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NYの視点:米JOLT求人で堅調な雇用市場を確認

注目トピックス 経済総合

米労働省が発表した6月JOLT(求人労働移動調査)求人件数は524.9万件と、市場予想の535万件を下回り過去最高となった5月分から減少、3月以来で最少となった。5月分は536.3万件から535.7万件へ下方修正された。内訳で、採用率(Hires rate)は3.7%と、5月の3.6%から上昇、2007年11月以来で最高を記録。危機前の水準3.8%にあと0.1ポイントまで迫った。

ただ、イエレンFRB議長が労働市場の健全性をはかる上で特に注目している退職率(Quits rate)は3か月連続で1.9%と、危機前の水準2.1%を目前に伸び悩んだ。また、解雇率(Layoffs/discharges rate)も1.3%と、危機前の水準1.4%を下回っているものの、5月の1.2%から再び上昇した。

一方、ドル高や人民元の切り下げがダブルパンチとなりその活動の鈍化が懸念されている製造業の6月の雇用は27.4万人と昨年9月来で最大の伸びを記録。採用率(Hiresrate)の引き上げにもつながり、懸念を払拭した。この結果は、先週末に米労働省が発表した7月の米雇用統計に続き、堅調な米国の雇用市場を確認するもので、利上げを正当化する。7月の雇用統計では、非農業部門の雇用全体の9%を占める製造業雇用が年初来で最大の伸びを示した。

ただ、ほとんどのアナリストの指摘では、年内の利上げ観測が強まっている米連邦準備制度理事会(FRB)や来年初めの利上げが予想されている英国中央銀行は、中国人民銀行(PBOC)の通貨切り下げによる影響が明確化するまで利上げを待つ可能性があると。

○イエレンFRB議長の雇用たるみダッシュボード

◎危機前に比べ状態が改善                 危機前の水準
7月雇用者数(Nonfarm payrolls):21.5万人(6月23.1万人) 6.18万人(上回る)
6月解雇率(Layoffs/discharges rate):1.3%(5月1.2%) 1.4%(下回る)
6月求人率(Job openings rate):3.6%(5月3.6%)    3%(上回る)

◎状態が危機前より依然悪い
7月失業率(Unemployment rate):5.3%(6月5.3%)    5%(上回る)
6月退職率(Quits rate):1.9%(5月1.9%)       2.1%(下回る)
7月広義の失業率(U-6):10.4%(5月10.5%)       8.8%(上回る)
6月採用率(Hires rate):3.7%(5月3.6%)       3.8%(下回る)
7月長期失業率(15週以上):41.5%(6月42.7%、前年47.8%) 19.1%(上回る)
7月労働参加率:62.6%(6月62.6%)           66.1%(下回る)



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