NYの視点:ギリシャ交渉チーム再編へ、新たな合意期待
[15/04/28]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
ギリシャとユーロ圏や国際通貨基金(IMF)など債権者との協議が難航している。先週末のユーロ圏財務相会合で何らかの合意に達すると期待されていたが協議は進展せず、全ユーロ圏財務相がギリシャのファロファキス財務相の方針に反対したと報じられている。さらに、会合後には、万が一、協議が決裂した場合の「プランB」も作成されたという。ユーロ圏の債権者たちは、ファロファキス財務相ではなく、ギリシャの他の代表と交渉していたとも報じられている。
ユーロ圏財務相からのファロファキス財務相への批判を受けて、ツィプラス・ギリシャ首相はユーロ圏、国際通貨基金(IMF)の債権団との交渉を行うチームの再編を行った。新たな取りまとめ役としてツァカロトス外務副大臣を指名。ファロファキス財務相は引き続き新チームを監視していく相談役に退くことで合意した模様。ツィプラス首相は同時に、ファロファキス財務相を依然支持していく方針を表明した。
ツィプラス首相の支持率は依然高い。しかし、支持率が頭打ちとなった兆候が出始めていたことも、首相に交渉チーム再編の決心をさせた理由となった可能性がある。調査会社ALCOが実施した世論調査によると、政府の実績を不満とする回答者は全体の52%を占めた。満足している回答者は39%にとどまった。万が一、債権者がギリシャの提案を承認しなかった場合、50%の回答者はギリシャ政府が譲歩することを望んでいる。一方で、「決裂すべきだ」との回答は36%。また、ギリシャ国民の73%がユーロ圏残留を望んでいるという。ギリシャは新たな改革案を29日にも提出する予定だと報じられている。ギリシャ債券相場も上昇、利回りは欧州債務危機時2012年以来の高水準から再び低下した。改革案に関する交渉が決裂し、ギリシャが債務不履行、またはユーロ離脱の危機に直面するとの懸念が緩和した。
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