月連続で予想を下回った。春先の住宅販売シーズンのスタートとなる4月の中古住宅販売は前月からかろうじて増加したものの、前年比では6カ月連続で減少している。

異例な厳冬が通過。期待されていた通常より強い繰り延べ需要による住宅市場の活況が見られない。NARは依然、悪天候を理由にしているようだが、住宅市場は2007年以来で最悪のスタート。過去8ヶ月分の結果で7カ月、市場予想を下回った。健全な住宅市場では通常、住宅販売の大半を新規購入者が占める。新規購入が増えることにより、住宅市場が活性化するからだ。しかし、最近の傾向で新規購入は3月の30%から一段と減り29%と販売全体の3分の1にも満たない。現金での購入が半数を占めていることが、投機、投資目的の購入が主要となっていることを示している。個人投資家による現金での購入は全体の18%を占める。3月の17%から上昇。昨年の4月は19%だった。4月の統計によると、10人のうち7人の投資家が現金で住宅を購入している。

米国住宅市場の停滞は、イエレンFRB議長をはじめ連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーの懸念材料となっている。米国経済回復の鍵を握るとされる住宅市場の回復の停滞が続くと、利上げはかなり先送りされることになる。バーナンキ前米連邦準備制度理事会(FRB)議長は民間の講演で、「自身の生涯において政策金利であるFF金利誘導目標が長期的な平均である4%に戻ることはないと見ている」との見解を示したという。FRBが引き締めに転じたとしても金利の上昇ペースはかなり緩やかなものとなると予想される。

■中古住宅販売指数の不安材料

・地域別で北東部は6.3%、西部は10%、中西部は1.0%、南部は3.5%それぞれ昨年4月のペースを下回っている。
・正常な住宅市場ではなく、投資家や投機家市場となっている以下のような証拠が見られる。

*販売に対する在庫比率は5.9ヶ月、12年8月以来で最高となった。(3月5.1%)
*在庫は229万戸に増加。
*新規購入が売り上げ全体で占める割合は29%。現金での購入は32%。投資目的の購入は18%。
*投売り物件は全体の15%。
*中間価格は前年から5.2%上昇し20万1700ドルとなった。



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