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NYの視点:14年度相場のカタリスト、ECB期待裏切らず

注目トピックス 経済総合

ドラギ総裁が率いる欧州中央銀行(ECB)は定例理事会において、主要政策金利を含む3種の金利引き下げを決定した。ECBは主要政策金利を過去最低の0.25%から0.15%へ引き下げ。また、市中銀行から資金を預かる際の預金金利を現在の0%からマイナス0.1%に引き下げた。主要諸国の中央銀行では初めてとなる。さらに、ドラギECB総裁は的を絞る長期リファイナンシングオペ(LTRO)を含むパッケージを発表。これにより融資を活性化する。

ユーロ圏経済は過去最高水準で高止まりしている失業率や低インフレに直面。弱い需要が起因し、民間部門への融資を最終的に削減させている。ECBは融資の拡大を求めていたが、資本増強がいまだに必要である地域金融機関にとっては困難な状況となっていた。ドラギ総裁はまた、低インフレに対応するため現在実施しているSMP(国債購入策)の不胎化を一時中止することを発表。欧州の資産担保証券(ABS)購入に向けた準備作業を強化していることを明らかにした。米連邦準備制度理事会(FRB)型の資産購入(QE)の発表がなかったことは一部投資家の失望感につながったが、ドラギECB総裁は「ECBの措置は終了していない」、「広範な資産購入はひとつの選択肢」とし、追加緩和やFRB型のQEの導入も辞さない構えを示した。

ドラギECB総裁は欧州債務危機の際、ユーロ崩壊の警戒感が広がる中、「whatever it takes ユーロを救うため、どんなことでもする」と発言。欧州市場を救った。デフレ回避のため、同様の状況に置かれたドラギECB総裁は投資家がユーロの上昇見通しを払しょくさせるような断固とした行動を継続すると見られる。JPモルガンは年末のユーロ・ドル相場見通しを1.30ドルで据え置き。シティグループも特に高金利通貨に対してユーロが下落すると見ている。

本年のカタリストとなっていた欧州中央銀行(ECB)がついに積極的な緩和を実施。日本が続いて追加緩和を講じれば世界経済や金融資産市場の大きな支えとなる。



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