NYの視点:米国住宅市場の回復気配
[15/06/23]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
米国の住宅市場は販売のピークである春先を迎えて期待通りに回復している兆候が見られる。住宅市場の回復が思い通りに進まず懸念していた連邦公開市場委員会(FOMC)に安心感を与える。同時に、利上げを正当化する新たな材料にもなり得る。全米不動産業者協会(NAR)が発表した米国の5月中古住宅販売件数は前月比5.1%増の535万戸と、市場予想の526万戸を上回り政府が住宅購入者優遇措置を撤廃する直前の駆け込み需要が販売を押し上げた2009年11月以降で最高となった。
住宅価格は39カ月連続で上昇。NARのチーフエコノミストは「全国的に販売は好調」と述べた。中古住宅の供給は依然ひっ迫、新築住宅も依然不足しており、価格は今後も高止まりする可能性が強いと指摘。中間価格は昨年同月から7.9%増の228700ドル。投機・投資家による現金での住宅購入が67%と依然大半を占めていることは、住宅が完全に回復していない証拠となる。
ただ、住宅市場の健全性を判断する上で重要視される初めての住宅購入が全体に占める割合で、5月は32%と4月の30%から上昇。2012年9月以来で最高を記録した。このことは、住宅の回復が「本物」との見方を強め、FOMCの自信にもつながる。前年同月は27%だった。
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