NYの視点:米国債の大幅増発観測
[21/05/31]
提供元:株式会社フィスコ
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注目トピックス 経済総合
米紙ニューヨーク・タイムズは27日、「バイデン大統領は2022年度の予算教書で6兆ドル規模の歳出を求める」と報じた。関連文書に基づく報道によると、2022会計年度(2021年10月−2022年9月)予算案では、連邦政府の歳出が6兆ドル規模に拡大するようだ。年間の財政赤字は今後10年間、1兆3000億ドルを超えるもよう。歳出額は2031年度までに8兆2000億ドルに拡大すると想定されている。予算教書の概要は28日に公表された。
市場関係者の間からは「歳出額は想定を上回っており、財源確保のために国債発行額は大幅に増加する」との声が聞かれている。国債の大幅増発は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも重大な影響を及ぼすことになりそうだ。国債買い入れ額を段階的に縮小することは大変難しくなり、状況次第では、長期金利の上昇を抑えるために、国債買い入れを増やすことも検討されるとみられる。
米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は25日、「今後数回の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で債券購入を縮小する適切な時期について議論を始めることができるかもしれない」と述べている。クラリダ副議長の見解は「今後入ってくる経済データ次第になると思う」と条件付きだが、米国債の大幅増発が避けられない場合、FRBは金融緩和策の縮小について議論を開始することは難しくなる。インフレ加速の可能性は低いものの、インフレ率がFRBの想定を超えるような状況となった場合、金融政策面で極めて難しい対応を迫られることになりそうだ。
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市場関係者の間からは「歳出額は想定を上回っており、財源確保のために国債発行額は大幅に増加する」との声が聞かれている。国債の大幅増発は米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策にも重大な影響を及ぼすことになりそうだ。国債買い入れ額を段階的に縮小することは大変難しくなり、状況次第では、長期金利の上昇を抑えるために、国債買い入れを増やすことも検討されるとみられる。
米連邦準備制度理事会(FRB)のクラリダ副議長は25日、「今後数回の連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で債券購入を縮小する適切な時期について議論を始めることができるかもしれない」と述べている。クラリダ副議長の見解は「今後入ってくる経済データ次第になると思う」と条件付きだが、米国債の大幅増発が避けられない場合、FRBは金融緩和策の縮小について議論を開始することは難しくなる。インフレ加速の可能性は低いものの、インフレ率がFRBの想定を超えるような状況となった場合、金融政策面で極めて難しい対応を迫られることになりそうだ。
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