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NYの視点:ギリシャ、第2回議会採決控え政局不安再燃も

注目トピックス 経済総合

欧州連合(EU)からのつなぎ融資でギリシャは、20日に欧州中央銀行(ECB)に償還期限を迎えた約35億ユーロの返済や国際通貨基金(IMF)に対し延滞していた20億ユーロの返済を完了した。これにより、ECBはギリシャの銀行への支援を拡大、IMFもギリシャ支援に再び参加が可能となった。ギリシャの銀行は3週間ぶりに営業を再開した。ただ、資本規制はひかれたまま。銀行取引の内容もまだ限られている。株式市場も先月29日以降休場したままで、取引がいつ再開されるかは定かではない。

3年間にわたる860億ユーロ規模の第3次救済策に関してはまだ難関が残る。交渉を進めるためには、ギリシャが厳しい緊縮策、改革のさらなる承認が必要となる。欧州中央銀行(ECB)の返済期日を控えて、ギリシャが先週実施した緊縮策に関する議会採決では与党内での意見が分かれたものの、野党の支持を得たため予想以上の大差で承認された。しかし、22日に実施される2回目の議会採決を控えて、政局不安が改めて強まっている。

ツィプラス首相は救済策関連の議会採決の前に同氏が党首を務める急進左派連合(SYRIZA)の支持を得ることに努めている。次回22日の議会投票で混乱を回避するため、政府は与野党の反対が多い農民対象の税率の引き上げや早期退職に関する新たな法案の採決を先送りすることを決定。しかし、与野党議員が強い反対を示しているこうした法案も数か月内に承認する必要がある。第3次救済策の交渉開始までの道のりは長い。

一部のEU高官は第3次救済策が3年間もたないか、または開始するかどうかさえも危ぶんでいる。深刻な景気後退に悩まされるギリシャ国民はすでに20日から導入されたレストラン、食料品などに課せられるVAT(付加価値税)の引き上げにさらに苦しめられている。ギリシャ懸念は完全に払拭できず、再び強まる可能性も除外できない。


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