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NYの視点:ユーロ・ドルはパリティへ

注目トピックス 経済総合

欧州中央銀行(ECB)はキプロスで開催した定例理事会で市場の予想通り、政策金利を過去最低の0.05%に据え置くことを決定した。預金ファシリティ金利(下限、中銀預金金利)も-0.20%、限界貸出金利(上限)も0.30%で維持する。ドラギECB総裁はその後の会見で、前回1月の理事会で決定した量的緩和(QE)を9日から開始する方針を示した。ユーロ圏19カ国の中央銀行が国債など各月600億ユーロ購入していく。各国の国債を買うほか、欧州連合(EU)関連の国際機関が発行する債券や、これまで通り資産担保証券(ABS)などの購入も続ける。資産の購入は少なくとも来年9月末まで継続し、必要とあれば購入を継続する方針で総額は1兆ユーロを超える見込みとなっている。

購入する資産は投資適格級に限定。ギリシャやキプロスなど国際救済策の見直しが行われている諸国の債券は購入しない。ギリシャに関して、ドラギECB総裁は「条件が満たされればギリシャ国債への担保特例を再開し、7月または8月から債券を購入する準備がある」と述べた。同時に、ギリシャに同国の国内総生産(GDP)の68%にあたる1000億ユーロをすでに融資しておりユーロ圏のなかで最も高い比率であることを明らかにし、ECBがギリシャを十分に支援していることを強調した。

また、各月600億ユーロの規模を変更する理由はないとし、一部アナリストの「規模が目標に満たない」との懸念も後退。さらにECBの預金ファシリティ金利である-0.20%と同水準ならばマイナス金利の債券も購入する方針を見せた。このため、欧州諸国の長期債が上昇。利回りは低下しユーロ売りにつながった。ユーロ・ドルは11年ぶりの安値で推移している。欧州の金利先安感から、多くの市場関係者はユーロ・ドルが1.00ドルまで下落すると予想している。



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