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NYの視点:米4-6月期GDPの奇跡に期待

注目トピックス 経済総合

米商務省が発表した米国の1-3月期実質国内総生産(GDP)確定値は前期比年率2.9%減と、予想の1.8%減をさらに下回り改定値の1.0%減から下方修正された。景気後退の最中2009年1-3月期以来で最低となった。また、修正幅は1976年に統計開始以来で最大。1947年に四半期ごとのGDPの統計が開始されて以来、米国経済はリセッション(景気後退)時、または、NBER(全米経済研究所)がリセッションを正式に発表する寸前を除いて、経済が1.5%以上のマイナス成長に落ち込んだことはない。

過去最大となった1-3月期の修正の主因は、通称オバマケアとして知られる医療保険制度改革の施行に伴う健康保険料支払いに絡んだ修正。当初、1-3月期GDPに1%プラスに寄与すると見込まれていたが、結局0.16%のマイナス寄与に終わった。PCE(個人消費支出)のGDPへの寄与度は0.7%と2009年以来で最低となった。エコノミストのGDP見通しは平均で4-6月期が3.5%増、7-9月期、10-12月期でそれぞれ3.1%増。このままだと、2014年は1.7%成長にとどまる。連邦公開市場委員会(FOMC)の見通し2.8-3.2%増も下回ることになる。2%成長を達成するためには今後、各四半期で3.6%の成長が必要。

ただ、4月のオバマケア絡みの消費は過去最高に達したことが明らかになっている。1-3月期のGDPを押し上げるはずだったPCE における400億ドルが今後のGDPを押し上げ、4-6月期のGDPが5%以上の成長を記録するとの楽観的な見方も少なくない。実際、金融機関は1-3月期の結果が「異常」だと判断、4-6月期のGDP見通しを逆に引き上げている。ゴールドマンサックスは4-6月期のGDP見通しを当初の3.8%増から4.0%増へ引きあげた。

マークイット・エコノミクスが発表した6月のマークイットサービス業PMIは61.2と、2009年に統計が開始されて以降最高となった。総合PMIも61.1と、過去最高。マークイットの分析をベースにすると4-6月期の国内総生産(GDP)が6%成長を示唆しているという。果たして、4-6月期に奇跡が起こるかどうかを見極める展開となる。



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